低温恒温器についての概要、用途、原理などをご説明します。また、低温恒温器のメーカー24社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。低温恒温器関連企業の2023年1月注目ランキングは1位:三菱電機エンジニアリング株式会社、2位:日本フリーザー株式会社、3位:アドバンテック東洋株式会社となっています。
低温恒温器とは、インキュベーター、低温インキューベータ―、ローテンプインキュベーター、クールインキュベーターとも呼ばれる環境試験機の1種として知られます。
恒温器内部の温度を低温域~高温域(約0℃~約60℃または約-10℃~約50℃)まで設定ができ、その温度を一定に保つことができます。
さらに、設定した時間に設定した温度に変化させるプログラム運転を行うことが可能な大型の機種から卓上で使用可能な小型のものまで揃っています。
低温恒温器の使用用途について記述します。
食品分野における保管や貯蔵関連試験、動植物の低温環境試験、生化学分野における低温実験、生物学分野における培養や保存試験などに用いられています。
工業分野において、温度と時間をプログラムすることにより、24時間の温度変化を再現したり、低温と高温を極端に変化させたりすることによる耐久試験や劣化試験にも用いられます。
その他、微生物、植物組織および動物組織の培養や保存などにも使用されます。
世界中の教育機関、試験機関および研究機関に設置されています。
低温恒温器の原理について説明します。
外部環境によって内部温度が変化しにくい断熱構造を施した外壁を有しています。
そのため、外部の温度変化の影響を最小限に抑えて、内部温度が一定に保たれる構造になっています。
低温恒温器の内部温度の加熱と冷却は、電気を流すことによって吸熱面から発熱面に熱を移動させる半導体であるペルチェ素子(Peltier device)を用いて行う事が多いです。
恒温器内側の空間温度を制御するために、エアージャケット方式(ダイレクトヒーティング)が取り入れられています。
恒温器内側の空間の設定温度を均一に保つために、恒温器の各内壁面にエアージャケットと呼ばれる空気層を作ります。この層で気流を起こして加熱と冷却による温度制御を行います。この層に囲まれた内側の空間温度は、自然対流によって均一に維持されます。
この方式の場合、試料を保存する空間に乾燥した空気や過剰な気流の発生があまり無いことから、試料に対するダメージが軽減されます。
また、大型の恒温器では、ON/OFF可能なファンを用いて、恒温器内部の空気を攪拌させることによって、空間内の温度を設定値に制御する送風循環方式が導入されている機種があります。
予め設定した温度を維持するための機械という観点では、低温恒温器とインキュベーターは似た機能を持つといえます。
ただし、インキュベーターという名称は、孵卵器や新生児用の保育器といった生体保護の目的で使用される機器類を指すことがあります。例えば孵卵器用途で販売されているインキュベーターの設定可能温度は約20℃から40℃程度であり、低温恒温器よりも適用可能温度域が狭いという違いがあります。
また、インキュベーターの中には、卵をかえすために必要な転卵機能や、孵化環境を整えるための調湿機能を持つ機器があるため、低温恒温器の代替として使用するには構造的に不適となる場合があるので注意が必要です。
一方で、低温恒温器の仕様を持つ機器の一部も「インキュベーター」と呼ばれることも多いので、低温恒温器とインキュベーターは全く別物であると判断することは正しくありません。
インキュベーターが低温恒温器のことを指すのか、それとも孵卵器のことを指すのかを判別する方法としては、設定温度範囲を確認することです。例えば、-10℃から60℃までの制御に対応するインキュベーターであれば、それは低温恒温器のことであり、30℃±10℃の体温近傍の温度域に限られたものであれば孵卵器であると言えます。
もっとも価格帯にも違いがあります。小型孵卵器として発売されているインキュベーターであれば1万円未満で入手可能であるのに対し、低温恒温器の性能を有する機器として発売されているインキュベーターは数十万円の価格帯となります。
低温恒温器の中には、湿度管理機能も付属する低温恒温恒湿器も存在します。低温恒温恒湿器の基本性能は、一般的な低温恒温器を上回るものが多く、約-20℃~85℃の温度制御域を持ちます。加えて湿度制御に関する能力は、約50%~90%程度での長時間保持を可能としています。
低温恒温恒湿器が活躍するのは、主に食品の保存試験や医薬品・化粧品の安定性試験等です。例えば食品衛生管理手法として普及が進んでいるHACCPは、令和3年にすべての食品等事業者に導入が義務付けられましたが、そのHACCPプランの実行にともなうモニタリングには、温度と時間だけでなく湿度条件も設定されているのです。つまり、HACCPの工程検証に用いられる装置には恒温機能だけでなく恒湿機能も求められるのです。
参考文献
https://www.yamato-net.co.jp/word/20
https://www.yamato-net.co.jp/product/category/science/incubator/low-temperature-incubator/
http://www.setsunan.ac.jp/~shikama/GraduationStudyAbstract/12EOSL/summary_Satoh.pdf
https://files.yamato-net.co.jp/support/catalog/p0199_ic402.pdf
https://www.wakenyaku.co.jp/ctg/ls.php?i=281
https://www.wakenyaku.co.jp/ctg/det.php?i=2764
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000126915.pdf
https://www.espec.co.jp/products/env-test/crh/
https://www.isuzuseisakusho.co.jp/lineup/midori/
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低温恒温器のカタログ一覧はこちら企業
エッペンドルフ株式会社 PHCホールディングス株式会社 ヤマト科学株式会社 朝日ライフサイエンス株式会社 日本フリーザー株式会社 ストレックス株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年1月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | 三菱電機エンジニアリング株式会社 |
11.8%
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2 | 日本フリーザー株式会社 |
10.6%
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3 | アドバンテック東洋株式会社 |
8.2%
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4 | 株式会社生田産業 |
7.1%
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5 | ジーエルサイエンス株式会社 |
7.1%
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6 | エスペック株式会社 |
7.1%
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7 | ヤマト科学株式会社 |
5.9%
|
8 | 東京理化器械株式会社 |
5.9%
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9 | 柴田科学株式会社 |
4.7%
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10 | PHCホールディングス株式会社 |
4.7%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年1月の低温恒温器ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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2021年7月17日
2021年7月17日
2021年7月17日
2021年7月17日
Part11準拠 新型プログラムフリーザー新発売・液体窒素・凍結剤不要・クライオチューブ凍結本数81本/171本仕様 血液バッグ仕様もあります。・LCDタッチパネ...
2023年1月17日
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企業
エッペンドルフ株式会社 PHCホールディングス株式会社 ヤマト科学株式会社 朝日ライフサイエンス株式会社 日本フリーザー株式会社 ストレックス株式会社LP-300F-F4(-CT)は+5℃から+50℃と広い範囲の庫内温度に設定できる低温恒温器で、医薬品などの品質試験や動植物の培養・飼育など多様な目的に利用されています。冷却器が庫内の天井部、加熱器が底部にそれぞれ設置されており、送風ファンで空気を循環してムラなく温度を保つことが可能です。
温度制御に3位置制御システムを採用しているため、冷却器と加熱器が同時に作動することがなく、消費する電力を節約できます。恒温器前面の扉はガラスで作られていて内部を容易に確認できるので、操作性も良好です。
LTI-2100・2100C型はマイクロチューブやバイアル瓶・遠沈管に代表される小容量容器での培養や保存に適したパーソナルタイプの低温恒温器です。温度制御が可能な範囲は4℃から60℃と、分子生物分野や化学分野において需要が高い4℃にも対応しており、幅広い分野で使用できます。
ペルチェ素子を用いた電子冷却方式を採用しているため、振動や騒音などの悩ましい問題が発生せず、フロン排出抑制法に基づいた定期点検が不要であることは大きな利点です。タイマー機能や繰り返し運転機能などが標準装備されており、機能面も充実しています。
SLC-25AはLTI-2100・2100C型と同じくペルチェ方式の冷却方式を採用しているおり静音性に優れた低温恒温器です。コンパクトサイズながら100枚以上のシャーレ(Φ90×15mm)を収納でき、パーソナル研究での培養などには十分な容量を備えています。
温度制御できる範囲は3℃から65℃と幅広く、多岐にわたる用途に対応可能です。冷却や加温には、一般的な強制対流方式ではなく自然対流方式が用いられており、温度ムラが生じにくいように工夫されています。
INE800は搭載されたインバーターを用いて制御することで冷却能力を最適化し、霜がつきにくくなっている低温恒温器です。インバーターを搭載したことにより、冷却時の電力消費を最小限に抑えることも成功しています。
省電力方式ながら制御できる温度域は0℃から60℃と広く、さまざまなケースの培養や保存用途に対応可能です。プログラム運転やオートストップ・スタート運転、タイマー機能など、運用に便利な機能が標準装備されています。
CRH-212は医薬品や化粧品の安定性試験など、厳密な環境の管理が求められる場合に適した低温恒温器です。業界で初めて庫内の温湿度分布基準を保証しており、制御可能な全温湿度範囲において±2℃±5%rh、+5℃では±3℃と高い精度で維持できます。
蒸発器に霜が付くのを防ぐ対策として「フロストフリー運転」と呼ばれる周期的に冷媒の方向を切り替える運転方式を採用しています。また棚板がスライドできるように設計されており、試料や試薬のスムーズな出し入れが可能であることも特徴的です。