点群処理ソフト

点群処理ソフトとは

点群処理ソフトとは、3Dレーザースキャナなどにより取得した点群データを解析・モデリングし、建築CAD (Computer Aided Design) で扱えるデータに変換するソフトウェアのことです。

3Dレーザースキャナなどにより取得した点群データは、3次元空間上で等間隔の格子状に並んだ点のXYZ座標に、色情報などを組み合わせたデータです。点群データはあくまでも「点」の情報なので、その情報を建築用CADで扱える「面」や「立体」の情報に変換する必要があります。点群処理ソフトは、その変換を行う際に使用されます。

点群処理ソフトの使用用途

点群処理ソフトの主な利用分野は、土木・建設分野と工場・建築分野です。点群データは、3Dレーザースキャナやドローンなどにより取得されます。

土木・建設分野には、メッシュ法および三角網 (三角測量データの集合) による土量計算、任意箇所での断面図作成、等高線の作成などが含まれます。工場・建築分野には、配管・平面・鋼材のモデリング、設備の採寸、搬出・搬入シミュレーションなどが含まれます。

点群データをVR (Virtual Reality) 、AR (Augmented Reality) に応用する目的にも、点群処理ソフトが利用可能です。

点群処理ソフトの原理

点群データとは、3Dレーザースキャナなどにより取得した3次元の点と色情報などの組み合わせのことです。

1. 点群データの取得方法

3Dレーザースキャナでは、対象物にレーザーを照射し、反射されたレーザーを検知して情報を取得します。取得した情報は、3次元空間 (直交座標) 上に格子状 (XYZ座標が等間隔) に配置された点と、色情報 (RGB値) などを対応させたものです。

現在では3Dレーザースキャナの代わりに、ドローンで点群データを取得することも増えてきました。この点群データはあくまでも「点」の情報なので、そのままでは建築用CADなどのソフトで扱えません。

この「点」の情報を「面」や「立体」の情報に変換するために、点群処理ソフトが利用されます。

2. 点群データの処理方法

点群処理ソフトにおけるデータ処理の流れは以下の通りです。

  1. 点群データの取り込み
  2. 前処理 (位置合わせ・ノイズ除去) 
  3. 解析 (寸法の計測・干渉チェック) 
  4. モデリング (3Dモデル・メッシュデータ作成) 
  5. 最終出力 (用途に合わせたフォーマットのファイル作成) 

出力されたファイルをCADソフトなどに読み込んで利用することになります。

点群処理ソフトのその他情報

1. ICPアルゴリズム

既存の点群データ処理ソフトウェアの多くでは、フィッティングで異なる点群データ間の位置合わせを行っています。ICP (Iterative Closest Point) と呼ばれるアルゴリズムに基づいて計算するものです。

点群間で点どうしの対応づけと相対的な位置姿勢の更新を繰り返し計算し、対応点間の距離総和を短くします。標準的なICPでは、最近傍点を用いた対応づけと幾何変換の処理を交互に行います。

点群間の位置や姿勢の初期状態によって計算結果は、正確な計算結果を得るのが困難な場合もあります。

2. 先行研究で実施される手法

スキャン点群間の位置合わせでは、路面や建物の平面情報を利用する手法や色情報を用いた手法があります。これらの情報を併用して段階的に位置合わせを行うことで、初期状態やデータ欠損の影響を受けない手法が近年提案されています。

SfMで得た情報を利用したスキャンデータの統合手法も有効です。スキャンデータ間でオーバーラップが少ない箇所に対して、写真を複数枚撮影してSfMで3次元情報を補填します。スキャンデータの結合精度が向上する手法です。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shasetaikai/2017.5/0/2017.5_157/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscejcei/73/2/73_I_219/_pdf/-char/ja

測量機器

測量機器とは

測量機器

測量は土地や物体などの距離や高さ、広さなどを測定することであり、測量機器は測量を行うために使用する機器です。

歴史としては、測量は紀元前3000年ころのエジプトから行われており、ナイル川氾濫後の区画整理やピラミッド建設などに使用されました。日本においては伊能忠敬による日本地図の作成が有名です。

測量の種類は様々あり、基準点をもとに座標を求める基準点測量、目標の高さ(海面高)を求める水準測量などがあります。他にも地図の作成や河川の形状や水位の計測、建物の計測などを計測するために使用するものが測量機器となります。

測量機器の使用用途

前項のように測量には様々な種類があり、行う測量により機器もさまざまあります。 使用用途としては地図の作成や河川や建物等の計測、土地の境界線の計測などがあります。

また、海面高さを測定することで浸水等のハザードマップの作成や地震・火山噴火などの地殻変動を監視するためにも用いられており、国民生活の安全を保つために非常に重要な役割を担っております。 測量に関する詳細な規定や情報は、国土交通省の国土地理院にてまとめられています

測量機器の原理

測量を行うためには基本的には距離と角度(鉛直角、水平角)、高さ(高低差)の情報が必要であり、それぞれ専用の機器があります。

距離を測定するためにはレーザーを用いた光波測距儀、角度(鉛直角、水平角)の測定にはセオドライト標尺が使用されます。 光波距離計とセオドライトを合わせたものをトータルステーションといい、斜距離と角度を同時に計測できるため測量では広く使用されます。

距離を測るために一素子プリズムのターゲットやピンポールプリズムを使用して、二人一組で測量を行います。また、プリズムを使用しないノンプリズムタイプもあり、レーザー光を測定対象物に照射して、反射したレーザー光で距離を測量します。

機種や対象物によって性能は異なりますが、プリズムを使用しなくても500メートル以上の距離を測量できます。一般の機器と同様にプリズムを使用した測量が可能です。

人が立ち入れない、近づけないといった理由でプリズムが設置できない場合であっても測量できることが特徴です。

また、斜距離と鉛直角から高低差を計算することも可能ですただし、器械高や目標高を考慮する必要があります。それに加えて、トータルステーションの距離測量は測定距離が長くなるほど誤差が大きくなります。

ほかの用途として、高低差や水平だしを行う機器としてレベルがあり、水準測量に用いられます。レベルはいくつか種類がありますが、一般的にはオートレベルが使用されます。オートレベルには自動補正機能があり、補正範囲内であれば視準線を水平に保つことができます。

また、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)を用いて位置情報を取得する方法もあります。トータルステーションでは時間とコストがかかる長距離間の測量や従来の測量では困難な場所での測量が、GNSSではより効率的に短時間で行うことが可能です。

また、基準点測量で必要な基準点の観測も電子基準点を使用することで不要となることが特徴です。

測量に関する規定

測量は国土地理院が行う基本測量と国や公共団体が費用の全部または一部を負担し、補助を行う公共測量があり、公共測量では届け出が必要となります。

基本測量や公共測量を行う場合、測量士や測量士補と呼ばれる国家資格を有した人が計画・測量に従事する必要があります。

ただし、建物に関する測量や1/100万未満の地図作成、規定精度以下の測量など一部の測量は公共測量に該当しないため、届け出が不要となります。

測量機器についても測量法第34条で規定されています。例えば、1級セオドライトの水平角の倍角差が10″、観測差が5″以下である必要があります。測距儀も1級では基線長との比較で15mm以下である必要があります。これらが組み合わさったトータルステーションは角度、距離測定でこれらの基準を満たす必要があります。

このように測量に関しては公共性が非常に高く、測量法により細かく規定されているため、測量を行うものはこれらの規定を正しく把握し、正しい手順で測量を行う必要があります。

参考文献
https://hikari-souzoku.com/blog/sokuryou-toha
https://www.rentalsurvey.jp/topics-menu/topics-top03.html
https://lets.mitsuifudosan.co.jp/column/shoukei/shoukei44.html
http://gwdoc.icrr.u-tokyo.ac.jp/DocDB/0027/T1402784/002/20140916-Sokuryohki-no-tukaikata.pdf

接続箱

接続箱とは

接続箱とは、それぞれの太陽電池パネルに発電した電気を、まとめてパワーコンディショナへ送るための機器です。

太陽電池パネルを直列につなげた太陽電池ブロックごとに、それぞれの回線を逆流防止のダイオードなどを経由して接続箱へ集め、パワーコンディショナへ送られた直流電流を交流電流へ変換します。

1つのブロックごとに接続箱の中にある開閉器と呼ばれる機器へ配線されます。開閉器には分電盤ブレーカーのようなスイッチ機能があるため、電気の流れを確認可能です。

接続箱の使用用途

接続箱は高圧発電設備で不可欠です。とくに太陽光発電システムによって発電された電気を集約するために使用可能です。

接続箱には屋内用や屋外用がありますが、屋外用の方が広く普及しています。一般的に屋外へ設置するため、施工業者は屋根のひさしの下などの雨に濡れにくい場所やメンテナンスが容易な外壁に設置します。屋外用は防水仕様であり、コストが上がります。一方、屋内用の設置には太陽電池パネルから大量の配線を屋内へ通す必要があり、外壁に大きな穴が必要です。

接続箱の原理

複数枚の太陽光パネルのプラス極とマイナス極を、pvケーブルによって直列に接続した1つの回路をストリングといいます。

1つのストリングには、20枚の太陽光パネルがつながっています。接続箱にはストリングの数に応じた小ブレーカーが内蔵されており、複数の小ブレーカーを1つのブレーカーへ配線可能です。接続箱を経由して複数の細いpvケーブルを1本の太いpvケーブルにまとめて、パワーコンディショナへ配線します。接続箱を利用せず、複数のpvケーブルをすべて直列でパワーコンディショナへ延々と配線した場合には、電圧降下によって電力が失われる可能性があります。また、ストリングを構成する細いpvケーブルは、長距離の配線に適していません。

ストリングごとに小ブレーカーを設けると、点検やメンテナンスの際にすべての電源を落とすことなく、太陽光パネルなどの部品交換も含めて必要な箇所のみ行えます。落雷時に機器故障を防止するため、避雷素子なども内蔵されています。

接続箱の種類

接続箱は屋内用と屋外用に分類されます。屋外用は防水処理されており、少し値段が高いです。

また接続箱には、産業用と住宅用があります。産業用には直列につなぐ太陽電池モジュールや開閉器が多く、直射日光にも強いです。産業用の値段は高いですが、効率的です。

昇圧機能を持つ接続箱もあります。電圧が揃っていないとロスが生じますが、電圧が低いブロックでも、他のブロックと同様の電圧まで上げれます。昇圧機能のある接続箱は、設置のバリエーションを増やせて、無駄なく発電可能です。

接続箱の選び方

太陽光パネルで発電した電力をロスせずに、パワーコンディショナへ送ることが重要です。そのため防水や防滴、昇圧機能の有無、放熱性、最大入力電圧などに注意して、接続箱を選ぶ必要があります。高い機能性を有する接続箱であればエネルギーのロスを減らせる場合が多いですが、システムの許容量を大幅に超えた接続箱を選択する必要もありません。

例えば最大入力電圧が高いと、ブロック1個を高電圧に設計できます。ブロック1個に多数のパネルをまとめられ、並列に接続するブロック数が減るため、電力ロスのリスクが少なくなります。

接続箱の構造

一般的に接続箱の内部は、避雷素子、開閉器または遮断器、出力用端子台、逆流防止素子、入力用直流開閉器などで構成されています。

機器が落雷によって壊れないように、避雷素子が組み込まれています。開閉器にはブレーカーのようなONとOFFのスイッチが付いていて、電気の流れのチェックやメンテナンスが可能です。パワーコンディショナーと一体化している接続箱もあり、その場合には接続箱だけを購入する必要はありません。

一般的に屋外に設置されるため、盤内に雨水や粉塵が入って不具合が起きないための保護が必要です。

参考文献
https://sma-ene.jp/column/8064/

打栓機

打栓機とは打栓機

打栓機は、キャップや栓といったふたをボトルに打ち、栓をする機械です。

手作業ではやりづらい押し込みの作業等も、打栓機を使用すると自動ですばやく行うことが出来ます。ペットボトルなど柔らかい素材だと、打栓したことにより本体がつぶれてしまう場合があり、補強としてネックホルダーを使用します。大きさや強度によって種類が異なります。

工場で使用されているような大型の打栓機から、小さな商店でも使用できる簡易的な手動の打栓機まで様々な製品があります。

打栓機の使用用途

打栓機は、液体などをボトルに詰めて栓をする用途で使用されています。ガラス瓶、ペットボトルなどに打栓できるので、醤油の栓やドレッシングのキャップなどが打栓されています。他にもアイスクリームのカップのふたなどを打栓する場合もあります。アイスクリームのカップでは容器がつぶれないよう自分で軽くふたを締めた後、手動の打栓機で確実に締めることが多いです。

スクリューキャップにはフィンがあるタイプとないタイプがありますが、どちらでも対応できる打栓機が多いです。

打栓機の原理

打栓機の原理は、キャップやコルクといったふたを機械が上から物理的に押し込むことによってボトルにはめこんでいます。スクリューキャップのように回して締める場合もあります。

手動の打栓機では、自分でふたをボトル等にかぶせるタイプが多いです。スイッチやレバーを押すと上から打栓機が降りてきて打栓します。フットスイッチが使用されているものは手をはさむ危険がないので安全性が高いです。

自動の打栓機では、機械がふたをかぶせるところからすべて行います。充填機と打栓機が一体となっている製品もあります。ふたやボトルの種類によって、打栓ヘッドの高さや製品が流れるスピードを調整します。

打栓ヘッドを交換することによって、さまざまな形状の栓をすることができます。打栓できる栓には、化粧品や食品などの中栓、ビールの王冠、ワインのコルク、ペットボトル、醤油やドレッシングの瓶、スパウトパウチなど多種あります。先端がとがっている中栓などを打栓する場合には、エアーシリンダーの打栓機を使用すると先端をつぶさずに打栓できます。

参考文献
https://www.3dcircus.solutions/blank

巻線機

巻線機とは巻線機

巻線機は、金属線やエナメル線を巻きつけて、各種のコイル部品を製造する機械です。

巻線機はミシンのボビンに糸が自動で巻かれるように、あっという間にエナメル線がコイル部品に巻き取られていきます。コイル部品の数と種類はかなり多く、巻き方もさまざまです。エナメル線の巻き方によって性能が変わるので巻線機が重要な役割を担っています。

巻線機の機種は手動と自動があり、手動のほうが小型です。また、単軸か多軸かといった種類があります。

巻線機の使用用途

巻線機はリレー、ソレノイド、イグニッションコイル、エッジワイズ、ピックアップコイルといった部品を製造する用途で利用されています。巻線機を使用することでエナメル線が絡まずに、均一に巻き取ることができます。縦状、横状などの巻き方と、細線用、太線用といった線の太さによって適切な巻線機を選択します。

巻線機は線を巻き取ることができるので、他に自動アーク溶接用の溶接線や天井扇用モータを巻き取る用途にも使用されます。

巻線機の原理

巻線機の原理は、ミシンの糸の巻き取りに似ています。エナメル線を巻線機に通し、スイッチを入れると巻き取りが始まります。手動の場合は、巻き取りが完了したらスイッチを止め、エナメル線をはさみ等で切断します。全自動の巻線機はコイル部品の取り付けも巻き取りもすべて自動です。コンピュータ制御なので様々な巻き取りが可能な製品が多いです。

コイル部品によって巻き取り方が異なるので、どの巻き方をするかによって巻線機を選択します。

  • スピンドル巻き
    スピンドルを利用してステッパーコイル、イグニッションコイル等を巻線します。
  • トロイダル巻き
    環状で、環の中心から外側に向かって巻いていく方法です。
  • 完全整列巻き
    モータ用ステータコイル、クラッチコイルなどは完全整列巻きで、一巻きずつ均一に巻かれています。
  • ノズル巻き
    内部から巻くことができ、インナー巻きのモータ巻き線に適しています。
  • フライヤー巻き
    フライヤーが回転して巻いていきます。空芯コイル、チップコイル、モーターに適しています。

参考文献
https://detail-infomation.com/transformer-winding-type/

巻線技術

http://bestec-web.co.jp/product/product_makisen/

導光棒

導光棒とは導光棒

導光棒とは、スキャナを読み取る際に使用されるライトで、細長い棒全体を均一に発光させることができる装置です。

端側にLEDが取り付けられていて、光源となっています。透明の樹脂で光を反射させることにより、360°同方向にライトが照らし出されるのが特徴です。柔らかい材質で曲げられる導光棒もあります。

導光棒の光源には、昔はハロゲンランプや冷陰極蛍光灯が使用されてきましたが、低コストで寿命の長いLED光源がほとんどの機種に使用されています。

導光棒の使用用途

導光棒は、主にスキャナーの読み取り部分を照らす用途で使用されています。スキャナーは画像を読み取る際に、導光棒による光で原稿を照らして、その反射光をラインセンサーで読み取っています。そのため、均一で輝度ムラが少なく、安定した照度が必要です。

また、自動車に搭載されている各種のライトガイドとして導光棒が使用されており、アンビエント照明、スイッチのバックレンズ、情報用レンズなどに適用されています。その他、家電や省エネ照明、階段の照明なども用途の1つです。

導光棒の原理

導光棒は透明の樹脂をコア材、クラッド材として使用して、線状に加工されています。導光棒の端にLEDの光源を取り付け、樹脂の内面で効率よく反射させて光るようにしています。光源のLEDの色を変えることで、導光棒の色を変えることが可能です。長さは、カッターなどで切断して調整できます。

導光棒の一端からLED光を入光した際に、光は終端に向かって進みます。その間に光は、導光棒の側面からコア層のクラッド相を突き進んで外に出力される原理です。

このような原理で光が出ていくため、導光棒では棒の形に応じて光が均一に出ていきます。導光棒から光を出したくない方向に関しては反射板を取り付けることで、光の出力を防ぐことが可能です。このように導光棒では360°同方向に照らし出すものだけでなく、出力の方向を絞ったモデルも存在します。

導光棒の選び方

ライトガイドのような照明として導光棒を使用する場合、形状・コスト・発光のパターンといった観点で選ぶと必要な導光棒が検討できます。

1. 形状

形状は直線型と曲線型の導光棒が存在します。照射対象や導光棒の設置一致に応じて、形状の選択が必要です。

2. コスト

コストに関しては、導光棒の製造方法に依存します。射出成形で製造可能な導光棒は製造初期コストがかかる製品ではありますが、同じ形状を大量に生産できるためコストを抑えることができます。

3. 発光パターン

発光パターンは、後述する加工方法で発行の強度や出力光の向きが変わります。照射対象に対して直接照明を当てたいか、間接照明として使用したいかでガラス面の加工方法を選択します。

導光棒のその他情報

1. 導光棒の材質

照明として使用する場合には、LEDの光は指向性が強いので、輝度を変えたり、照射角度を変えたりすることで人の目にも優しい明かりに調整できます。導光棒としてよく利用されているアクリル樹脂は耐熱性、耐候性に優れていて屋内外で使用可能です。水中での使用や−40℃~80℃までの温度に対応でき、長期間の使用にも耐える仕様が多いです。

透明樹脂の材質がポリウレタン樹脂やソフトアクリル等の場合は、L字やU字に曲げ加工することが可能で、衝撃にも強くなっています。導光棒は、従来の光ファイバーよりもコストが抑えられて長寿命なので、代替として利用される場面が増えています。

2. ガラス面の加工方法

導光棒は自動車の車内を照らしたり、家庭用電化製品でもライトガイドとして使用されています。照明として使用されるため、目的に応じて導光棒の出力するガラス面に加工をすることがあります。

プリズム加工
ガラス面に溝を掘ることで、光の反射が効率的に起こる加工方法です。光の反射がさかんに起こるため光の強度が強くなる加工方法であり、間接照明に使用されることが多いです。

シボ加工
ガラス面に皺のような模様をつける加工方法です。白色光でも光の強度を抑えることができます。そのため、直接照明として使用されることが多いです。

ドット加工
表面に円形の模様を彫った加工方法です。円形模様が光を反射することで出力光の強度を上げています。プリズム加工とシボ加工の間の強度を出すことが可能で、直接照明にも間接照明にも使用される加工方法です。

参考文献
https://www.konicaminolta.jp/about/research/technology_report/2017/pdf/14_ohzawa.pdf

定流量弁

定流量弁とは

定流量弁とは、流体の流量を一定に制御するために使用される制御弁です。

圧力変動がある系統においてに流量を一定にするために使用されることが多くあります。特定の流量を維持する必要がある場合や、一定の流量範囲内での操作が求められる場合に有用です。

圧力変動に対応した制御機器が必要なくなるため、省コスト・省スペースが実現されます。ビル空調設備の冷却ラインや工場の給水ラインに手軽に導入可能です。

電源を必要としない場合も多く、引火性が高い危険物流体を安全に扱うことができます。設定流量は弁によって事前に決まっているため、現場での調整は必要ありません。

定流量弁の使用用途

定流量弁は、さまざまな産業分野で幅広く使用されています。製造業においては、プラントの流量制御などに使用されます。化学プロセスや食品加工など、特定の材料や流体の一定の流量を維持する必要がある場合に有用です。

これにより、製品品質の一貫性や効率の向上を図ります。また、ビル空調設備などの熱交換機器も使用用途の1つです。冷却水や熱交換媒体の一定な供給や制御を行うことで、適切な温度制御を実現し、熱効率を最適化します。

ガスや液体の燃料供給を制御するためにも定流量弁が使用されます。火力発電所や産業炉などで燃料の供給量を一定に保ち、効率的な燃焼やシステムの安定性を確保します。

定流量弁の原理

定流量弁はパイプライン内で開口部面積を調整することによって、一定の流量を制御するという基本的な原理に基づいています。一般的に、ディスクやプレートなどの可動部品を持つ制御弁です。可動部品がパイプライン内に配置され、開口部の面積を変化させることで流体の流れを制御します。

流体が定流量弁を通過するとき、可動部品の位置や開口面積によって抵抗が発生します。抵抗が増加すると流体の流れは制限され、流量が制御されます。開口面積が小さい場合は流速は増加し、開口面積が大きい場合は流速が低下します。

また、コントロールバルブとフィードバック制御ループを組み合わせて定流量を確保する場合も多いです。

センサーが流量を監視して制御信号が調整することで、実際の流量と目標の流量を比較して必要な調整を行います。これにより、流量の変動に対して自動的に制御が行われ、一定の流量が維持されます。

定流量弁の種類

定流量弁はさまざまな種類が存在します。以下は定流量弁の種類一例です。

1. フローワッシャー式

ゴム (フローワッシャ) を使用する定流量弁です。流路に小孔が開いたゴム製板を置くことで流路面積を制限します。ゴムの弾性によって流路面積を調整し、流量を一定に保ちます。

清掃や交換が比較的容易な点が特徴です。ただし、ゴムを使用するため、耐熱温度が低い場合が多いです。

2. オリフィス式

パイプライン内に設置されたオリフィスプレート (孔の開いたプレート) によって流量を制御する定流量弁です。オリフィスプレートの孔サイズを変えることで、流体の流れる速度や量を制御します。

比較的単純な構造のため、製造や取扱いが容易です。また、可動部品が少なく、信頼性が高く耐久性があります。ただし、流量の正確性は低い場合が多いです。

3. ニードル式

細長い針状の可動部品 (ニードル) を使用して流量の制御する定流量弁です。ニードルを細かく調整することで、非常に正確かつ微細な流量制御が可能です。高度な制御が求められる場面で使用されます。

ニードル式は緩やかな開閉特性を持ちます。徐々に開閉するため、流量の急激な変化やサージを抑えることができます。一般的にコンパクトに設計されるため、スペースに制約のある環境やシステムに適しています。

4. ダイヤフラム式

ダイヤフラムと呼ばれる柔軟な膜を使用する定流量弁です。ダイヤフラムは、PTFEなどの耐久性が高い材料で作られています。これにより、さまざまな流体や環境に対して優れた耐久性を持ちます。高い精密性と制御性を有し、正確な流量制御が可能です。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sicejl1962/34/8/34_8_671/_pdf
https://www.tokyokeiso.co.jp/products/download/tg/FPC_RSP_NSPW_NFFW_NFF-S_TG-F880.pdf
http://www.jwrc-net.or.jp/qa/07-71.pdf

塗装機

塗装機とは

塗装機とは、塗料を霧状にして吹き付けることで対象物を塗装する装置です。

自動車製造工場や建設現場などで広く使用されており、さまざまなタイプが存在します。エアレス式は、塗料に直接圧力を加えて霧状に噴き出す方法です。コンプレッサ式では、コンプレッサから得られた高圧の空気と塗料を同時に吐き出すことで塗装を行います。そして、静電式と呼ばれるタイプでは、電極に電圧を加えて塗料を霧状にし、噴射することで塗装を施します。

それぞれのタイプの塗装機は、用途や対象物に応じて選択され、効率的かつ美しい仕上がりの実現が可能です。塗装機を使うことで、従来の手塗りに比べて速度が向上し、均一に塗装できます。塗装機は、現代の工業分野において欠かせない存在です。

塗装機の使用用途

塗装機は自動車や家電製品、電子機器の生産工場をはじめ、建設現場や飛行機や船の製造工場などでも使用されています。工場では、生産ライン上で自動的に塗装を行う設備式の塗装機や乾燥機が使用され、効率的かつ均一な仕上がりが実現可能です。

建設現場や大型機械の製造工程では、持ち運びが可能なコンプレッサ付きの塗装機が使用されます。現場での作業の柔軟性が向上し、作業効率が大幅に向上します。

塗装機の選定にあたっては、いくつかの要素を考慮することが必要です。例えば、塗装の精度や乾燥速度、塗装速度、塗装機のサイズ、操作性などが挙げられます。これらの要素を総合的に判断し、用途に最適な塗装機を選択することで、効率的に塗装作業を行えます。

塗装機の原理

塗装機の動作原理は、エアレス式、コンプレッサ式、静電式で異なります。

1. エアレス式

エアレス式は、塗料を保存しておくタンク、タンクに圧力をかけるためのダイヤフラムや遠心機、吹き出しヘッドなどで構成されています。動作時は、塗料を保存しているタンクに圧力が加わり、塗料がタンクから吹き出しヘッドに移動し、ヘッドの先端から塗料が広がるように高速で噴射します。エアを使用しないため、塗装速度が速いことが特徴です。

2. コンプレッサ式

コンプレッサ式は、コンプレッサ、塗料のタンク、吹き出しヘッドで構成されています。動作時は、コンプレッサから得られた高速の空気と塗料がヘッドで衝突し、霧状になった状態で噴出します。持ち運び式では、一般的に広く用いられている塗装機になります。

3. 静電式

静電式は、コンプレッサや塗料が入る圧力タンク、電極が取り付けられた吹き出しヘッドで構成されています。動作時は、電極に電圧を加えることで、圧力によって出てきた塗料が電気的な力によって霧状に変化し、吹き出し口から噴出します。高精度に塗装できることが特徴です。

塗装機のその他情報

塗装機と併用する機械

塗装機と併用する機械として、主にコンプレッサ、乾燥機、ロボットアームの3種類が挙げられます。

1. コンプレッサ
塗装機に使用されるコンプレッサは、高圧の空気を供給する役割を果たします。特に、コンプレッサ式の塗装機では、高圧の空気と塗料を同時に吹き付けることで、均一な仕上がりの実現が可能です。コンプレッサは塗装機と併用することで、塗装作業の効率と品質を向上させる重要な機械です。

2. 乾燥機
乾燥機は、塗装後の対象物を迅速に乾燥させるために使用されます。塗装機で塗装した後、乾燥機を併用することで、塗装面の仕上がりを向上させ、作業効率を高めることが可能です。乾燥機は、熱風や赤外線を利用して塗装面を乾燥させるタイプが一般的です。

3. ロボットアーム
近年、自動化が進む中で、ロボットアームを塗装機と併用することが増えています。ロボットアームは、プログラムに従って精密な動きを行い、均一で美しい仕上がりの実現が可能です。また、ロボットアームによる自動化は、作業者の負担を軽減し、生産性の向上にも寄与しています。

参考文献
https://www.fusoseiki.co.jp/column/knowledge/200.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikizai1937/53/10/53_573/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikizai1937/59/5/59_265/_pdf

基板加工機

基板加工機とは

基板加工機とは、電子回路や半導体などの基板を製造する際に使用される機械装置のことです。

基板加工機には、銅板が張られた土台に回路のパターンを描写することで基板を作成する機能があります。加工用のソフトウェアがセットされており、ソフトウェアに基板に加工するための図面を読み込むことで、基板の加工が可能です。

基板の加工方法としては、切削式と感光式の2つが主要な方法です。詳しくは後述しますが、切削式は銅板で覆われた土台を切削することで基板を作成します。一方、感光式は、露光やエッチングなどの工程を経て基板を作成します。どちらの方法でも、高精度かつ高速な基板製造が可能です。

基板加工機は、電子回路や半導体の製造において必要不可欠な機械装置であり、精度やスピードに優れています。また、基板の設計データを読み込んで自動的に加工するため、人的ミスの排除が可能です。今後も、高機能化や省スペース化などの技術革新が進んでいくことで、より高度な製品の製造に貢献することが期待されます。

基板加工機の使用用途

基板加工機は、基板を作成する際に使用されます。例えば、電子機器の製造を行っている企業では、自社製品で使用する基板を工場で生産する場合や、試作品を作成する場合に使用されます。また、基板の設計を専門で行っている業者も基板加工機を使用して、所期の基板の生産が可能です。

基板加工機を選定する際には、加工精度や対応している幅、材料、加工可能な基板の大きさなどを考慮する必要があります。加工精度が高いほど、高品質な基板の生産が可能です。また、加工幅が広いほど、より大きな基板を作成できます。

基板加工機を使用する際には、切削したごみを除去する装置や、エッチングなどで使用する廃液の処理装置なども必要となります。これらの装置も適切に選定することが、生産ラインの効率化や環境保全を実現するために重要です。

近年では、基板加工機は3Dプリンターと組み合わせて使用することで、高精度な3Dプリント製品の製造にも活用されています。基板加工機は、産業の発展に必要不可欠な装置であり、今後も新たな用途が開拓されることが期待されます。

基板加工機の原理

基板加工機の動作原理は、切削式と感光式で異なります。

1. 切削式

切削式の基板加工機は、基板を固定するためのステージ、切削機、切削したごみを取り除くためのクリーナで構成されています。動作時は、基板の加工情報をソフトウェアから入手し、その情報をもとに基板を切削することで加工が可能です。

切削で発生したごみはクリーナで吸入し、除去されます。切削時に発生したバリなどを取り除くためのバリ取りが内蔵されている製品もあります。

2. 感光式

感光式の基板加工機は、基板を固定するためのステージ、光源、フォトマスク、エッチング容器で構成されています。加工時は、感光材が塗られている基板の土台に、光源からの光を事前に図面を描写しているフォトマスクを通過させて照射します。

その際、フォトマスクで陰になっている部分は、感光材が変化せずに残留します。その後、エッチングによって、感光した部分を除去し、感光材を除去することで、配線が可能です。切削式よりも加工速度が速く、量産向きです。

基板加工機その他情報

基板加工機と併用される機械

基板加工機と併用される機械として、スクリーン印刷機、ピック&プレース機、リフロー炉、感光露光装置の4種類があります。

1. スクリーン印刷機
スクリーン印刷機は、基板加工機で切削された基板に、印刷技術を用いて回路パターンを形成する機械です。インクを塗布するためのスクリーンと呼ばれるメッシュ状の板を使用します。

2. ピック&プレース機
ピック&プレース機は、電子部品を基板に取り付けるための機械で、基板加工機で作成された基板に部品を自動的に配置・取り付けられます。高速・高精度で、自動化による生産効率化に貢献します。

3. リフロー炉
リフロー炉は、基板に取り付けられた電子部品をはんだ付けするための機械です。基板にはんだを塗布した後、高温で加熱して溶融・固定します。はんだの表面張力を均一にするため、高温で均質に加熱することが重要です。

4. 感光露光装置
感光露光装置は、基板加工機で使用される感光式基板に、回路パターンを露光するための機械です。感光剤を塗布した基板に、露光装置で光を照射することで、基板上に回路パターンが形成されます。

参考文献
https://bynas.com/training_materials/laserelectronics-bpr-e44/
https://jp.lpkf.com/products/rapid-pcb-prototyping/why-rapid-pcb-prototyping.htm
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspe1933/49/3/49_3_383/_pdf

圧縮梱包機

圧縮梱包機とは圧縮梱包機

圧縮梱包機は油圧で産業廃棄物類を圧縮して梱包する機械です。

圧縮梱包機を使用することで産業廃棄物の容量を3分の1から10分の1程度まで減らすことができます。古紙や段ボール、ペットボトルなどが集められた後、かさばるので圧縮梱包機で圧縮されて運搬されています。

圧縮梱包機は主に縦型のタイプと、全自動のベーラーの2種類があり、加圧する力が機種により異なります。全自動の製品は、PPバンドで梱包をほぼ自動で行うことができます。

圧縮梱包機の使用用途

圧縮梱包機は油圧で産業廃棄物類を圧縮して梱包する機械です。圧縮梱包機を使用することで産業廃棄物の容量を3分の1から10分の1程度まで減らすことができます。古紙や段ボール、ペットボトルなどが集められた後、かさばるので圧縮梱包機で圧縮されて運搬されています。

圧縮梱包機は主に縦型のタイプと、全自動のベーラーの2種類があり、加圧する力が機種により異なります。全自動の製品は、PPバンドで梱包をほぼ自動で行うことができます。

圧縮梱包機の原理

圧縮梱包機の原理は簡単で、機械に投入された廃棄物を油圧を利用して、上から板で圧縮してつぶしていきます。加圧する力は機械によります。

使用するときはまず、投入口に廃棄物を投入していきます。一度投入口がいっぱいになったら、圧縮梱包機のスイッチを押して圧縮板を作動させます。圧縮板が上から降りてきて、油圧で廃棄物が圧縮されていきます。サイクルタイムは30秒~60秒程度で早いです。圧縮が終わると圧縮板が元の位置に戻ります。廃棄物が圧縮されたことにより投入口に空間ができるので、また廃棄物を投入し、圧縮室がいっぱいになるまで作業を繰り返します。

圧縮後も投入口がいっぱいになったら、梱包します。自動で梱包するタイプでは、ポリプロピレンなどのビニールひもをセットすると、スイッチを押すだけで梱包してくれて取り出すことが出来ます。

圧縮による減容率は、対象によって異なります。食品トレイなどは5分の1、段ボール類は4分の1、プラくず類は3分の1、フレキシブルコンテナバッグは3分の1程度です。