ロジウムめっき

ロジウムめっきとは

ロジウムめっきとは、貴金属であるロジウム (元素記号: Rh) を用いためっき技術のことです。

ロジウムは白金族の1つで、価値の高い金属として知られています。ロジウムめっきは、ロジウムが溶けた液体に素材を浸し、電気を通すことで、素材の表面に薄いロジウムの膜を形成する方法で行われます。

めっき技術は、素材の表面に薄い膜を張ることで、保護を目的として使用される点が特徴です。ロジウムめっきは化学的に非常に安定であり、硬度が高く傷が付きにくくなっています。また、耐摩耗性に優れ、500℃以下では酸化しないという性質も持ち合わせています。

さらに、ロジウムめっきは白色光沢があり、反射率が80%以上と高いため、美しい外観が特徴です。魅力的な外観を活かし、高級装飾品にも使用されています。ロジウムめっきは、その高い性能と美しい外観から、多くの分野で重宝されている技術です。

ロジウムめっきの使用用途

ロジウムめっきは、耐食性や耐摩耗性が高く、さらに電気抵抗が小さいため、工業分野において電気接点 (リードスイッチなど) に使用されています。また、広い波長範囲に対して高い反射率を示す特性を活かし、光学素子やミラーとしての利用も多いです。さらに、排気ガスを抑える触媒としての働きを持つため、工業分野で使う部品にも採用されています。

ロジウムめっきが施せる対象素材は、銅や銅合金、鉄やステンレスなどです。これらの素材にロジウムめっきを施すことで、耐久性や機能性が向上します。

工業用途だけでなく、ロジウムめっきは高級装飾品にも有用です。その美しい白色光沢が、メガネフレームやネックレス、時計や指輪などのアクセサリーに加え、魅力的なデザイン性を与えています。

ロジウムめっきの原理

ロジウムは非常に硬い金属であり、金などと違って形を成形することが難しいため、めっきとして使用されることが多い点が特徴です。白金金属元素であり、通常の酸やアルカリにも腐食されず、化学的に安定した性質を示しています。また、工業用クロムと同程度の硬さがあり、耐食性や耐摩耗性に優れているため、長期間劣化せずに使用することが可能です。

ロジウムめっきは、500℃以下では変色せず、高い光の反射率と低い電気抵抗 (数マイクロオーム) を持つので、静電気対策が必要な場所にも適用可能です。ただし、ロジウムは高価な貴金属であるため、通常は下地処理を行った後、最表層にのみ0.05~0.3μm程度の薄いロジウム層を形成させます。

通常のめっきに比べて膜厚が薄いですが、化学的性質が良好です。また、傷にも強い硬さを持っているため、薄い膜でもめっきとして十分機能します。

ロジウムめっきの種類

ロジウムめっきは主に硬質ロジウムめっき、黒ロジウムめっき、薄膜ロジウムめっきの3種類が存在します。それぞれの特性や用途に応じて選択されることが多く、ロジウムめっきはさまざまな分野で幅広く活用されています。

1. 硬質ロジウムめっき

硬質ロジウムめっきは、通常のロジウムめっきよりも硬度が高く、耐摩耗性に優れています。そのため、機械的ストレスがかかる部品や装飾品、電気接点などに適しています。高い耐久性が求められる用途で活用されることが多い点が特徴です。

2. 黒ロジウムめっき

黒ロジウムめっきは、通常のロジウムめっきと同様に耐久性や耐摩耗性に優れていますが、黒色の外観が特徴です。その美しい黒色光沢が魅力的で、高級ジュエリーや時計のアクセントとして使用されることがあります。また、光学機器の光学部品や反射防止処理が必要な箇所にも有用です。

3. 薄膜ロジウムめっき

薄膜ロジウムめっきは、通常のロジウムめっきよりも膜厚が薄く、コストを抑えることが可能です。薄い膜でもロジウムの化学的性質や美しい外観を活かせるため、装飾品や一部の工業用途で使用されます。ただし、耐久性や耐摩耗性が通常のロジウムめっきに比べて劣るので、適用範囲が限定されることがあります。

参考文献
https://www.wakayamapp.jp/product/plating-detail4/

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