フロアリフトとは
フロアリフト (英: floor lift) とは、床面を昇降させる装置です。
段差の解消や作業効率向上を図ることができます。フロア部分に外付けや埋め込みなどで設置します。電動モーターや油圧などの動力を利用して、自動で対象物を昇降させることが可能です。
製品によってテーブル幅が異なるので、用途に適した幅のフロアリフトを使用します。自動車などの重い対象物を持ち上げるため、構成部品にも耐荷重に優れた頑強な素材を使用しています。万が一の時に備えて、安全装置も搭載されているため安心です。
フロアリフトの使用用途
フロアリフトは、住宅、介護施設、工場、整備場などさまざまな分野で使用されます。
1. 住宅・介護・リハビリテーション施設
住宅や介護・リハビリテーション施設では、段差を解消するバリアフリーなどの用途があります。フロアの一部に設置し、昇降することで段差をなくしたり、車いすなどの移動を補助し、利用者の負担を低減したりする目的で使用されます。
2. 工場・整備場
工場・整備場では、大型機器や車両などの整備作業で使用されています。車両整備工場などで行われるピット作業には、オイル交換やミッション脱着といった比較的短時間で行える整備から重整備までさまざまな作業があります。
作業を効率よく行うため、車両を作業しやすい高さまで持ち上げる際にフロアリフトが使用されます。
フロアリフトの原理
フロアリフトは、昇降を行うアーム部分、移動させたい対象物を積載するフロア部分、アームを動かす動力部分、及び安全装置などから構成されます。動力は空圧や油圧を利用した駆動方式にすることによって、重量のある積載物も昇降が可能です。
上昇の動作は、まずクロスしたアームにより重量を支えます。そして、両側のアームを接続する部材に油圧シリンダーを設置して、押し上げるのが一般的です。アームは昇降する高さに応じて、1~3段式を使います。
フロアリフトの種類
フロアリフトは、対象物により各種のリフトがあります。
1. 車載用
フロアリフトは自動車の整備用として、軽自動車から大型のトラックやバス用まで各種のサイズがあります。自動車を持ち上げて下から作業を行うタイプと、床面を掘り下げて作業者が下に降りて整備するタイプの2種類です。
いずれも、作業者に対する安全装置が各種設けられます。上昇・下降するフロアは、2~3分割したタイプもあります。小型車から大型車まで、組み合わせて効率的に作業が可能です。
安全装置は、挟み込み防止光電管、セーフティーバー、緊急停止ワイヤーなどが挙げられます。
2. 一般用
住宅用や介護施設・病院では、玄関と土間の段差解消、屋外のベランダ、階段の段差解消などのための専用リフトを使います。フロアリフトは、バリアフリーには必須の装置です。また、工場などでは重量対象物の作業性を良くするためのフロアリフトがあります。
床を掘り下げて設置する埋め込み式が、使い勝手が良いです。また、可搬式の整備作業作業台もフロアリフトと呼ばれます。移動車輪を付けたり、固定台を使う方式です。
3. 駆動方式
フロアリフトの駆動は、油圧式がほとんどです。油圧シリンダーにより、フロアを上昇させます。リミットスイッチなどを使用して定位置に停止させます。
機械式のフロアリフトもあります。コンベアラインに適しており、長時間停止でも位置が不動です。電動モーターでボールねじを駆動する方式や機械式カムを使用する方式などがあります。
フロアリフトのその他情報
フロアリフトの安全規制
簡易リフトは、「建築基準法」「労働安全衛生法・クレーン等安全規則」の適用を受けます。簡易リフトの定義は労働安全衛生法では、積載荷重0.25t以上で、かごの面積1m2以下、又は高さ1.2m以下です。また、建築基準法では小荷物専用昇降機で、かごの面積1m2以下かつ高さ1.2m以下が対象です。
フロアリフトは、簡易リフトには該当しないと言えます。ただし、自動車整備関連の規制はあります。
参考文献
https://www.banzai.co.jp/products/search/floor_lift/item_81
http://www.kitagawaseiki.co.jp/product_syoryoku_lift.html
https://www.anzen.co.jp/catalog/pdf/B.pdf
https://www.e-banzai.jp/pdf/BZP-0005.pdf