環境測定器とは
環境測定器とは、湿度や温度、風速、騒音、日射、ガス濃度などの環境要素を測定するための機器です。
特に工場や事業所における環境保全や作業環境の管理で使用されます。例えば日本では水質汚染防止法や大気汚染防止法などの法律が規定されており、事業者はそうした法を遵守することが必要です。
環境測定器は単一の測定機能に特化した製品が多く、近年では温度と湿度、風速や騒音などを1台で測定できるマルチ環境測定器もあります。また環境測定器は一般的に軽量で持ち運びやすく、屋外での使用も考慮した設計がされています。さらに防水性を備えており、どのような天候下でも安定した測定が可能です。高性能な機種では、24時間の連続測定が可能なものや、設定した閾値に達するとアラームを鳴らす機能を持つものもあります。
環境測定器の使用用途
環境測定器の使用用途として、水質汚染測定と分析、大気汚染のモニタリング、騒音・振動測定、ガス検知と呼気アルコール検査、熱中症対策と気象モニタリングの5つを解説します。
1. 水質汚染測定と分析
河川や湖沼の水質を監視するために、水質計測器が使用されています。水質計測器は、pH値、溶存酸素量 (DO) 、化学的酸素要求量 (COD) などの指標を測定します。
2. 大気汚染のモニタリング
大気中の二酸化炭素、一酸化炭素、窒素酸化物などの濃度を測定するための環境測定器があります。大気汚染防止法の遵守や都市部の空気質の評価するのに使用されます。
3. 騒音・振動測定
都市開発や工場の稼働に伴う騒音や振動を測定するための環境測定器があります。騒音計や振動計は、規制基準に適合しているかを確認するために使用されます。
4. ガス検知と呼気アルコール検査
ガス検知器は工場や研究施設での漏洩ガスを検出するためのものです。またアルコールチェッカーは、運送業や建設業での飲酒運転防止において法律で義務付けられています。
5. 熱中症対策と気象モニタリング
猛暑日が増加する中、熱中症予防として温湿度計やアラーム機能付きの熱中症指標計が使用されます。
環境測定器の原理
環境測定器の原理として、湿度と温度の測定原理、風速と気圧の測定原理、騒音の測定原理、ガス濃度測定の原理、熱中症指標計の仕組みの5つの順に解説します。
1. 湿度と温度の測定原理
湿度計や温度計は、センサーが空気中の水分量や温度を検出する仕組みです。湿度計では通常、電気抵抗または静電容量を利用し、水蒸気量の変化を数値として表示します。一方、温度計ではサーミスターや熱電対を用いて温度の変化を計測します。
2. 風速と気圧の測定原理
風速計は空気の流れを羽根車や熱線で検知し、風速を計算します。気圧計はセンサー内の膜が気圧の変化に応じて膨張・収縮することで圧力を測定します。
3. 騒音の測定原理
騒音計は、音波を電気信号に変換するマイクロフォンを備えています。信号を周波数分析し、騒音レベルをデシベル (dB) 単位で表示します。
4. ガス濃度測定の原理
ガス検知器では、センサーが特定のガスとの化学反応を起こし、生成される電流または光の変化を検出します。
5. 熱中症指標計の仕組み
熱中症指標計は、気温、湿度、輻射熱を基にWBGT (湿球黒球温度) を算出し、熱中症のリスクを評価します。
環境測定器の種類
環境測定器として単機能型環境測定器、多機能の環境測定器、携帯型と据置型を解説します。
1. 単機能の環境測定器
特定の環境を測定するために設計された機器です。例えば温湿度計や騒音計などがこれに該当します。軽量かつ操作が簡単で、個別の測定が必要な現場に適しています。
2. 多機能の環境測定器
1台で複数の測定を行える機器です。温度、湿度、風速、騒音などを同時に測定可能なため、測定の効率化と機器の持ち運び負担の軽減が実現します。
3. 携帯型と据置型
携帯型環境測定器は軽量で持ち運びが容易です。一方、据置型は長期間にわたる連続測定や高精度測定が必要な場面で使用されます。
参考文献
https://www.eiwa-net.co.jp/item/makercategory/id/3
https://jp.misumi-ec.com/vona2/fs_processing/T0300000000/T0328000000/
https://www.sibata.co.jp/category/cate1/