塗装機とは
塗装機とは、塗料を霧状にして吹き付けることで対象物を塗装する装置です。
自動車製造工場や建設現場などで広く使用されており、さまざまなタイプが存在します。エアレス式は、塗料に直接圧力を加えて霧状に噴き出す方法です。コンプレッサ式では、コンプレッサから得られた高圧の空気と塗料を同時に吐き出すことで塗装を行います。そして、静電式と呼ばれるタイプでは、電極に電圧を加えて塗料を霧状にし、噴射することで塗装を施します。
それぞれのタイプの塗装機は、用途や対象物に応じて選択され、効率的かつ美しい仕上がりの実現が可能です。塗装機を使うことで、従来の手塗りに比べて速度が向上し、均一に塗装できます。塗装機は、現代の工業分野において欠かせない存在です。
塗装機の使用用途
塗装機は自動車や家電製品、電子機器の生産工場をはじめ、建設現場や飛行機や船の製造工場などでも使用されています。工場では、生産ライン上で自動的に塗装を行う設備式の塗装機や乾燥機が使用され、効率的かつ均一な仕上がりが実現可能です。
建設現場や大型機械の製造工程では、持ち運びが可能なコンプレッサ付きの塗装機が使用されます。現場での作業の柔軟性が向上し、作業効率が大幅に向上します。
塗装機の選定にあたっては、いくつかの要素を考慮することが必要です。例えば、塗装の精度や乾燥速度、塗装速度、塗装機のサイズ、操作性などが挙げられます。これらの要素を総合的に判断し、用途に最適な塗装機を選択することで、効率的に塗装作業を行えます。
塗装機の原理
塗装機の動作原理は、エアレス式、コンプレッサ式、静電式で異なります。
1. エアレス式
エアレス式は、塗料を保存しておくタンク、タンクに圧力をかけるためのダイヤフラムや遠心機、吹き出しヘッドなどで構成されています。動作時は、塗料を保存しているタンクに圧力が加わり、塗料がタンクから吹き出しヘッドに移動し、ヘッドの先端から塗料が広がるように高速で噴射します。エアを使用しないため、塗装速度が速いことが特徴です。
2. コンプレッサ式
コンプレッサ式は、コンプレッサ、塗料のタンク、吹き出しヘッドで構成されています。動作時は、コンプレッサから得られた高速の空気と塗料がヘッドで衝突し、霧状になった状態で噴出します。持ち運び式では、一般的に広く用いられている塗装機になります。
3. 静電式
静電式は、コンプレッサや塗料が入る圧力タンク、電極が取り付けられた吹き出しヘッドで構成されています。動作時は、電極に電圧を加えることで、圧力によって出てきた塗料が電気的な力によって霧状に変化し、吹き出し口から噴出します。高精度に塗装できることが特徴です。
塗装機のその他情報
塗装機と併用する機械
塗装機と併用する機械として、主にコンプレッサ、乾燥機、ロボットアームの3種類が挙げられます。
1. コンプレッサ
塗装機に使用されるコンプレッサは、高圧の空気を供給する役割を果たします。特に、コンプレッサ式の塗装機では、高圧の空気と塗料を同時に吹き付けることで、均一な仕上がりの実現が可能です。コンプレッサは塗装機と併用することで、塗装作業の効率と品質を向上させる重要な機械です。
2. 乾燥機
乾燥機は、塗装後の対象物を迅速に乾燥させるために使用されます。塗装機で塗装した後、乾燥機を併用することで、塗装面の仕上がりを向上させ、作業効率を高めることが可能です。乾燥機は、熱風や赤外線を利用して塗装面を乾燥させるタイプが一般的です。
3. ロボットアーム
近年、自動化が進む中で、ロボットアームを塗装機と併用することが増えています。ロボットアームは、プログラムに従って精密な動きを行い、均一で美しい仕上がりの実現が可能です。また、ロボットアームによる自動化は、作業者の負担を軽減し、生産性の向上にも寄与しています。
参考文献
https://www.fusoseiki.co.jp/column/knowledge/200.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikizai1937/53/10/53_573/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikizai1937/59/5/59_265/_pdf