接続箱

接続箱とは

接続箱とは、それぞれの太陽電池パネルに発電した電気を、まとめてパワーコンディショナへ送るための機器です。

太陽電池パネルを直列につなげた太陽電池ブロックごとに、それぞれの回線を逆流防止のダイオードなどを経由して接続箱へ集め、パワーコンディショナへ送られた直流電流を交流電流へ変換します。

1つのブロックごとに接続箱の中にある開閉器と呼ばれる機器へ配線されます。開閉器には分電盤ブレーカーのようなスイッチ機能があるため、電気の流れを確認可能です。

接続箱の使用用途

接続箱は高圧発電設備で不可欠です。とくに太陽光発電システムによって発電された電気を集約するために使用可能です。

接続箱には屋内用や屋外用がありますが、屋外用の方が広く普及しています。一般的に屋外へ設置するため、施工業者は屋根のひさしの下などの雨に濡れにくい場所やメンテナンスが容易な外壁に設置します。屋外用は防水仕様であり、コストが上がります。一方、屋内用の設置には太陽電池パネルから大量の配線を屋内へ通す必要があり、外壁に大きな穴が必要です。

接続箱の原理

複数枚の太陽光パネルのプラス極とマイナス極を、pvケーブルによって直列に接続した1つの回路をストリングといいます。

1つのストリングには、20枚の太陽光パネルがつながっています。接続箱にはストリングの数に応じた小ブレーカーが内蔵されており、複数の小ブレーカーを1つのブレーカーへ配線可能です。接続箱を経由して複数の細いpvケーブルを1本の太いpvケーブルにまとめて、パワーコンディショナへ配線します。接続箱を利用せず、複数のpvケーブルをすべて直列でパワーコンディショナへ延々と配線した場合には、電圧降下によって電力が失われる可能性があります。また、ストリングを構成する細いpvケーブルは、長距離の配線に適していません。

ストリングごとに小ブレーカーを設けると、点検やメンテナンスの際にすべての電源を落とすことなく、太陽光パネルなどの部品交換も含めて必要な箇所のみ行えます。落雷時に機器故障を防止するため、避雷素子なども内蔵されています。

接続箱の種類

接続箱は屋内用と屋外用に分類されます。屋外用は防水処理されており、少し値段が高いです。

また接続箱には、産業用と住宅用があります。産業用には直列につなぐ太陽電池モジュールや開閉器が多く、直射日光にも強いです。産業用の値段は高いですが、効率的です。

昇圧機能を持つ接続箱もあります。電圧が揃っていないとロスが生じますが、電圧が低いブロックでも、他のブロックと同様の電圧まで上げれます。昇圧機能のある接続箱は、設置のバリエーションを増やせて、無駄なく発電可能です。

接続箱の選び方

太陽光パネルで発電した電力をロスせずに、パワーコンディショナへ送ることが重要です。そのため防水や防滴、昇圧機能の有無、放熱性、最大入力電圧などに注意して、接続箱を選ぶ必要があります。高い機能性を有する接続箱であればエネルギーのロスを減らせる場合が多いですが、システムの許容量を大幅に超えた接続箱を選択する必要もありません。

例えば最大入力電圧が高いと、ブロック1個を高電圧に設計できます。ブロック1個に多数のパネルをまとめられ、並列に接続するブロック数が減るため、電力ロスのリスクが少なくなります。

接続箱の構造

一般的に接続箱の内部は、避雷素子、開閉器または遮断器、出力用端子台、逆流防止素子、入力用直流開閉器などで構成されています。

機器が落雷によって壊れないように、避雷素子が組み込まれています。開閉器にはブレーカーのようなONとOFFのスイッチが付いていて、電気の流れのチェックやメンテナンスが可能です。パワーコンディショナーと一体化している接続箱もあり、その場合には接続箱だけを購入する必要はありません。

一般的に屋外に設置されるため、盤内に雨水や粉塵が入って不具合が起きないための保護が必要です。

参考文献
https://sma-ene.jp/column/8064/

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