定盤研磨とは
定盤研磨とは、測定工具である定盤の平面精度を上げるために研磨する加工技術です。
定盤は、機械装置の「加工」「組立」「実験」「検査測定」を行うための基準平面として使用されています。平面度の精度は、JIS規格により、3等級に分けられています。特に絶対平面を必要とする「組立」「検査測定」においては、高精度の研磨加工を求められます。
材質は、鋳鉄製、石製、セラミック製などが多く用いられています
定盤の用途、材質の種類により、研磨方法が異なります。
定盤研磨の使用用途
1. 箱型定盤
最も一般的な鋳鉄製の定盤です。検査測定から組立まで幅広く使用されています。他の定盤に比べ、比較的気軽に使用できます。
2. 精密定盤
検査を行う際の基準面として使われています。そのため、高い平面精度を求められます。表面は、きさげ加工により仕上げられます。
3. たたき定盤
板金作業での切断や曲げ作業、また溶接作業にも利用されています。平面精度は、精密定盤ほど高くありません。へール加工やフライス加工により仕上げられます。
定盤研磨の種類
定盤研磨には、主に「機械加工」「きさげ加工」の2種類の加工方法があります。
1. 機械加工
工作機械により仕上げます。主に「フライス加工」「へール加工」の切削加工により仕上げます。
- フライス加工による仕上げ:フライスという工具を回転運動させることで加工していきます。
- へール加工による仕上げ:平らに研いだバイトという工具を直線運動させることで加工していきます。
どちらも切削加工であるため、平面精度は、そこまで高くありません。箱型定盤やたたき定盤などに利用されています。
2. きさげ加工
工作機械によって仕上げた加工面をさらに高精度にするための加工です。きさげと呼ばれるスクレーパーという工具を使用します。手作業で行うことで工作機械では難しい、1ミクロン以下の高精度が得られます。
やり方としては、まず、加工面に塗料を塗り、薄く延ばします。次に、基準となる定盤をすり合わせます。そこで塗料が取れた部分は、角が出ているため、削り取ります。これを求める精度まで繰り返します。