段付きドリル

段付きドリルとは

段付きドリルは、1本のドリルに異なる径の刃が段として2つ以上取り付けられたものを指します。

このドリルを利用することで、材料に異なる径の穴を開けられる他、一度に面取りまで完了できるというメリットがあります。

通常、材料に異なる径の穴を開ける場合には、それぞれに対応する2種類のドリルを使うため、加工の途中で軸がずれるリスクがあります。

しかし、段付きドリルであればその必要性が無く、より精度の高い穴開け加工が可能となります。 

段付きドリルの使用用途

段付きドリルは、ものづくりの現場で材料に切削加工(特に穴開け加工)を施したい場合に使用されます。

通常のドリルと違い、異なる径の刃が取り付けられているので、一度にこれらの穴を開けたい場合や、面取り加工を行いたい場合など、効率化を図る必要性が生じた場面で使用されています。

加工する材料に応じて段付きドリルの材質やコーティングなどを適切に選択することができ、その分ドリルの寿命も長持ちし、作業の生産性向上も期待できます。 

段付きドリルの原理

段付きドリルには、異なる径の刃が1本のドリルに取り付けられている特徴があります。

通常、材料に複数の径の穴を開ける場合には、まず特定の径のドリルで穴を開けます。さらにその上から、先ほどよりも径の大きなドリルで穴を開けるという工程です。

しかし、段付きドリルを使用すれば、1本のドリルで上記の工程を完了できるため、作業効率が向上するだけでなく、穴位置の加工精度も高まるという重要なメリットがあります。

類似のドリルとしてステップドリルがありますが、この場合、異なる径の刃が多数取り付けられており、これらは階段状(ステップ状)をなしています。その外観からタケノコドリルとも呼ばれます。

一方で、一般的な段付きドリルは小径と大径という2つの穴加工ができ、ステップドリルほどは多数の穴加工はできません。

ただ、ステップドリルは一つ一つのステップの深さが非常に浅く、厚い材料の加工には適さないのに対し、段付きドリルは比較的厚い材料であっても穴加工を施すことができます。

参考文献
https://saikenma.com/word/word-641/
http://www.t-yamakatsu.co.jp/product/drills/na_countersunk.html

ネスティングコンテナ

ネスティングコンテナとは

ネスティングコンテナとは工業製品等の保管に用いられるコンテナの一種です。

通常のコンテナは未使用時に積み重ねて保管することが想定されていませんが、ネスティングコンテナの設計には工夫がされており、空きコンテナの上に安定した形で積み重ねることが可能で、一部をはめ込むような形になるため、省スペースでの保管が可能です。

使用時に積み重ねて使用可能なものはスタッキングコンテナと呼ばれており、両方の性質を兼ね備えたものも存在します。

ネスティングコンテナの使用用途

ネスティングコンテナは主に工場内での部品保管や輸送等の目的で幅広く使用されています。

大きく分けてボックスタイプとメッシュタイプの2種類が存在し、ボックスタイプが主に工業部品等の保管、輸送に使用されるのに対し、メッシュタイプは生鮮食品や日配食品の輸送に好んで使用されます。

また、一部製品については多数を積み重ねて使用することを想定し、下の段にスライドさせて積み重ねることが可能なものも存在します。

ネスティングコンテナの特徴

ネスティングコンテナには繰り返し使用への耐久性と軽量性が求められるため、材質としてポリプロピレンや再生樹脂等が多く用いられます。

実際の使用現場で求められる使用感や視認性の向上のため、様々な形状を持った製品が発売されており、いずれも積み重ねることを想定し底の方がやや絞られた形になっています。また、着色しやすい素材の特長を活かし、豊富なカラーバリエーションが存在します。

大きさについても豊富な選択肢がありますが、その多くが食品向けのかご台車や工業向けのパレットに効率的な積載が可能なように設計されています。食品向けのメッシュタイプのコンテナについては食品クレートとも呼ばれ、業務効率化のために標準規格品の流通が試みられています。

未使用時のスタッキング可能なコンテナとしては他に折り畳み式のものがあり、そちらの方がより省スペースですが、折り畳みコンテナは組み立てが必要なのに対し、ネスティングコンテナは組み立てずそのまま使用することが可能です。

参考文献
https://www.sanko-kk.co.jp/products/sn_container/
https://www.std-crate.com/crate/standard
https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/817/
https://www.monotaro.com/s/c-129317/

コンベヤローラ

ローラコンベヤとは

ローラコンベヤ (英:roller conveyor) とは、筒状のローラを進行方向に直角に並べ、搬送物をその上を転がして運ぶ搬送機器です。

通常ものを運ぶ際は、まず荷物を持ち上げるためにかなりの力が必要です。ローラコンベヤを使用すれば、ローラを転がすだけで荷物を移動できるため、荷物の数が多いほど運ぶ時間を短縮できるメリットがあります。

ローラコンベヤの使用用途

ローラコンベヤの使用用途として多いのは、工場など一度に大量生産される場合や物流関係などです。荷物を一定のスピードで運ぶことができることは、運搬作業においてかなりの工数削減になります。

ダンボール箱等硬い製品の搬送に向き、柔らかい物の搬送は困難です。柔らかい物は、ローラとローラの乗り継ぎがうまくいかずローラの下に入り込む可能性があります。

ローラの回転力で荷物を推進させるため、ローラを使わない場合に比べ、作用する摩擦を10%程度に削減できます。さらに、人や機械で運搬するよりも安全に運搬できるため、工場の安全を確保するためにも必要な機器といえます。

ローラコンベヤの原理

ローラコンベヤは、ローラ、軸、軸受、シール装置、フレームなどで構成されます。ローラは軸の周りを軽く回転できるように、ボールベアリングなどで支持されます。軸受部にシールを設けて使用環境に対応が可能です。

ローラには、ストレートローラ、溝加工付きローラ、テーパーローラなどがあります。搬送物はローラ2本以上で支持するように、ローラのピッチを選定します。電動駆動のコンベアの駆動方法は、ローラにモーターを内蔵する方式、チェンやベルトでローラを駆動する方式などです。

ローラコンベヤの特徴

1. 動力不要

フリーコンベアは、駆動用の電力が不要で、低コストのコンベアです。水平設置して手押しで搬送したり、傾斜設置で自走搬送します。

2. 多種類

ローラの材質は、スチール、アルミニウム、樹脂などがあり、ローラ径・幅・ピッチ・軸受などが選択可能です。軽荷重用から重荷重用まで、形状も直線、曲線があり、駆動は手押し、傾斜自走、電動駆動など用途に応じて自由な設計ができます。

3. 無公害

塗装、表面処理、材質などは、EUの特別有害物質を含まないタイプもあります。環境に配慮したコンベアです。例えば、ローラの表面処理はノンクロム、ベアリングは3価クロメート、フレームは粉体塗装、ボルト・ナットは3価クロメート処理としています。

ローラコンベヤの種類

ローラコンベヤには、フリーコンベヤと駆動コンベヤの2種類があります。大きな違いは、荷物を運ぶための動力をモーターに頼っているか否かです。

ローラコンベヤに使用されるローラは、鉄製、アルミ製、樹脂製など様々な素材できたローラが使用され、運搬する荷物の重さなどによって使い分けられます。

1. フリーコンベヤ

フリーコンベヤは、グラビティコンベヤとも呼ばれます。ローラ滑り台のように重力によってローラを回転させて、荷物を搬送するものです。電力を使用しないため安価で、メンテナンスコストも有利なコンベアです。軽量の搬送物であれば、水平に設置して手押しで運搬することもできます。

コンベアを傾斜させて自走させる場合は、傾斜の角度設定が重要です。搬送物の種類や重量によって傾斜を変えます。例えば、プラスチック箱1~3kgの場合は5cm/m程度、10~30kgの場合は2.5cm/m程度の傾斜にします。また、鉄板で重量が300kgの場合は1.5cm/mの傾斜が適しています。

2. 駆動コンベア

一方、駆動コンベヤは、モーターによってローラを回転させることで荷物を搬送します。どちらのローラコンベヤも安定的に荷物を移動させることができますが、筒状のものを一定の距離に配置してその上をすべることで移動させるため、ローラの隙間に落ちてしまうような細かなものの搬送には不向きです。

コンベアの駆動方法は、チェン駆動、モータ内蔵ローラ、アキュームローラ、Vベルト駆動などです。

チェン駆動は、ローラにスプロケットを付け、モータからチェンを使用して駆動する方式で、大きな力を必要とする場合に適します。モーター内蔵ローラは、ローラ自体が回転するもので、比較的小さい駆動力です。また、アキュームローラは、チェン駆動コンベアの場合、ローラとスプロケットが滑る構造にして、搬送物の渋滞を解消させる方式です。

参考文献
http://www.maruyasukikai.co.jp/seminar/period1-1.html

カテゴリー
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Kreuzklemme

Was ist eine Kreuzklemme?

Kreuzklemmen sind Vorrichtungen, die dazu dienen, einen Stab oder eine Stange, die mit verschiedenen optischen Elementen gekoppelt sind, in einem festen Winkel in optischen Systemen mit Lasern und anderen Geräten zu fixieren.

Es gibt zwei Arten: feste und drehbare.

Bei der festen Ausführung kann der Winkel der Stange um 90° gedreht werden, während er bei der drehbaren Ausführung in jeden beliebigen Winkel gedreht werden kann. Die Methode zur Befestigung der Stange wird als Spaltklemmverfahren bezeichnet, wobei die in die Klammer eingeführte Stange vom Umfang her geklemmt wird und fest fixiert werden kann.

Anwendungen von Kreuzklemmen

Laserstrahlen werden zur Analyse verschiedener Materialien und zur Erzielung von Bestrahlungseffekten eingesetzt. Zur Führung des Laserstrahls vom Austritt bis zum Material werden verschiedene optische Elemente verwendet.

An den optischen Elementen sind Stäbe befestigt, deren Höhe und Winkel zur Einstellung des Strahlengangs verändert werden müssen. Feste oder drehbare Kreuzklemmen können dann zur einfachen Einstellung des optischen Weges verwendet werden.

Kreuzklemmen werden häufig von Herstellern optischer Geräte und im akademischen Bereich verwendet.

Funktionsweise von Kreuzklemmen

Eine Klammer ist ein Werkzeug zur Befestigung von Material an einer Werkbank oder ähnlichem. Im Bauwesen ist eine Klammer ein Werkzeug, mit dem Materialien an einem Tisch befestigt werden, während in der Medizin eine Klammer ein Werkzeug ist, mit dem z. B. ein Schlauch wie eine Schelle festgeklemmt wird.

Kreuzklemmen werden auch als Werkzeug zum Fixieren verwendet. Sie kommen vor allem bei optischen Geräten zum Einsatz und werden an Teilen wie Stangen und Stäben verwendet, die für die Befestigung optischer Elemente wichtig sind. Stangen werden häufig mit Durchmessern von 12 mm bis 20 mm verwendet.

Es gibt feste und drehbare Typen, wobei erstere nur rechtwinklig befestigt werden können, während der drehbare Typ eine Umstellung der Ausrichtung der Stange in jede Richtung ermöglicht. Je nach Situation, z. B. dem Winkel der Laseremission und dem Winkel der Materialoberfläche, sollte einer der beiden Typen gewählt werden. Aluminium wird häufig als Klemmenmaterial verwendet und ist relativ leicht.

Es hat eine Durchgangsbohrung, durch die der Stab eingeführt und von außen verschraubt werden kann, um den Stab fest zu halten (so genannte Spaltklemmmethode).

エアコンビネーション

エアコンビネーションとは

エアコンビネーションとは、空圧回路の中段に設置されるエアー用機器3つを指します。構成要素はフィルター、レギュレータ、ルブリケータです。『エアーの3点セット』とも呼ばれ、古くから使用されています。

主に空圧回路のおいてエアーの正常供給を目的に設置されます。使用圧力や使用空気量によって容量等を検討して設置します。保守の際には、フィルターに溜まった水分を抜き取り、ルブリケータの駆動油を補充する必要があります。

エアコンビネーションの使用用途

空圧装置が設置される場所で、エアコンビネーションユニットが設置されていないことは稀です。

電磁弁やエアシリンダー等、実際に駆動する空圧装置の前段に設置され、これらの装置の保護用途として重宝される空圧機器です。1つの直列な空圧回路に対して、複数台設置されることもあります。また、フィルターは水分除去、レギュレータは空圧の適正化、ルブリケータは駆動装置への給油を目的に設置されます。近年ではオイルフリーの空圧装置も多く販売されているため、ルブリケータを省略する場合もあります。

エアコンビネーションの原理

エアーコンビネーションは、フィルタ、レギュレータ、ルブリケータの3つの部品に分かれており、それぞれ役割があります。

フィルターは、初めに圧縮空気の水分を抜き取るための装置です。空圧回路に使用される圧縮空気は、湿気を多く含んでいます。このまま駆動装置に圧縮空気を導入すると、湿気によって駆動装置を腐食させます。また、駆動装置は円滑に動作するように内部にグリスを塗布されており、湿気によってそれらのグリスを洗い流してしまう可能性があります。そこで、フィルターによって先に水分を抜き取ってしまいます。

次に、レギュレータによって装置に最適な圧力を維持します。駆動装置は許容される空気圧力が決まっており、空気圧力が上限を超えた場合、駆動装置を故障させる恐れがあります。レギュレータによって減圧することで、過大な圧力が駆動装置に掛からないようにする役割があります。

最後に、駆動装置はあらかじめ内部にグリスを塗布されていますが、エアーの圧や湿気によって、徐々にグリスが少なくなってきます。このグリスを補完するべく、ルブリケータで駆動油を供給します。

このように、3つの要素によってエアー駆動装置の保全を図る部品がエアコンビネーションです。

 

盤用クーラー

盤用クーラーとは

盤用クーラーとは、制御盤内部を冷却するための機械装置です。

産業用制御盤は、内部にインバータやマグネットスイッチなどの発熱する装置が収納されています。簡単な制御盤の場合には、自然放熱だけで冷却することが可能です。ただし、インバータなどの発熱機器が多くなると、制御盤内部温度が上昇し、重要な電子部品を故障させてしまう恐れがあります。

盤用クーラーは、制御盤内部を冷却し、電子部品の故障を未然に防ぐために使用されます。適切な盤用クーラーを選択することで、機器の信頼性と効率性を向上させることが可能です。

盤用クーラーの使用用途

盤用クーラーは、さまざまな使用用途で活躍しています。以下は盤用クーラーの使用用途一例です。

1. 通信機器

通信基地局やデータセンターなどの通信機器は、高い負荷で長時間稼働することも多いです。これらの機器はデータの処理や通信の制御を行い、その過程で熱を発生します。盤用クーラーは、これらの機器の冷却に使用され、適切な動作温度を維持します。

2. 医療機器

医療機器は高度な制御や処理を行うため、冷却が重要です。手術室やMRI装置などの医療機器は高い電力を消費し、熱を発生させます。これらの機器は適切な冷却方法が必要です。

盤用クーラーを使用することで、内部温度を適正な範囲に保ち、正確な動作と信頼性を確保します。盤用クーラーは医療機器の冷却に使用され、患者の安全性と診断の正確性を確保する機器です。

3. 工場や産業施設

工場や産業施設では、多様な設備が使用されます。製造ラインや冷凍装置、ボイラーなどがその一例です。これらの設備は高い負荷で運転されるため、熱の発生が頻繁に起こります。

盤用クーラーは、これらの設備内の制御盤や機器の冷却に使用されます。効果的な冷却により、設備の信頼性を高め、生産の安定性を確保します。

産業用制御盤に多く用いられるプログラマブルコントローラは、使用温度が0~40℃程度と定められています。それ以上の温度となると信頼性を担保できなくなるため、盤用クーラーなどで温度を一定に保つことが重要です。

盤用クーラーの原理

盤用クーラーは、熱を効果的に除去するためにいくつかの原理を使用します。圧縮冷凍サイクルや空気流通などがその一例です。

一部の盤用クーラーは、圧縮冷凍サイクルと呼ばれる原理に基づいています。この原理は冷媒と呼ばれる特殊な物質を使用して熱を移動させる仕組みです。

冷媒は圧縮と膨張のプロセスを繰り返すことで熱を吸収し、放出します。冷媒は圧縮機で圧縮され、高圧の状態で熱を放出し、それから膨張弁を通じて低圧に戻されることが多いです。このプロセスにより、熱は周囲の空気から吸収され、内部の熱を取り除きます。

また、盤用クーラーは、内部の空気循環を促進するために設計されていることが多いです。通常は冷却ファンによって外部から空気を取り込み、内部の機器や制御盤に送り込みます。この空気の流れにより、熱が効果的に排出され、機器の冷却が実現されます。

盤用クーラーの種類

盤用クーラーには、冷却ファン型、熱交換器型、クーラー型の3種類があります。

1. 冷却ファン型

冷却ファン型は制御盤に給気口をあけ、冷却ファンを用いて外気導入することで冷却する方式です。最も安価で冷却性能にも優れ、産業機器に広く用いられます。ただし、外気を導入して盤内に粉塵を招く恐れがあるため、フィルタ取り付けなどの対策が必要です。

2. 熱交換器型

熱交換器型は、熱交換器と内気ファン、外気ファンに分かれます。内気ファンが制御盤内部の空気を循環させ、外気ファンで内気と外気を熱交換することで制御盤内を冷やします。

熱交換器が必要となり、冷却ファンタイプに比べて高価です。また、冷却能力も劣ります。その反面、外気を導入しないため、保守が比較的容易です。

3. クーラー型

クーラー型は、圧縮冷凍サイクルを持つ盤用クーラーです。冷媒を圧縮開放することで、さらに冷却能力を高めています。

ただし、上記2種に比べ圧倒的に高価で保守点検も専門知識が必要です。また、冷媒にフロンを使用した場合、第1種特定製品として扱われます。したがって、3ヶ月毎の簡易点検を法令で義務付けられます。

電力ケーブル

電力ケーブルとは

電力ケーブルとは、強電流電気を伝送するための電気導体で、導体を絶縁層で囲んだ上からシースと呼ばれる被覆がなされている電気導体です。

市街地や工業地帯などにおいて地中に埋設されて電力輸送しているもののほか、住宅や商業施設など建物内で電力を供給するものなどがあります。広い概念でいえば、コンセントに使用されているケーブルも電力ケーブルに含まれます。

電力ケーブルの使用用途

電力ケーブルは、市街地や工業地帯などにおいて地中に埋設されて電力輸送している高圧ケーブル、住宅や商業施設など建物内で電力を供給する低圧ケーブルとして使用されています。なお、電力の供給において、発電所から変電所へ電気を送ることを送電と言い、変電所で電圧を下げた電気を家庭や工場に配ることを配電と言います。また、配線とは、電灯や機械装置へ電気を導くことです。

高圧用ケーブルは、この送電に使用され、電力会社所有の配電線や構内配線から、ユーザー側の高圧用電気設備 (キュービクル) に接続するケーブルです。なお、遠方へのデータ送信にも利用されています。

一方、低圧ケーブルは、配電や配線に使用されています。住宅や商業施設などで電力を供給する低圧用ケーブルとして屋外でよく使用されるのは、絶縁層およびシースがビニル系のビニル系ケーブルや絶縁層およびシースがゴム系のゴム系ケーブルです。このビニル系ケーブルは、固定して使用される動力源に対して多く使用されています。シースが固くて衝撃に強く、獣害などにもさらされにくいのが特徴です。

ゴム系ケーブルは、通電したままケーブルを曲げることができるという特徴を持っています。このため、ケーブルベア内部やカーテンケーブル等、動力源が移動する場合に多く使用されます。また、可撓性が高く建物の隙間等の細い場所に入り込みやすいため、家庭用や高層ビルのオフィスなどでの使用に好適です。

電力ケーブルの原理

電力ケーブルの基本構造は導体の周りを絶縁層で取り囲み、これをシースにより被覆した構造です。この導体により電力を送電や配電、および配線します。

絶縁層があるので、安全に電気の漏れや周囲への磁界の発生などの影響を低減した状態で電力を供給可能です。さらに、シースにより被覆されているので、破損などからも保護されています。

電力ケーブルの種類

電力ケーブルは、大きく直流600V (交流750V) 以下で使用可能な低圧ケーブルとそれ以上の高圧ケーブルの2つに分けられます。なお、高圧ケーブルの中でも7,000V を超えるものは特別高圧ケーブルと呼ばれています。

1. 低圧ケーブル

低圧ケーブルの構造は、などよりなる導体を絶縁層で取り囲み、これをシースで被覆した構造です。絶縁層や被覆の材料によって名称や特性が異なります。例えば、銅製の導体を絶縁ビニルよりなる絶縁層で取り囲み、これをさらにビニルよりなるシースで被覆した構造のものはVCTやVCTFと呼ばれています。

なお、VCTは600V以下、VCFTは300V以下で使用可能です。このような電力ケーブルが使用される場合には、三相交流の電力源が多いため、電力ケーブル内にビニルにより絶縁された導体を3本、または接地用配線を含む4本が配されているものがほとんどです。

このほか、天然ゴムにより絶縁されてシースも天然ゴムよりなり、導体が1本の1CTや導体が2本の2CTなどもあります。さらには、高圧ケーブルでも使用されている導体を架橋ポリエチレンよりなる絶縁層で囲み、これをビニルよりなるシースで被覆した構造のCVケーブルも低圧ケーブルとして使用されます。

2. 高圧ケーブル

高圧ケーブルの基本的な構造は、銅製の導体を架橋ポリエチレンなどの絶縁層で囲み、これをビニルなどのシースで被覆した構造です。ただし、導体と絶縁層間に内部半導体層、絶縁層と被覆間に外部半導体層を有するのが特徴です。

導体と絶縁層には膨張係数の違いがあり、隙間ができてしまうことがあります。また、導体に凸部がある場合にも隙間ができます。このような隙間による部分放電を防止するのが内部半導体層です。また、外部半導電層を絶縁体の上に設けることで、電界を均一化させることが可能で、部分放電を抑えています。

なお、高圧ケーブルの中でも6,600V以上の電力ケーブルには、被覆と外部半導体層の間に遮蔽層が必要です。高圧ケーブルが供給する高電圧電力は通電時に周囲に強力な電磁波を発するため、遮蔽層が設けられています。もし、遮蔽が無ければ、周辺機器や周辺配線に高い誘導電圧を印可する可能性があり、人体に対しては、近づくだけで感電事故を発生させる恐れもあります。遮蔽を接地すると、誘導電圧を安全に大地に逃がすことが可能です。

参考文献
 https://www.swcc.co.jp/sfcc/products/detail/sfcc014_2041.html

パレット搬送モジュール

パレット搬送モジュールとは

パレット搬送モジュールとは主に生産工場内での原材料、製品及びそれを運搬するためのパレットの移動を自動化するためのモジュールのことを指します。

工場での生産においては資材の搬出入は重要な作業ですが、直接利益に結び付かずかつ、多くの人手や保管スペース、フォークリフト等の機材が必要になるため、できるだけ省力化が望まれます。

パレット搬送モジュールを導入することにより搬送作業にかかるコストを削減することができ、また、汎用設計を導入することにより設計のための労力も抑えることが可能です。

パレット搬送モジュールの使用用途

パレット搬送モジュールは主にリチウムイオン電池や電子部品等の生産ラインの自動化のために使用されています。

自動化により部材や治具、製品を高速に搬出入することが可能になり、また、多彩なモジュールが用意されているため、目的や設備の状況に応じてラインの形状や大きさ、駆動方法などを自由に組み合わせて設計することができます。

また、モジュール化により工程の増減や変更も容易なため、多品種少量生産にも対応が可能です。

パレット搬送モジュールの原理

パレット搬送モジュールはリフタ(垂直方法の移動)、シフター(向きの変更)、回転、直線移動、位置決め、センサー等のモジュールを組み合わせることによってパレットの自在な搬送を実現します。

各モジュールは基本的に独自の電源やエアシリンダーを持つため、必要の応じて一部のみを駆動させることができ、また、導入する場所の状況に合わせてモーター駆動のものだけを選ぶことも可能であり、その場合、設備内へのエアー導入工事が不要です。

また、モジュール同士は接続することを前提に設計されているため構造と設置基準が統一されており、モジュール間での受け渡しをスムーズに行うことが可能です。モジュールには位置決めやパレット検出の装置、あるいは駆動方式の工夫により、事故を防ぐための工夫がされています。

大型のモジュールでは製品、部品保管用の大型パレットの管理にも対応しており、生産管理システム等と連携させることにより部材の入出庫の管理や出庫準備の為のパレット並び替え等にも対応しています。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/maker/misumi/mech/product/combe/
https://www.itohdenki.co.jp/products/pallet.html
https://www.itohdenki.co.jp/wp-content/uploads/210301_stragepalette.pdf
https://news.mynavi.jp/article/20180412-615644/

レール式端子台

レール式端子台とは

レール式端子台とは、レールに取り付けることができる端子台です。

レールとは、DINレールのことを指している場合がほとんどで、国内海外問わず広く使用されます。レール式端子台を使用することで、多くの配線を整列してまとめられます。配線を一箇所にまとめることで、配線の整理や管理が容易になります。また、配線の追加や変更が必要な場合もレール上の端子に新しい配線を追加するだけで済むため、保守作業が簡単です。

なお、レール式端子台は、ねじやバネ式のクランプなどを使用して配線を確実に接続します。配線が緩んだり接触不良が起きにくくなり、信頼性を向上させることが可能です。特に振動や衝撃が発生する環境での使用において、接触の安定性が重要になります。

ただし、レール式端子台に接続する配線容量は使用する電流や電圧に応じて適切に選択することが大切です。過大な電流や電圧を印加した場合、過熱や配線故障が発生する恐れが

レール式端子台の使用用途

レール式端子台は、産業において広く使用される部品です。特に、制御盤の外部と内部配線を電気的に接続するために使用されます。

産業用制御システムにおいて、非常に重要な役割を果たします。産業機械や制御装置では、電源供給や信号伝送のための配線接続が必要です。レール式端子台は、これらの配線を効率的にまとめ、信号や電力の配布や接続を行います。

また、配電盤では、電力分配や回路接続が必要です。電力供給元からの電力を分配するための回路や保護機器などを接続する際に、レール式端子台が使用されます。これにより、配電盤内の配線が整理され、保守作業を容易にすることが可能です。

その他、自動車や鉄道などにも使用されます。車体制御回路やナビゲーションシステム回路に使用され、接続点をまとめることが可能です。

レール式端子台の原理

レール式端子台は、基本的には制御盤内の下部や側面に使用されます。制御盤外部配線は制御盤の下部や側面に入線される場合が多いためです。

制御盤の外部配線はCVケーブルやCVVケーブルなどの固い外皮のケーブルが使用されます。これらのケーブルは外部からの衝撃には強固ですが、可撓性は高くありません。盤内配線として使用すると、取り回しが困難です。

したがって、盤内の配線には、WL1やIVなど、硬い外皮を持たないケーブルが使用されます。可撓性が高く、盤内などの狭い箇所での取り回しに最適です。これら種類の違うケーブルを、電気的に接続するためにレール式端子台が用いられます。

DINレールの上に取り付けるため、DINレールの強度によって取り付けられる端子台の大きさに制限があります。配線太さが太い場合は固定式の端子台を使用することが多いです。レール式端子台の多くは線芯が細い制御用配線端子台に使用されますが、動力配線でも胴体断面積が100mm2程度の配線には適応できます。

レール式端子台の種類

レール式端子台には、接続方法に応じてさまざまな種類が存在します。以下はレール式端子台の種類一例です。

1. ねじ式

ねじを使用して配線を確実に締め付ける端子台です。信頼性が高く、強固な接続が可能です。金額も安価で広く使用されます。

2. ねじアップ式

ネジ式と同様にねじで締め付けますが、締め付けの際に配線が上に引き上げられる端子台です。これにより、配線の挿入や取り外しが容易になります。ねじアップ式端子台は、配線の追加や交換が頻繁に行われる場合に便利です。

3. 押締式

配線を直接ねじで締めて固定する端子台です。配線を端子台のクランプ内に挿入し、ねじを締めることで配線を接続します。端末処理が不要であり、素早く簡単に配線を接続することが可能です。

4. プッシュイン式

配線を手で押し込むだけで接続が完了する端子台です。配線を端子台のクランプ内に挿入するだけで、クランプが自動的に閉じて確実な接続が行われます。

迅速で容易な配線接続を実現し、作業効率を向上させることが可能です。リリースボタンを押すことで配線の取り外す製品が多いです。

参考文献
https://www.fujicon-tb.co.jp/textbook/

真空スイッチ

真空スイッチとは

真空スイッチ (英: vacuum switch) とは、大気圧より低い圧力を感知して回路を開閉するスイッチです。

真空圧力の変化を感知して、流体の流れを制御します。設定した到達点に達すると電気回路の開閉を行い、流体の流れを変えたり、安全装置を作動させまます。

その他、電力分野で高電圧の開閉用の遮断器も用途の1つです。真空中ではアークが出ないので、真空容器の中にスイッチ機構を設け、外から作動させます。

真空スイッチの使用用途

1. 自動化制御用

真空スイッチは、各種自動化真空装置等の制御、搬送、保護および安全回路用スイッチとして使用されます。高い安全性や信頼性を要求される安全インターロック機構や圧力制御など、さまざまな用途で用いられます。

具体的な用途は、半導体製造装置、化学分析装置、真空蒸着装置、メカニカルブ-スタ-などです。さまざまな使用環境に対応できるように、あらゆる流体と適合しやすいシリコン素材やステンレスなどを使用します。中には、真空スイッチと圧力スイッチがセットになった製品もあります。

2. 電力用

電力用では、ビルや工場、鉄道会社等に電力会社から電力を受電し、高圧遮断器を設置します。高圧遮断器に多く使われるのが真空スイッチです。手動で動作させるのが一般的ですが、電磁石で開閉するものもあります。

また、電柱に変圧器の他に、金属の箱状のものが付いている場合は、高圧開閉器で真空スイッチが使われています。電磁石の力で回路を開き、スプリングの力で遮断する方式の真空スイッチは真空電磁接触器と呼ばれ、大容量モータの開閉に使用されます。

6kVや3kVの高圧回路に使われる場合が多く、機器や電力系統に異常が発生した際、回路を遮断する用途です。真空スイッチは、繰り返しの動作に耐えられるように堅牢性の高い仕様になっています。防爆対応をしている真空スイッチもありますが、爆発性や引火性がある気体やガスに対して使用できないものが一般的です。

真空スイッチの原理

1. 制御用真空スイッチ

制御用の真空スイッチは、電気式、エア式、メカ式、電子式などのスイッチとセンサ部分によって成り立っています。センサ部分によって圧力の状態や変化を感知し、設定した作動圧力の上限や下限に到達すると、あらかじめ設定された信号を発します。この信号により電気回路の開閉を行うことで、安全に内部のワークを搬送したり、状態を保持したりすることが可能です。

圧力の検知部は、ブルドン管・ベローズ・ゴムダイヤフラムなどの機構部と機械式スイッチや電子式スイッチから構成されます。使用材料は、りん青銅・ステンレス、シリコンゴムなどを使用し、各種ガスに対応可能です。

真空スイッチの表示部は、アナログ式とデジタル式があります。デジタル式は視認性に優れ、調整が容易です。

2. 電力用真空スイッチ

電力用の真空スイッチは、機器や電力系統に異常が発生した際、回路を遮断するのに利用されます。性能が高く、短絡電流、負荷電流、過電流などすべての電流を遮断できることが特徴です。通常は過電流継電器などを併用して信号を受け取り、異常電流を遮断します。

真空スイッチは、真空バルブ構造になっています。真空度は、10-3~10-5Pa程度の高真空です。バルブ内には、2個の固定電極と可動電極があり、異常発生時、接点の距離を離して遮断します。真空中では遮断時のアークが拡散され、消弧します。

真空スイッチの特徴

1. 設定範囲が広い

真空圧の設定範囲は、−10~−100kP程度の広範囲です。

2. 長寿命

設定誤差が小さく、堅牢で100万回以上の長寿命です。

3. 多様な媒体に対応

大気とのシールは溶接構造であり、主にステンレスを使用し、多くの種類のガスに対応しています。

4. 単極双頭接点

単極双頭接点を備えたものが多く、作動圧力の上限または下限において、ON・OFF2点制御信号が得られます。

真空スイッチのその他情報

衝撃電流用真空スイッチ

電力関係や高温プラズマの実験分野では、コンデンサ放電による衝撃電流を用いる場合が多いです。この衝撃電流のスイッチに真空スイッチを使用した結果、良好な特性が得られています。

事故による大電流時に短絡させて、ヒューズを溶断することで負荷に過電圧が印加されるのを防止するクローバ装置としての役割があります。

参考文献
https://www.sankyointernational.co.jp/products/pressure_vacuum/item_87
https://sensing.honeywell.com/ja-jp/77342XX-vacuum-switches
http://www.schmalz.co.jp/products/vacuum-components/switch-systemmonitoring/vacuum-switch.html
https://jp.rs-online.com/web/c/pneumatics-hydraulics/vacuum-components/vacuum-switches/