静電気センサー

静電気センサーとは

静電気センサーは、測定対象物の静電気の量を測定する装置の一種で、表面電位測定器とも呼ばれます。帯電した物体の周囲に帯電量に比例した強さの電界が発生する現象を利用した非接触型のセンサーです。

静電気センサーは、金属だけでなく、プラスチック、ガラス、水など誘電体全般について静電気測定が可能です。設置型静電気センサの他に、ハンディタイプの静電気センサーもあり、測定したい場所をピンポイントで測定することができます。

静電気センサーは測定距離に依存しているため、測定距離を変えると表示電位も変化します。したがって精度の良い測定をするためには、設定した距離に固定して使用することが奨励されます。

静電気センサーの使用用途

静電気センサーは、半導体、電気機器、自動車、食品、医薬品など様々な産業分野の製造ラインで使用されています。

製造ライン内で静電気が発生すると、部品にホコリなどが引き寄せられて付着し、製品にゴミが付着・混入する危険性や、部品同士が反発してトラブルが発生する恐れなど、品質や歩留まりの問題に発展します。

そのため、製造ラインでは静電気の発生を防ぐ静電気対策が不可欠で、静電気対策を実施するためにも、製造ラインの各所で発生する静電気量を正確に把握する静電気センサーが必要とされるのです。

静電気センサーの原理

静電気センサーは、一般的に検出電極を含むセンサー部と検出した電荷を電圧信号に変換するアンプ部で構成されます。

帯電した測定対象物がセンサーに近づくと、センサー部は対象物からの電界を受け、静電誘導によって電界の強さに比例した誘導電荷が発生します。検出電極の手前にはチョッパと呼ばれる振動電極があり、これが静電界強度を周期的に変化させます。

このとき、誘導電荷も同様に周期的に変化して、検出電極とグランドの間に交流電流が流れます。この電流をアンプ部でインピーダンス変換して交流電圧信号として取り出し、測定対象物の帯電電位を求めます。

静電気センサーの使用上注意しなくてはならないのは、測定対象物の静電気量が同じであっても、静電容量が違うと求められる帯電電圧が変化するということです。例えば、測定対象物が金属に触れている場合、単独の場合と比べて静電容量が大きくなるため、帯電量が一定であっても測定値としての停電電位が低く換算されてしまいます。

参考文献
https://www.ekasuga.co.jp/study/electricity/electricity02/
https://www.keyence.co.jp/products/static/electrostatic/

電子サーモ

電子サーモとは

電子サーモとは、測定した温度に応じて電子サーモに接続した負荷を制御できる装置のことです。

高感度かつ高精度に動作するためとても信頼性が高く、機器の内部に温度測定用のサーミスタと負荷駆動用のリレーを搭載しています。電子サーモ内の制御回路が温度測定、負荷駆動を電子的に実施します。接続負荷としてヒーターやクーラーを用いることで、温度を一定の状態に制御することができるため、手間のかかる温度管理を自動で行い電気代などのコストを削減することも可能です。

電子サーモの使用用途

電子サーモは、測定した温度に応じて接続した負荷をON/OFFすることが出来るため、ヒーターやクーラーなどの冷暖房や空調などの機器を接続して、内部システムの温度をコントロールする用途に使用されています。

設定した温度を保ちながら、24時間体制で監視と管理を行うことが出来るため、電力コストを削減することができます。

温度管理が必要な環境において、農業や空調設備の分野など幅広い分野で使用されています。

電子サーモの原理

電子サーモは、サーミスタ、リレー、制御回路で構成されてます。

制御回路とサーミスタで現在の温度を測定し、制御回路とリレーで電子サーモに接続した負荷をON/OFF制御します。サーミスタは温度変化により、抵抗値が変化する特性を持った電子部品です。この温度と抵抗値の関係を利用して、制御回路が温度測定を行っています。

リレーは、コイルとスイッチで形成された電子部品です。コイルに電流を流すことで発生する磁力を用いてスイッチを切り替えます。

制御回路がサーミスタを用いて測定した温度とあらかじめ設定した温度を比較して、リレー内コイルの電流をON/OFFします。コイルの電流がON/OFFされる事で、リレー内のスイッチがON/OFFします。負荷を電子サーモのリレースイッチ側に接続することで、温度に応じたON/OFF制御が可能になります。

電子サーモの選び方

電子サーモを選ぶ際のポイントは下記の通りです。

1. 接点容量

接点容量とは、電子サーモが駆動可能な負荷の消費電流です。電子サーモによって接点容量が異なり、値は電子サーモ内のリレーに依存します。電子サーモの接点容量定格値より、ON/OFF制御する負荷の消費電流が高くならないように電子サーモを選定する必要があります。電子サーモの接点容量以上の負荷をON/OFFすると、電子サーモ内のリレーが壊れる可能性があります。

2. 測定範囲温度

電子サーモによって測定可能な温度範囲が異なります。測定温度範囲は電子サーモ内のサーミスタに依存します。測定する温度範囲に合わせて電子サーモを選定する必要があります。電子サーモによっては接続するサーミスタを取り換えできる物もあります。

3. 負荷作動パターン

電子サーモの負荷作動パターンは、加熱制御パターンと冷却制御パターンがあります。加熱制御パターンは、設定温度より現在温度が低い場合に負荷をONにすることが可能です。冷却制御パターンは、設定温度より現在温度が高い場合に負荷をONします。用途に合わせて電子サーモを選定する必要があり、電子サーモによってはスイッチで負荷作動パターンを切り替えできる物もあります。

4. 動作温度指示方式

電子サーモに接続した負荷のON/OFF動作する温度を設定する方式はアナログ設定方式とデジタル設定方式の2つです。

アナログ設定方式は、電子サーモのジョグダイヤルを回して動作する温度を設定します。デジタル設定方式は電子サーモのディスプレイを見ながら動作する温度を設定します。デジタル設定方式の方が扱いやすいですが、コストがアナログ設定方式に比べて高いです。

参考文献
https://www.engei.net/Browse.asp?ID=40011
https://www.shibaura-e.co.jp/products/what_thermistor/
http://www.saginomiya.co.jp/auto/searchresult02.php
http://www.nowden.co.jp/products/index09.html
https://www.e-aircon.jp/abouts/words/%E9%9B%BB%E5%AD%90%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%A2.html
https://www.fa.omron.co.jp/products/family/2065/

圧着ソケット

圧着ソケットとは

圧着ソケットとは、配管の漏水修理を素早く行うための漏れ止め器具です。

配管の中身を抜かずに漏水補修ができるため、設備の稼働を停止することなく漏水補修ができます。また、取り付け、締め込みが非常に簡単なので、5〜10分という短い時間で補修作業を終わらせることができます。

直管部だけでなく、直管同士をまっすぐ接続するソケット、角度を変えて接続するエルボ、T型形状のチーズなど、様々な形状の継手部でも直管部同様に漏れ止めできます。

圧着ソケットの使用用途

圧着ソケットは、配管の中身を抜かず、設備運転中でも素早く漏水補修ができることが最大の特長です。したがって、ホテル、病院、マンション、工場など、突発的な漏水が発生しても設備を止めることができない場所で、漏水補修作業に使われています。

また、配管の取り替えが難しい場所の補修、配管取り替えまでの一時しのぎとして使用されることもあります。

圧着ソケットの用途は補修なので、通常の配管接続のためには使用できません。

圧着ソケットの原理

圧着ソケットには、修理する配管の材質と形状によって、様々な種類があります。

配管の材質に対しては、鋼管用、銅管用、塩化ビニル菅用があります。鋼管は、炭素鋼ステンレス鋼など多様な製品があり、石油やガスのパイプライン、上下水道、ビルの給水・排水、工場の配管など広い用途に使用されている配管です。銅管は、殺菌性と耐食性が高いというの性質を利用して、ビルの水道管などに使われる配管です。塩化ビニル管は、管内の抵抗が少なく耐食性も高いため、通気管、給水管、排水管に使われる配管です。

配管の形状に対しては、直管専用型、兼用型、マルチ継手型があります。直管専用は、直管の修理にのみ使用可能です。小さい漏れ穴程度のものから、腐食による長い漏れ箇所まで、様々な長さの圧着ソケットがあり、漏れのサイズによって選定することができます。兼用型は、直管だけでなく、ソケット、エルボ、チーズなど様々な形状の継手部にも対応できる圧着ソケットです。マルチ継手型は、継手のふちだけを圧着することで、兼用型でも対応できなかったバルブ、フランジなどの継手の圧着修理を可能にした圧着ソケットです。

圧着ソケットは配管の材質、形状の組合せで、鋼管直管専用型、鋼管兼用型、鋼管マルチ継手型、銅管直管専用型、銅管兼用型、塩ビ管兼用型があり、配管の修理箇所に適した圧着ソケットが使われます。

参考文献
https://www.kodama-industries.co.jp/products/
https://www.yamari-my.jp/crimping-socket

ロールクラッシャー

ロールクラッシャーとは

ロールクラッシャーとは、硬い対象物を圧縮粉砕するための機械のことです。

圧縮粉砕は円筒形の回転する筒 (ロール) を用いて行われます。一般的には2本のロールを用いて破砕を行いますが、1本のロールからなるシングルロールクラッシャーも存在します。シングルロールクラッシャーは柔らかい対象物に対して使用され、石灰岩や石炭など多種多様です。一方、2本のロールを用いる場合はロール同士が嚙み合うように回転させ、間に挟まった鉱石などの硬い対象物の圧縮粉砕が可能です。

ロールクラッシャーは鉱山や建設現場などで広く使用されており、鉄鉱石や非鉄金属、セメント、化学原料などの加工に利用されます。また、ロールクラッシャーは、破砕時に発生するダスト (粉塵) の発生量を抑えるために、水を散布することが一般的です。破砕された対象物をさらに加工するために、次の工程に進む前に必要な機械の一つです。

ロールクラッシャーの使用用途

ロールクラッシャーは、低い回転速度でも強力な破砕力を発揮するため、硬度の高い木材やコンクリート、石材、セラミックス、ガラスなどの素材を粉砕することが可能です。

また、電子部材や電池材料などの処理にも使用されます。粉砕力が強く、生産能率が高いことが特徴で、回転速度を上げることでさらに圧縮力を高め、能率を上げることが可能です。産業廃棄物の処理やリサイクル分野でも利用可能です。

例えば、焼却場や産廃収集所では大きな産業廃棄物を小さく粉砕し、効率的に処理するためにロールクラッシャーが使用されています。また、リサイクル分野でも使用済み製品を再利用する際に使用されます。例えば、自動車や建築材料のリサイクルでは、ロールクラッシャーを使用して素材の再利用が可能です。

ロールクラッシャーの原理

ロールクラッシャーは円筒形のロールを使用して圧縮作用を利用して対象物を破砕します。2本のロールが常に回転し、その間に破砕したい対象物を通過させることで、対象物にロールから圧力がかかり、押しつぶされて粉砕されます。

粉砕物の粒度は、かかる圧力の度合いやローラーの仕様によって変えることが可能です。圧力は、2本のロール間の隙間を変えたり、回転速度を調節させたりすることによって調節されます。また、ローラーの材質や形状によっても異なる粒度の粉砕物を得ることが可能です。

2本のロールのうち、片方はスプリング機構になっており、常に一定の間隔を保つことで、対象物を破砕する際に効果的な圧力をかけられます。また、許容量以上の対象物がロールの間を通過するのを防ぐことができます。

ロールクラッシャーの種類

ロールクラッシャーは主に2本ロールクラッシャー、四本ロールクラッシャー、ロールプレッシャー、ハイドロロールクラッシャーの4種類が存在します。

1. 二本ロールクラッシャー

2本のロールを使用して破砕するタイプで、圧縮作用を利用して破砕します。ロールの直径や幅、回転速度などによって、粉砕する物質の種類や粒度を調節することが可能です。

2. 四本ロールクラッシャー

2本のロールを重ねた構造を2組並べたもので、二重圧縮作用を利用して破砕します。粒度が均一になりやすく、効率的な粉砕が可能です。

3. ロールプレッシャー

ロールを使用して圧縮することによって、物質を圧延するタイプの機械です。金属や鉱石などの加工に使用されることが多く、高精度の加工が可能です。

4. ハイドロロールクラッシャー

水圧を利用してロールを回転させ、破砕するタイプの機械です。水の力を利用して強力な粉砕が可能であり、湿った素材や高い硬度の物質を破砕できます。

5. その他

上記のような種類以外にも、様々な種類のロールクラッシャーが存在します。例えば、二重ロールクラッシャーと呼ばれる二重のロールを使用するタイプや、ツインロールクラッシャーと呼ばれる二本のロールを使用して破砕するが、各ロールには異なる役割があるタイプなどがあります。

参考文献
https://www.weblio.jp/content/
http://www.maekawa-kogyosho.com/product/single/index.html
https://chukoh-seiki.com/product/pro_rollcrusher

リニパワージャッキ

リニパワージャッキとは

リニパワージャッキとは、直線作動機のことで主な部品であるボールネジあるいは台形ネジとウォームギヤを組み合わせたものです。

ジャッキとは、ねじや歯車、圧力などを用いて力を徐々にかけることにより弱い力でも重量物を持ち上げることができる起重機のことでリニパワージャッキは、直線状で作動させることができるものでシンプルで小型な設計となっており、経済的な点が特徴です。

リニパワージャッキの使用用途

リニパワージャッキの駆動の動力として直接モーターとリニパワージャッキを接続して使用することができます。

主に台形ねじ型では、台形ねじが滑り接触している点を生かして低頻度や低速の用途で用いられ、ボールねじ型では、超高速かつ高頻度の用途で用いられています。

使用環境に合わせて錆に耐性のあるステンレス製のねじ仕様のリニパワージャッキやクリーンルーム内で使用するために発塵が少量で済むld仕様のリニパワージャッキなどもあります。

リニパワージャッキの原理

リニパワージャッキは、ねじ部分と高精度なウォームギアによって構成されています。

ねじ部分は、ボールねじと台形ねじでそれぞれ特性と用途が異なります。ボールねじは、ねじ部分の形状から効率が良く駆動パワーが小さくても推力を大きくすることができ、高速で運転することも可能です。また、耐久性に優れ耐用年数が長く長寿命で使用することができます。

台形ねじは、滑り接触をしておりねじの形状的特徴から調心性に優れ、セルフロック性も備えているので荷重を支えることが可能です。一般的な右ねじ仕様だけでなく、同じ入力回転方向でありながら反対にねじが動く左ねじ仕様のジャッキがあり、一つのモーターでジャッキを複数台一度に使用する場合や入力回転方向が同じ方向でない場合などで使用することができます。

参考文献
https://www.tsubakimoto.jp/products/reference/6/info-jw-new/
https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/221303596427/
https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/221303596449/
https://www.tsubakimoto.jp/power-transmission/linear-actuator/jack/linear/
https://www.tsubakimoto.jp/power-transmission/linear-actuator/jack/linear/jwm/

ミーリングバイス

ミーリングバイスとは

ミーリングバイス

ミーリングバイス (英: milling vise) とは、工作物をフライス盤などに固定する加工治具です。

ミーリングは切削加工のことを意味し、日本ではフライス盤と同じ意味に使われます。ミーリングバイスは、フライス盤を使用した切削加工に用いられる治具です。

ハンドルが付いていて耐久性に優れ、頑丈で精度が高い設計となっています。バイス部分は、左右のどちらの方向にも360°回転できるタイプもあります。剛性が高く、強い力がかかってもワークを強い締結力で固定され、加工作業の効率化に寄与します。

ミーリングバイスの使用用途

ミーリングバイスは、主にフライス盤に設置して、素材を粗加工する場合に使用されます。様々な種類があり、精密バイスは、各部の直角度や平行度の精度が高い治具です。

また、2次元バイスは、2方向で角度調整を自在に行うことができます。3次元バイスは、3方向で角度調整を自在に行うことができます。

さらに、油圧を利用してより強固に固定できるものや口金の開度が大きく、様々な対象物に使用できるものがあります。

ミーリングバイスの原理

ミーリングバイスは、フライス盤によって切削加工する機械に特化したバイスです。本体と可動部分があり、ハンドルなどで可動部分を動かすことが可能です。

切削作業において、加工したい対象物をミーリングバイスの可動体と本体との間に設置し、可動部分をねじやハンドルなどによって移動させて隙間を小さくし、対象物を強く締め付けることで固定します。また、加工対象物を強く固定するだけでなく、耐久性にも非常に優れておりいます。

これは加工対象物を固定した後に、切削加工の際に衝撃をミーリングバイスも同時に受けるためです。熱や衝撃に強く、どこの部分も丈夫で堅固に設計されています。

ミーリングバイスの種類

ミーリングバイスの主な種類は、以下の通りです。

1. 精密ミーリングバイス

各部は頑丈で耐久性があり、平行度・直角度の精度が高いバイスです。フライス盤に取り付け、主に粗加工に使用されます。対象物の固定は、ねじを使用して締め付ける方式です。

浮き上がり防止機能付きがあります。対象物の締め付ける方向が水平ではなく、下のベース方向に向いており、ベースに確実に固定して、浮き上がりを防止します。

また、回転台付きがあり、上部バイス部は左右360°回転が可能です。口金の開度が非常に大きいスーパーオープンタイプも、精密ミーリングバイスの1つです。

2. 油圧ミーリングバイス

油圧ミーリングバイスは、口金を押す力に油圧を利用します。軽い力でも強力な締め付けが可能です。浮き上がり防止機能付き、回転台付き、スーパーオープンタイプなどがあります。

3. サインバイス

サインバイスは、ベースに対し傾斜をつけることが可能なバイスです。傾斜可能角度は45°程度です。

4. 2次元・3次元ミーリングバイス

2次元バイスは、傾斜角を付ける機能と、360°回転台を備えたものです。加工する部位を自在にセットできるため、複雑な切削加工、研磨加工、彫刻加工などに使われます。

3次元バイスは、360°回転台に、左右に45°、上下に90°まで傾ける台を設けたものです。

ミーリングバイスの選び方   

1. 対象物の大きさ

バイスを選定する場合、対象物を挟む口金の大きさの検討が重要です。口金の口開き・口幅・口深さが対象物に適しているかを検討します。

口幅より対象物の幅が大きいと、はみ出す部分がびびり振動を起こして、加工性が低下するためです。また、対象物の高さが、口深さより大幅に高い場合、口金から遠い場所でびびり振動が発生して、加工精度が落ちます。

2. 工作機械との整合

工作機械の種類や加工の方向などの影響があります。例えば、工作機械に縦型と横型があり、バイスの固定方向が機械の加工方向と合わせると、良い結果を出します。

ミーリングバイスのその他情報

ミーリングバイスの規格

ミーリングバイスの精度などは、日本工作機器工業会の規格TES2201があります。各部の平行度や直角度などの基準が定められています。

参考文献
https://www.fukudaco.co.jp/support/glossary/milling.html
https://www.esco-net.com/
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/055/
https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/223004932151/
https://www.nabeya.co.jp/search.php?action=Detail&Key=9107

ポータブル振動計

ポータブル振動計とは

ポータブル振動計とは、機械の振動測定と振動解析を行う持ち運び式の振動計です。

小型軽量で、手軽に測定しやすいパネルやボタンを備えているのが特徴です。そのため、現場ですぐに使いやすいです。構造物や機械装置が破損や異常停止などを引き起こす原因には、振動が大きく関わっています。ポータブル振動計を使うと、振動測定と振動解析を高い技術を必要とせずに手軽に行うことができます。

ポータブル振動計の使用用途

ポータブル振動計の使用用途

図1. ポータブル振動計を用いた3相モーターの振動測定

ポータブル振動計は、図1のような三相モーターなどの産業機械の点検や、製品ラインの製品検査点検に用いられます。

振動計は直接機器に取り付けて常時監視を行ったり、出荷・輸送環境などで据え置きで設置され、検査や研究開発などに用いられることもありますが、ポータブル振動計は持ち運びに特化しているため、巡回監視や点検、管理保全の場面で使用されています。

ポータブル振動計の原理

振動を表す尺度には、大きく「周波数」「振幅」の2つがあり、これらの測定処理をすることで振動を計測しています。

  • 周波数: 振動が発生している周波数。
  • 振幅: 振動の揺れの大きさ。

測定処理を行うには、まず振動を一定サンプリング周期で測定し、これらの値から変換して電気信号にします。多くの場合、この電気信号はアンプで増幅させてA/Dコンバータが計測しやすい値に処理されます。

この振動値を用いてフィルタリング処理を加えてノイズを除去し、振動の正確なレベルを測定します。これによって物体の振動している周波数と振幅が分かります。

加えて、高速フーリエ変換 (FFT) による解析処理などを行う場合もあります。FFTを行うと、どの周波数でどれくらいの振動が発生しているかが分かります。FFTによる解析処理は、異常な振動が発生した機械の測定においてよく用いられます。

これらの処理を行い、波形グラフや数値化によって可視化し、認識しやすい値に変換し、モニターに表示させています。ポータブル振動計は、小型でありながら多機能を保持しているため、モニター画面に効率よく数値を表示したり、Wi-Fi接続やSDカードでPCにデータを転送したりできるなどの工夫が施されています。

ポータブル振動計の種類

ポータブル振動計は大きく分けて「接触式」と「非接触式」の2種類があります。

1. 接触式タイプのポータブル振動計

加速度ピックアップタイプのポータブル振動計

図2. 接触式タイプのポータブル振動計

図2のような接触式タイプのポータブル振動計は、加速度ピックアップを備えています。加速度ピックアップを直接機械に取り付け、その振動を計測します。接触式タイプのポータブル振動計は、比較的安価で小型なことがメリットです。

2. 非接触式タイプのポータブル振動計

レーザードップラー振動計

図3. 非接触式タイプのポータブル振動計

図3のような非接触式タイプのポータブル振動計は、レーザードップラー振動計がよく使用されます。レーザー光を対象物に照射し、光のドップラー効果を利用して対象物の振動を計測します。

非接触式タイプのポータブル振動計は、非接触で振動を計測できるため、モーターの回転軸など回転している物体の計測が可能なことがメリットです。

参考文献
https://www.imv.co.jp/pr/naruhodo_vibrograph/chapter02/#section1
https://www.imv.co.jp/pr/naruhodo_vibrograph/chapter03/#section1
https://go.orixrentec.jp/rentecinsight/measure/article-26
https://svmeas.rion.co.jp/support/st_vibrations.aspx
https://www.tlv.com/ja/products/070000/070600/p070604/

ホットピンセット

ホットピンセットとは

ホットピンセット

画像出典元: Amazon

ホットピンセットとは、工具の先端部分がピンセット状になっているリペア用工具です。

はんだ関連の工具の一種で、直接チップやパーツをつかみ取ることができます。鉛フリーはんだにも対応可能です。電源が本体についているリモートスイッチ設計で、安全かつ省電力の仕様になっています。コンセントから電源を取れるため、場所を選ばずに使用できます。また、熱や摩耗に強く、アルカリや酸などに侵食されないこと、ヒーター部分にはんだが付着しないといった特徴があります。ピンセット部分の静電防止するものや、利き手に関係なく使用できるバリアフリー設計になっている製品もあります。

ホットピンセットの使用用途

ピンセットのように手の感覚を作業にそのまま伝えることができるため、SMD密集基板などの密度の高い部品にピンポイントで作業する際などに適しています。

基盤チップは、はんだ付けなどで基板上に溶着されているため、取り外す際は、はんだを一度溶かしてから取り外す必要があります。ヒーター部分とピンセット部分が一体化しているホットピンセットでは、ピンセット部分でチップ部品をつかみ、はんだをヒーターで溶かすことができます。このように基板を傷つけることなくチップをはがす用途で使用されます。

ホットピンセットの原理

電源などが集約しているステーション部分、電源の入切を管理するスイッチ部分、本体のヒーターユニット部分、作業を直接行うピンセット部分から構成されています。定電力制御方式を採用することにより、秒単位で熱を供給できます。

参考文献
https://www.monotaro.com/k/store/%E3%83%9B%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88/
https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/222000330383/
https://www.monotaro.com/p/1096/3705/
https://www.marutsu.co.jp/pc/i/72773/

ペンシルグラインダ

ペンシルグラインダとは

ペンシルグラインダとは、研削作業を行うための電動空圧工具のことです。

マイクログラインダとも呼ばれ、手持ちで使えるハンディタイプで、ペン型になった先端部分に工具を取り付けて研削作業を行います。空圧で加工するため、ホースチューブにつながった構造になっており、加工に合わせて適切な工具を取り付けて使用することが可能です。

ペンシルグラインダは、極細な加工作業に適しています。例えば、細かな部品の表面を研削する際には非常に便利です。また、硬い材料の加工にも適しており、研削だけでなく切削や研磨作業にも使うことが可能です。

また、取り付ける工具の種類が豊富であるため様々な加工作業に利用できます。例えば砥石や研磨材、カッターなどの工具を取り付けることが可能です。手軽に使える電動空圧工具でありながら、細かい加工作業に適しているため、様々な産業分野で利用されています。

ペンシルグラインダの使用用途

ペンシルグラインダは金型加工やバリ取り、錆取りの仕上げ・修正作業、研磨や面取り作業、彫刻や模様付け作業などの用途で使用されます。手で持って使うため、細部への加工作業に適しており、複雑な形状でも対応可能です。

高速回転で動作するため削りムラが発生しにくく、高精度に仕上げることが可能です。そのため、金属加工の現場では必要不可欠な工具の一つとして、広く使用されています。

また、バリ取りや錆取りといった作業では、加工部分を滑らかに仕上げられるため、製品の品質向上にも貢献します。さらに、研磨や面取り作業では、高速回転のおかげで素早く仕上げることが可能です。彫刻や模様付け作業では非常に高い精度で細かい部分まで加工できます。

ペンシルグラインダの原理

ペンシルグラインダは、動力と接続することで工具部分を高速回転させて研磨や切削加工を行います。

主に空圧を動力としているため、エアーコンプレッサーなどにチューブを直接つないで使用します。ペン型になっている本体と工具の取り付けが可能な先端部分から構成されています。手で握る部分には、滑り止めにゴムなどを使用してグリップ効果を高める仕組みです。

高速回転で動作するため、削りムラが発生しにくく、高精度に仕上げることが可能です。また、手で持って使用するため、細部への加工作業などに適しており、複雑な形状でも対応できます。ペンシルグラインダは、金型加工やバリ取り、錆取りの仕上げ・修正作業、研磨や面取り作業、彫刻や模様付け作業など様々な用途で使用されています。

ペンシルグラインダの種類

ペンシルグラインダは主にエアーペンシルグラインダ、電動ペンシルグラインダ、バッテリー式ペンシルグラインダの3種類が存在します。用途に応じて、適切なペンシルグラインダの選定が必要です。

1. エアーペンシルグラインダ

空気圧で動作するペンシルグラインダで、エアーコンプレッサーなどにより空気を供給することで回転します。小型軽量で、繊細な加工が可能なため、金型加工やジュエリー制作、歯科技工など幅広い分野で使用されています。

2. 電動ペンシルグラインダ

電源を利用して動作するペンシルグラインダで、電動ドリルのような構造になっています。エアーペンシルグラインダに比べて振動が少なく、安定した回転が得られます。加工能力も高く、自動車部品の加工や修正作業、模型製作などに使用可能です。

3. バッテリー式ペンシルグラインダ

充電式のバッテリーを利用して動作するペンシルグラインダで、電動ペンシルグラインダのような構造になっています。電源コードが不要なため、作業現場での移動や、野外作業に適しています。金型製造や工作、DIY作業などで使用可能です。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/vona2/fs_processing/T0800000000/T0807000000/
https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/223000673878/
https://www.monotaro.com/p/2416/6573/

プラグアンカー

プラグアンカーとは

プラグアンカーとは、コンクリートやALC、石材タイルなどの固い素材に対してボルトやビスを打つ際に、事前にドリルなどの工具で下穴を開け、差し込んで使用する棒状の器具のことです。

別名として、プラグやアンカーがあります。あらかじめ目標とする所定の場所にプラグアンカーを打ち込んでから、その場所にボルトやビスを打ち込みます。

プラグアンカーの使用用途

プラグアンカーは、仕様によって施工後でも寸切や六角ボルトなどを選定することが可能であるため、幅広い用途に用いられています。主に工事の現場で用いられており、具体的に以下の工事が挙げられます。

  • 建設工事
  • 衛生工事
  • 看板取付
  • 電気工事
  • 間仕切り工事
  • 機械設置工事
  • 冷暖房工事
  • 配管・配線工事
  • ガスや水道工事
  • 屋根工事
  • 照明機器の取り付け工事など

上記のように、幅広い工事が挙げられます。その他、固い素材に対してだけではなく、壁下地材としてよく使われる石膏ボード向けのボードアンカーもあります。

プラグアンカーの特徴

プラグアンカーは、直接コンクリートやALC、石材、タイルなどの固い素材に打ち込むため、錆に強いステンレスなどの素材を使用するのが一般的です。ステンレス素材を使用することによって、どのような条件下であっても、高い耐久性や保持力を確保できます。

プラグアンカーが固い材質の内部に食い込むことができるのには、先端の構造に特徴があります。プラグアンカーの先端部分は、スリットが入った形状です。くさびのような形をしているため、打ち込んで奥に入っていくほど先端部分が広がるようになっています。

この形状により、ハンマーなどでプラグアンカーをたたいて深く打ち込まれるほど、固定されていく仕組みになっています。中には、ケミカルアンカーといって強力な接着剤で固定するタイプもあります。

プラグアンカーの種類

プラグアンカーは何種類もありますが、工事現場でよく使われる製品を紹介します。

1. 本体打ち込みアンカー

アンカーの内部にネジ山が切ってあり、一般的なタイプです。下穴に本体を打ち込むと、下部にあるコーンと呼ばれる部品がアンカー本体を広げるため、壁に固定することができます。

2. 内部コーンアンカー

内部にコーンが仕込まれており、専用の打ち込み棒をハンマーを使用して取り付けます。構造上、外径が小さいので下穴も小さく済むことが特徴です。また、上向き施工も容易に行えます。

3. 芯棒打ち込み式アンカー

芯棒を打ち込むことによって本体が広がり固定することができます。ナットが付属しているため、ブラケットなどを直接固定することもできます。

4. ケミカルアンカー

下穴を掘り、薬品が入ったカプセルを入れ、固定したいボルトを挿入し、カプセルを割ります。化学反応が起こって接着剤に変化し、硬化することにより固定できます。

5. ボードアンカー

壁材として使われる石膏ボードに使用できるプラグアンカーです。石膏ボードは強度が無いため、額縁などを飾る際はこのボードアンカーを打ち込んで、フックなどを取り付けます。ただし、重すぎるものを固定したり、吊り下げたりすることはできません。

6. ALC用アンカー

ALC (軽量気泡コンクリート) と呼ばれる外壁材用のアンカーです。ALCにはコンクリートのような強度はなく、割れたり欠けたりしやすいので、必ずALC用アンカーを使用しする必要があります。

7. 溶接用アンカー

ネジ山が1つもない文字通り溶接用のアンカーです。鋼製建具の枠をコンクリート壁に取り付ける際、このアンカーを壁に打ち込み、枠とアンカーを溶接作業で固定をします。

8. カールプラグ

このプラグアンカーは、ビスを使用したい時に用いられます。アンカーと同じように下穴を開け、木ビスで取り付けたい物を固定します。重量物ではない電気・設備の配管材や器具を、コンクリート面やタイル、石材などに取り付ける時に重宝されます。

9. 中空壁アンカー

壁の向こうに何もない箇所でも、中空壁アンカーであれば使用することができます。本体ごとドライバーで回し込むと、壁の向こう側で爪が広がるため、石膏ボードを表と裏で挟むことで固定できます。

参考文献
https://anchor-birds.jp/products/plug_anchor/334.html