自動はんだ付け装置とは
自動はんだ付け装置とは、その名の通り、はんだ付けという作業を自動で行う装置です。
はんだ付けは、金属間で使用される合金である「はんだ」を溶かして接合する加工手法であり、ろう付けとは似た工程です。電子部品においては、この手法が広く採用されています。
従来、手動でのはんだ付けや「コテはんだ付け」が主流でしたが、大量生産の現場では「フローはんだ」や「リフローはんだ」といった装置が中心となってきました。さらに、レーザーを用いたはんだ付けも一般的になりつつあります。
自動はんだ付け装置の使用用途
自動はんだ付け装置は、電子部品の製造プロセスに不可欠なツールとして急速に普及しています。かつて、はんだ付けは職人の熟練した技と手作業に依存していましたが、電子機器の高度化と小型化の進展に伴い、その精密さと速度が求められるようになりました。
この需要に答える形で、自動はんだ付け装置が開発され、製造業界に革命をもたらしました。スマートフォンやパソコン、家電製品、さらには自動車や医療機器に至るまで、様々な製品の中心部で機能する電子部品の接合には、この装置の高い精度と効率が必須となっています。
また、大量生産の現場では、均一な品質の製品を短時間で生産するための重要な役割を果たしています。
自動はんだ付け装置の原理
自動はんだ付け装置の進化には、その背後に様々な技術的原理が存在しています。特に、「フローはんだ」方式と「リフローはんだ」方式の原理は、その生産効率と品質を左右します。
1. フローはんだ装置
フローはんだ装置は、あらかじめ溶かしてあるはんだの槽に部品を通してはんだ付けを行うシンプルなものです。始めのステップとして、はんだを溶かし、特定の温度で保持します。
次に、ベルトコンベアを使用して部品をはんだの槽に流し、はんだ付けが行われます。この方法の利点は、短時間で大量の部品を処理できることです。ただし、精密さには欠けるため、はんだが不必要な場所にも付着するリスクがあることが挙げられます。
2. リフローはんだ装置
リフローはんだ装置は、部品の特定の部位にクリームはんだを塗布し、それを高温で一気に溶かす方式です。クリームはんだは実際にはんだとフラックスが混ぜられたもので、塗布後に高温の炉内で溶解し、部品同士を確実に接合します。
この方法の最大の利点は、非常に精密なはんだ付けが可能であることです。部品の厳密な位置にのみはんだを適用することができるため、高品質な製品の製造に適しています。
自動はんだ付け装置の種類
自動はんだ付け装置は、電子部品製造の効率化と品質向上のための中核的技術です。種類によって特徴が異なります。
これらの装置は、それぞれの生産ラインや製品の要求に応じて選ばれます。適切な装置の選択は、製品の品質と生産効率に直結するため、非常に重要です。
1. フローはんだ装置
フローはんだ装置は、はんだの溶液の中を部品が通過することではんだ付けを行う方式です。最大の特徴として、大量の部品を短時間ではんだ付けすることが可能な点が挙げられます。
しかし、特に小さな部品や繊細な部分のはんだ付けには向いていない可能性があります。また、はんだの量を調整することが難しく、はんだブリッジが発生するリスクもある点がデメリットです。
2. リフローはんだ装置
リフローはんだ装置は、部品上の特定の場所に塗布されたクリームはんだを高温にして溶かし、はんだ付けを行う方式です。部品の指定された位置にクリームはんだを塗ることで、はんだの位置や量を正確にコントロールできるため、品質の高いはんだ付けが期待できます。
参考文献
https://amasawahakusyo.com/electronics/soldering-method/
https://www.adogawa.co.jp/cat_mounting/5336.html
https://www.keyence.co.jp/ss/products/marker/lasermarker/processing/soldering.jsp