導光棒

導光棒とは導光棒

導光棒とは、スキャナを読み取る際に使用されるライトで、細長い棒全体を均一に発光させることができる装置です。

端側にLEDが取り付けられていて、光源となっています。透明の樹脂で光を反射させることにより、360°同方向にライトが照らし出されるのが特徴です。柔らかい材質で曲げられる導光棒もあります。

導光棒の光源には、昔はハロゲンランプや冷陰極蛍光灯が使用されてきましたが、低コストで寿命の長いLED光源がほとんどの機種に使用されています。

導光棒の使用用途

導光棒は、主にスキャナーの読み取り部分を照らす用途で使用されています。スキャナーは画像を読み取る際に、導光棒による光で原稿を照らして、その反射光をラインセンサーで読み取っています。そのため、均一で輝度ムラが少なく、安定した照度が必要です。

また、自動車に搭載されている各種のライトガイドとして導光棒が使用されており、アンビエント照明、スイッチのバックレンズ、情報用レンズなどに適用されています。その他、家電や省エネ照明、階段の照明なども用途の1つです。

導光棒の原理

導光棒は透明の樹脂をコア材、クラッド材として使用して、線状に加工されています。導光棒の端にLEDの光源を取り付け、樹脂の内面で効率よく反射させて光るようにしています。光源のLEDの色を変えることで、導光棒の色を変えることが可能です。長さは、カッターなどで切断して調整できます。

導光棒の一端からLED光を入光した際に、光は終端に向かって進みます。その間に光は、導光棒の側面からコア層のクラッド相を突き進んで外に出力される原理です。

このような原理で光が出ていくため、導光棒では棒の形に応じて光が均一に出ていきます。導光棒から光を出したくない方向に関しては反射板を取り付けることで、光の出力を防ぐことが可能です。このように導光棒では360°同方向に照らし出すものだけでなく、出力の方向を絞ったモデルも存在します。

導光棒の選び方

ライトガイドのような照明として導光棒を使用する場合、形状・コスト・発光のパターンといった観点で選ぶと必要な導光棒が検討できます。

1. 形状

形状は直線型と曲線型の導光棒が存在します。照射対象や導光棒の設置一致に応じて、形状の選択が必要です。

2. コスト

コストに関しては、導光棒の製造方法に依存します。射出成形で製造可能な導光棒は製造初期コストがかかる製品ではありますが、同じ形状を大量に生産できるためコストを抑えることができます。

3. 発光パターン

発光パターンは、後述する加工方法で発行の強度や出力光の向きが変わります。照射対象に対して直接照明を当てたいか、間接照明として使用したいかでガラス面の加工方法を選択します。

導光棒のその他情報

1. 導光棒の材質

照明として使用する場合には、LEDの光は指向性が強いので、輝度を変えたり、照射角度を変えたりすることで人の目にも優しい明かりに調整できます。導光棒としてよく利用されているアクリル樹脂は耐熱性、耐候性に優れていて屋内外で使用可能です。水中での使用や−40℃~80℃までの温度に対応でき、長期間の使用にも耐える仕様が多いです。

透明樹脂の材質がポリウレタン樹脂やソフトアクリル等の場合は、L字やU字に曲げ加工することが可能で、衝撃にも強くなっています。導光棒は、従来の光ファイバーよりもコストが抑えられて長寿命なので、代替として利用される場面が増えています。

2. ガラス面の加工方法

導光棒は自動車の車内を照らしたり、家庭用電化製品でもライトガイドとして使用されています。照明として使用されるため、目的に応じて導光棒の出力するガラス面に加工をすることがあります。

プリズム加工
ガラス面に溝を掘ることで、光の反射が効率的に起こる加工方法です。光の反射がさかんに起こるため光の強度が強くなる加工方法であり、間接照明に使用されることが多いです。

シボ加工
ガラス面に皺のような模様をつける加工方法です。白色光でも光の強度を抑えることができます。そのため、直接照明として使用されることが多いです。

ドット加工
表面に円形の模様を彫った加工方法です。円形模様が光を反射することで出力光の強度を上げています。プリズム加工とシボ加工の間の強度を出すことが可能で、直接照明にも間接照明にも使用される加工方法です。

参考文献
https://www.konicaminolta.jp/about/research/technology_report/2017/pdf/14_ohzawa.pdf

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