防護ふた

防護ふたとは

防護ふたとは、マンホールや溜桝 (ためます) などの立管のふたを保護するためのふたです。

配水管や汚水管の立管になっている箇所は、上端に管理や清掃のための穴が開いています。通常この穴はふたでおおわれた状態です。しかし荷重がかかるとふたが破損する恐れがあります。そこで、防護ふたをふたの上にさらにかぶせて保護しています。

防護ふたは耐荷重により区分されており、設置個所の環境に応じた選択が必要です。また、防護ふたの表面を路面と同じ高さにして路面に段差ができないようにします。

防護ふたの使用用途

家庭や事業所で発生した排水を公共の下水道へ流す前に、溜桝やピットなどの立管を通します。一度立管を通すと大きなごみが沈殿し、下水道のつまりの予防が可能です。公共の下水道にも管理用のマンホールがあり、立管が水路までつながっています。

これらの立管の上端には内部の管理や清掃のための穴が開いており、普段はふたが設置されて穴は閉じています。このふたが人や車両に踏まれて破損すると転落事故や悪臭の漏洩につながるため、ふたの上にふたを覆う防護ふたの設置が必要です。

防護ふたの原理

防護ふたは金属製のふたとプラスチックの台座により構成されています。地中に埋設されている立管のふたの上に決められた間隔をもって設置されます。

道路上を車両などが通行し防護ふたを踏みつけても、金属製のふた部分の損傷は生じずにプラスチックの台座が荷重を吸収し沈み込むこともありません。そのため下に配置されている立管のふたの損傷は生じずに、立管のふたを保護できます。

防護ふたの種類

防護ふたの種類を大きさと荷重区分、様式で解説します。

1. 防護ふたの大きさと荷重区分

金属製のふたの直径が150〜300mmの製品が多く、立管の径に応じて選択可能です。また製品ごとに耐えられる荷重が異なります。荷重区分は以下の通りです。

  • T25:25tまで耐えられます。14t以上の車両などが通過する車道での使用に適した製品です。
  • T14:14tまで耐えられます。大型車が少ない車道での使用に適した製品です。
  • T8:8tまで耐えられます。歩道や敷地内での使用に適した製品です。

選ぶ際には、設置環境に応じたものを区分の中から選択します。ふたの上に防護ふたを設置すると、防護ふたが加わる荷重に耐え、ふたの損傷が予防できます。

2. 防護ふたの様式

防護ふたは開閉方式によりロック式と袋穴式に分けられます。

ロック式
ロック式はふたを固定するための機構が備わった方式です。固定する機構は製品により異なり、マイナスドライバーで操作するキーが付いているもの、フック型のかんぬきをバールで開閉するものなどがあります。

袋穴式
袋穴式はふたを固定する機構が備わっていません。ふたと台座の接する部分に袋穴という穴があり、袋穴にバール等を差し込んでこじることで開けます。ロック式よりも操作は単純ですが、閉める時にロックをかける操作がないためふたがずれていても見落とす可能性があります。

防護ふたのその他情報

1. 防護ふたの施工手順

水道管を新たに敷設する場合や防護ふたの取り替えが必要になった場合は、業者に依頼して施工します。施工工事の手順は以下の通りです。

1. 基礎工
配管上端部の周りを掘り下げて、防護ふたを設置するスペースを作ります。基礎が沈降しないように粒度調整砕石を敷き詰め、入念に突き固めがおこなわれます。粒度調整砕石とは、岩石を破砕してふるいにかけ粒の大きさを一定に調整したものです。強度があるため道路や線路の基礎に使われます。

2. 据え付け
次に、基礎の上に台座と防護ふたを設置します。このとき傾いていると地表から荷重がかかった際に特定の部位に負担が集中し、破損の原因になります。そのため地面と水平に設置するのが基本です。地面自体が傾斜している場合は製品ごとに許容された傾斜角があるため、その範囲内に傾きが治るよう調整します。

3. 埋め戻し
最後に、粒度調整砕石やアスファルトを使い配管と防護ふたの周りを埋め戻します。

2. 防護ふた施工時の留意点

上記工程で防護ふたを設置する際には、設置後に道路との間に段差ができないものを選択します。さらに荷重により沈降しても立管のふたに接触しないように、立管のふたと防護ふたの間には15cm程度の空間が必要です。

通常、立管の上端開口部は地表より15cm以上掘り下げた場所に設けられているため、15cm程度の空間の確保は可能です。この空間を確保して、防護ふたの表面が路面と同じ高さになるよう粒度調整砕土で台座の高さを調整します。このように設置すれば、防護ふたの損傷を生じずに立管のふたを保護できます。

参考文献
https://www.kubota-chemix.co.jp/products/inspection_chambers_mini_manholes/cast_iron_covers
https://www.pmmkyo.gr.jp/manhole/small/
https://www.maezawa-k.co.jp/school/futa_sekou/
https://kubotachemix-01.actibookone.com/?cNo=60374&param=MV8xXzc=&pNo=230&detailFlg=0

マイタ

マイタとは

マイタ

マイタとは傘歯車の一種です。きのこ形をした本体の傘の部分に歯車がついており、2つのマイタが直交するように歯車を噛み合わせることで、回転運動を直交する軸へ伝達できます。

傘歯車は、傘の角度や歯の数によって様々なものがありますが、マイタには以下の特徴があります。

  • 噛み合わせる歯車どうしが同じ歯数であり、葉数の異なるものどうしは組み合わせられない。
  • 歯車どうしが直角に噛み合う。

よって、マイタは同じ回転数のまま回転方向を90°変える目的で使われます。

マイタの使用用途

シャフトの回転数を変えずに、直交するシャフトへ回転を伝える際にマイタが使われます。たとえばシャフトAとシャフトBを直角に交差させる場合を考えます。A、Bそれぞれにマイタを取り付け、歯が噛み合うように組み合わせると、シャフトAと同じ回転数でシャフトBも回転します。

直交する軸に回転運動を伝える機構は様々な産業機械に使われており、ベルトコンベアーや工作機械、車のギヤなどにはマイタが欠かせません。

マイタの原理

マイタは「傘歯車」という円錐形またはきのこ形の歯車の一種です。マイタが他の傘歯車と異なる点は、歯数比1:1、交差角度90°で使う専用になっていることです。「歯数比1:1」とは、組み合わせる歯車どうしの歯数が等しいことを意味し、マイタは歯数の異なる歯車とは組み合わせられません。さらにマイタどうしを組み合わせる際は回転軸の交差角度が90°になるように取り付けます。

マイタの回転軸には鍵穴形の穴が空いており、この穴にシャフトを貫通させます。シャフトにはキー溝(長方形や楕円形の溝)が彫られているため、マイタの鍵穴形の穴の凹み部分とキー溝を合わせ、キー(キー溝にはまる金具)を挿入して固定します。

マイタの材質はS45C(機械構造用炭素鋼)が広く使われており、焼き入れすることで歯の強度(曲げ強度・歯面強度)を上げています。「曲げ強度」が低いと歯が付け根から折れやすくなり、「歯面強度」が低いと歯が削れやすくなります。仕様書を参照し、機械装置の回転エネルギーが許容荷重以内であることを確認してください。

参考文献
https://www.khkgears.co.jp/khk_products/Miter.html
https://www.khkgears.co.jp/khkweb/search/tobiraLink.do?method=series&gearType=2&lang=ja

ラバーマグネット

ラバーマグネットとは

ラバーマグネット

ラバーマグネットとは、柔軟で薄いゴム素材に磁性材料が組み込まれた製品です。

磁石の特性と柔軟性を組み合わせており、マグネットの吸着力を有しつつ表面を傷つけずに物を固定することが可能です。ラバーマグネットは柔軟で薄い素材から作られており、曲げたり形状を変えたりすることができます。

これにより、平面素材以外にも適応させることが容易です。また、非常に軽量であり、持ち運びやすかったり、取り扱いやすかったりする点もメリットとして挙げられます。

ただし、柔軟で薄い素材から作られているため、ラバーマグネットは通常の磁石よりも耐久性に制限があります。過度な曲げや引っ張りは、破損の原因となる可能性が高いです。

ラバーマグネットの使用用途

ラバーマグネットは柔軟で加工がしやすいため、用途は多岐に渡ります。特に複雑な形状を必要とする用途に向いています。以下はラバーマグネットの使用用途です。

1. 日常生活

ラバーマグネットは家庭やオフィスの冷蔵庫や、他の磁金属表面に簡単に取り付けることができます。メモや買い物リスト、家族の写真などを表示するのに便利です。磁力が弱いため、軽量なアイテムの固定に適しています。

また、自動車用の初心者マークもラバーマグネットが使用されます。運転時の注意を啓発し、交通事故防止に寄与することが可能です。

2. 広告

ラバーマグネットにブランドロゴや連絡先情報を表記してイベントなどで配布することで、広告としての利用が可能です。小さな広告媒体として使用され、顧客の目に留まることを狙います。

3. 工場

工場でラバーマグネットを使用して作業スケジュールや注意事項を表示することで、作業効率を向上させます。メンテナンスや修理作業のガイドラインを磁金属の機械や装置に貼ることで、作業員に必要な情報を提供することが容易です。

4. 学校

学校では教室のホワイトボードや黒板にラバーマグネットを使用して、教材やスケジュールを表示することがあります。重要な情報を目に留まる位置に掲示し、生徒たちに啓発することが可能です。

ラバーマグネットの原理

ラバーマグネットは、磁性材料を柔軟なゴムまたはプラスチックの基材に組み込む仕組みです。一般的な磁石と同じく、ラバーマグネットも磁場を持つことができるようになります。

一般的な磁石は電子のスピンと軌道運動によって生じる微小な電流が原因で、物質の内部に存在する磁性が揃うことによって磁場が生じます。これによって、磁石は他の物体を引き寄せたり反発したりする原理です。

ラバーマグネットは、この磁性を持つ材料を微細な粒子としてゴムまたはプラスチックの基材に混合して作られます。用いられる磁性素材はセラミックスや希土類磁石などがあり、前者ではフェライト (酸化鉄) 、後者ではネオジムが代表的な素材です。この材料の磁性が一定の方向に整列することで、磁場を生成します。

帯状やシート状の製品があり、切断や穴開けなどの加工が容易で、形状の自由度が高いです。非常に曲げやすいため、ゴムやプラスチックと同じ感覚で使えます。

ラバーマグネットの種類

ラバーマグネットには、フェライトラバーマグネットと、ネオジムラバーマグネットの2種類があります。N極とS極が交互に配置された多極着磁が標準です。

1. フェライトラバーマグネット

フェライト磁石と呼ばれる鉄酸化バリウムまたは鉄酸化ストロンチウムなどのセラミック磁性材料を使用したラバーマグネットです。これらの磁性材料は比較的低いコストで入手可能で、一般的な磁性材料として使用されています。

フェライト磁石は一般的にネオジム磁石に比べて磁力が弱いです。ただし、ネオジムラバーマグネットよりもコストが低く、大量生産や予算に制約のあるプロジェクトに適しています。比較的耐久性があり、一般的な使用環境での摩耗に対して適しています。

2. ネオジムラバーマグネット

ネオジム鉄ホウ素磁石と呼ばれる非常に強力な磁性材料を使用して作られたラバーマグネットです。ネオジム鉄ホウ素は世界で最も強力な永久磁石材料の1つです。ラバーマグネットも非常に強力な磁力を持ち、小さなサイズでも高い吸着力を提供します。

高い磁力を持つため、より重い物体を固定する必要がある場面や、特に強力な吸着力が求められる状況に適しています。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/vona2/mech/M1800000000/M1805000000/M1805070000/
https://www.nihonjisyaku.co.jp/gom.php
https://www.neomag.jp/products_navi/rubber/rubber_introduction.html
http://www.shimonishi.net/magnet_kikaku/magnet_kikaku01/magnet_kikaku01_06
https://www.jishaku.co.jp/product/rubbermag/rubbermag_top.html
https://www.neomag.jp/mailmagazines/topics/letter200610.html

検知管

検知管とは

検知管

気体ごとに専用の検知管が販売されている

検知管とは測定対象のガス中に存在する化合物の濃度測定を行う道具です。硫化水素など人体に有害な気体や、水素などの可燃性が高いなどの気体の濃度を調べるときなどに利用します。気体ごとに専用の検知管が販売されており、別の化合物の測定はできません。

短期、長期用の検知管が販売されている

検知管にはある時間における気体の濃度を調べるものと長時間の平均濃度を調べるものがあります。使用方法としてはピストンで気体を引くだけなので誰でも簡単に測定することが可能です。

検知管の使用用途

製造、工事現場の環境測定で利用

検知管は操作が簡便であるため製造、工事現場で頻繁に使用されます。法律で定められた作業環境測定法にも検知管は採用されていることが多く、公的な試験にも利用されます。また可燃性ガスの濃度測定にも利用できるため、爆発、発火を未然に防ぐこともできます。

公害防止の観点からも検知管は用いられる

その他、大気中の悪臭物質の濃度測定にも検知管は利用されており、工場や製造現場付近の公害防止にも役立ちます。研究においては化学反応によって発生した気体の測定による反応解析に用いられます。

検知管の特徴

検知管は測定対象と反応させた量から濃度を求めている

検知管は測定対象のガスを管の中に注入します。検知管には測定対象の化合物と反応する物質が充填されており、その物質が反応した量を基に測定したい化合物の濃度を定量します。管の中の物質がどれだけ反応したかは物質の色の変化から判断します。定量、検出下限はそれぞれの検知管によって異なります。

危険な箇所の気体濃度を測定するときはチューブを利用

また酸素濃度が低い、もしくは有毒ガスが存在するなど、危険性が高いため気体を直接採取できない場所については遠隔採取管と呼ばれる数メートルの長さを有するチューブを利用します。

化合物に応じて専用の検知管が使われる、使用前に期限の確認は必須

なお、上記の通り検知管は測定対象の化合物と充填剤を反応させて濃度を求めているため、化合物ごとに専用の検知管が販売されています。異なる種類の検知管を用いても測定は不可能です。また検知管の充填剤は経時的に変性するため、使用時には使用期限の確認が必須です。そして実際に検知管を使用する際は比重等で気体の分布に偏りがある可能性があるため、測定したい空間において複数箇所で気体の測定を行うことを推奨します。

北川式ガス検知管

北川式ガス検知器は、検知管とガス採取器で構成された検知管であり、1947年の品質管理用の硫化水素検知管としての使用から使用されています。

この検知器においては、検知管には測定ガスと鋭敏に反応する検知剤が充てんされており、試料ガスを通気すると薬剤が特定のガスと反応して変色します。変色した先端の目盛りを読み取ることによりガス濃度を知ることができます。

この検知器を使用することにより、可燃性ガスの濃度を現場で迅速に測定でき、漏洩ガスや発生ガスによる火災、爆発の未然防止を図ることができます。

具体的な測定方法としては、まず検知管の両端をチップカッターなどで折ります。次いで検知管を装置の取付口に差し込み、その後装置のハンドルを引きます。そのまま測定箇所で一定時間待ち、ガス採取器から取り外して変色境界を読み取ります。測定ガスの濃度と変色長さとの関係が濃度目盛として検知管に印刷されており、これを読み取ることにより測定ガスの濃度を測ることができます。

各種ガス(アンモニア、酸素、二酸化探査)検知管による検知条件

アンモニアガスは、吸引回数が1回(100ml)の場合には、測定範囲が30ppm以下であり、検知限度が0.2ppm程度です。アンモニアが存在すると硫酸との間で中和反応(2NH3 + H2SO4 →(NH4)2SO4)が生じ、これにより指示薬が桃色から黄色へと変化します。

酸素は、吸引回数が1回(100ml)の場合には、測定範囲が3~6%の範囲にあり、検知限度が2%程度です。酸素が存在すると三塩化チタンとの反応(O2 + 4TiCl3(黒色)+6H2O → 4TiO2(白色)+12HCl)により酸化チタンが生成され、これにより指示薬が黒色から白色へと変化します。

二酸化炭素は、吸引回数が1回(100ml)の場合には、測定範囲が100~2000ppmの範囲にあり、検知限度が20ppm程度です。二酸化炭素が存在すると水酸化カリウムとの間で中和反応(CO2 + 2KOH → K2CO3 + H2O)が生じ、これにより指示薬が淡紅色から橙色へと変化します。

参考文献
https://www.gastec.co.jp/product/detector_tube/type/
http://www.komyokk.co.jp/kweb/kensikumi.do?je=0
https://sooki.co.jp/upload/surveying_items/pdf/maker_catalog_pdf_035320.pdf
http://www.komyokk.co.jp/kweb/kensikumi.do?je=0
https://www.gastec.co.jp/files/user/asset/pdf/detector_tube/3L.pdf https://www.gastec.co.jp/files/user/asset/pdf/detector_tube/31B.pdf https://www.gastec.co.jp/files/user/asset/pdf/detector_tube/2LC.pdf

ヒンジピン

ヒンジピンとは

ヒンジピン

ヒンジとは蝶番(チョウツガイ)丁番の別称で、主に板やドアの開閉、蓋物の番(つがい)として要になる重要な建具部品のひとつです。ヒンジピンは開閉する板材の側端にネジ固定された方の部品で、受け側の部品の穴に差し込まれて番の機能を果たします。

そのなかでも厳密に「ヒンジピン」と呼称される部品の種別は、受け側のホールに対し差し込み側の回転を持って機能しているスティックピンを差して言う呼び名になります。

ヒンジピンの使用用途

使用される箇所はドアの開閉部、縦に開閉する窓の鍵、箱などの蓋物を開閉する取り付け部品、フィットネスマシンなどを円弧に動かすピン(又はスティックバー)がそれにあたります。

油圧式のドアストッパーや、手動の押し切り(紙切断機のこと)などでもヒンジピンの丁番と同じ仕組みで部品が動いています。

また開閉が頻回な用具庫やコインロッカーの扉、機器類のカバーの開閉部品など、普通の蝶番より耐久性が必要な用途に使用されます。

ヒンジピンの原理

ヒンジピン(を含む丁番)は上品であれば、半永久的な性能を誇ります。設置接合部がスチールやステンレス、鋼鉄など耐久性に優れた固定材質だった場合、錆やゴミ詰まり意外は永続的に使用が可能です。

簡略に仕組みを解説すると「筒の中で棒が回る」というシンプルな仕様です。この原理を元にヒンジピンは様々な連結方法があり、各種用途に適合しています。

例として、事務用品の押し切り(簡易紙切断機)は「割り止め」と呼ばれる部類で稼働部と固定部それぞれを2ヶ所でボルト止めしている仕様です。最強はキー止めといわれる連結方法があります。

ほか、止め輪式、止めネジ止め式、ナット止めなどがあり各種耐用が異なります。

業務用冷蔵庫のドアや車体のドアなどにも見えない部分にヒンジピンが使用されています。車のボンネットや後部トランクなどはヒンジピンとドアキャッチが複合したような仕様です。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/machine_design/md02/c1235.html

台車移動用防止ストッパー

台車移動用防止ストッパーとは

台車移動防止用ストッパー

台車移動防止ストッパーとは、台車下に装着する踏み込み式ストッパーの総称です。主に移動が頻繁で、各所で積み荷の荷下ろしや積載を行うときに台車を固定する目的で使用されるブレーキ部品になります。

部品的には固定用ポール部分にクラッチがついた形状が多いようです。荷積時みや停止の際に安全確保のための車輪止めになる機能部品です。移動防止ストッパーは持ち場を離れるときにもロックを掛けるという目的を兼ね装着されます。

材質は鉄鋼、ステンレス、スチール材が多く使用されており、踏み込み板を足で押し込む形式です。

台車移動用防止ストッパーの使用用途

台車移動防止ストッパーの使用用途は台車の固定、車止めです。これにより作業時の振動で台車がぐらついたり、工場、倉庫などでのでの荷積み中にコンベアのラインからずれて行ってしまったりなどのちょっとした台車のストレスを扱いやすくします。

利便性が高い用途はスーパーの棚だし、品だしの大型カートに装備する用途です。品だし中の積荷の安定性を確保することや、レジの呼び出しで一時的に持ち場を離れる際に位置固定する意義は大きいものです。

台車移動用防止ストッパーの原理

台車移動防止ストッパーはシリンダタイプの2重筒部品を組み合わせ、台車の固定横滑り防止目的で使用される器具です。強度目安はストッパー固定時に台車を三点で支えることになりますので、台車車体重量+積載荷重(総量)を3で割った重量(量/kg)を目安に適正な規格を選びます。

台車を確実に位置固定するためには、ロックしたときに、床下から台車下までの寸法通りの台車移動防止ストッパーを使用します。採寸が適正でないとロックが浮いて掛かりません。

取り付けは4本ボルト固定で台車裏側に外郭側のシリンダー台座を固定します。素材は重量鉄鋼、スチール、超合金などの硬質金属を加工して造られています。

ロックペダルとアンロックペダル(解錠ペダル)が付いておりロックペダルの踏み込みが完了すると同時にアンロックペダルが定位置に固定される仕組みになっています。

解錠時は、アンロックペダルは軽く踏むだけでバネピンの反跳力によりロックペダルも定位置に戻ってきます。ワックス床や氷冷室の荷出し、積載にはなくてはならない安全補助器具です。

軌道台車

軌道台車とは

軌道台車

軌道台車とは、設置されたレール上を移動するように設計された台車です。

工場や倉庫内での資材運搬や製品搬出などを目的に使用されます。軌道台車は、軌道上を移動するための特化した設計をしています。そのため、軌道との接触面積が広いため、安定性が高いです。

これにより、高速運転時やカーブなどでの安定性が確保されます。軌道台車の車輪は一般的に鉄などの金属製であり、軌道との間に適切な摩擦力を生み出すことが可能です。少ない力で物品を運搬するため、効率的に資材を搬送できます。

ただし、軌道上を移動するため、軌道自体の保守が重要です。軌道の傾斜や曲線半径などの仕様を適切に保つ必要があります。また、軌道上に障害物がある場合は影響を受ける場合も多いです。

軌道台車の使用用途

軌道台車は、さまざまな目的で利用されています。以下は軌道台車の使用用途一例です。

1. 物流・貨物運搬

倉庫や工場内などで、大量の物品や貨物を運搬するために軌道台車が使用されます。軌道上に敷設されたレール上を移動することで、効率的に荷物を運ぶことが可能です。これにより、人力に比べて労力を節約し、作業効率を向上させることができます。

2. 産業機器の移動

大型の産業機器は、建物内での配置変更やメンテナンスのための移動が必要な場合も多いです。軌道台車を使用することで、重い機器を容易に移動させることができます。また、軌道上を移動することで、正確な位置への配置が可能です。

3. 人員輸送

建物内の広大なエリアや大規模な施設では、徒歩では効率的に移動できない場合があります。軌道台車を利用した人員輸送システムを導入することで、従業員や訪問者を効率的に移動させることが可能です。これは、空港のターミナルや展示会会場などで見られることがあります。

軌道台車の原理

軌道台車は、軌道上を移動するための特殊な設計が特徴です。一般的にはレール、台車、駆動機構などで構成されています。

建物内で軌道台車が移動するためには、レールシステムが敷設されます。通常は床や地面に固定されたレールが設置され、軌道台車はこれらのレール上を移動します。レールは一般的に直線や曲線などの形状を持ち、軌道台車の運行範囲や経路を決定する構成要素です。

軌道台車本体は、台車枠と車輪から構成されます。台車枠は車両の骨組みであり、レール上を支持する役割を果たす構成要素です。車輪はレールに密着するような設計となっており、摩擦力によって安定した走行を実現します。

建物内の軌道台車には、駆動機構が備わっている場合があります。これにより、軌道台車が自律的に移動することが可能です。駆動機構には電気モーターなどが使用され、適切な速度や力を発揮して軌道上を移動します。

軌道台車の選び方

軌道台車を選ぶ際に考慮すべき要素は、搬送物の種類、積載荷重、駆動源、搬送速度などです。

1. 搬送物の種類

軌道台車を選ぶ最初の要素は、搬送物の種類です。軽量の箱やパレット、長尺物、液体容器など、形状や特性によって搬送方法が異なる場合があります。搬送物に合わせた形状や荷台の設計、固定装置などを備えている必要があります。

2. 積載荷重

軌道台車を選ぶ際には搬送する荷物の重量を考慮することが重要です。軌道台車の積載荷重は設計や構造によって異なり、必要な荷重に合わせて適切な積載能力を持つ軌道台車を選びます。

また、将来的な需要の増加を見越して余裕を持った積載能力を持つ軌道台車を選ぶことも大切です。

3. 駆動源

軌道台車の駆動源には、モーターなどが使用されます。モーターは静音性が高く精密制御が可能ですが、電源供給が必要です。選択する際には適切な駆動源を選び、効率的かつ持続可能な動力源を考慮する必要があります。

4. 搬送速度

軌道台車の搬送速度は、作業効率や生産性に大きな影響を与えます。搬送物の種類や距離、作業の要求に合わせて適切な搬送速度を選ぶことが重要です。また、特定の部分での制動や減速の能力も考慮する必要があります。

金属角パイプ

金属角パイプとは

金属角パイプ

金属角パイプとは、ステンレス、鉄鋼、合金などを素材に金型で押し出し等で作製した構造材の総称です。

スチールパイプの断面が4角型の棹ものですが、長さ形状は自由にカットされ使用されています。規格品として、サイズ、素材、長さが決まっている既製品も多くあるので大量購入は比較的容易です。

「平角パイプ」と呼ばれるものは切断面は長方形であり、俗に「角パイプ」と呼称しているのは正方形の断面を持つ角パイプになります。

金属角パイプの使用用途

材質にもよりますが、硬質超合金やスチール製角パイプでは、鉄柵、建具だけでなく耐荷重性能を生かした後付けベランダ床や資材ラックの構造パイプなどにも使用されています。

建材としてサンルームの施工やエクステリアなど、工場、工場での設営資材、ベランダや非常階段の手すり、仮設デッキでの柵囲いなどでもよく目にする構造材です。

軽金属アルミ製材であれば、持ち運びも容易いことからプールサイドの休憩用デッキチェアや屋外ベンチなどの素材に重宝されています。

金属角パイプの原理

資材特徴として、金型でプレスし押し出して作製するので比較的均一な高品質で、規格通りの製品が大量生産できることです。また、裁断、溶接いかんでは様々な形状に適合できるのも利点です。

形状を利用した加工では、雨樋としてそのまま施工する使用法です。色調もシックな真鍮色など素材の美しさを利用したリフォーム用例です。

工場では機械構造物資材、運搬台車、作業用鉄橋設営などで見ることが出来ます。また簡便に組み立てられるジョイントポット部品も市販されています。導管として使用する際でも継ぎ手に当たるアジャスターバリエーションで分岐することも可能です。

音楽製作現場では、プロ使用の100kgを越える各種音響機材のサウンドラックとしても活躍しています。俗に音楽機材一式を差し「サウンドラック」と呼びますが、これはスチールラックに納めることから転じた呼称のようです。材質の機能性にも申し分ありませんが、その重厚感とメタリックな質感が好まれ、サウンド製作の臨場感を盛り上げます。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/vona2/mech_material/M1401000000/M1401160000/?basicSpecView=mech_material

工具研削盤

工具研削盤とは

工具研削盤とは、一定量の切削に使用し切れ味が悪くなった切削工具に、再度研削を施し切れ味を復活させるための機械です。

工具研削盤は、グラインダーとも呼ばれます。また、この場合の切削工具には、ドリルやエンドミル、フライスカッターやホブカッターなどがあります。

研削する工具の種類によって各種研削盤があり、それぞれ専用機的な使い方をします。 具体的には、ドリル研磨機、カッター研削盤、ホブ研削盤などです。その他、多くの種類の工具に対して研磨できる万能工具研削盤というものもあります。さまざまな附属装置を備えることで、多種の工具に対応可能です。

工具研削盤の使用用途

工具研削盤は、切削工具の再研削に用いられます。工具研削盤で研削する工具は、金属を機械加工するためのもので、切削工具と呼ばれています。

汎用的な使い方を可能にしている万能工具研削盤では、複雑な形状をしたエンドミルなどは、再研削ができない場合があります。また、一般には手動で研削を行うために熟練を要します。

一方で、技術革新に伴い現在では、数値制御によって多軸を制御するCNC工具研削盤の出現によって、複雑な形状の工具の自動研削を行うことが可能です。適切な検索条件と砥石の選定によって、安定した研削が実現できます。砥石軸を自在に旋回させることによって、さまざまな工具を1回の把持で研削すること可能で、高品位に仕上がります。

工具研削盤の原理

工具研削盤は、高速で回転する砥石に工具を少しずつあてることで、表面を削り取り、切れ味の悪くなった工具の表面を加工します。これらの工程によって、切れ味を取り戻すことが可能です。

エンドミル、フライス、リーマ、タップなど、一般的な形状の工具に関しては、複雑なプログラムのセットアップが不要で、手動で研削を行うことでができるため、万能工具研削盤で手早く研削することが可能です。しかし、多数の複雑な形状の工具を安定して研削するには、CNC工具研削盤が優位になります。

万能工具研削盤の場合、2軸もしくは3軸を手動で同時に操作する必要があるため熟練を要します。そこで、1軸のみNC制御させことによって研削作業を簡易化した、簡易NC工具研削盤もあります。エンドミル外周の逃げ面やすくい面のスパイラル形状やボールエンドミルRすくい面や逃げ面のスパイラル形状など、主軸のみをNC化すると、熟練を要すことなく研削を行えます。

工具研削盤の種類

工具研削盤の代表的な種類として、以下の3つが挙げられます。

1. 万能工具研削盤

一般的なドリル、エンドミルなどの研削には、万能工具研削盤が使われます。万能工具研削盤には多数の調整軸があり、研削する工具の構造、形状をさまざまな形状、径、長さ、切れ刃の状態、に調整することが可能です。しかし、検索する工具に関する知識が必要です。また、多数ある調整軸を適切に操作する技能が求められます。

2. CNC工具研削盤

現在、一般的な工具の加工には、複数の軸を同時にまたは連動して動かすことができる金法を持つ「CNC工具研削盤」が主流です。これらの最新のCNC工具研削盤には研削された工具の形状を計測する機能や、加工熱による研削ホイールの変形を検知して加工代を調整する機能を持つものもあります。

3. 専用研削盤

形状の特殊な歯車の加工に使われるホブやピニオンカッター、キー溝、スプライン溝などを加工するブローチなどには、専用の研削盤があります。

工具研削盤のその他情報

1. 研削と研磨や切削との加工の違い

研削加工と研磨加工は、工具の切れ味を再生するために行う点では同じですが、再生する方法が異なります。研削加工は砥粒で工具の刃物を削って形そのものを変えますが、研磨加工は砥粒で表面を滑らかに磨くために圧力を工具の刃物にかけます。

切削加工は砥粒ではなく、リーマやエンドミルなど、加工物の形状を削り取って加工する目的で行われ、その後研削加工や研磨加工で微調整する場合が多いです。

2. 工具研削盤の砥石

切削工具の材質は、高速度工具鋼超硬合金、など一般の鋼材より硬い材質が用いられています。さらに 、熱処理や表面処理が施されているために、硬度がさらに高くなっています。

一方、切削工具の刃先寸法は、その精度が機械加工時の仕上がり寸法精度に大きく影響するため、研削には精度が高く、高い硬度の被削材を検索できる研削砥石や、ダイヤモンドやCBN (Carbon Boron Nitride) が塗布された研削ホイールを使用します。研削加工時には加工時に発生する熱が砥石やダイヤモンドホイールの寸法や、研削されている工具の寸法に影響し、工具の出来上がり寸法にも大きく影響します。

最近のCNC工具研削盤では、それらの発熱で寸法補正を行うものもありますが、研削される工具の硬度や材質の組成に影響するため、温度上昇を抑制し温度管理を行う研削液の使用が必須です。工具研削盤だけでなく、研磨研削液の選定も重要となります。

参考文献
https://www.makinoseiki.co.jp/product/01_mg30.html

制御盤用クーラー

制御盤用クーラーとは

制御盤用クーラーとは、電気制御盤や電子機器の冷却に使用される装置です。

電気制御盤は機械やプロセスを制御するための機器であり、高温や過熱によって故障する内部機器が故障する危険があります。制御盤用クーラーは、このような制御盤内の温度を適切な範囲に保つために使用されます。

熱交換器や冷却装置を使用して制御盤内の熱を外部に排出する製品が多いです。ファンによって外気を取り込むだけの簡素な製品も販売されています。これにより、制御盤内の環境温度が上昇せず、機器の動作に必要な温度条件を維持することが可能です。

ただし、制御盤用クーラーを設置する際は、適切な空間と通風を確保することが重要です。クーラーの周りに遮蔽物がないことを確認し、冷却効果を最大限に引き出すために適切な空気の流れを確保する必要があります。

制御盤用クーラーの使用用途

制御盤用クーラーは以下のような用途で広く使用されています。

1. 製造業

産業機械の制御盤用クーラーは、工場や製造現場で使用される機械の制御盤内でも重要です。これらの機械は高負荷で動作し、制御盤内の温度上昇が問題となります。

一例としては、自動車組み立てラインの制御盤や金属加工機械の制御盤などが該当します。制御盤用クーラーは、制御盤内の温度を適切な範囲に維持することで、機械の安定した動作と信頼性を確保します。

2. ビル・オフィス

建築物や施設内の自動制御システムにおいて、制御盤用クーラーが広く使用されます。これらのシステムには、エレベーター、冷暖房装置、照明制御、セキュリティシステムなどが含まれます。制御盤用クーラーによって、制御盤内の温度を適切に管理することで、システムの効率性や信頼性の向上が可能です。

3. 電力配電

電力供給や配電システムにおいても、制御盤用クーラーが必要な場合も多いです。発・変電所、送電設備などの電力制御や保護機器の制御盤内で使用されます。これらの制御盤は高電力負荷や電力変換に伴う熱を発生させます。

制御盤用クーラーは、制御盤内の温度を管理し、機器の過熱や機能低下を防止することが可能です。これにより、電力供給や配電の安定性と信頼性が確保されます。

4. 通信・ネットワーク機器

通信基地局やデータセンターなどの通信・ネットワーク機器では、制御盤用クーラーが重要です。これらの機器は高度な処理能力を要求されるため、発熱が発生しやすく、適切な冷却が必要です。

制御盤用クーラーは、通信機器やネットワーク機器の制御盤内の温度を適切に管理し、機器の動作安定性と信頼性を確保します。特にデータセンターでは、大量のサーバーやネットワーク機器を冷却するために効果的に使用されます。

制御盤用クーラーの原理

制御盤用クーラーは、熱を除去するための冷却原理を使用します。冷却原理には、強制対流冷却や熱交換器を使用した冷却を実施する場合が多いです。ファンを使用して強制的に空気を循環させることで冷却効果を得ます。

ファンは制御盤内の熱を外部に排出するために使用されます。制御盤内の熱気がファンによって吸い込まれ、外部へ排出されることで、制御盤内の温度を下げることが可能です。制御盤用クーラーには熱交換器が組み込まれている場合があります。

熱交換器は、制御盤内の熱を外部の冷却媒体に移動することで熱を除去する仕組みです。制御盤内の熱気が熱交換器によって冷却媒体に熱を移し、冷却媒体は外部へと放熱して制御盤内の温度がさせます。

制御盤用クーラーの選び方

制御盤用クーラーを選ぶ際は、以下の要素を考慮します。

1. 冷却能力

制御盤用クーラーの冷却能力は、制御盤内の熱負荷や環境条件に応じて選択する必要があります。制御盤内の熱負荷を正確に評価し、適切な冷却能力を持つクーラーを選ぶことが重要です。

制御盤内に設置されたCPUなどの発熱量を合算し、制御盤内温度が許容温度以下となる冷却能力を選定します。電子部品の許容温度は40℃程度の場合が多いため、40℃以下となるように設計します。また、風量の多いファンを選定しておき、盤内サーモスイッチによって入切して使用する場合もあります。

2. 雰囲気

制御盤周辺の雰囲気を考慮して機器を選定します。外気がきれいな場所に設置する場合は制御盤用ファンを用います。海岸沿いなどでは塩害による腐食が懸念されるため、内気を循環させる制御盤用クーラーが用いられます。

3. 冷媒

内気循環の盤用クーラーを選定した場合、冷媒種類に注意が必要です。以前はフロンガス多く使用されましたが、現在は代替として二酸化炭素などを用いるノンフロンクーラーが多く販売されています。

制御盤用クーラーは業務用に分類されるため、フロンを使用すると第一種特定製品として扱われます。第一種特定製品は簡易点検義務などがあり、厳重な管理が必要です。ノンフロンクーラーを使用することで、環境へ配慮し、管理体制を緩和することが可能です。

4. 電源

電源の種類を選定する必要があります。単相電源や三相交流電源などさまざまです。冷却能力を満足したうえで、供給可能な電源を選定します。

参考文献
https://www.apiste.co.jp/enc/guide/