炭酸エチレン

炭酸エチレンとは

炭酸エチレン(ethylene carbonate)とは、エチレングリコールと炭酸との環状エステルです。

化学式はC3H4O3で、分子量は88.06です。

室温 (25 °C) では透明なガラスのような固体ですが、融点が 34–37 °Cと低く、液体の状態では無色無臭です。
炭酸エチレンの合成法は数多く知られています。

その中で最もよく工業的に使用されている方法は、エチレングリコールとホスゲンとの反応による合成です。

しかし、近年、環境負荷の問題からホスゲンを用いない合成方法の研究が進んでいます。

炭酸エチレンの使用用途

炭酸エチレンの使用用途としては、有機溶媒としての利用が多く使用されています。

炭酸エチレンは高極性溶媒であり、電解質を大量に溶解することができます。

この性質を利用して、リチウムイオン二次電池向け電解液の溶媒用途に主に使用されている他、高分子に対する溶解性が高い事から、剥離剤、洗浄剤としても使用されています。

炭酸エチレンは、近 年、高分子重合の優れた有機溶媒として工業的に用いられるようになってきています。

また、エチレンオキシド、エチレンイミン等と同様に、活性水素を有する化合物に対して開環付加反応、もしくは開環縮合反応を行って、高分子合成において興味ある有用な化合物を合成できることが報告され、一躍注目されるようになってきました。

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