全ネジカッターとは
全ネジカッター(英語:Full Thread Cutter)は、全ネジボルトを切断するための専用工具です。手動式と電動式があり、最近では充電式(バッテリー式)が多く使用されています。
全ネジボルトとは、六角ボルトのような頭部がなく、全長すべてがねじ部になっているボルトです。一般的に「寸切りボルト」も同義語として使用されています。
全ネジカッターは、ねじ山と溝が加工された刃が全ネジボルトのねじに噛み合い、2枚の刃で挟み込みせん断力で切断します。これにより、ねじ部を潰さずに安定した切断面になり確実な切断を行うことができます。
電動の全ネジカッターにはコード式もありますが、ここでは主にバッテリー式について説明します。
全ネジカッターの使用用途
全ネジボルトは、電気工事や配管工事のケーブル、ケーブルトレイ、配管を建物の天井から吊り下げる場合、さまざまな装置や照明器具を固定する場合などに使用されています。
この場合に全ネジボルトは、配管や装置など取り付けるものの位置(レベル)が調整できるように、必要な長さより長く一様の長さで取り付けられています。したがって、配管や装置を据え付け後に、全ネジボルトのナットなどから突き出ている不要な部分を、全ネジカッターで切断します。
全ネジカッターを使用することで、ねじ部を潰さずに多数の全ネジを同じ長さに、効率よく切断することが可能になります。
その他の用途では、コンクリートのアンカー用全ネジボルトの切断などがあります。
全ネジカッターの選び方
全ネジカッターの選定には、下記のようなポイントがあります。
- 切断能力(切断ねじサイズ)
電気工事や配管工事で使用することが多いため、全ネジボルトのサイズは主に下記のようなサイズに限定されます。なお、全ネジボルトの材質によって切断できるサイズが変わることがあるため注意が必要です。全ネジボルトサイズの例:M6、M8、M10、W3/8、W5/16、W1/2
作業に必要な切断能力(ボルトサイズ)を選定します。
- バッテリーの電圧(容量) ※バッテリー式の場合
バッテリーの電圧(容量)は、出力電圧別に「DC 36V」「DC 18V」「DC 14.4V」「DC 10.8V」などがあり、電圧が高いものは作業可能な時間も長くなります。また、電圧が小さいほど軽量になります。必要な作業時間に適した電圧を選定する必要があります。
※バッテリーは同メーカーの他の電動工具と共用できるのものが多く、同じ容量ので統一することバッテリーや充電器を最小源にすることができます。