アクリルミラー

アクリルミラーとは

アクリルミラー

アクリルミラーとは、通常のガラス鏡の代わりにアクリルを使用した鏡のことです。

透明なアクリル素材にアルミニウムを真空蒸着させることで製造されており、軽量で割れにくい特性を持ちます。この特性により従来のガラス鏡に比べて安全性や加工性が高いだけでなく、透明度や耐久性にも優れています。また、アクリル特有の柔軟性により、カットや加工が容易で、さまざまな形状やデザインを可能にする点も魅力です。

アクリルミラーの製造方法には主に「押出法」と「キャスト法」の2種類があります。押出法では薄いアクリル板を効率よく作ることが可能です。

アクリルミラーの使用用途

アクリルミラーは、その軽さや割れにくさを活かして、多岐にわたる用途で利用されています。以下では、いくつかの代表的な使用例を紹介します。

1. 屋内用途

屋内用途として子供向け施設、ダンススタジオやジム、家庭内での利用の3つを紹介します。

  • 子供向け施設
    保育園や幼稚園では、安全性が重要視されるため、アクリルミラーがよく採用されます。割れにくい特性により、万が一の事故時にも安心です。また、軽量で取り扱いが容易なため、壁面への設置も簡単です。

  • ダンススタジオやジム
    ダンススタジオやスポーツジムなど、大型の壁面ミラーが必要な場面でも、アクリルミラーは活用されています。その軽さにより施工コストを抑えられます。

  • 家庭内での利用
    DIYやインテリア装飾にも利用され、専用のカッターを使えば自宅で簡単にカットが可能です。壁や家具に取り付けて、装飾や実用目的で活用されています。

2. 屋外用途

屋外用途として道路や駐車場、看板や店舗ディスプレイの2つについて説明します。

  • 道路や駐車場
    アクリルミラーは、耐久性と軽量性から道路のカーブミラーや駐車場の半球ミラーとして使用されています。こうした用途では、安全性と視認性が重要であり、割れにくい特性が特に求められます。

  • 看板や店舗ディスプレイ
    アクリルミラーは加工が容易で、文字や形状を切り抜いて看板にすることが可能です。ロゴ入りの什器や装飾品としても使用され、商業施設での活用例も豊富です。

アクリルミラーの原理

アクリルミラーの基本的な仕組みは、透明なアクリル板に金属層を蒸着させ、光を反射する特性を持たせることです。ここでは、その原理をさらに詳しく見ていきます。

1. アクリル素材の特徴

アクリルはポリメチルメタクリレート (PMMA) と呼ばれる樹脂で、高い透明性と優れた加工性を持っています。PMMAがミラーの基盤となり、光を効率よく反射する表面を形成します。

2. 真空蒸着技術

アクリルミラーの製造過程では、真空蒸着という技術が使用されます。このプロセスでは、金属 (主にアルミニウム) を真空状態で熱蒸発させ、アクリル板表面に薄膜として付着させます。

3. 光の反射と透過

アクリルミラーは高い光の反射率を持つ一方、透明度の高いアクリル基材を通じて、わずかに光を透過させる特性があります。そのため、特定の環境ではミラー越しの光の影響を受ける場合があります。

4. ミラーの耐久性

アクリルミラーは、ガラスミラーに比べて柔軟性があるため、衝撃に対する耐性が高くなっています。ただし、金属層が剥がれるリスクを防ぐため、取り扱いや清掃には適切な注意が必要です。

アクリルミラーの種類

アクリルミラーは、その製造方法や用途に応じてさまざまな種類に分けられます。ここでは主な分類を紹介します。

1. 製造方法による分類

  • 押出法アクリルミラー
    薄型で効率よく大量生産可能で、コストを抑えたミラーが必要な場合に適しています。
  • キャスト法アクリルミラー
    厚みのある高品質な仕上がりが特徴で、高い耐久性や美観が求められる場合に選ばれます。

2. 厚みによる分類

  • 薄型 (3ミリ)
    軽量で扱いやすく、小型の鏡や装飾用として利用されます。
  • 厚型 (5ミリ)
    大型ミラーに適しており、歪みを最小限に抑えたい場合に推奨されます。

じゅらく壁

じゅらく壁とは

じゅらく壁とは、日本の家屋に見られる土壁の一種です。

漢字では「聚楽壁」と書き、京都の聚楽第跡近辺 (現在の西陣地区) で採れる聚楽土を使用していることから名づけられました。貴重な聚楽土と伝統ある京都の左官職人たちの技術によって育まれてきた土壁です。

じゅらく壁を作るには、かつては貴重な土と高度な技術が必要でした。しかし、現在ではさまざまな地域で採れた土が使用されたり、化学合成品に置き換えられたりされて、一般的に使用されるようになっています。

じゅらく壁の使用用途

主に室内の壁面に多く使われており、神社、寺院、茶室、料亭や旅館など、和風建築で多く見かけられます。また、ギャラリーや博物館などの洋風建築で用いられる場合もあります。水に弱いため、基本的には内装向けですが、適切な防水対策とメンテナンスを施せば外壁に適用することも可能です。

仕上がりは落ち着いた色合いで、空間を格調高く演出できるのが特長です。基本色は「つち色」ですが、混ぜ込む素材や顔料によって自由に色合いを変えることができるので、空間の雰囲気に合わせた配色ができます。

じゅらく壁の原理

じゅらく壁に使用される土は粘土のため、水と混ぜると柔らかくなり、乾燥すると硬くなる性質があります。これは、粘土が乾燥する過程で内部の水分が蒸発して、粘土の粒子が互いに密着するからです。この密着によって、硬度と強度が高まります。

また、じゅらく壁には石灰に加え、砂、藁や麻などの繊維質の素材が混ぜ込まれており、これらが粘土の硬化を助けます。石灰は水と反応して硬化を、砂、藁、麻は強度や耐久性を高める役割を果たします。

現代では添加剤を加えることで、硬化速度を速めたり、強度や耐久性をさらに向上させたりすることも可能です。

じゅらく壁のその他情報

1. じゅらく壁の手入れ

じゅらく壁は手入れの方法を間違えると壁面が剥がれ落ちたり、変色したりするおそれがあります。正しい方法での手入れにより、壁面を長持ちさせることが可能です。日々の清掃はハタキを使って表面のホコリを取り除きます。定期的に行うことで、壁面に付着したカビの胞子が成長するのを防ぐことにもつながります。

軽度の汚れならブラシなどで擦って落とすことも可能です。しかし、強くやりすぎると壁面の損傷や変色につながるため、最低限の範囲で行う必要があります。なお、水拭きは壁面が脆くなり、剥がれの原因となるため、原則しないことをおすすめします。

2. じゅらく壁とその他の土壁

土壁にはじゅらく壁以外にも珪藻土や漆喰などを使ったものがあります。用途や目的に応じて、それぞれの特長が生きる材料を選ぶことをおすすめします。代表的な土壁の材料には次のようなものがあります。

聚楽土 (じゅらく壁)
じゅらく壁に使用される粘土質の土です。最大のメリットは高級感のある美しい風合いと色合いです。土の風合いを生かした仕上がりが伝統的な雰囲気を醸し出します。また、素材そのものに湿度を調整する効果があるため、室内環境を快適に保つことができます。

一方、デメリットとしては作業の難易度が高いことと、施工費用が多くかかることが挙げられます。材料である聚楽土は扱いが難しく、平坦かつ均等に塗る高度な左官技術が必要になります。経験豊富な職人と十分な作業時間が必要になる分、コストがかかる傾向にあります。また、時間の経過によってひび割れや剥がれが生じるため、定期的なメンテナンスコストも発生します。

珪藻土
微生物の化石からできた多孔質構造の粒子です。一粒一粒が非常に細かい孔をたくさん持っているため、非常に優れた調湿効果があります。扱いやすい材料で、施工が比較的容易です。洋室に多く使用され、表面をあえて凹凸にして模様にしたりするなどの技法もあります。

漆喰
石灰を主成分とした材料で、和風建築によく使われます。滑らかで光沢のある仕上がりになるのが特長です。調湿性能は聚楽土よりも高く、施工は一般的に聚楽土より容易とされています。ただし、表面を平滑に仕上げるためにはある程度の左官技術が必要になります。

炭酸リチウム

炭酸リチウムとは

炭酸リチウムとは、化学式Li2CO3で表される無機化合物です。

鉱石やかん水から、この炭酸リチウムの形に加工され、そこからさまざまなリチウム化合物が作られています。

炭酸リチウムの使用用途

炭酸リチウムの使用用途は、多岐にわたっており、釉薬、ガラス、セラミックスなどの原料、アルミニウムの電解精錬、電池用材料、圧電材、医薬品が代表例です。リチウムイオン電池の正極活物質の原料や電解質の原料として使われています。リチウムイオン電池は、スマートフォンやタブレット、ノートパソコン、電気自動車など、現代の多くの電子機器に有用です。

正極活物質はリチウムとその他の金属との複合酸化物であり、製造する際のリチウムの供給源として炭酸リチウムが用いられています。ニッケル系の正極活物質などは、炭酸リチウムではなく、水酸化リチウムを原料とします。しかし、水酸化リチウムも炭酸リチウムを原料に作られるため、正極活物質のほとんどが炭酸リチウムを原料としていることになります。

炭酸リチウムは脳の細胞への情報伝達を増幅する化学反応に干渉します。このため、特に医薬品としては精神科領域で用いられる薬剤として、そう病および双極性障害 (そううつ病) の治療薬として効果的です。また、炭酸リチウムを材料とするガラス製品は耐熱容器として利用されています。また、炭酸リチウムから作られたセメントは、より早くタイルを接着できることが知られています。

リチウムは鮮やかな赤色の炎色反応を示すますが、花火の材料として、リチウム金属ではなく炭酸リチウムが用いられています。リチウム化合物としては炭酸リチウム以外にも、水酸化リチウム、臭化リチウム、塩化リチウム、金属リチウム、ブチルリチウムがあります。その中でも、炭酸リチウムの需要が最も多く、その半分以上がリチウムイオン電池用途になっています。

炭酸リチウムの性質

炭酸リチウムは、無色から白色の結晶で、分子量が73.89の固体です。密度は2.11g/cm3、融点は723℃、沸点は1310℃です。融点である723 ℃まで加熱すると徐々に分解し始めます。さらに強熱すると、二酸化炭素を発生して酸化リチウムとなります。

一般的なアルカリ金属の塩は水によく溶けますが、炭酸リチウムは例外で、水100mlに対して1.33gしか溶解せず難溶です。そのうえ、温度を上昇させるに従い溶解度が減少します。水溶液はアルカリ性を示します。

加圧により二酸化炭素を水溶液に溶解させると溶解度が約10倍増加しますが、これは炭酸リチウムが炭酸水素リチウムを形成していることによるものとされています。

炭酸リチウムのその他情報

炭酸リチウムの製造方法

炭酸リチウムの構成成分であるリチウムは、地球上に広く分布していますが、反応性が非常に高いため、別の化合物の形で存在しています。地殻構成元素の内0.004%を占めており、塩湖のかん水から抽出されるものと、アンブリゴナイト (2LiF・Al2O3・P2O5)、スポジュメン (Li2O・Al2O3・4SiO2)、ペタライト (Li2O・Al2O3・8SiO2)、レピドライト (K(Li,Al)3(Al,Si,Rb)4O10(F,OH)2)などの鉱石から採取されるものがあります。

1. 鉱石からの炭酸リチウムの抽出
鉱石を焙焼、粉砕した後、硫酸を加えて加熱により硫酸リチウム溶液にします。硫酸リチウム溶液に炭酸ナトリウム水酸化カルシウムを加えて、不純物として含まれる鉄、アルミニウムなどを除きます。

硫酸リチウム溶液を炭酸ナトリウムと反応させ、リチウムを炭酸リチウムとして沈殿させ、これを洗浄、乾燥します。

2. かん水からの炭酸リチウムの抽出
塩化リチウムを含むかん水を、天日乾燥して塩化リチウムを濃縮します。これに炭酸ナトリウムを加え、炭酸リチウムを沈殿させて洗浄、乾燥します。

参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/554-13-2.html

炭酸ジメチル

炭酸ジメチルとは

炭酸ジメチルの基本情報

炭酸ジメチルとは、化学式はC3H6O3で表される、炭酸のエステルの一種です。

DMCと略される場合もあります。世界での炭酸ジメチルの生産は、アジア、中東、ヨーロッパに限られています。

炭酸ジメチルは可燃性液体です。消費者向けや屋内用途での使用は制限されています。ただし可燃性の観点では、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸メチルよりも安全です。消防法で第4類危険物 第1石油類に指定されています。

炭酸ジメチルの使用用途

主に炭酸ジメチルは、ポリカーボネートを製造する際に、原料として利用されます。炭酸ジメチルはフェノールとのエステル交換反応によって、ジフェニルカーボネートを合成可能です。ジフェニルカーボネートは、溶融重縮合によるビスフェノール-A-ポリカーボネートの合成原料です。ポリカーボネートをフェノールでエステル交換すると、ジフェニルカーボネートとビスフェノールAを再び生成してリサイクルできます。

ポリカーボネートは、耐衝撃性、光学的透明性、誘電率などが高いプラスチックです。ポリカーボネートは、DVD、ブルーレイディスク、電気絶縁体材料、安全ゴーグル、防弾窓、メガネレンズ、航空機、自動車の各種部品、ミサイル部品材料などにも使用されています。

炭酸ジメチルはリチウムイオン二次電池の電解液に使われるほか、塗料、洗浄剤、接着剤などにも利用可能です。

炭酸ジメチルの性質

炭酸ジメチルの融点は2〜4°Cで、沸点は90°Cであり、引火点は18°Cと低いです。無色の可燃性液体で、水に溶けません。

炭酸ジメチルの推奨暴露限界 (REL) は、1日8 時間の作業での吸入による100ppmで、一般的な工業用溶剤と同様です。体内で炭酸ジメチルはメタノールと二酸化炭素に代謝されるため、誤飲はメタノール中毒の危険性があります。

炭酸ジメチルの構造

炭酸ジメチルは炭酸の水素原子2つが、メチル基に変換された構造を有しています。分子量は90.08g/molで、密度は1.069〜1.073g/mLです。

炭酸ジメチルのその他情報

1. 炭酸ジメチルの合成法

炭酸ジメチルの合成

図2. 炭酸ジメチルの合成

従来はホスゲンとメタノールの反応によって、クロロギ酸メチルが中間体として生成し、炭酸ジメチルを合成していました。現在ではメタノール、酸素、一酸化炭素から、触媒的に合成可能です。

工業的には、メタノールを用いたエチレンカーボネートやプロピレンカーボネートのエステル交換によって、炭酸ジメチルを製造できます。これらの反応では、それぞれエチレングリコールとプロピレングリコールも生成します。

さらに炭酸ジメチルは、四アルコキシチタン、ジアザビシクロアルケン類、メチル化剤、錫、ジルコニウム、チタンのアルコキシ化合物などを使って、メタノール二酸化炭素の反応によっても合成可能です。アセタール類や二酸化炭素を使用して、炭酸ジメチルを製造する方法も提案されています。

2. 炭酸ジメチルの反応

炭酸ジメチルの反応

図3. 炭酸ジメチルの反応

炭酸ジメチルはメチル化のために利用可能です。具体的には、炭酸ジメチルによってトリメチルアミンを四級化すると、テトラメチルアンモニウムが得られます。炭酸水素アニオンも生じますが、陰イオン交換樹脂や電気分解で除去可能です。硫酸ジメチルやヨードメタンなどの従来のメチル化剤と比べて、炭酸ジメチルの毒性は低く、生分解性にも優れています。

炭酸ジメチルを用いると、アニリン、フェノール、チオフェノール、カルボン酸、ニトリルのα位などをメチル化可能です。ただし90°以下で反応させると、通常メトキシカルボニル化が優先されます。そのため多くの場合には、耐圧反応容器を使用した高圧高温条件が必要です。炭酸ジメチルの還流下でジアザビシクロウンデセン (英: 1,8-diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene) を添加すると、カルボン酸類のメチルエステル化が進行します。

炭酸エチレン

炭酸エチレンとは

炭酸エチレン(ethylene carbonate)とは、エチレングリコールと炭酸との環状エステルです。

化学式はC3H4O3で、分子量は88.06です。

室温 (25 °C) では透明なガラスのような固体ですが、融点が 34–37 °Cと低く、液体の状態では無色無臭です。
炭酸エチレンの合成法は数多く知られています。

その中で最もよく工業的に使用されている方法は、エチレングリコールとホスゲンとの反応による合成です。

しかし、近年、環境負荷の問題からホスゲンを用いない合成方法の研究が進んでいます。

炭酸エチレンの使用用途

炭酸エチレンの使用用途としては、有機溶媒としての利用が多く使用されています。

炭酸エチレンは高極性溶媒であり、電解質を大量に溶解することができます。

この性質を利用して、リチウムイオン二次電池向け電解液の溶媒用途に主に使用されている他、高分子に対する溶解性が高い事から、剥離剤、洗浄剤としても使用されています。

炭酸エチレンは、近 年、高分子重合の優れた有機溶媒として工業的に用いられるようになってきています。

また、エチレンオキシド、エチレンイミン等と同様に、活性水素を有する化合物に対して開環付加反応、もしくは開環縮合反応を行って、高分子合成において興味ある有用な化合物を合成できることが報告され、一躍注目されるようになってきました。

炭酸アンモニウム

炭酸アンモニウムとは

炭酸アンモニウムとは、炭酸のアンモニウム塩で化学式(NH4)2CO3で表される化合物です。

分子量114.1の一水和物(NH4)2CO3・H2Oのみが知られており、無水和物は得られていません。通常、炭安とよばれる市販品は、炭酸カルシウム硫酸アンモニウムの混合物を加熱して、昇華させることにより製造されたもので、炭酸水素アンモニウムとカルバミン酸アンモニウムの複塩あるいは混合物です。

この化合物を濃アンモニア水に溶かした後、冷暗所に数日間放置すると、炭酸アンモニウムの一水和物が得られます。

炭酸アンモニウムの使用用途

炭酸アンモニウムは、各種アンモニウム塩の製造原料、分析用試薬、緩衝剤、中和剤、pH調整剤となるほか、制酸剤など医薬品としても用いられています。

また、アンモニウムイオンによる刺激臭から、必要なときに砕いて使用する気付け薬として用いられていました。また、baker’s ammonia (パン屋のアンモニア)としても知られ、かつては、ふくらし粉の用途にも使われていました。

その他、発泡剤や接着剤 (カゼインの可溶化剤) なども用途の1つです。

炭酸アンモニウムの性質

炭酸アンモニウムは、CAS番号506-87-6で表わされます。白色で特異臭があり、結晶〜結晶性粉末、または塊です。

融点および引火点、可燃性に関するデータはありません。水に溶けやすく、水溶液のpHは塩基性を表します。空気中でアンモニア臭を発し、徐々に分解する性質がありますが、通常の処理において危険有害反応性はありません。

加熱、分解によって、危険有害な分解生成物として一酸化炭素 (CO) 、二酸化炭素 (CO2) 、アンモニアを発生させる危険性があります。危険有害高温と直射日光を避け、強酸化剤との接触を避けます。

炭酸アンモニウムのその他情報

1. 安全性

GHSにおいて、皮膚腐食性/刺激性区分2、眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性区分2A、特定標的臓器毒性 (単回ばく露) 区分3 (気道刺激性) に分類されています。

特に、皮膚刺激性、強い眼刺激性、呼吸器への刺激のおそれがることから、取り扱い時は注意が必要です。保管時は、直射日光を避け、換気のよいなるべく涼しい場所に密閉して保管します。また、容器はガラス製を使用し、強酸化剤と離れた場所で施錠し保管します。

2. 応急処置

吸入した場合は、新鮮な空気のある場所に移し、皮膚に付着した場合は、直ちに石鹸と大量の水で洗浄し、いずれも症状が続く場合には、医師に連絡し適切な処置が必要です。

眼に入った場合は、数分間洗浄を行い、コンタクトレンズを装着していて、容易に取り外せるなら、取り外します。洗浄を行った後、直ちに医師の手当てが必要です。

万が一飲み込んだ場合は、意識のない人の口には何も与えず、直ちに医師もしくは毒物管理センターに連絡します。

3. 取扱方法

作業場所は、屋内での使用の場合は発生源の密閉化、または局所排気装置を設置します。取扱い場所の近くに安全シャワー、および手洗い・洗眼設備を設け、その位置を明瞭に表示します。

作業者は、防塵マスク、保護手袋、側板付き保護眼鏡 (必要によりゴーグル型または全面保護眼鏡) 、長袖作業衣の着用が必要です。産業衛生および安全の基準に基づいて取り扱い、特に酸性物質との接触を避けて作業を行います。

4. 市場規模

炭酸アンモニウムは、世界的な市場においては、食品および医薬品グレードと、工業グレードの製品に分類されます。現状では、中国、インドなどの振興経済国においては、肥料製造用の添加剤として使用されており、需要が非常高まっています。

北米では、医薬品および特殊食品用途での需要が多いです。欧州、食品製造産業において、酸性度調整剤として利用されていることに加え、中東、ラテンアメリカでは、炭酸アンモニウムが使用された製品の用途産業が成長していることから、市場は今後も緩やかに成長することが予測されています。

参考文献
https://www.fortunebusinessinsights.com/jp/
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0101-0296JGHEJP.pdf

水素化カルシウム

水素化カルシウムとは

水素化カルシウムとは、化学式H2Caで表されるカルシウムの水素化物です。

純度が高い場合は白い結晶状ですが、通常は灰色の粉末状です。推奨用途および使用上の制限は、研究開発での使用のみであることから、薬事および家庭用、その他用途への利用はできません。

水素化カルシウムは、水素とカルシウムを300℃~400℃で反応させることで製造することができます。また、塩化カルシウムを水素およびナトリウム金属と共に加熱することでも製造できます。

水素化カルシウムの使用用途

1. 乾燥剤

水素化カリウムは、比較的温和な乾燥剤として利用されます。ナトリウム・カリウムおよびナトリウム金属合金のようなより反応性の高い剤と比較してより安全に取り扱い可能です。

主に、アミンやピリジンなどの塩基性溶媒の乾燥剤として使用されています。また、乾燥性能が高いの乾燥剤を使用する前に、予備乾燥するために使用されることもあります。

2. 水素製造

水素製造の水素源として、古くから利用されています。また、実験用に少量の高純度水素を製造するための原料として使用されています。

気球を安全に膨らませるための手段としても利用可能です。ディーゼル燃料の含水量は、水素カルシウムを処理後に発生した水素によって計算されています。

3. 還元剤

水素化カルシウムは、金属の還元剤として利用可能です。600~1,000℃の間で加熱すると、酸化ジルコニウム、ニオブ、ウラン、クロム、チタン、バナジウムおよびタンタルを還元し、金属の粉末を製造することが出来ます。

水素化カルシウムの性質

1. 物理的性質

水素化カルシウムは、分子量42.09g/mol、CAS番号7789-78-8で表される化学物質です。淡灰色の無臭粉末です。

融点816℃、沸点、初留点及び沸騰範囲600℃ (1,013hPa) 、分解温度600℃、引火点はなく、可燃性はありません。密度は1.900gPcm3です。

2. 化学的性質

可燃性はありませんが、可燃性有機物質及び製剤に概ね該当します。微細に分散し、舞い上がった場合、粉じん爆発を起こす可能性があります。

標準的な大気条件で化学的に安定です。水、アルコール類、ハロゲン、フッ化物との反応で、燃焼ガスや蒸気の発生、発火の危険性があります。

酸化剤、硫酸、塩酸、銀化合物と激しく反応し、過塩素酸塩、塩素酸塩、臭素酸、ヨウ素酸塩、酸類との反応で爆発の危険性があります。 

水素化カルシウムのその他情報

1. 安全性

消防法において、第三類自然発火性物質および禁水性物質に分類されます。水と激しく反応することから、空気や湿気との接触を避ける必要があります。

皮膚刺激性および強い眼刺激性があり、急性毒性のデータはありませんが、咳、息切れ、頭痛、吐き気、嘔吐を引き起こす危険性があるため、人体に暴露しないよう注意が必要です。

内容物及び容器は、関連法規及び各自治体の条例等の規制に従い、産業廃棄物として適切な処理が必要です。

2. 応急措置

皮膚に付着した場合は、多量の水で洗い、眼に入った場合は水で数分間注意深く洗います。コンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外し、洗浄を続けます。

皮膚刺激および眼刺激が続く場合は、医師の診断、手当てが必要です。吸引した場合は、新鮮な空気を吸わせ、飲み込んだ場合は直ちに水を飲ませ (多くて2杯) 、医師に相談します。医師に相談する際は、製品のSDS等を提供します。

3. 取扱方法

使用者は、保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用し、作業を行います。ほこりが生じた場合は、フィルター式呼吸器保護具の着用が推奨されています。

作業場所は、湿気を遮断し、不活性ガス (窒素など) 下で取り扱い、水と接触しないよう注意が必要です。汚れた衣類は直ちに着替え、取り扱い後は必ず手および顔を洗浄します。

4. 保管

水に触れると引火性ガスを発生させることから、保管中は製品と水との接触を絶対に避け、乾燥した状態で密閉し、 熱や発火源から遠ざけ保管を行います。

参考文献
https://www.sigmaaldrich.com/JP/ja/sds/aldrich/558257

水素化アルミニウムリチウム

水素化アルミニウムリチウムとは

水素化アルミニウムリチウムの基本情報

水素化アルミニウムリチウムとは、化学式がLiAlH4で表される強力な還元作用を有する無機化合物です。

通称、LAHとも呼ばれます。還元剤として知られる水素化ホウ素ナトリウム (NaBH4) よりも還元作用が強く、カルボン酸やアミドも還元可能です。消防法で「危険物第三類 金属の水素化物」に該当します。

発火しやすく、水との接触により爆発的に反応するため、取り扱いには注意が必要です。

水素化アルミニウムリチウムの使用用途

水素化アルミニウムリチウムは強力な還元作用を有し、有機化学で還元剤として使用されます。具体例を挙げると、「エステル、ケトン、アルデヒドからアルコール」「アミド、ニトリル、ニトロ化合物からアミン」「ハロゲン化合物から脱ハロゲン化したアルカン」など、さまざまな化学物質を還元可能です。

反応性の高さから大量には使用されませんが、小規模な実験で使用されることが多いです。

水素化アルミニウムリチウムの性質

水素化アルミニウムリチウムは粉末状の強い還元剤です。還元剤のNaBH4よりはるかに強い理由は、B-H結合と比較してAl-H結合が弱いからです。

水素化アルミニウムリチウムと水は、激しく反応して水素を生じます。そのため、使用する際は、ジエチルエーテルのような脱水溶媒が必要です。

150°Cで分解し、モル質量は37.954g/mol、密度は0.917g/cm3です。

水素化アルミニウムリチウムの構造

水素化アルミニウムリチウムはアルミニウムの水素化合物であり、水素化アルミニウムイオン (AlH4) とリチウムイオン (Li+) のイオン結晶を構成しています。結晶構造は単斜晶系に属します。AlH4は四面体型構造を取っており、結晶中のAl−Hの結合距離はおよそ1.55Åです。

水素化アルミニウムリチウムのその他情報

1. 水素化アルミニウムリチウムの合成法

塩化アルミニウム (AlCl3) と水素化リチウム (LiH) の反応によって、水素化アルミニウムリチウムを合成可能です。重量で収率は97%です。反応混合物をエーテルに溶かし、ろ過によって残った固体の塩化リチウム (LiCl) を取り除けます。

2. 水素化アルミニウムリチウムの分解

水素化アルミニウムリチウムの分解

図2. 水素化アルミニウムリチウムの分解

水素化アルミニウムリチウムは塩基性が強く、アルコールのようなプロトン性溶媒と一気に反応して分解します。室温で水素化アルミニウムリチウムは準安定です。

長期間保存する場合には、少しずつLiHやLi3AlH6などに分解します。鉄、チタン、バナジウムなどが存在すると、分解は加速します。

3. 水素化アルミニウムリチウムの無機反応

水素化アルミニウムリチウムはTHF中で水素化ナトリウムと反応し、水素化アルミニウムナトリウム (NaAlH4) が生じます。同様に水素化アルミニウムカリウム (KAlH4) も、90%の収率で合成可能です。

THFやジエチルエーテルを溶媒に使用して、LiClによって、NaAlH4やKAlH4から水素化アルミニウムリチウムへの逆反応も進行します。

それ以外にも、水素化アルミニウムリチウムは臭化マグネシウム (MgBr2) と反応すると、水素化アルミニウムマグネシウム (Mg(AlH4)2) になります。

4. 水素化アルミニウムリチウムの有機反応

水素化アルミニウムリチウムの反応機構

図3. 水素化アルミニウムリチウムの反応機構

水素化アルミニウムリチウムは非常に反応性が高く、有機化学で強力な還元剤として利用可能です。特に、エステルやカルボン酸を1級アルコールに還元する反応が、幅広く知られています。

この反応では、AlH4の分解と同時に、誘起効果 (英: inductive effect) とメソメリー効果 (英: mesomeric effect) によって、電子密度が低い有機化合物の活性中心に、ヒドリドイオン (H) が反応します。

参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0112-0109JGHEJP.pdf

塩化コリン

塩化コリンとは

塩化コリンとは、有機化合物の1種であり、4級アンモニウム塩です。

化学式はC5H14ClNOで表され、分子量は139.63です。コリンは誘導体であるホスファチジルコリンと同様にリン脂質の構成成分として、もしくはアセチルコリンのように神経伝達物質として、生体内で重要な機能をはたしています。

体内で合成されますが、タンパク質の摂取が不足している場合に合成量が不十分となり、その結果として脂肪肝などがもたらされる場合があります。

塩化コリンの使用用途

塩化コリンの使用用途は、その生理学上の機能から、健康食品としてのサプリメントや、家畜の飼料に配合するサプリメントなどです。家禽産業の開発、発展により、塩化コリンの市場規模は増加し続けています。

生理学上の機能としては、3つが知られており、 1つ目は細胞膜の構造の保全と細胞シグナリングの役割、 2つ目はアセチルコリンへ合成されることによる神経伝達物質としての役割です。

3つ目に、S-アデノシルメチオニンを合成する代謝経路に関与する代謝物質トリメチルグリシン (ベタイン) を通じたメチル基の供与体としての役割が挙げられます。

塩化コリンの性質

塩化コリンは、CAS番号67-48-1で表される白色の結晶、または結晶性粉末、塊です。特異臭があります。融点は305℃で、可燃性および引火点に関するデータはなく、不燃物です。

水およびエタノールに極めて溶けやすい性質を持ち、光により変質するおそれがあります。高温、直射日光、吸湿性があることから湿気を避ける必要があります。危険有害な分解生成物として一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、塩化水素ガスを発生する可能性があるため、取り扱い時は注意が必要です。

塩化コリンのその他情報

1. 安全性

GHS分類はすべて非該当ですが、適切な保護具を着用し、適切な環境で取り扱う必要があります。吸入し た場合は、新鮮な空気のある場所に移し、症状が続く 場合には、医師の診断が必要です。皮膚に付着した場合は、直ちに石鹸と大量の水で洗浄を行います。

眼に入った場合は、数分間注意深く洗浄し、コンタクトを装着していて、容易に取り外せる場合は取り外し、洗浄を続けます。飲み込んだ場合は口をすすぎ、意識のない人の口には何も与えません。

2. 取扱方法

使用者は、防塵マスク、保護手袋、側板付き保護眼鏡 (必要によりゴーグル型または全面保護眼鏡) 、長袖作業衣を着用して作業を行います。

屋内作業場で使用する場合は、発生源の密閉化、または局所排気装置の設置が必要です。また、取扱い場所の近くに安全シャワー、手洗い洗眼設備を設け、その位置を明瞭に表示します。

3. 保管

容器は遮光し、換気のよいなるべく涼しい場所で、ガラス製容器に密閉して保管します。また、不活性ガスの封入が必要です。

混触危険物質である強酸化剤とは離し、特に吸湿に注意して保管します。廃棄時は地域、 国、 現地の適切な法律、 規制に従って処置を行います。処理業者に委託する場合は、SDS等の取扱説明書の提供が必要です。

4. 火災時の措置

消火時は、水スプレー (水噴霧) 、二酸化炭素、泡、粉末消火剤、砂を使用します。使用してはいけない消火剤は、特にありません。周辺環境および保管場所にあるその他の化学物質に応じた適切な消火剤で、消火を行います。

火災時に、熱分解生成物として刺激性のある有毒なガスおよび蒸気を発生させる危険性があるため、適切な個人用保護具、消防士は自給式呼吸器および消火装備を着用し消火活動を行います。

5. 市場

2021~2026年の間に、4.11%のCAGRで成長すると予想されています。家畜産業からの需要増加が成長理由です。

さらに、肝臓の健康的な機能、脳の発達、筋肉の代謝、および神経系への良い機能を持つことから、人間のサプリメントとしての需要が高まることが期待されています。

参考: 塩化コリン市場

参考文献
https://www.mordorintelligence.com/ja/industry-reports/choline-chloride-market

塩化アセチル

塩化アセチルとは

塩化アセチルの基本情報

塩化アセチルとは、酢酸から誘導されるカルボン酸塩化物の1種です。

塩化エタノイル (英: Ethanoyl chloride) とも呼ばれます。湿った空気中で塩化アセチルは白煙を生じ、水と容易に反応して加水分解して、酢酸と塩化水素に変わります。そのため、自然界には通常存在していません。

塩化アセチルは市販されていて、容易に入手できます。酢酸と塩化チオニルあるいは三塩化リンを反応させると、塩化アセチルを合成可能です。

塩化アセチルの使用用途

有機合成で塩化アセチルは、有機化合物へのアセチル基 (CH3CO-) の導入に使用可能です。例えば、AlCl3などのルイス酸触媒存在下で、芳香族ケトンの合成に塩化アセチルが用いられます。この反応はフリーデル・クラフツ反応 (英: Friedel–Crafts reaction) と呼ばれています。

ベンゼンのフリーデル・クラフツ反応によるアセトフェノンの合成のほか、エタノールのアセチル化による酢酸エチルの合成などにも使用可能です。

塩化アセチルの性質

塩化アセチルの密度は1.105g/cm3であり、融点は−112°C、沸点は51°Cです。常温では、引火性や可燃性を持つ無色の液体です。

塩化アセチルには不快な刺激臭が特徴で、目や皮膚への刺激性があります。ベンゼンクロロホルム、エーテル、石油エーテルに可溶です。

なお、塩化アセチルはカルボン酸塩化物です。アセチルとは、化学式がCH3CO-で表されるアシル基のことを指します。塩化アセチルの分子式はC2H3ClOで表され、分子量は78.50です。

塩化アセチルのその他情報

1. 塩化アセチルの合成法

塩化アセチルの合成

図2. 塩化アセチルの合成

工業的に塩化アセチルは、無水酢酸と塩化水素の反応により得られます。この反応では、塩化アセチルと酢酸の混合物が生成されます。実験室規模で塩化アセチルは、酢酸カリウムが塩化ホスホリルと反応すると合成可能です。

1852年にフランスの化学者シャルル・ジェラール (英: Charles Gerhardt) によって、初めて調製されました。三塩化リン (PCl3) 、五塩化リン (PCl5) 、塩化スルフリル (SO2Cl2) 、ホスゲン (COCl2) 、塩化チオニル (SOCl2) などと、酢酸の反応によっても生じます。

これらの方法では、通常リンや硫黄などの不純物を含んでいるため、塩化アセチルによる有機反応を妨げる可能性があります。ジクロロ酢酸クロリドと酢酸の混合物を加熱すると、塩化アセチルを合成可能です。塩化メチルの触媒的カルボニル化のほか、酢酸、アセトニトリル、塩化水素の反応でも、塩化アセチルが生成します。

2. 塩化アセチルの反応

塩化アセチルの反応

図3. 塩化アセチルの反応

塩化アセチルはアセチル化反応に用いられています。アルコールからはエステルが、アミンからはアミドが得られます。カルボン酸との反応では、酸無水物を合成可能です。

3. 塩基を用いた塩化アセチルによるアセチル化反応

アルコールやアミンのアセチル化反応では、塩化水素を捉えるための塩基として、トリエチルアミン水酸化ナトリウムなどが使用されます。水酸化ナトリウム水溶液を用いて、アルコールまたはアミンをカルボン酸塩化物と反応させて、エステルやアミドを得る方法は、ショッテン・バウマン反応 (英: Schotten-Baumann reaction) と呼ばれています。反応性次第では、炭酸水素ナトリウムや炭酸ナトリウムも使用可能です。

塩化アセチルを用いたアセチル化反応では、ピリジンや4-ジメチルアミノピリジン (DMAP) からアセチルピリジニウム塩が生じます。このアセチルピリジニウム塩が、アルコールやアミンをアセチル化する触媒として作用するため、通常実験室ではピリジン類を少量用います。ピリジン類を過剰に用いて、反応溶媒として使用されることも多いです。