パイプバイス

パイプバイスとは

パイプバイス(英語:Pipe Vice)は、切断やねじ切り作業の際に、パイプまたはチューブをしっかりと保持し固定するために使用される配管ツールです。一般的に「パイプ万力」も同義語として使用されています。

通常は、作業台や工事車両、三脚付き作業台などに固定して使用します。

万力式パイプバイスは、V溝形状でギザギザ歯が付いた金具をねじ式ハンドルで回してパイプを挟み込み、金具がパイプに食い込み滑らないようにして固定して使用します。

チェーン式パイプバイスは、V溝歯の金具ではなくローラーチェーンを巻き付けてパイプを固定し、使用します。

パイプバイスの使用用途

パイプバイスは、パイプ加工時の固定用に特化した工具で、その使用用途は限定されます。

使用目的は、パイプの切断や溶接時の材料の位置ズレを防ぎ固定する、ねじ込み式継手の組み込み作業でのパイプを固定するなどです。長尺のパイプの加工する場合は、パイプバイスで固定している以外の部分をパイプサポートなどで支持して使用します。

使用される場面としては、小型で可搬式であることから、工事現場や工場内の不特定作業場所での使用など、多くのパイプを扱う現場になります。最近では、電動パイプカッターやねじ加工機の発達によって、パイプバイスを使用しなくても作業可能な場面も増えてきています。

パイプバイスの選び方

パイプバイスの選定には、下記のようなポイントがあります。

固定方式

万力式は、一般的にギザギザの歯でパイプを固定するため、パイプに傷が付くことがあります。傷付きを最小限に抑えるために、歯の山形をより細かくして、メッキ管(白管)や被覆銅管用に使用できるものもあります。

チェーン式は、大きなトルクと圧力で強力な固定ができます。また、柔軟なチェーンをコンパクトに収納できるため、使用していないときの保管スペースは最小限になります。

適用パイプ外径

パイプバイスは、適合する配管のサイズが決まっているものもあり、確実な固定をするためには適合する型式を選定する必要があります。
一般的に適合するパイプサイズは 1/8B~6B です。

その他

パイプ溶接用で、溶接する2本のパイプを直線状で同芯になるようチェーンで固定するものや、パイプとエルボやティー、フランジと固定し、溶接作業が確実にできるウェルディングパイプバイスがあります。

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