ボールロックピン

ボールロックピンとは

ボールロックピンとは、一端には球状の突起 (ボール) があるハンドル付きのピンです。

機械や装置の固定や取り外しを容易にするクイックリリース機構の一種で、部品同士を仮止めする際に使用します。ボールロックピンを使用することで、機器や装置の取り外しと取り付けが非常に迅速に行えます。繰り返し部品同士の接合を行うときに、他の工具を使わずに仮止めができるため便利です。

これにより、メンテナンスや修理作業の効率が向上します。また、ボールロックピンが適切に固定されると、しっかりとした保持力があり、機器や装置が安全に固定されます。高品質なボールロックピンは耐久性もあり、長期間の使用に耐えることが可能です。

ただし、ピンのサイズは使用する機器や装置に適合しなければなりません。適切でない場合、ピンが正しく固定されなかったり、外れやすかったりする可能性があるため注意が必要です。

ボールロックピンの使用用途

ボールロックピンはさまざまな産業・用途に使用されます。以下はボールロックピンの使用用途です。

1. 機械メンテナンス

工場や製造施設内での機械や設備のメンテナンス作業では、機械の一部を取り外すことが必要な場合があります。ボールロックピンを使用すると、螺子やボルトを緩める必要がなく、部品を迅速に取り外すことが可能です。これにより、メンテナンス作業の時間と労力が削減されます。

2. 検査装置

製品や部品のテストや検査を行うための装置や治具では、検査対象を確実に固定する必要があります。ただし、テスト部品を高頻度で取替する場合も多いです。ボールロックピンを使用して対象物がずれるのを防ぎ、正確な結果を得ることができます。

3. 加工

 金属加工や木工などの作業において、加工対象物をしっかりと保持する必要があります。ホルダーにボールロックピンを使用することで、加工部品を確実に固定することが可能です。これにより、加工中の動きやずれを最小限に抑え、高精度な加工を実現します。

ボールロックピンの構造

ボールロックピンの素材には、ステンレス製や鋼鉄製などがあります。ボール、ピン本体、ボタンまたはハンドルの3つの主要な部分から構成されています。

1. ボール

ボールは、球状または球状に近い形状をしてた部品です。ピンの取り付け先に挿入されることでピンが固定されます。ボールの直径や形状は、ピンの使用用途や負荷に合わせて設計されます。

2. ピン本体

ピン本体は円筒状または棒状の構造部分です。ボールを保持し、取り外しと取り付けを制御します。ピン本体はボールが穴にしっかりとはまるように設計されており、ピンを固定する際にボールを操作するための部分でもあります。

3. ボタンまたはハンドル

ボタンまたはハンドルは、ピンを操作するための部分です。一端に取り付けられており、ボールを制御して固定または解除する役割を果たします。ボタンはボールを解除する際に押し込むことで操作し、ハンドルはピンを装着する際に回すことでボールを穴に固定することが多いです。

ボールロックピンの選び方

ボールロックピンを選ぶ際には、いくつかの要因を考慮する必要があります。

1. 材質

ボールロックピンの材質は、使用環境や負荷に合わせて選択する必要があります。一般的な材質は、ステンレス鋼や合金鋼などです。耐食性が必要な場合や、高い強度が求められる場合にはステンレス鋼が適していることが多いです。

2. ハンドルの種類

ボールロックピンのハンドルは、ピンの操作を行う際に使用される部分です。ハンドルの種類にはノブ型、レバー型、ボタン型などがあります。選ぶ際には作業者が使いやすい形状や操作方法を選ぶことが重要です。

3. 軸径と軸長

ボールロックピンの軸径と軸長は、使用する装置や用途に合わせて選択する必要があります。軸径はピンの強度や耐荷重に影響を与える要因で、軸長はピンが装置内で適切に固定されるかどうかに影響する要因です。適切なサイズを選ぶことで、安全性や性能を確保することができます。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/221000370016/
https://www.nbk1560.com/resources/machine_element/article/lockpin-about/?SelectedLanguage=ja-JP

真円球

真円球とは

真円球

真円球は工業分野で様々な工業製品に使用されている部品です。回転運動を支えるためのとても重要な機械要素となっています。

真円球はベアリングという部品の転がり軸受けとして使用されており、回転の精度は、組み込まれている真円球の制度に大きく左右され、工業の発展にともない、真円球の精度も飛躍的に向上しています。

軸受けの部品に使用されいるため、精度が低いと回転の妨げになり、正しく工業製品が機能しなかったり、効率が悪くなってしまします。

真円球の使用用途

真円球は身近なものだと、CDやDVDプレーヤーの録画再生機に搭載されています。この回転を支えるために、軸受けの真円球の精度が悪いと、映像を録画や再生をした際に、ノイズが生じたり、正しく録画、再生ができないことがあります。さらにパソコンなどに搭載されているハードディスクの場合は、さらに高い精度が求められ、記憶容量が増えるに連れて、軸受けの真円球に求められる精度は高くなっています。

そのほかにも回転する部品の軸受けに多く使われているため、ボールペンなど小さい日用品から、自動車などの部品として様々な場所で使用されています。

真円球の原理

真円球はものすごく綺麗な球の形をしています。この球が少しでも凹凸があると、転がる際に抵抗が大きくなってしまい、製品が正しく機能しなかったり、動作の効率が悪くなってしまいます。凹凸が原因で、軸受けに目的外の力が加わってしまうと、故障や破損の原因になることがあります。

大きな力がかかる工業製品などでは、耐久性を高めるために素材が、ステンレスなどの金属が用いられています。また樹脂製のものや、アルミ製のものもあり、使用状況によって使い分けられています。

精度の良い真円球とは、ボールの直径などの誤差が少なく、ボールの表面の荒さが少ないものという規程があります。平均直径と最大、最小直径との差が小さければ小さいほど、精度が高い真円球で、真球度は表面の荒さを表すもので、この数値が小さいほど精度が高い真円球になります。ボールの精度は等級で区別され、形状の精度や表面の荒さなどによって等級が分けられており、等級は小さいほど、精度が高い真円球です。

参考文献
https://www.jbia.or.jp/about/illust/pdf/ballseido.pdf
https://www.kimihiko-yano.jp/Product/bb/g3-ball.htm

環境測定器

環境測定器とは

環境測定器

環境保全の観点から、水質汚染防止法や大気汚染防止法など、各種法律によって工場や事業所に対し様々な規制がなされています。これらの規制を順守するために、湿度、温度、風速、騒音、日射、ガス、アルコールなどを測定する機器が環境測定器です。

通常は、一種類の測定のみ行う機器が多いですが、温度と湿度、風速や騒音などが一台でマルチに測定できるマルチ環境測定器もあります。特に、工場の作業環境の維持に必要な機器です。

環境測定器の使用用途

環境測定に使われる測定器は、水質汚染計測・分析装置、大気汚染分析・計測機器、騒音・振動計測機器、ガス検知器、その他気象観測機器などがあります。

また、人体に影響のある空気中のガス濃度を測る検知管、呼気のアルコール濃度を測るチェッカーなども環境計測器の分野に含まれます。

さらに職場の環境を判断する為の熱中症指標計や粉塵計騒音計風速計、室内外の温度を比較表示する室内室外温度計などの用途もあります。

環境測定器の原理

環境測定器は、作業環境などの湿度、温度、風速、騒音、日射などを測定する機器の総称です。

また、ガウスメーターなども環境測定器の仲間で、希土類マグネットの測定、電磁コイル、電磁石などを測定しています。

また、運送事業では、息を測定機に吹きかけることで、アルコール濃度をチェックするアルコールチェッカーは、飲酒運転防止のため義務付けられています。

環境測定器は、屋外に持ち運ぶことが多く、携帯に便利なサイズが主流で、質量が500g以下程度のものが多いです。

また、近年、一台で複数の種類の測定を一台で測定できるマルチ環境測定器も出てきており、測定者の負荷の軽減に役立っています。

どれも防水性に優れており、天候によらず屋外での測定可能です。

24時間測定できるタイプや温度や湿度がある一定の数値に達するとアラームで知らせるタイプなどさまざまな機能が付いている機器もあります。

特に最近は猛暑日が多いため、設定した温度と湿度になるとアラームが鳴るようになっている熱中症対策の商品は、介護施設や学校、工事現場などあらゆる場所で重宝されています。

参考文献
https://www.eiwa-net.co.jp/item/makercategory/id/3
https://jp.misumi-ec.com/vona2/fs_processing/T0300000000/T0328000000/
https://www.sibata.co.jp/category/cate1/

ダイヤモンドカッター

ダイヤモンドカッターとは

ダイヤモンドカッター

ダイヤモンドカッターとは、砥石や刃物を使用しないで硬質な素材を切断するための工具です。

ダイヤモンド粒子を固着した金属の円盤状のカッターで、石材やセラミック、ガラス、合金、プラスチックなどの切断に使用されます。ダイヤモンドカッターは刃の切れ味が非常に鋭く、高い精度で切断が可能です。

また、耐久性が高く切断速度が速いです。素材を削り取るようにして切断するため、砥石や刃物に比べて作業効率が良くなります。ダイヤモンドは熱に弱いため適切な冷却方法が必要です。

ダイヤモンドカッターの使用用途

ダイヤモンドカッターの使用用途は以下の通りです。

  1. 石材の切断
    大理石、花崗岩、石灰岩などの石材の切断
  2. セラミックスの切断
    陶器、タイル、磁器などのセラミックスの切断
  3. ガラスの切断
    板ガラスや鏡、ガラス管などのガラスの切断
  4. 合金の切断
    ステンレス鋼アルミニウムなどの合金の切断
  5. プラスチックの切断
    ABS樹脂、ポリカーボネートポリアセタールなどのプラスチックの切断
  6. 半導体の切断
    シリコンウエハなどの半導体の切断

ダイヤモンドカッターの特徴

長所

ダイヤモンドカッターは、硬質材料の切削において多くの利点があります。主な利点の1つは、ダイヤモンドが最も硬い物質の1つであるため、金属やプラスチックなどの他の材料では切削が困難または不可能な非常に硬い材料でも切削が可能になることです。

ダイヤモンドは強度が高く耐久性に優れているため、摩耗や変形が少なく長時間使用しても破損が少ないのが特徴です。熱伝導率も高く、高速回転での切削時に発生する熱を効率的に逃がせるため、ダイヤモンドカッター自体で過熱防止できます。

ダイヤモンドカッターは刃先にダイヤモンドの粉末をコーティングしているため、非常に硬くて耐久性に優れ、高速回転にも耐えられ、高い精度での切削が可能です。

短所

ダイヤモンドカッターにはいくつかの短所があります。その中でも代表的なものは以下の2つです。

1つ目は非常に硬く高い耐摩耗性を持っているため、ダイヤモンドカッターを製造するためには高価な素材が必要となります。そのため一般的なカッターに比べて高価です。

またダイヤモンドは硬い素材である一方で、脆性も持っています。ダイヤモンドカッターに衝撃を与えたり落としたりすると欠けや割れが生じる可能性があるため、取り扱いには注意が必要です。

ダイヤモンドカッターの種類

ダイヤモンドカッターの分類方法はいくつかありますが、形状で分類した場合の例は以下の通りです。名称はメーカーにより異なる場合があります。

1. セグメント型

セグメント型は、カッター周辺にダイヤモンド粒子を集めた複数のセグメントからなるタイプです。硬質素材の切削に適しており、大きな力をかけて素材を切断できます。主にコンクリートやアスファルトの切断に用いられます。

2. リム型

リム型は、カッター周辺に一列にダイヤモンド粒子を配置したタイプです。素材の表面が平滑に仕上がるため、セラミックやガラスなどの精密加工に使用されます。またプラスチックや木材などの柔らかい素材の切断にも使用されることがあります。

3. ターボ型

ターボ型は、セグメント型とリム型を組み合わせたような形状のカッターです。カッター周辺に複数のセグメントが並ぶ一方で、セグメント間の空洞にはリム型のカッターが配置されています。この構造により素材の切断速度が速く、切断面にキズがつきにくいことが特徴です。主にセラミックス、石材、コンクリートの切断に用いられます。

4. フラット型

フラット型は、ダイヤモンド粒子をコーティングしたフラットな金属プレートの形状をしたカッターです。主に鉄筋などの切断に使用され、丸鋸やハンドカッターなどの電動工具に装着されて使用されます。

ダイヤモンドカッターの使い方

ダイヤモンドカッターによる素材の切断は、下記のような流れで行います。

1. 準備

切断する素材を固定し、ダイヤモンドカッターを装置に取り付け、回転速度や送り速度、冷却液の供給などを調整します。

2. 切断開始

ダイヤモンドカッターを素材に接触させて切断を開始します。切削面に対して適切な角度で接触するように注意しながら、回転させたカッターを素材に向かって押し込みます。

3. 切断進行

ダイヤモンドカッターを素材に沿って進め、必要に応じて切削条件を調整しながら切断を進めます。冷却液を適切に供給することでダイヤモンドカッターの寿命を延ばし、切削面を滑らかにできます。

4. 切断完了

素材を完全に切り抜いて切断を完了します。ダイヤモンドカッターが素材を切断する過程で生じた切削屑や粉塵を取り除きます。

5. 切断面の仕上げ

切削された素材の表面を仕上げる必要がある場合は、適切な工具を使用して切断面を滑らかに仕上げます。

ダイヤモンドカッターのその他情報

1. ダイヤモンドカッターの使用環境による分類

ダイヤモンドカッターを使用環境で分類すると以下の2種類があります。

湿式のダイヤモンドカッター
湿式のダイヤモンドカッターは、水を使用して切削時に発生する熱を冷却するタイプのカッターです。切削時に発生する粉塵に水をかけるため粉塵の飛散が少なく、切削面の品質が良好です。また水冷によってダイヤモンドの耐久性を高め、長時間連続使用が可能になります。主に石材やタイル、セラミック、コンクリートなどの硬質素材の切削に使用されます。

乾式のダイヤモンドカッター
乾式のダイヤモンドカッターは、水を使用せずに素材を切削するタイプのカッターです。湿式カッターと比較して粉塵が飛散しやすく切削面に粗さが残ることがあるため、精密な切断には向いていません。一方で、水を使わないため持ち運びできる電動工具での使用や、屋内での使用に適しています。主に木材やプラスチック、金属などの柔らかい素材の切削に使用されます。

フォーミングマシン

フォーミングマシンとは

フォーミングマシン

フォーミングマシンは、コイルなどの線材や板材をプレスや曲げ、切断加工など複数の加工を1台で行うことができ、バネやコイル、クリップやリングなどの部品を連続で製造できる加工機です。

フォーミングマシンの中で、バネ部品を専門とする期首があり、ワイヤーフォーミングまたはバネ成形機と呼ばれています。

最近は、さらに多様な加工に対応できるようになっており、かしめや部品の組み込み、溶接、ヘッダー加工や鍛造なども一貫してできるようになっています。

フォーミングマシンの使用用途

自動車や家電製品、各種建材や産業機械、農業機械や文房具などで汎用的に使用されている圧縮コイルばね板ばねなどバネ類の製作に使用されています。

また、線径が数mmまで対応できる装置も多く、スナップピンや抜け止め防止ピン、ホースバンド、止め輪やサークリップ、スナップリング、ホースクリップや針金クランプまで幅広い部品の製作で使用されています。

従来、金型を製作してプレス加工でつくっていた部品のコストダウンのためにフォーミングマシンに切り替えることもあります。

フォーミングマシンの原理

フォーミングマシンの加工工程は次の通りです。まず、フィード装置により板材やコイルなどの線材を一定速度で供給し、スタンピング装置によってせん断やプレス加工を行い、穴をあけたり、成形を行います。その後、複数のフォーミング装置によって複雑な曲げや3次元の立体に成形し、必要に応じて他工程を一気通貫に加工することができます。

フォーミングマシンをつかうことで、材料のムダがなくなり、連続で加工できることで製造コストをさげることができます。また、似た機能をもつ順送プレス機に比べて、単純な構造になるため、加工機の金型コストをさげることができます。

これまでは、単純な製品を大量に製作する際に使われることが多かったフォーミングマシンですが、技術の進歩とともに高機能化されており、現在では、NC(数値で制御できる)加工機などとの複合化されることでかなり複雑な形状の部品を安価に製作できる加工機となっています。

参考文献 https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure-sys/machining/plasticity/forming-machine.jsp

自動はんだ付け装置

自動はんだ付け装置とは

自動はんだ付け装置

自動はんだ付け装置とは、その名の通り、はんだ付けという作業を自動で行う装置です。

はんだ付けは、金属間で使用される合金である「はんだ」を溶かして接合する加工手法であり、ろう付けとは似た工程です。電子部品においては、この手法が広く採用されています。

従来、手動でのはんだ付けや「コテはんだ付け」が主流でしたが、大量生産の現場では「フローはんだ」や「リフローはんだ」といった装置が中心となってきました。さらに、レーザーを用いたはんだ付けも一般的になりつつあります。

自動はんだ付け装置の使用用途

自動はんだ付け装置は、電子部品の製造プロセスに不可欠なツールとして急速に普及しています。かつて、はんだ付けは職人の熟練した技と手作業に依存していましたが、電子機器の高度化と小型化の進展に伴い、その精密さと速度が求められるようになりました。

この需要に答える形で、自動はんだ付け装置が開発され、製造業界に革命をもたらしました。スマートフォンやパソコン、家電製品、さらには自動車や医療機器に至るまで、様々な製品の中心部で機能する電子部品の接合には、この装置の高い精度と効率が必須となっています。

また、大量生産の現場では、均一な品質の製品を短時間で生産するための重要な役割を果たしています。

自動はんだ付け装置の原理

自動はんだ付け装置の進化には、その背後に様々な技術的原理が存在しています。特に、「フローはんだ」方式と「リフローはんだ」方式の原理は、その生産効率と品質を左右します。

1. フローはんだ装置

フローはんだ装置は、あらかじめ溶かしてあるはんだの槽に部品を通してはんだ付けを行うシンプルなものです。始めのステップとして、はんだを溶かし、特定の温度で保持します。

次に、ベルトコンベアを使用して部品をはんだの槽に流し、はんだ付けが行われます。この方法の利点は、短時間で大量の部品を処理できることです。ただし、精密さには欠けるため、はんだが不必要な場所にも付着するリスクがあることが挙げられます。

2. リフローはんだ装置

リフローはんだ装置は、部品の特定の部位にクリームはんだを塗布し、それを高温で一気に溶かす方式です。クリームはんだは実際にはんだとフラックスが混ぜられたもので、塗布後に高温の炉内で溶解し、部品同士を確実に接合します。

この方法の最大の利点は、非常に精密なはんだ付けが可能であることです。部品の厳密な位置にのみはんだを適用することができるため、高品質な製品の製造に適しています。

自動はんだ付け装置の種類

自動はんだ付け装置は、電子部品製造の効率化と品質向上のための中核的技術です。種類によって特徴が異なります。

これらの装置は、それぞれの生産ラインや製品の要求に応じて選ばれます。適切な装置の選択は、製品の品質と生産効率に直結するため、非常に重要です。

1. フローはんだ装置

フローはんだ装置は、はんだの溶液の中を部品が通過することではんだ付けを行う方式です。最大の特徴として、大量の部品を短時間ではんだ付けすることが可能な点が挙げられます。

しかし、特に小さな部品や繊細な部分のはんだ付けには向いていない可能性があります。また、はんだの量を調整することが難しく、はんだブリッジが発生するリスクもある点がデメリットです。

2. リフローはんだ装置

リフローはんだ装置は、部品上の特定の場所に塗布されたクリームはんだを高温にして溶かし、はんだ付けを行う方式です。部品の指定された位置にクリームはんだを塗ることで、はんだの位置や量を正確にコントロールできるため、品質の高いはんだ付けが期待できます。

参考文献
https://amasawahakusyo.com/electronics/soldering-method/
https://www.adogawa.co.jp/cat_mounting/5336.html
https://www.keyence.co.jp/ss/products/marker/lasermarker/processing/soldering.jsp

ロジウムめっき

ロジウムめっきとは

ロジウムめっきとは、貴金属であるロジウム (元素記号: Rh) を用いためっき技術のことです。

ロジウムは白金族の1つで、価値の高い金属として知られています。ロジウムめっきは、ロジウムが溶けた液体に素材を浸し、電気を通すことで、素材の表面に薄いロジウムの膜を形成する方法で行われます。

めっき技術は、素材の表面に薄い膜を張ることで、保護を目的として使用される点が特徴です。ロジウムめっきは化学的に非常に安定であり、硬度が高く傷が付きにくくなっています。また、耐摩耗性に優れ、500℃以下では酸化しないという性質も持ち合わせています。

さらに、ロジウムめっきは白色光沢があり、反射率が80%以上と高いため、美しい外観が特徴です。魅力的な外観を活かし、高級装飾品にも使用されています。ロジウムめっきは、その高い性能と美しい外観から、多くの分野で重宝されている技術です。

ロジウムめっきの使用用途

ロジウムめっきは、耐食性や耐摩耗性が高く、さらに電気抵抗が小さいため、工業分野において電気接点 (リードスイッチなど) に使用されています。また、広い波長範囲に対して高い反射率を示す特性を活かし、光学素子やミラーとしての利用も多いです。さらに、排気ガスを抑える触媒としての働きを持つため、工業分野で使う部品にも採用されています。

ロジウムめっきが施せる対象素材は、銅や銅合金、鉄やステンレスなどです。これらの素材にロジウムめっきを施すことで、耐久性や機能性が向上します。

工業用途だけでなく、ロジウムめっきは高級装飾品にも有用です。その美しい白色光沢が、メガネフレームやネックレス、時計や指輪などのアクセサリーに加え、魅力的なデザイン性を与えています。

ロジウムめっきの原理

ロジウムは非常に硬い金属であり、金などと違って形を成形することが難しいため、めっきとして使用されることが多い点が特徴です。白金金属元素であり、通常の酸やアルカリにも腐食されず、化学的に安定した性質を示しています。また、工業用クロムと同程度の硬さがあり、耐食性や耐摩耗性に優れているため、長期間劣化せずに使用することが可能です。

ロジウムめっきは、500℃以下では変色せず、高い光の反射率と低い電気抵抗 (数マイクロオーム) を持つので、静電気対策が必要な場所にも適用可能です。ただし、ロジウムは高価な貴金属であるため、通常は下地処理を行った後、最表層にのみ0.05~0.3μm程度の薄いロジウム層を形成させます。

通常のめっきに比べて膜厚が薄いですが、化学的性質が良好です。また、傷にも強い硬さを持っているため、薄い膜でもめっきとして十分機能します。

ロジウムめっきの種類

ロジウムめっきは主に硬質ロジウムめっき、黒ロジウムめっき、薄膜ロジウムめっきの3種類が存在します。それぞれの特性や用途に応じて選択されることが多く、ロジウムめっきはさまざまな分野で幅広く活用されています。

1. 硬質ロジウムめっき

硬質ロジウムめっきは、通常のロジウムめっきよりも硬度が高く、耐摩耗性に優れています。そのため、機械的ストレスがかかる部品や装飾品、電気接点などに適しています。高い耐久性が求められる用途で活用されることが多い点が特徴です。

2. 黒ロジウムめっき

黒ロジウムめっきは、通常のロジウムめっきと同様に耐久性や耐摩耗性に優れていますが、黒色の外観が特徴です。その美しい黒色光沢が魅力的で、高級ジュエリーや時計のアクセントとして使用されることがあります。また、光学機器の光学部品や反射防止処理が必要な箇所にも有用です。

3. 薄膜ロジウムめっき

薄膜ロジウムめっきは、通常のロジウムめっきよりも膜厚が薄く、コストを抑えることが可能です。薄い膜でもロジウムの化学的性質や美しい外観を活かせるため、装飾品や一部の工業用途で使用されます。ただし、耐久性や耐摩耗性が通常のロジウムめっきに比べて劣るので、適用範囲が限定されることがあります。

参考文献
https://www.wakayamapp.jp/product/plating-detail4/