垂直搬送機

垂直搬送機とは

垂直搬送機

垂直搬送機とは大きな荷物や物体を目的の階層に垂直に移動させるための搬送設備のことを言います。

あくまでも荷物のみを垂直方向に運ぶためのものですので人が乗るためのものではなく、リフトを搬送することもできません。

一般に荷物用エレベータよりも搬送能力が高く、また建築基準法のいわゆる「昇降機」に該当しないためエレベータの設置の際に必要な建築確認申請や労働基準局からの許可などが不要で、設置しやすいというメリットがあります。

垂直搬送機の使用用途

垂直搬送機が導入されている現場には大きな荷物を運ぶ必要のある工場や物流センターおよび倉庫などが挙げられます。

台車やパレットも同時に搬送することができ、また大量の商品・荷物を同時に搬送できるので現場の効率化に最適です。

上記のような現場において、荷物の垂直搬送のためにエレベーターなどの昇降機を導入することも可能ですが、設置・手続きなどを考慮すると垂直搬送機はエレベーター導入にかかるコストのおよそ半分ですむという利点もあります。

垂直搬送機の原理

垂直搬送機の構造はエレベーターなどの昇降機と似ている部分はありますが、あくまでも垂直搬送機は「棚」扱いなのでその構造は比較的シンプルです。

本体のフレーム内にキャリッジ(垂直搬送用のカゴや荷台)とウェイトが設けられ、駆動装置によって吊りチェーンまたは金属ワイヤーによってキャリッジを上げ下げします。

また垂直搬送機の荷台の入り口がコンベアなどと接続されたコンベア式の垂直搬送機もあります。

コンベア式では連続的に垂直に搬送する荷物(製造工場のライン現場など)をコンベアで流し、垂直に上げ下げできるので非常に効率的また安全に作業を行えます。

上で述べたように垂直搬送機のメリットはエレベーターなどに比べて導入の際にコストを抑えられますが、搬送する荷物・物体の大きさや重さが搬送機の種類や各メーカーによって厳密に定められていますので、その規定から外れるものは搬送できないということに注意が必要です。

参考文献
https://www.daiwabutsuryu.co.jp/useful/words/vertical-conveyor
https://aiwaok.jp/vertical-conveyor

パワーオペアンプ

パワーオペアンプとは

パワーオペアンプ (Power Operational Amplifier) とは、汎用的なアナログ回路の一つであるオペアンプをベースにしており、特に増幅器の役割を担う電気部品です。

時代のニーズにより大電力が必要な増幅器で用いられる集積回路 (IC) を指します。元となるオペアンプは、1968年に米国フェアチャイルド社から発売された741シリーズが起源になったICです。

パワーオペアンプは単体で使われることが少なく抵抗やコンデンサを接続して使いますが、昨今はアナログ回路のみならず、デジタル回路を含めIC化した製品が市場で販売されています。 

パワーオペアンプの使用用途

パワーオペアンプは、大きいモータードライバサーボコントローラ、FA機器の電磁アクチュエータオーディオアンプで大型スピーカーを駆動するための高電圧や高電流の必要な増幅回路用として主に使用されています。

また、応用例として、測定器やセンサー回路などが挙げられます。パワーオペアンプICで良く使われ、テキサスインスツルメンツ社の汎用ICであるOPA541の場合を例にとると、電源電圧は±5Vから±40V、動作温度も-40℃〜+125℃と広範囲対応の上、大電流5Aで使えるため、この広範囲なダイナミックレンジが様々な使用用途を支えています。

また、低電圧ロジック回路とも接続可能です。なお、本ICを用いる時は放熱用のヒートシンクが必要となり、大電力を扱う場合には負荷インピーダンスにも注意が不可欠です。

パワーオペアンプの原理

パワーオペアンプの原理は、汎用アナログ回路であるオペアンプの出力側の後段に大電力を扱えるようにサイズ大きいトランジスタで構成されたブースト回路や大電力ならではの保護回路などを追加し、高電圧や高電流に対応したオペアンプとしている点にあります。

起源となるオペアンプは、アナログ回路部品の一つで抵抗やコンデンサ等の電気素子を用いることで加算回路、減算回路、微分回路、積分回路として自動的に演算を行なっていました。技術革新により、オペアンプはトランジスタやFET (Field Effect Transistor:電解効果トランジスタ) の半導体素子とともに小型集積化された後、幾つかの回路が組み込まれ集積回路 (IC) として現在を迎えています。

パワーオペアンプのその他情報

1. 負荷インピーダンスの影響

オペアンプの中でもパワーオペアンプと称される回路部品の場合は、大電力対応のために、負荷インピーダンスの扱いに注意が必要です。例えば、モーターなどを駆動する場合には、負荷は単純な抵抗成分ではなくリアクタンス成分を含むため、正弦波動作の場合には電流と電圧の位相が異なります。出力がゼロの場合にも、パワーオペアンプには比較的大きな電流が流れる場合があります。

このとき、パワーオペアンプ内の損失は大きくなるため、トランジスタの自己発熱に伴い、オペアンプICは非常に高温です。放熱用のヒートシンクなどの対策の他、使用動作範囲が製品のSOA (安全動作領域) を超えていないか、よく確認することが重要です。

2. 過渡現象の保護回路

電磁アクチュエータなど、負荷がどちらかといえば誘導性の場合には、動作時の過渡現象に伴う予期せぬ逆起電圧が発生する場合があります。このようなケースも、過電圧によるデバイス破壊や劣化を防ぐために動作条件の確認が必要となりますが、汎用性を高める観点から、パワーオペアンプ内に保護回路が内蔵されているものが多いです。

保護回路の多くは、電流リミッタや温度上昇を感知し動作抑制することで部品を保護するタイプですが、スパイク的な瞬時の過電圧から保護するためには、応答性が重要となります。そのため、通常ショットキーバリアダイオードなどを電源ラインやトランジスタの出力端子に接続し、過電圧発生時にクランプする対策が効果的です。

参考文献
https://www.ablic.com/jp/semicon/products/analog/opamp/intro/

ベアリングチェッカー

ベアリングチェッカーとは

ベアリングチェッカーとは、ベアリング (軸受) の状態を診断する検査装置です。

ベアリングは、回転体を支えたり摩擦を軽減するという重要な役割を持つ部品です。ベアリングの劣化や故障があると、回転機器の性能が低下したり、大きな損傷が発生したりする可能性があります。ベアリングチェッカーを使用することで、ベアリングの異常を早期に検出することができます。

早期の検知により、ベアリングの劣化や故障を予防し、設備のメンテナンスを計画的に行うことが可能です。また、多くの場合は非接触で動作するため、検査対象のベアリングに対して損傷を与えることがありません。ベアリングの予防保全により、予期せぬ故障による生産停止や設備の大規模な修理・交換コストを削減できます。携帯可能で使いやすい装置が多いため、現場での検査が簡単に行えます。

ただし、ベアリングチェッカーの結果を正確に解釈するためには、使用者が機器の動作原理やベアリングの特性について理解していることが重要です。ベアリングの異常だけでなく、周囲の環境などによる影響も検知される可能性があるため、結果を判断する際には慎重に考慮することが大切です。

ベアリングチェッカーの使用用途

ベアリングチェッカーは、機械のベアリング状態を検査し、異常を検出するために使用される便利なツールです。以下は主な使用用途です。

1. メンテナンスと予防保全

定期的なメンテナンス活動において非常に役立ちます。機械のベアリングには常に摩耗や劣化のリスクがありますが、チェッカーを使ってベアリングのデータを監視して異常な変化を検知可能です。

これにより、ベアリングの劣化や故障を早期に発見し、計画的な部品交換を行うことで予期せぬ故障を防ぎます。

2. 故障診断

機械や設備が正常に動作しない場合、ベアリングの故障が考えられます。ベアリングチェッカーを使用して、ベアリングに問題があるかどうかを判定することが可能です。

例えば、ベアリングの振動が異常に大きい場合、摩耗や軸の偏心が疑われます。異音が発生している場合は、ベアリングの内部に問題があることも多いです。こうしたデータを分析し、原因を特定することで、効果的な修理対策を講じることができます。

3. 品質管理

製造業において品質管理は非常に重要です。ベアリングは製造品質に大きく影響する部品であり、不良品が出荷されると大きな問題を引き起こします。製造工程中にベアリングチェッカーを使用して品質を検査し、不良品を早期に発見することで品質を確保します。

ベアリングチェッカーの原理

ベアリングチェッカーは、ベアリングの状態を検査し、異常を検出するために使用される装置です。ベアリングチェッカーの動作原理は、振動、温度、音などを使用する仕組みです。

アリングの異常や劣化は、ベアリングが回転する際に発生する振動によって検知されます。ベアリングチェッカーはベアリングの振動パターンを測定し、振動の周波数や振幅などを分析します。異常な振動はベアリング内の部品摩耗や不均衡を示すことが多いです。

ベアリングの摩耗や潤滑不足などの異常は、ベアリングの温度上昇として現れることがあります。ベアリングチェッカーは赤外線センサーを使用して、温度の異常を検知することが可能です。

劣化や故障は、ベアリングが回転する際に発生する音によっても検知されます。ベアリングチェッカーはベアリングが発する音をマイクロフォンなどで収集し、異常な音の周波数やパターンを分析して問題の有無を判断します。

ベアリングチェッカーの選び方

ベアリングチェッカーを選ぶ際には、いくつかの重要な要素を考慮する必要があります。以下はベアリングチェッカーを選定する際のポイントです。

1. 測定方法

ベアリングチェッカーには、超音波や衝撃波などの測定方法があります。一部のチェッカーはこれらの測定を組み合わせることが可能です。測定方法によって検知できる異常の種類が異なるため、対象とする問題や検知したい異常に応じて適切な測定方法を選ぶ必要があります。

2. 測定レンジ

測定レンジは測定可能な振動などの範囲を示します。選ぶ際には、対象とするベアリングのサイズや種類に合った適切な測定レンジのチェッカーを選ぶことが重要です。大型機器や高負荷のベアリングを対象とする場合は、広い測定レンジを持つベアリングチェッカーが適しています。

3. 電源

ベアリングチェッカーには、電池駆動や充電式バッテリー、電源コードによる供給など、さまざまな電源方式があります。使用環境に合った電源方式を選ぶことで、携帯性や使用時間を満足させることが可能です。また、作業場所の電源環境を考慮して選択することも重要です。

参考文献
https://ureruzo.com/gas/leaksonaphone02.htm

エアグリッパー

エアグリッパーとは

エアグリッパーとは、圧縮空気を使用して物体をつかむための装置です。

具体的には、空気を送り込んで圧力を変化させることで、物体を保持したり、持ち上げたりする機構を指します。エアグリッパーは物体を保持する際に直接接触しないため、傷や損傷のリスクが低いです。

特に、デリケートな製品や素材を取り扱う際に多く使用されます。さらに、多くの形状やサイズの物体をつかむことができます。吸盤やグリップ部分の素材を変えることで、さまざまな用途に適した設計が可能です。また、精密な制御が可能であり、正確な位置へ物体を配置することもできます。

ただし、エアグリッパーは強力な吸引力を持つため、誤った操作や故障時には人や周囲の物体に危険をもたらす可能性があります。適切な安全対策や運用規程を守ることが重要です。

エアグリッパーの使用用途

エアグリッパーはさまざまな用途で使用されます。以下はエアグリッパーの使用用途一例です。

1. 製造業

自動車製造において、エアグリッパーはエンジン部品や車体部品など、さまざまな部品を取り扱うのに使用されます。特に重い部品や形状が複雑な部品を正確に位置合わせする場合に有利です。

また、電子製品のアセンブリラインにおいて、基板や小さな部品要素を取り扱うためにエアグリッパーが利用されることも多いです。

2. 物流・倉庫管理

エアグリッパーは物流センターや倉庫でのパレットの積み込みやコンテナの荷物の取り扱いに利用されます。効率的なピッキング作業によって作業時間を短縮し、物流プロセスを改善することが可能です。

3. 食品産業

ケーキやチョコレートなどのデリケートな食品を包装する際に使用されます。製品の傷つけを防ぎながら高い生産性を実現することが可能です。

工場内での搬送作業においても、ケースやパッケージングされた食品を効率的に取り扱うためにエアグリッパーが活用されます。

エアグリッパーの原理

エアグリッパーは、空気の圧力を利用して物体をつかむ仕組みです。エアグリッパーは一般的に、柔軟な素材でできた吸盤やグリップ部分と、空気を供給するためのチューブやバルブから構成されています。

エアグリッパーは物体を保持するために、吸盤またはグリップ部分を物体の表面に密着させます。このとき、吸盤やグリップの周囲には空気が入らないように密閉されることが多いです。

次に、エアグリッパーにエアコンプレッサーなどから空気を供給し、内部のチューブなど通じて吸盤やグリップ部分に送られます。エアグリッパーに空気が供給されると、吸盤やグリップ部分の内部の圧力が上昇します。

この圧力によって吸盤やグリップが物体の表面に強く密着し、物体を保持することが可能です。物体を放す場合には際には、エアグリッパーの内部の圧力を変化させることで、吸盤やグリップ部分の密着を解除します。これにより、物体を手放すことができます。

エアグリッパーの選び方

エアグリッパーを選ぶ際には、いくつかの重要な要素を考慮する必要があります。以下はエアグリッパーを選ぶ際の要素一例です。

1. ゴム材質

エアグリッパーの吸盤やグリップ部分に使用されるゴム材質は、取り扱う物体の特性によって選択する必要があります。例えば、硬度や耐摩耗性が要求される場合は、耐久性に優れた硬めのゴムが有利です。

一方、デリケートな製品を取り扱う場合は柔らかめのゴムが選ばれることがあります。

2. 推奨可搬質量

エアグリッパーには、推奨の最大可搬質量があります。取り扱う物体の重量を事前に把握しておき、それに対応する推奨可搬質量を持つエアグリッパーを選ぶことが重要です。

推奨可搬質量を超えると、エアグリッパーが効果的に動作しないか、損傷する可能性があります。

3. 使用空気圧

エアグリッパーの適切な動作には、一定の空気圧が必要です。エアグリッパーを選ぶ際には、適切な空気圧の範囲内で動作できるかを確認します。

供給する空気圧が適切でないと、エアグリッパーの保持力が不足したり、過度の圧力で物体が損傷したりする可能性があります。

参考文献
https://www.takatsu.co.jp/business/products/24
https://www.bridgestone.co.jp/products/dp/pneumatic_holders/air_gripper.html
https://jp.misumi-ec.com/pdf/mold/10_mo0089.pdf

電流センスアンプ

電流センスアンプとは

電流センスアンプとは電気回路に流れる電流の値を検出する装置要素の一つです。電流を検出するためのシャント抵抗の両端の電圧を計測することで電流を算出することができます。シャント抵抗両端の電圧降下をオペアンプによって増幅させるため、小さな電位差でも大きな電圧として検出することが可能です。また、内蔵された抵抗から固定ゲインが構成されているため、温度変化や外部からの影響を受けづらく、精度の高い測定をすることができます。

電流センスアンプの使用用途

電流センスアンプは様々な機械に流れる電流を測定するために使用されます。多くの機械において安全性を保ち、効率よくシステムを稼働させるためには電流検出が不可欠なのです。例えば、電気自動車に流れる電流です。高電圧がかかる電気自動車で通常の電流検知は難しいですが、電流センスアンプを使用すれば測定することができます。オペアンプは通常電源電圧以上入力することができませんが、電流センスアンプはコモンモード電圧範囲が大きいため入力電圧をサポートできるのです。

電流センスアンプの原理

電流センスアンプは様々な機械に流れる電流を計測できる優れた装置要素です。ここではその原理や特徴についてご紹介します。

電流センスアンプは電流が流れる抵抗の間の電位差を測定することで流れる電流の値を計測しています。この抵抗はシャント抵抗と呼ばれ、オームの法則に基づいて単純な原理で計測されます。シャント抵抗の両端の電位差が小さくてもオペアンプによって増幅することで十分計測することが可能です。また、このシャント抵抗を配置する位置によって特徴が変わります。

  • ローサイドアンプ
    回路の中でシャント抵抗を負荷とグランドの間に配置したものです。ローサイドで電流を検出する際の最大のメリットはコモンコード電圧がゼロに近いという点です。複雑な回路設計が必要なくシンプルな実装が可能になります。
  • ハイサイドアンプ
    回路の中でシャント抵抗を電源と負荷の間に配置したものです。ハイサイドで電流を検出するメリットはグランドに影響されないことです。

電流検出抵抗の決め方

電流検出をするうえで最も重要な決定事項の1つは電流センス抵抗(シャント抵抗)の選択です。通常予測される最大電流から目的の最大作動電圧が得られるよう抵抗値とワット数を決定します。必要な際は、抵抗の電力損失を加味したうえで抵抗の値を選択することも重要です。

電流センス抵抗値とワット数を決めたら、抵抗の許容誤差による影響を考慮に入れます。許容誤差により検出できる電圧および電流測定値の精度に直接影響が及ぶためです。また見落としがちなものとして、抵抗の許容誤差には温度ドリフト係数があります。

また、シャント抵抗から電流センスアンプまでのプリントパターンの引き出し方にも注意が必要です。シャント抵抗は通常低抵抗であるため、パターンの引き出し方によってはパターンの持つ銅抵抗による電圧降下も併せて検出してしまうことになり、大きな誤差を生じる場合があるためです。シャント抵抗器の直近からパターンを分離して電流センスアンプへ引き回すようにします。また、電流通路と電圧検出を別のパターンルートにすることで、電流通路の抵抗による誤差をなくすようにします。

電流検出に用いる電流センスアンプの選択方法

電流センスアンプの種類として、主にハイサイドアンプとローサイドアンプがあります。それぞれメリット・デメリットがありますが、ハイサイドアンプは電源と負荷の間で電流を測定するため、電源電圧より高いDC電圧が印加されることがあります。ローサイドアンプはそれに対して、負荷とグランド間で電流を測定するため、入力ピンにグランドレベルに近い電圧が印加されます。

電流センスアンプを選択する場合、まずハイサイドでの電流検出を行うか、ローサイドの検出を行うかを決めます。ハイサイド電流検出の場合、アプリケーションに必要な最大顧問モード電圧と使用する電源電圧に応じて、電流センスアンプを選定します。ローサイドの検出を行う場合、0Vに近い顧問モード電圧で動作する電流センスアンプを選定します。

そのほか、システム上、電流検出の向きについても考慮に入れます。一方向に限定される電流検出か、双方向を加味した設計が必要かです。またシャント抵抗値と測定電流範囲から、オフセットやゲイン精度に関する誤差の検討も行うことが重要です。

参考文献
https://www.macnica.co.jp/business/semiconductor/articles/texas_instruments/130397/
https://www.st.com/ja/amplifiers-and-comparators/current-sensing.html
https://jp.rs-online.com/web/generalDisplay.html?id=ideas-and-advice/shunt-resistor-guide

フロアリフト

フロアリフトとは

フロアリフト

フロアリフト (英: floor lift) とは、床面を昇降させる装置です。

段差の解消や作業効率向上を図ることができます。フロア部分に外付けや埋め込みなどで設置します。電動モーターや油圧などの動力を利用して、自動で対象物を昇降させることが可能です。

製品によってテーブル幅が異なるので、用途に適した幅のフロアリフトを使用します。自動車などの重い対象物を持ち上げるため、構成部品にも耐荷重に優れた頑強な素材を使用しています。万が一の時に備えて、安全装置も搭載されているため安心です。

フロアリフトの使用用途

フロアリフトは、住宅、介護施設、工場、整備場などさまざまな分野で使用されます。

1. 住宅・介護・リハビリテーション施設

住宅や介護・リハビリテーション施設では、段差を解消するバリアフリーなどの用途があります。フロアの一部に設置し、昇降することで段差をなくしたり、車いすなどの移動を補助し、利用者の負担を低減したりする目的で使用されます。

2. 工場・整備場

工場・整備場では、大型機器や車両などの整備作業で使用されています。車両整備工場などで行われるピット作業には、オイル交換やミッション脱着といった比較的短時間で行える整備から重整備までさまざまな作業があります。

作業を効率よく行うため、車両を作業しやすい高さまで持ち上げる際にフロアリフトが使用されます。

フロアリフトの原理

フロアリフトは、昇降を行うアーム部分、移動させたい対象物を積載するフロア部分、アームを動かす動力部分、及び安全装置などから構成されます。動力は空圧や油圧を利用した駆動方式にすることによって、重量のある積載物も昇降が可能です。

上昇の動作は、まずクロスしたアームにより重量を支えます。そして、両側のアームを接続する部材に油圧シリンダーを設置して、押し上げるのが一般的です。アームは昇降する高さに応じて、1~3段式を使います。

フロアリフトの種類

フロアリフトは、対象物により各種のリフトがあります。

1. 車載用

フロアリフトは自動車の整備用として、軽自動車から大型のトラックやバス用まで各種のサイズがあります。自動車を持ち上げて下から作業を行うタイプと、床面を掘り下げて作業者が下に降りて整備するタイプの2種類です。

いずれも、作業者に対する安全装置が各種設けられます。上昇・下降するフロアは、2~3分割したタイプもあります。小型車から大型車まで、組み合わせて効率的に作業が可能です。

安全装置は、挟み込み防止光電管、セーフティーバー、緊急停止ワイヤーなどが挙げられます。

2. 一般用

住宅用や介護施設・病院では、玄関と土間の段差解消、屋外のベランダ、階段の段差解消などのための専用リフトを使います。フロアリフトは、バリアフリーには必須の装置です。また、工場などでは重量対象物の作業性を良くするためのフロアリフトがあります。

床を掘り下げて設置する埋め込み式が、使い勝手が良いです。また、可搬式の整備作業作業台もフロアリフトと呼ばれます。移動車輪を付けたり、固定台を使う方式です。

3. 駆動方式

フロアリフトの駆動は、油圧式がほとんどです。油圧シリンダーにより、フロアを上昇させます。リミットスイッチなどを使用して定位置に停止させます。

機械式のフロアリフトもあります。コンベアラインに適しており、長時間停止でも位置が不動です。電動モーターでボールねじを駆動する方式や機械式カムを使用する方式などがあります。

フロアリフトのその他情報

フロアリフトの安全規制

簡易リフトは、「建築基準法」「労働安全衛生法・クレーン等安全規則」の適用を受けます。簡易リフトの定義は労働安全衛生法では、積載荷重0.25t以上で、かごの面積1m2以下、又は高さ1.2m以下です。また、建築基準法では小荷物専用昇降機で、かごの面積1m2以下かつ高さ1.2m以下が対象です。

フロアリフトは、簡易リフトには該当しないと言えます。ただし、自動車整備関連の規制はあります。

参考文献
https://www.banzai.co.jp/products/search/floor_lift/item_81
http://www.kitagawaseiki.co.jp/product_syoryoku_lift.html
https://www.anzen.co.jp/catalog/pdf/B.pdf
https://www.e-banzai.jp/pdf/BZP-0005.pdf

ベアリングユニット

ベアリングユニットとは

ベアリングユニット

ベアリングユニット (英語: Bearing Units) とは、ハウジング (軸受箱) 、深溝ボールベアリング (深溝玉軸受) で構成されたベアリングです。

玉軸受ユニットも同義語として使われます。ベアリングユニットは、あらかじめハウジングにボールベアリングが組み込まれています。ハウジングは、ピロータ形、角フランジ形、ひしフランジ形など複数の形状があり、取り付ける場所や状況に応じて、最適な形状を選択することが大切です。

ハウジングの取り付け穴を利用して、ボルトなどで容易に装置や設備などに設置することができるため、さまざまな回転運動をするコンベヤやローラーなどの多くの機械で使用されています。特に、ベアリングユニットの仕様や寸法は標準化されているため、ベアリング周辺の設計も汎用的で標準化することが可能になります。

ベアリングユニットの使用用途

シャフトの固定方法

図1. シャフトの固定方法

ベアリングユニットは、主にシャフトの回転とラジアル荷重の支持に使用されます。ベアリングユニットはさまざまな種類があり、取付場所・周辺構造や取付環境に合わせて、形状や取り付け方法、シャフト固定方法、保護構造 (カバー、シールなどの有無) 、材質など、最適な選定が必要です。

シャフトの固定方法の詳細は、上記の図を参照してください。

ベアリングユニットの原理

ベアリングユニットの構造

図2. ベアリングユニットの構造

ベアリングユニットには、他のベアリングと同様に「ラジアルベアリング」と「スラストベアリング」があります。

ベアリングに加わる荷重は、シャフト (回転軸) の軸中心に対して直角方向のラジアル方向に加わる「ラジアル荷重」、シャフト (回転軸) の軸中心に対して平行方向のアキシアル方向に加わる「スラスト荷重」になります。

ラジアルベアリングはラジアル荷重が加わる場合に、スラストベアリングはスラスト荷重が加わる場合に使用します。基本構造は、ハウジング (軸受箱) と転動体のボール (玉) 、軌道輪のアウターリング (外輪) とインナーリング (内輪) です。転動体のボールは、軌道輪のアウターリングとインナーリングに挟まれ、軌道輪内で回転します。ケージ(保持器)により、転動体のボールの間隔を維持します。

転動体のボールは、軌道輪間で摺動し回転するために摩擦が発生します。この摩擦を低減する軽減するためには潤滑が必要です。潤滑方式としては、潤滑剤グリースがあらかじめ封入されているタイプと、ハウジングに取り付けられたグリースニップルから、アウターリングの穴を通してグリースを給脂するタイプがあります。

ベアリングユニットの種類

ベアリングユニットの種類

図3. ベアリングユニットの種類(1)

ベアリングユニットの種類は、「ベアリング型式」「ハウジング型式」「ハウジング材質」の観点から分類することができます。非常に種類が多いため、用途に応じて適切なものを選定することが大切です。

1. ベアリング型式

ベアリングユニットの種類

図4. ベアリングユニットの種類(2)

  • 円筒穴形止めねじ式
    インナーリング (内輪) の穴形状は円筒穴で、シャフトをインナーリングに組込み、インナーリングの止めねじを締め、ベアリングとシャフトを固定する方式です。
  • 円筒穴形偏心カラー式
    インナーリング (内輪) の穴形状は円筒穴で、シャフトをインナーリングに組込み、偏心カラーをインナーリング片側に取り付け締め付け止めねじで回り止めして、ベアリングとシャフトを固定する方式です。
  • テーパ穴形アダプタ式
    インナーリング (内輪) の穴形状はテーパ穴で、シャフトとインナーリングの間に専用アダプタを取り付け、ロックナット (ベアリングナット) で締め付けることで、ベアリングとシャフトを固定します。ロックナットの緩み止めとして専用ロックワッシャを使用します。
    ※テーパ穴は、円錐状に先細り (先太り) している穴形状です。
  • 円筒穴形しまりばめ式
    インナーリング (内輪) の穴形状は円筒穴で、シャフト外径とインナーリング内径のはめ合いを「しまりばめ」の関係にすることで、ベアリングとシャフトを固定します。
    ※「しまりばめ」は、シャフトと穴の間に隙間がなく、穴の最大許容寸法よりシャフトの最小許容寸法が大きい場合となります。

2. ハウジング型式

ベアリングユニットの種類

図5. ベアリングユニットの種類(3)

  • ピロー形
    ピロー形は、最も一般的なハウジングの形式で、ベアリングを収納する円筒形の部分と、ベアリングユニットを固定するボルト用穴加工されたベース部分で構成されています。動力伝達機構や一般機械など多くの場合で使用されています。
  • 角フランジ形
    角フランジ形は、ハウジング外形が四角のフランジ形状で、ボルト4本で装置や設備の壁面に取り付け使用します。
  • 丸フランジ形
    丸フランジ形は、ハウジング外形が丸いフランジ形状で、ボルト4本で装置や設備の壁面に取り付け使用します。
  • ひしフランジ形
    ひしフランジ形は、ハウジング外形がひし形のフランジ形状で、ボルト2本で装置や設備の壁面に取り付け使用します。外形寸法が比較的小さく、省スペースで取り付けることができます。
  • テークアップ形
    テークアップ形は、ハウジング左右面にスライド用溝が加工されていて、この溝が装置などのガイドに嵌り込み、ベアリングユニット全体が左右または上下に移動するような場合で、シャフト位置を移動させることが必要な場合などに適用します。
  • カートリッジ形
    カートリッジ形は、ハウジング外形がベース形状やフランジ形状はなく単純な円筒形状です。ハウジングとアウターリングは球面状で調心性があります。アキシアル方向に移動させるような、シャフトの伸縮を吸収させるような使用方法に適用します。伸縮の自由側 (移動側) に使用します。
  • ハンガー形
    ハンガー形は、ハウジングの1面にねじ穴を設け、吊り下げ軸等をねじ込みシャフトの中間支持するような使用方法に適用します。

3. ハウジング材質

  • 鋳鉄
    ハウジング材質は、JIS G5501 ねずみ鋳鉄品 FC200 を使用しています。最も汎用的で標準的なハウジング材質になります。
  • 球状黒鉛鋳鉄
    ハウジング材質は、JIS G 5502 球状黒鉛鋳鉄品 FCD450-10 を使用しています。鋳鉄製ハウジングよりも高い機械的強度が必要な場合に適用します。
  • 一般構造用圧延鋼材
    ハウジング材質は、JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材 SS400 を使用しています。
  • ステンレス鋳鋼
    ハウジング材質は、JIS G 5121 ステンレス鋼鋳鋼品 SCS13 を使用しています。屋外使用の環境や水飛沫がかかる場合、耐硝酸や耐硫酸腐食が必要な環境に適用します。ボールとインナーリング・アウターリングは、マルテンサイト系ステンレス鋼 SUS440C などが使用されています。
  • ガラス繊維強化樹脂
    ハウジング材質は、熱可塑性ポリエステル樹脂やポリプロピレンポリエチレンを使用しています。水や海水がかかる環境や水中でも使用が可能で、耐硫酸や耐塩酸腐食性が必要な環境に適用します。

参考文献
https://www.asahiseiko.co.jp/product/bearings/series.html
https://www.nsk.com/jp/products/bearingunit/ball/index.html
https://www.ntn.co.jp/japan/products/bearingunit.html
https://www.ntn.co.jp/japan/products/bearingunit/feature.html
https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure-sys/machine-elements/bearing/strength.jsp
https://koyo.jtekt.co.jp/2019/02/column01-04.html

ヘリカル減速機

ヘリカル減速機とは

ヘリカル減速機

ヘリカル減速機とは、ヘリカルギアと言う歯車 (ギア) を使った減速機のことです。ヘリカルギアとは斜歯 (はすば) 歯車といい歯車の山の稜線が、回転軸に対して傾いている歯車をいいます。ヘリカルギアは歯車の強度や、歯車同士が噛み合う際に発生する音や振動を少なくする効果があります。よってヘリカル減速機も、音や振動を少なくしたい場合に使われる減速機です。

なおヘリカルギアのように山の稜線が回転軸に対して平行な歯車は、スパーギア (平歯車) といいます。 

ヘリカル減速機の使用用途

ヘリカル減速機の使用用途は、稼働時の騒音や振動を少なくしたい機械に使われています。自動車に搭載されているトランスミッション、ファイナルドライブといった動力伝達部品も、ヘリカル減速機の一種です。

産業機械や工作機械のような工場で稼働する機械から、エレベータやエスカレータといった私たちの日常生活の中で稼働する機械まで、減速を伴う機械の歯車機構の多くは、ヘリカル減速機と呼べます。ほとんどの機械においては騒音や振動を抑える必要があり、平行軸歯車による減速を行う減速機のほとんどがヘリカル減速機です。逆にヘリカルギアを使わない減速機は、レーシングカーの変速機です。

減速機は専用設計される場合がほとんどですが、市販の減速機として販売されている商品もあります。設計要望を満たす回転数、トルク、減速比、取り付けるスペース、入出力軸の位置関係などを満足できる商品を選ぶ必要があります。

ヘリカル減速機の原理

ヘリカル減速機は歯車を用いた減速機の一種であり、原理は回転数比によるトルクの増大です。歯数が少ない歯車と、歯煤が多い歯車を噛み合わせ、歯数が少ない歯車を回すと、歯数が多い歯車は遅い速度で回転します。例えば回転を入力する歯車の歯数が20歯、回転数を伝達される歯車の歯数が40歯であれば、出力される回転数は、入力する回転数の半分になります。一方で出力されるトルクは、入力したトルクの2倍の大きさが得られるのが、減速機の原理です。

ヘリカル減速機ではヘリカルギアを用いているため、音や振動を抑えることができます。これはヘルカルギアによって、歯車のかみ合い率を上げることができるからです。歯車のかみ合い率とは、同時に噛み合っている歯の数を表したものです。ある二つの歯車が噛み合っている場所で、噛み合う歯の数を数えるとします。スパーギアは歯車が回転軸と平行なので、かみ合い率は1以上になることはありません。しかしヘリカルギアは歯車同士は回転軸に対して角度を持っているので、複数の短いかみ合いが生じます。これらを足し合わせると、かみ合い率は1よりも大きくすることができます。

ヘリカル減速機のその他情報

スラスト力の発生

音や振動を少なくできるヘリカル減速機ですが、弊害としてスラスト力が生じます。スラスト力は噛み合う2つの歯車を回転軸上において、互いに遠ざける方向に作用するものです。通常はスラスト力を受けるための機械要素が必要です。例えば、歯車の回転軸にスラスト方向の力も受けられる軸受を選んだり、新たにスラストワッシャや、スラストベアリングを追加する方法があります。

遊星歯車ならスキューにも注意

ヘリカル減速機の中でも、遊星歯車機構を用いた場合、ピニオンに発生するスラスト力によって、スキューと呼ばれる現象にも注意が必要です。スキューは「斜め」「歪み」と言う意味の英語ですが、遊星歯車機構のピニオンの回転を支えるニードルが、スラスト方向にも力を生じる現象をいいます。

ニードルはピニオンとピニオンシャフトの間を転がるコロです。通常ならニードルはピニオンシャフトと平行な回転軸で転がりますが、ピニオンにスラスト力が発生すると、わずかな隙間の範囲内において、ピニオンシャフトと角度を持って転がるようになります。するとニードルは軸方向にも進もうとするため、スラスト力が生じます。

ヘリカルギアによって生まれるスラスト力は、決して軽微なものではありません。歯車の計算で論理的に導けるものなので正しく計算し、適切な軸受の選定などが重要です。

参考文献
https://www.mikipulley.co.jp/JP/Products/SpeedChangersAndReducers/about.html
https://toolremake.com/helical-gear/

ボルテージディテクタ

ボルテージディテクタとは

ボルテージディテクタ (英:Voltage Detector) とは、特定の電圧レベルを検出するために使用される電子デバイスです。

主に電源の電圧が所定の範囲内にあるかどうかを監視し、安定した動作や適切な制御を保証することを目的に使用されます。

ボルテージディテクタの使用用途

ボルテージディテクタは、電源の安定性の監視と制御において重要な役割を果たすものです。システムの信頼性と安全性を確保するために利用されます。

1. マイクロプロセッサのリセット回路

ボルテージディテクタは電源電圧を監視し、特に電源投入時において、適切な電圧レベルが確保された時点でリセット信号を生成します。これにより、マイクロコントローラやマイクロプロセッサは正常に初期化され、リセット状態から動作を開始することができます。

2. 電源供給ユニットの制御

ボルテージディテクタを電源供給ユニットで用いることで、電源電圧の異常発生時にそれを検出し、電源回路を適切に制御して安定した電源供給を維持します。

3. バッテリーマネジメントシステム

ボルテージディテクタは、バッテリーマネジメントシステムにおいてバッテリーの電圧状態を監視する機能に使われます。充電や放電時の過電圧や低電圧を検出し、バッテリーの安定した動作を維持するのに有用です。

4. システムのフェイルセーフ機能

ボルテージディテクタは、システムのフェイルセーフ機能の一環としても利用されます。電源の異常や不安定な電圧が検出された場合に、システムを安全に停止させたり保護機能を作動させます。

ボルテージディテクタの原理

ボルテージディテクタは、入力端子に印加される電圧レベルを検出するための回路を含んでいます。一般的なボルテージディテクタの構成と原理は次のとおりです。

1. 基準電圧源

ボルテージディテクタには、入力電圧を比較するための電圧参照源となる基準電圧が必要です。これは正確かつ安定した電圧でなければなりません。

一般的には、ボルテージディテクタの内部で作り出す精密な基準電圧源や、外部から供給される基準電圧源があります。

2. コンパレータ

ボルテージディテクタには、入力電圧と電圧参照源とを比較するためのコンパレータがあります。コンパレータは、2つの電圧を受け取り、それらを比較して結果を出力するものです。

3. 閾値設定

ボルテージディテクタでは、電圧参照源として閾値電圧を設定します。上記コンパレータは、入力電圧が閾値を上回るか下回るかを判定し、それに応じて結果を出力するため、閾値電圧は一定で安定していることが重要です。

上に述べた基準電圧源から電圧分割などの方法で閾値電圧を作り出します。

4. 出力信号

ボルテージディテクタは入力電圧が閾値を上回るか下回るかに基づいて、デジタル信号を出力します。通常、閾値を上回る場合には高レベルの信号、閾値を下回る場合には低レベルの信号が出力されます。

ボルテージディテクタは、上記構成要素を用いて入力電圧と閾値電圧とを比較するように動作します。その比較結果に応じた出力信号により、入力電圧が所定の範囲内か範囲外かを示すものです。この機能を利用して、ボルテージディテクタは電源装置の安定性の監視や制御に利用されます。

ボルテージディテクタの種類

ボルテージディテクタには、さまざまな種類がありますが、代表的なボルテージディテクタを示します。

1. 固定タイプボルテージディテクタ

固定の閾値電圧を持ち、入力電圧がその閾値を超えるか下回るかを検出します。主な用途は、電源監視やリセット信号の生成です。

2. 可変タイプボルテージディテクタ

ユーザーが閾値電圧を調整できるタイプです。入力電圧がユーザーが設定した閾値を超えるか下回るかを検出します。可変タイプボルテージディテクタは、さまざまな電圧レベルの監視に対応できるものです。

3. デュアルボルテージディテクタ

2つの独立した閾値電圧を持ち、それぞれの入力電圧が対応する閾値を超えるか下回るかを検出するものです。デュアルボルテージディテクタは、異なる電圧レベルの監視や制御が必要な場合に使用されます。

4. 過電圧ディテクタ

過電圧を検出するための特殊なタイプのボルテージディテクタです。入力電圧が規定の閾値を超えた場合にトリガーが発生し、過電圧対策 (例えば回路の遮断) が作動します。

5. 低電圧ディテクタ

低電圧を検出するための特殊なタイプのボルテージディテクタです。入力電圧が規定の閾値を下回った場合にトリガーが発生し、電流供給を制限するなどの対策が作動します。

6. リセットIC

主に、マイクロコントローラやマイクロプロセッサのリセット回路に使用されるボルテージディテクタです。電源が安定した状態になったことを検出し、リセット信号を出力します。このリセット信号を受けて、電子回路全体を初期状態に設定し、以降正常な動作を開始させるものです。

参考文献
https://www.ablic.com/jp/semicon/products/power-management-ic/voltage-detector-reset-ic/intro/

リベッティングマシン

リベッティングマシンとは

リベッティングマシンとは複数の部品に対してリベットを回転と圧力によってかしめることで接合する機械です。

⾝近なモノではハサミやキャスターの接合部、ドアのヒンジなどに使われています。

部品の接合方法は、カシメ以外にネジ・ボルト留めや溶接等があります。かしめは半永久的な接合を実現し、ネジ・ボルト留めのように振動で緩むことはありません。また、仕上がりは一定の品質が保たれ、溶接のように作業者の技能により仕上がりが変化することはありません。

リベッティングマシンの使用用途

かしめ構造が小型で、操作が安全かつ便利であり、安定した性能を再現するため幅広い業界で使用されています。自動車部品に特に使われています。

ドア・シート・ワイパー・ハブベアリングシートベルトなど車体に関わる可動部に使用されています。その他にも、航空機・船舶・鉄道車両・自転車・タービン・介護用ベッド・内視鏡・パソコン・カメラ・空調設備・脚立・包丁・義肢・手錠・マンホール蓋・電気のスイッチなどにも使用されています。

リベッティングマシンの原理

テーブル上に置かれたワークから突出するリベット軸、ワーク端部、突辺等の突出体に対して上方から成形用工具を下方へ降ろし、圧接してかしめます。ワークの高さ・ワーク厚さ・リベット・突出体の長さのバラツキに関係なく、かしめ成形の最適化を図れます。

リベット頭部のみを圧接し、塑性変形させるため、リベットの胴部が変形がありません。接合した部品へ負荷をかけることなく、安定した性能を再現します。

様々な機種があります。例えば、電気式タイプ・液圧タイプ・空気圧タイプなどが一般的には使われています。その中でもさらに、回転式マシンと自動式マシンに分けられます。自動式マシンは高い効率が特徴となっています。一方で、回転式マシンは液圧回転式と空気圧回転式の2種類に分けられ、主に大きい空心リベットやソリッドリベットに使用されます。

ヘッドには大きく分けて山形・丸形・平形・平鳩目形・丸鳩目形・鍋型・中抜形の7種類あり、仕上がり形状によって使い分けます。