パイプバイス

パイプバイスとは

パイプバイス(英語:Pipe Vice)は、切断やねじ切り作業の際に、パイプまたはチューブをしっかりと保持し固定するために使用される配管ツールです。一般的に「パイプ万力」も同義語として使用されています。

通常は、作業台や工事車両、三脚付き作業台などに固定して使用します。

万力式パイプバイスは、V溝形状でギザギザ歯が付いた金具をねじ式ハンドルで回してパイプを挟み込み、金具がパイプに食い込み滑らないようにして固定して使用します。

チェーン式パイプバイスは、V溝歯の金具ではなくローラーチェーンを巻き付けてパイプを固定し、使用します。

パイプバイスの使用用途

パイプバイスは、パイプ加工時の固定用に特化した工具で、その使用用途は限定されます。

使用目的は、パイプの切断や溶接時の材料の位置ズレを防ぎ固定する、ねじ込み式継手の組み込み作業でのパイプを固定するなどです。長尺のパイプの加工する場合は、パイプバイスで固定している以外の部分をパイプサポートなどで支持して使用します。

使用される場面としては、小型で可搬式であることから、工事現場や工場内の不特定作業場所での使用など、多くのパイプを扱う現場になります。最近では、電動パイプカッターやねじ加工機の発達によって、パイプバイスを使用しなくても作業可能な場面も増えてきています。

パイプバイスの選び方

パイプバイスの選定には、下記のようなポイントがあります。

固定方式

万力式は、一般的にギザギザの歯でパイプを固定するため、パイプに傷が付くことがあります。傷付きを最小限に抑えるために、歯の山形をより細かくして、メッキ管(白管)や被覆銅管用に使用できるものもあります。

チェーン式は、大きなトルクと圧力で強力な固定ができます。また、柔軟なチェーンをコンパクトに収納できるため、使用していないときの保管スペースは最小限になります。

適用パイプ外径

パイプバイスは、適合する配管のサイズが決まっているものもあり、確実な固定をするためには適合する型式を選定する必要があります。
一般的に適合するパイプサイズは 1/8B~6B です。

その他

パイプ溶接用で、溶接する2本のパイプを直線状で同芯になるようチェーンで固定するものや、パイプとエルボやティー、フランジと固定し、溶接作業が確実にできるウェルディングパイプバイスがあります。

ベンダー

ベンダーとは

ベンダー(英語:Bending Machine)は、パイプ(チューブ)や金属製の平板、アングル(型鋼)などを曲げるための加工機の総称です。一般的に「曲げ加工機」も同義語として使用されます。

ベンダーは、被加工物によって専用機械になっていることが多くあります。手動でパイプを曲げる小型の工具から、電動、油圧などの作動方式でプログラミングして自動的に加工できる大型の加工機まで、大小さまざまな大きさの被加工物に対応し、多くの種類のベンダーがあります。

ここでは、主に工具として使用される小型のベンダーについて説明します。

ベンダーの使用用途

小型のベンダーにもさまざまな種類があり、それぞれ被加工物の種類や加工方法によって分かれています。

手動のベンダーは、作業用電源のない現場環境などで使用する工具で、細いパイプ(チューブ)や鉄筋鉄線材、鉄板やアルミの薄板を曲げる作業に使用するものがあります。

電動のベンダーでは、鉄筋やアングル(型鋼材)の曲げや切断加工の作業に使用するものがあります。

油圧のベンダーは、主にパイプ(チューブ)の曲げ加工に使用されます。電動油圧式鉄筋ベンダーカッターのような動力源が複合型のものもあります。

ベンダーの選び方

ベンダーの選定は、用途や被加工物の種類によって特化された専用工具が多く、それぞれの工具によって選定におけるポイントは異なってきます。

  1. パイプ(チューブ)用ベンダー
    細い外径のパイプ(チューブ)用では、小型でハサミのように2本のレバーを手で押し閉じることで曲げるものが多く、加工できるパイプ外径や材質、特に曲げ可能角度を十分確認して選定する必要があります。

    また、油圧パイプベンダーは、手動小型ベンダーでは加工困難な外径が大きく肉厚な鋼管、ステンレス鋼管用で、曲げ半径の大きなパイプ曲げ加工などに使用します。パイプ外径や曲げ半径によって、適合したベンダーシュー(当て金)を選定する必要があります。

  2. 鉄筋用ベンダー
    鉄筋用ベンダーは、手動や電動、電動油圧式があり、作業場所における電源の有無や加工本数、作業効率などによって選定します。可搬式で手持ち作業用だけでなく、一定の作業場所に置いて加工する据え置き式ベンダーもあります。また、電動油圧式鉄筋ベンダーカッターのように切断も可能な工具もあります。
  3. 薄板用ベンダー
    鉄板やアルミの薄板の曲げ加工機で、加工可能な板材の大きさ、厚みなどを確認し選定する必要があります。

全ネジカッター

全ネジカッターとは

全ネジカッター(英語:Full Thread Cutter)は、全ネジボルトを切断するための専用工具です。手動式と電動式があり、最近では充電式(バッテリー式)が多く使用されています。

全ネジボルトとは、六角ボルトのような頭部がなく、全長すべてがねじ部になっているボルトです。一般的に「寸切りボルト」も同義語として使用されています。

全ネジカッターは、ねじ山と溝が加工された刃が全ネジボルトのねじに噛み合い、2枚の刃で挟み込みせん断力で切断します。これにより、ねじ部を潰さずに安定した切断面になり確実な切断を行うことができます。

電動の全ネジカッターにはコード式もありますが、ここでは主にバッテリー式について説明します。

全ネジカッターの使用用途

全ネジボルトは、電気工事や配管工事のケーブル、ケーブルトレイ、配管を建物の天井から吊り下げる場合、さまざまな装置や照明器具を固定する場合などに使用されています。

この場合に全ネジボルトは、配管や装置など取り付けるものの位置(レベル)が調整できるように、必要な長さより長く一様の長さで取り付けられています。したがって、配管や装置を据え付け後に、全ネジボルトのナットなどから突き出ている不要な部分を、全ネジカッターで切断します。

全ネジカッターを使用することで、ねじ部を潰さずに多数の全ネジを同じ長さに、効率よく切断することが可能になります。

その他の用途では、コンクリートのアンカー用全ネジボルトの切断などがあります。

全ネジカッターの選び方

全ネジカッターの選定には、下記のようなポイントがあります。

  1. 切断能力(切断ねじサイズ)
    電気工事や配管工事で使用することが多いため、全ネジボルトのサイズは主に下記のようなサイズに限定されます。なお、全ネジボルトの材質によって切断できるサイズが変わることがあるため注意が必要です。

    全ネジボルトサイズの例:M6、M8、M10、W3/8、W5/16、W1/2

    作業に必要な切断能力(ボルトサイズ)を選定します。

  2.  バッテリーの電圧(容量) ※バッテリー式の場合
    バッテリーの電圧(容量)は、出力電圧別に「DC 36V」「DC 18V」「DC 14.4V」「DC 10.8V」などがあり、電圧が高いものは作業可能な時間も長くなります。また、電圧が小さいほど軽量になります。必要な作業時間に適した電圧を選定する必要があります。

※バッテリーは同メーカーの他の電動工具と共用できるのものが多く、同じ容量ので統一することバッテリーや充電器を最小源にすることができます。

電動カッター

電動カッターとは

電動カッターは、電気の力で木材や金属、プラスチック、段ボールや絨毯など普通のカッターなどを使用して手で切ることが難しいものを切るための切断工具です。

チェーンソーや丸のこなどは含まず、通常はマルチカッターとレシプロソーのことです。縦回転する円盤状の刃を本体の先端にセットして刃の回転力で切断するのがマルチカッター。本体の先に短めのノコギリの刃セットして刃が前後することで切断するのがレシプロソーです。

柔らかい物の切断はマルチカッター、硬い物の切断はレシプロソーが一般的に使用されます。

電動カッターの使用用途

マルチカッターとレシプロソーの主な用途は下記です。

  1. マルチカッター
    縦回転する円盤状のブレードで材料を切断します。柔らかいシート状のものを切るのに適しています。使い方はブレード間に切断したいものを差し込見ます。ブレードが回転する力で切り進みます。また、切断線マークがついているため、切断位置を確認しながら切ることができ、正確な位
    置を切断することが可能です。

    マルチカッターで切るのは、シート状(板状)の物です。また、金属でも配線コードや針金などが切断できます。更に、刃の回転を利用した自動研磨機能がついているため刃の研磨は必要ありません。

  2. レシプロソー(セーバーソーとも呼ぶことがあります)
    ブレードを往復させ、材料を切断するします。同じように往復運動で切断するジグソーよりも切断力があります。レシプロソーは、切断する部材によって刃を換える事が可能です。また、狭い所でも、細長い形状を活かした作業が可能です。小屋や倉庫の解体作業、パイプなどの切断に最適です。小型のレシプロソーで充電式の物は片手でも作業ができます。木の剪定や大きなごみの解体に使用されることも多いです。

電動カッターの選び方

切断する場合によって、下記の内容を参考にしてください。

  1. 金属
    切断する金属の種類と厚さを確認して下さい。金属の種類(鉄板・ステンレス・アルミ)によって切断厚さに違いがあります。また、電動でもある程度の力が必要です。切断する際の安全対策(ロック機能や振動軽減機能)が装備されている製品を選んで下さい。
  2. 木材
    家具の組み立て庭木の剪定などDIYに使用する際は、長時間の使用が必要となります。そのため、持ち手がグリップ形状の作業のしやすい製品や、連続稼働時間の長い製品を選んで下さい。
  3. プラスチック
    取り回しの容易さがポイントになります。小さな部品の切断に使用する場合は、小型軽量の製品が良いです。作業負荷にならないよう軽量(1kg前後)の製品が良いです。
  4. 布・革
    布や革製品を切断する際は、素材がだれてしまうので、片方の手で布をしっかり張りながら切断しないと綺麗に切断できません。片手で腕が疲れないような製品(重量・形状)を選びましょう。

全体的には、コードの有無(パワー・使用時間・使用場所)や付属の替刃の種類とオプションブレードの確認もして下さい。

エアーハンマー

エアーハンマーとは

エアハンマー(英語:Air Hammer、 Pneumatic Hammer)は、本体に内蔵されたエアシンダーのピストンを圧縮空気でを往復運動させ、まずピストンによりチゼル(先端工具)の端部を連続して打撃します。次に、チゼル先端を対象物に押し当て衝撃を与えます。

剥離(はつり)や破砕を行う、小型、軽量でパワーが強く、多くの作業で使用されている空圧工具の一種です。

おおまかな種類は「エアチッパ」と「エアハツリ機」などがあり、それぞれ用途によって使い分けます。

エアーハンマーの使用用途

エアハンマーは、種類により使用用途はさまざまです。

エアチッパ

a. エアーハンマー(エアーチッピングハンマー)
一般的なタイプのエアーチッパ(エアーハンマー)で、金属、石材、コンクリートなどのハツリや、錆落とし、壁面の破砕、切断、剥離作業、鋳物の砂落としなどに使用されます。チゼル(先端工具)を取り換えることで、簡単な杭打ちやリベット、シャフトの打ち込みも可能です。

b. エアーフラックスハンマー(エアーチッパ)
最も小型で軽量のタイプで、溶接のスパッタ、スケール、スラグなどのハツリ、バリ取り、塗料、錆落としなどに用いられます。

エアハツリ機

エアーコンクリートブレーカー
名前の通り、コンクリートなどを破砕するエアハンマーです。

その他

その他のエアハンマーとして、下記のような種類があります。

  • ディガは、コンクリートのハツリや土壌の堀削などに使用します。
  • サンドランマは、耐火煉瓦固めや鋳物の砂固めなどに使用されます。

エアーハンマーの選び方

エアハンマーは、使用用途や作業内容、対象物の種類に適した種類、タイプを選定することは前提ですが、そのほかに下記のようなポイントがあります。

仕様

エアハンマーの選定において重要な性能は下記のような項目があり、対象物の違いや破砕に必要なパワーを考慮して選定する必要があります。

例として、ピストン径、ピストンストローク、1分間当たりの打撃数( 単位はbpm(回/分)、min-1)、使用空気圧力(MPa)、空気消費量(リットル/min、 m3/min)などがあります。

チゼル

使用できるチゼルの種類や適合する軸径を確認する必要があり、作業や対象物に適したチゼルを選択します。

エアハンマー本体のチゼル差込口の形状は、「丸型」「角型」があり、丸型は対象物とともに回転しますが、角型は回転しません。

チゼルの先端形状は、下記のような種類と使用用途があります。

  • フラットチゼルは、タイルや塗装のハツリなどに使用します。
  • シートメタルチゼルは、薄板の切断などに使用します。
  • ポイントチゼルは、コンクリートのハツリなどに使用します。
  • リベットチゼルは、リベットの切断、溶接のスパッタ除去などに使用します。
  • スケーリングチゼル(カッターチゼル)は、型枠工事のコンクリートの染み出し除去や溶接や残留物のかき落しなどに使用します。

エアホース接続口の仕様

エアホース接続口形状は、ねじ込み式や専用のカプラやプラグが使用されているのがあります。

ねじの種類は主に、JIS B 0203 管用テーパねじ (Rc)、JIS B 0202 管用平行ねじ (G)、またはASME/ANSI B 1.20.1 アメリカ管用テーパねじが使用されています。

エアーインパクトドライバー

エアーインパクトドライバーとは

画像出典元: Amazon

エアインパクトドライバー (英: Air Impact Driver、 Pneumatic Impact Driver) とは、エアコンプレッサからの圧縮空気を動力源として、ねじを締め付け緩めるための空圧工具です。

エアモーターでハンマーを回転させ、ハンマーの回転力を打撃力に変換して、ハンマーがアンビル (締め付け、緩め用回転軸) を打撃し衝撃を加えることで、強い締め付けと緩め力を発生させることができます。

エアーインパクトドライバーは、人力でのネジ締め付け作業の際、パワー不足になる場面で非常に役に立ちます。

エアーインパクトドライバーの使用用途

エアーインパクトドライバーは、主に建築現場や整備工場など、様々な場所で使用されています。また、エアコンプレッサなどで圧縮した空気を動力に使用しているため、電動の場合のモーターと比較して回転部が熱を発生しにくく、連続作業に適しています。

具体的な使用例は以下の通りです。

  • アルミサッシの組み立て
  • エンジン回りの整備
  • 建築現場での金物の固定
  • カー用品の取り付け
  • 木工製品の組立
  • 製造ラインでの部品のネジ締めや取り外し

エアーインパクトドライバーの特徴

長所

1. 耐久性に優れている
電動工具に比べ構造がシンプルなため壊れにくく、メンテナンスが容易です。

2. 小型で扱いやすい
エアインパクトドライバーは、同等能力の電動式ドライバーと比べ小型で軽量なタイプが多いです。また、高いトルクを発生させることで、十分なネジの締め付けを行なうことができます。

3. 電気を使わないため危険が少ない
エアーインパクトドライバーは、使用するときに電気を使用しないため、漏電や感電のリスクがほとんどありません。また、火花が出ないことも大きな特徴で、ガソリンスタンドなどの火気厳禁の現場での作業に適しています。

短所

1. 締め付けすぎに注意が必要
エアインパクトドライバーにはクラッチがないため、レバーやスイッチの引き具合いで締め付け力を調整する必要があります。締め付け力が強すぎるとねじ頭の損傷や被締め付け物が割れるなどが起こることがあり注意が必要です。

2. 導入コストが高い
エアーインパクトドライバーを使用するには、動力源となるエアコンプレッサが必要です。エアコンプレッサは1台15〜30万円程度と高額なため、導入コストが高いのがデメリットです。ただし、エア工具は電動工具よりもトラブルが起きにくい面があるため、長期的に使用する場合は、購入を検討するのもよいでしょう。

3. 騒音が大きい
使用時の騒音が大きく、環境により問題となることがあります。購入する際は事前に、設置場所や騒音値の確認が必要です。

エアーインパクトドライバーの種類

エアインパクトドライバーは、形状やスタート方式が製品により異なります。作業する環境や目的に合わせて適切なものを選ぶ必要があります。

1. 形状による分類

ピストル型
汎用的な形状で、上向きや下向き、横向きなど多方向での作業が行えるため、現場や自動車整備工場など、さまざまな場面で幅広く用いられています。

ストレート型 (ペン型)
本体が直線形状でアンビルが下方向きのため、生産ラインでの組み立てや分解など、ねじの締め付け緩め作業を行うのに適しています。

アングル型
本体に対してアンビルに90度の角度が設けられているため、ピストル型やストレート型で作業が困難な場合に使用します。

2. スタート方式による分類

始動レバー式
始動レバーを押すとエアモータにエアが供給され、回転する方式です。

プッシュ始動式
締め付けるネジにビットを押し付けるとエアモータにエアが供給され、回転する方式です。レバーを押し続ける必要がありません。

レバープッシュ始動式
始動レバー式とプッシュ始動式を組み合わせた方式です。始動レバーを押すとエアモータにエアが供給され、ネジにビットを押し付けるとビットが回転します。

エアーダスター

エアーダスターとは

エアーダスターとはフロンなどの圧縮ガスを噴出することでゴミやほこりを吹き飛ばす空圧工具ことです。

コンプレッサーから圧縮空気を供給して噴出するエアーガンやエアーブローと呼ばれる工具もあれば、圧縮空気やガスなどを封入した缶製品もあります。

エアーガンや、エアブローの用途には洗浄だけでなく、水分を吹き飛ばし、乾燥させる目的としても使われます。缶製品であれば、アルコールなどの液体を同封して、洗浄力を増したものが一般的です。

エアーダスターの使用用途

エアーダスターは工作や商用のみでなく、家庭用で使用する場合もあります。以下は使用例です。

  • パソコンのキーボード掃除
  • プリンタやスキャナなどの印刷機器の掃除
  • 制御基板上の掃除
  • 体に付着したほこり掃除
  • カメラのレンズやメガネの掃除

主に手の届かない狭い溝などを掃除するために用います。

エアーダスターの原理

エアーダスターは主に圧縮空気タイプと圧縮ガスタイプの2種類に分かれます。

  • 圧縮空気タイプ
    コンプレッサーなどで圧縮した空気を、エアーガンで放出する仕組みです。エアーガンに付属したトリガーを引くことでエアーを放出させます。
    また、手動で圧縮空気を発生させる製品も存在します。ゴムでできた握り手を強く押すことでエアーを放出させます。コンプレッサーよりも出力は弱い反面、安価です。手動の製品はエアブロアとも呼ばれます。
  • 圧縮ガスタイプ
    フロンガスなどの圧縮液化ガスを放出する仕組みです。以前はフロンガスを多く使用していましたが、近年は環境配慮のためにノンフロンタイプが主流です。
    ノンフロンタイプの多くはジメチルエーテルガスが使用されます。温室効果が低い反面、可燃性のため取り扱いには注意が必要です。

エアーダスターのその他情報

1. エアーダスターの使い方

エアーダスターを使うには、圧縮ガスが必要となります。

エアーガン・エアーブロータイプではコンプレッサーにより圧縮空気を製造し、ホースを介して空気を噴出します。そのため、コンプレッサーが動いている間は制限なく使用可能です。また、除湿器を併用することでドライな圧縮ガスを精製し、効果的に乾燥を行うことができます。

エアーガンを使用するにあたり、コンプレッサーがオイル式かオイルレスかに注意する必要があります。オイル式のコンプレッサーには微量のオイルが圧縮空気に混ざるため、食品のようなものを取り扱う場合にはオイルレス式が適切です。

缶製品の場合は、封入されている圧縮ガスおよび液体に限りがありますが、どこにでも持ち運びができるという利点があります。

2. エアーダスターの選定

エアーガン・エアーブロータイプと缶製品タイプとでは選定方法が大きく違います。使用目的に沿って選定することが肝要です。

エアーガン・エアーブロータイプの選び方
エアーガン・エアーブロータイプは、ノズルの形状により噴出の状態を変えること可能です。集中噴射するタイプもあれば、広範囲に渡って圧縮空気を吹きかけるタイプもあります。また、吸引力を利用して噴出力を増強するタイプもあります。いずれにせよ、使用目的によって、適切な噴出タイプを選ぶことが必要です。

エアーガン・エアーブロータイプ

図1. エアーガン・エアーブロータイプ

缶製品の選び方
缶製品を選ぶうえでノズルタイプの選定が重要です。細いパイプ状のノズルを脱着することで広範囲噴射と集中噴射を切り替えられるタイプや、ノズルが脱着不可のタイプがあります。ノズルが脱着不可のタイプでも、収納時にノズルが邪魔にならないように、ノズルを折りたためるタイプもあります。また、逆さで使えるタイプであれば隅々までガスを吹きかけることが可能です。
封入される液体の種類によって選ぶこともあります。封入される液体にはアルコールのように揮発性の高いものや、潤滑剤などが封入されるタイプもあります。
また、臭いや不燃性・可燃性ガスなど種類はさまざまであり、使用目的や用途に合わせて適切なものを選ぶことが重要です。

鉄筋結束機

鉄筋結束機とは

鉄筋結束機は、鉄筋コンクリート構造物の建設作業において、内部の鉄筋の結束を行う工具です。

以前は鉄筋工と呼ばれる職人が、手作業でハッカーという工具を使用し鉄筋を結束していました。結束に用いるワイヤーの強固な締め付けが求められるものの、締めすぎるとワイヤーがねじ切れることから、適切な力加減が必要です。そのため職人の熟練度が、品質とスピードを大きく左右していました。また太い鉄筋を結束する場合は、それを支える作業員が必要でした。

鉄筋結束機の登場により、結束力が調整できることから熟練の技を必要とせず、かつ片手で鉄筋を支え、反対の手で結束することで一人作業が可能になりました。加えて作業スピードの向上により、作業員の足腰への負担の軽減にもつながりました。 

鉄筋結束機の使い方

鉄筋結束機にワイヤーをセットし、結束力を調整します。なお作業中にワイヤーがねじ切れる場合は弱めに調整します。本体を鉄筋面に対して垂直に当てがい、鉄筋の交差部にアームと呼ばれる先端部を差し込みます。トリガースイッチを引くと自動で結束します。

結束部は、鉄筋の節と節の間に設けます。また交差した鉄筋に対し45°の角度でクロスするように結束するとともに、隣接する交差部の結束の向きが、右斜め、左斜めと互い違いになるように結束します。

結束作業中にアームを結束箇所から動かすと、ワイヤーがフックに絡まる、あるいは結束ミスの原因になることから、結束作業が完了するまで押し付けます。 

鉄筋結束機の選び方

鉄筋結束機は、機種ごとに結束可能な鉄筋の太さの範囲や組み合わせが決まっています。施工現場に用いられている鉄筋に合わせて機種を選定します。なお太い鉄筋に対応している機種が、それより下回る径の鉄筋全てに対応しているとは限りません。「最小結束径」ならびに「最大結束径」の確認が必要です。

対象鉄筋径「細径鉄筋φ2.9×φ6.0〜」とある場合は、主筋φ2.9mm、配力筋・剪断補強筋φ6.0mmの組み合わせから使用可能です。

また鉄筋を3本、4本組み合わせた交差部の結束能力は次のように表示されています。
3本の組み合わせの場合 最大結束径D13×D13×D25
4本の組み合わせの場合 最大結束径D13×D13×D16×D16

参考までに「D13」は異形棒鋼の名称です。「D4」公称直径4.23mm 重量約0.11kg/m から「D51」公称直径50.8mm 重量約15.9kg/m まであります。

このほか結束したワイヤーのミミの高さや下部のヒゲの長さが機種により異なっています。カブリ厚が少ない施工現場で使用する場合は、この点も考慮しておくとよいでしょう。 

鉄筋カッター

鉄筋カッターとは鉄筋カッター

鉄筋カッターとは、電動モーターや油圧により鉄筋コンクリート構造に使われる鉄筋を切断する工具です。ブロック状の刃によって鉄筋を圧縮して切断する方式と、回転刃で切断する方式の二種類があります。
方式は、

  1. 手動式:ハンドルを押し込んで、力を加えて切断する構造、
  2. 手動油圧式:手動のエネルギーを油圧ポンプで力を増幅して、その力をブロック状の刃物に伝えて鉄筋を切断する構造、
  3. 電動油圧式:電気エネルギーを利用して油圧ポンプを作動させてブロック状の刃物で鉄筋を切断する構造、
  4. 電動チップソー式:高速回転する刃物(チップソー)で鉄筋を切断する構造があります。

鉄筋カッターの使用用途

鉄筋コンクリート構造に使われる鉄筋の切断に特化した切断工具です。鉄筋は長い棒状およびコイル状で製造されていますので、切断が必要になる建築材料です。
鉄筋コンクリート構造の建築では、大量の鉄筋を使用するため、さまざまな太さの鉄筋を素早く効率的かつ安全に切断が可能な鉄筋専用のカッターを使用します。建築現場や鉄筋構造組み立て工場で使用し、使用するに当たり特別な資格は不要です。
また、鉄筋カッターは切断時に火花が出ないので、交通事故などのレスキュー現場でも使われることもあります。

鉄筋カッターの選び方

鉄筋カッターは主に、下記3点の視点から選びます。

  1. 鉄筋の硬さ(SD)・径(D)
    鉄筋はいろいろな種類があり、径の太さ(D)硬さ(SD)とという指標で計られます。
    切断能力をカタログなどで確認して購入する必要があります。特に硬さ(SD)は、数値が大きくなるほど硬さが増加し切断できない場合も有りますので、カットができるかどうか確認しておく事が重要です。
  2. 手動・電動
    値段は、”手動<手動油圧<電動油圧<電動チップソー”の順です。
    効率重視なら電動、コスパ重視なら手動が良いです。
    作業負荷やスピードから考えると、やはり電動のほうが効率が圧倒的に良いです。現場など仕事で使用する場合は、作業負荷の点から電動のほうが良いと言えます。DIY目的で作業量もあまりない場合は、手動でも十分です。
  3. 用途
    曲げ加工や、切断後の圧着の要否によって選択が変わってきます。用途によって柔軟に選ぶ必要が有ります。
    曲げ加工が必要な場合、手動式が良いです。切断後の圧着が必要なら、切断後の加工が必要ではない電動チップソーが一番効率的です。
    また、現場によっては騒音が出せない場合は、油圧式のタイプでないと使用できません。

ダクトファン

ダクトファンとは

ダクトファン(英語:Duct Fan)は、設備用送風排気ダクト、現場で煙や有害ガス排気用の送風機(ファン)の一種です。

送風機の中でも、吐出圧力の上昇が10kPa以下はファン(Fan)で、吐出圧力の上昇が10kPa~100kPaはブロワ(Blower)と呼ばれています。

この場合の「ダクト」は、必ずしも送排気の管路用に使用するファンのみを示しているのではなく、ファンの送風側にじゃばら状のフレキシブルダクトを使用するものも示しています。

空調や換気の設備として、事務所やホテル、映画館、工場などさまざまな建築物で利用されるものは「ラインファン」と呼ぶこともあります。
ここでは「ラインファン」以外について説明します。

ダクトファンの使用用途

ダクトファンは、現場や工場内で発生する煙、粉塵、有害ガス、塗装の臭気、熱の排気、地下や閉鎖された空間での工事等の換気、酸欠防止に使用されています。この場合は、特定の使用場所に常時設置して使用するのではなく、キャスター付きやコンパクトな可搬式のものでさまざまな場所で使用されます。

また、野菜栽培用のハウスなどでは、ハウス内に二酸化炭素ガスを送り込み光合成促進装置用のファンとして、据え付け型のダクトファンが使用されていることもあります。

ダクトファンの選び方

ダクトファンの選定には、下記のポイントがあります。

1. 電源仕様

ダクトファンを使用する環境で、下記のような電源仕様を確認し、適合したものを選定する必要があります。

電圧:AC100、110、200、220V
相数:単相、三相

防爆区域の場合は防爆型を選定する必要があります。また、据え付け型で制御システムなどのよりファンを運転する場合は、公称出力、負荷電流、起動電流、消費電流なども選定の際に必要な情報となります。

2. 送風能力

作業や環境に適した最大風量(ファンの吸込口と吐出口に障害物がない状態での流量)や最大静圧(ファンの吸込口か吐出口を完全に塞いだ状態で発生する圧力)を選定することが重要になります。一般的に、ファンの性能として風量や静圧の特性グラフは、製造者からカタログ等で公開されていますので、選定の際に活用します。

3. その他

全体寸法と風量は、羽根の外径によって変わり、外径大きいほど全体寸法は大きく重量は重くなり風量も多くなりますので、選定の際には確認が必要になります。