レーザーミラー

レーザーミラーとは

レーザーミラー

レーザーミラーとは、レーザー光を反射するために設計された特殊なミラーです。

高い反射率と熱耐性を持つことが特徴であり、レーザー光のエネルギーを最大限に利用するために使用されます。レーザーデバイスや光学系においてさまざまな目的で使用されていますが、主な用途はレーザー光をビームの形で集光または伝播させることです。

レーザーデバイスから出力されるレーザー光はミラーによって反射され、所望の方向にビームを誘導することが可能です。また、レーザーミラーはレーザーの反射鏡としても使用されます。レーザー光は特定の波長やパワー範囲で生成されるため、通常のミラーでは熱による損傷が起きる可能性があります。

レーザーミラーは特定の波長や出力に対して高い反射率を持ち、さらに熱によるダメージを最小限に抑える特殊なコーティングや材料で製造されることが多いです。

レーザーミラーの使用用途

レーザーミラーはさまざまな分野・用途で使用される部品です。以下はレーザーミラーの使用用途一例です。

1. 製造業

レーザーカッティングやレーザーマーキングなどの加工プロセスで、重要な役割を果たしています。レーザーミラーは高い反射率と熱耐性を持つことが特徴であり、レーザービームを正確に誘導することが可能です。

レーザーカッターではミラーがレーザービームを素材上に集光し、切断を行います。レーザーマーキング装置ではレーザービームを焦光することで、マーキングや彫刻が可能です。また、レーザー溶接では素材上に集光して溶接プロセスを制御します。

2. 医療用途

レーザーミラーは医療分野でも広く活用されている部品です。レーザー手術においては、ミラーを使用してレーザービームを患者の体内に誘導します。

皮膚治療ではミラーを使用してレーザービームを正確に照射し、皮膚の病変や不要な組織を治療することも多いです。眼科手術では、ミラーがレーザービームを眼内に誘導し、眼の手術や治療を行います。

レーザーミラーは高い反射率と熱耐性を持つことから、レーザー光を効果的かつ安全に使用するために欠かせない要素です。

3. 通信

レーザーミラーは、光ファイバーや光通信の分野でも重要な要素です。光ファイバーは情報の高速伝送に使用され、その際にレーザーミラーは光信号の反射や誘導に使用されます。ミラーは光ファイバーの端部や分岐点で使用され、光信号を正確に制御することで高速・高品質の通信を実現します。

また、光通信ネットワークではミラーが光信号のルーティングや光スイッチングに使用され、信号の伝送や制御を助けることも多いです。

レーザーミラーの原理

レーザーミラーは反射層、基盤、保護コーティングなどで構成されます。

1. 反射層

反射層は、レーザービームを反射する役割を果たす部分です。一般的に、金属やダイオード蒸着などの高い反射率を持つ材料で覆われています。この層の厚さと材料の選択は、ミラーの特性や使用するレーザーの波長によって決まることが多いです。

2. 基盤

基盤は反射層を支持し、安定性を提供する役割を果たす部分です。一般的に、ガラスや金属などの剛性のある材料が使用されます。基盤の平坦性や耐熱性が重要であり、レーザービームの品質を保つために高い品質の基盤が選ばれることが多いです。

3. レーザーミラー

レーザーミラーは使用中に汚れや傷を受ける可能性があるため、保護コーティングが施される場合があります。このコーティングは、ミラーの表面を保護し、耐摩耗性や耐薬品性を向上させることが可能です。

レーザーミラーの種類

レーザーミラーはコーティングによっていくつかの種類が存在し、その特性や用途が変化します。以下は代表的なレーザーミラーの一例です。

1. 金属コーティング

金や銀、アルミニウムでコーティングされたミラーです。安価で広い波長帯域で使用することができます。

金は600nm以下、銀は400nm以下は透過させる特性があります。表面に傷が付きやすいのがデメリットです。

2. 広帯域誘多膜

広帯域で反射率の高いコーティングがされたミラーです。膜によって光が吸収されることがなく、多波長を用いたレーザー光源などに利用されます。

3. レーザー用誘多膜

特定の波長の反射率が高いコーティングがされたミラーです。短波長レーザーやハイパワーレーザーに用いられる最も一般的なレーザーミラーと言えます。また、膜が光を吸収しない点や膜が硬く傷つきにくい点もメリットです。

参考文献
https://www.geomatec.co.jp/products-and-solutions/optical-control/laser-optical-components/laser-mirrors/
https://www.global-optosigma.com/jp/category/opt/opt04.html
https://xn--wckwfybb4714bueo2su.com/

温度校正器

温度校正器とは

温度校正器

温度校正器は熱電対やサーミスタなどを校正する装置

温度校正器とは熱電対やサーミスタなど温度を測定する装置を校正するための機器です。熱電対などの温度を測定する装置も経年劣化やセンサーの汚れなどによって表示される温度と実際の温度が異なってしまうことがあります。このような誤った値を示さないために温度校正器による校正が行われます。

温度計の種類で用いる温度校正器は異なる

校正したい温度計の種類によって用いる温度校正器は異なります。熱電対やサーミスタの校正を行うときはドライウェル式の温度校正器を用いて、サーマルカメラなどの非接触型の温度計を用いるときは黒体炉を用います。

温度校正器の使用用途

現場で用いる温度計の点検で利用

温度計はものづくりの現場で日常的に使用される装置であるため、温度校正器も様々な業界で使用されます。温度の管理は製造プロセスにおいて非常に重要です。温度計の値が実際の温度と異なっていた場合、製品の品質やプロセスの安全性に悪影響を与える可能性があります。そのため、現場で用いる温度計は定期的に点検、校正されています。

セラミック、無機材料の製造で用いられる高温の温度計の校正でも利用

室温から100℃程度までの有機物の製造における温度計の校正から、1000℃を超えることもあるセラミックや無機物の製造、加工などの現場における温度の校正まで、様々な場面で温度領域に対応した温度校正器は使用されています。

温度校正器の特徴

温度校正器には熱源が備え付けられている

温度校正器には熱源と温度を表示する画面が取り付けられています。一定の温度に保たれた熱源に熱電対などの校正したい温度計を取り付け、温度校正器で表示される温度と温度計の温度を比較することによって温度校正を行います。温度計の種類によって温度校正器は異なっており、熱電対、サーミスタなどの接触式温度計ではドライウェル式の温度校正器を用い、サーマルカメラ、パイロメータなどの非接触型の温度計では赤外線黒体炉を用います。

小型の温度校正器もあるが設置環境には要注意

温度校正器は小型で持ち運ぶことができるものもあるため、現場で温度校正を行うこともあります。温度校正の際は熱源が一定の温度に保たれることが必須であるため、設置環境には注意が必要です。なお校正は複数回行い、どの程度の大きさの誤差が含まれているかを把握した上で温度校正を行うことが望ましいです。また、測定対象の温度や環境によって温度計の校正を行う頻度は異なるので、プロセスに応じて適切な頻度で温度校正を行うことが重要です。

参考文献
https://www.wika.co.jp/ctd9100_1100_ja_jp.WIKA?ProductGroup=85334
https://jp.flukecal.com/products/temperature-calibration
https://www.jp.omega.com/technical-learning/calibrating-temperature-measurement-devices.html

器具洗浄機

器具洗浄機とは超音波発振器

器具洗浄機は実験機器を自動で洗浄する装置

器具洗浄機は実験や製造で用いる機器を洗浄する機械です。研究開発において実験機器の汚れは実験結果に影響を及ぼす可能性がある一方で機器洗浄には時間を要します。そのため、器具洗浄機は業務効率化のために用いられます。また食品業界やバイオ業界のおいては用いる器具、機器の入念な殺菌が必要となることもあり、その際も器具洗浄機が用いられます。

器具洗浄機は蒸気、ジェット水、洗剤で汚れを除く

器具洗浄機にはノズルが取り付けられており、水を噴射させることで汚れを落とすタイプのものや高温の蒸気を充満させることで汚れを除去する機器などがあります。また、器具洗浄用の洗剤を用いることもあります。

器具洗浄機の使用用途

研究開発、食品業界で器具洗浄機は使われる

器具洗浄機は研究開発、製造における機器の洗浄に用います。研究開発においては業界や用いる試薬によって汚れの種類は異なるため、汚れに応じて器具洗浄機で用いる洗剤を変更します。また食品業界では製造で用いる器具の洗浄のために器具洗浄機を用います。食品業界で用いる器具洗浄機では殺菌水を使用することも可能であり、器具の殺菌のためにも洗浄機が用いられます。

その他、バイオ系の実験で頻繁に用いるマイクロチップなどの洗浄、殺菌を行う器具洗浄機も販売されています。

器具洗浄機の特徴

器具洗浄機は内部のノズル、ラックを回転させて洗浄する

器具洗浄機にはラックとノズルが取り付けられています。洗浄したい機器の形状、大きさに応じて適切なラックを選定します。また、オプションとして試験管など実験で頻繁に使用する器具専用のラックが販売されています。器具洗浄はノズルから水を噴射させて行います。ノズル、またはラックが回転することで全体に水を噴射させることができます。また、装置の型番によっては高温の水蒸気で内部を充満させて殺菌処理を行うこともできます。

器具洗浄機で洗剤を用いるときは保護手袋の着用を

器具洗浄機で使用する洗剤には様々な種類のものがあります。アルカリ性、酸性の強力な洗剤を使用することも可能であるため、固着した有機物の汚れを除去することもできます。なお、洗剤を取り扱う際は薬傷を防ぐために保護手袋を着用して作業することを推奨します。また、万が一洗剤が目に入った場合は直ちに十分な流水で洗浄する必要があります。

器具洗浄機を用いたときに粉体の洗剤を使用すると洗剤が器具に残存する場合もあります。そのような事態を防ぐためには洗浄時のすすぎの回数を増やすなど、十分な量の水で洗浄することが推奨されます。

参考文献
https://www.wakenyaku.co.jp/ctg/ls.php?i=160
https://bio.tomys.co.jp/products/washer/
https://www.yamato-net.co.jp/product/category/science/washer/
https://www.a-creo.co.jp/solution/cookware/

耐候性試験機

耐候性試験機とは

耐候性試験機とは、自然環境下における日射量、雨量、温度や湿度などの変動要因による製品の劣化を評価するための試験機です。

現在の工業製品に用いられるプラスチックや塗料、繊維や紙などの材料は、自然環境による劣化が避けられません。そこで、耐候性試験機を用いて加速試験を行うことによって、短期間で自然環境下による耐久性を確認します。

耐候性試験は国内ではJIS (Japanese Industrial Standards:日本産業規格) 、海外ではISO (International Organization for Standardization:国際標準化会議) で試験規格として取り決められています。対象となる機器や部材は、製品を発売する前に設計段階で確認するとともに、出荷前の最終確認が行われることもあります。 

耐候性試験機の使用用途

耐候性試験の対象となるのは、長期間に渡り自然環境下で使用される機器や部材です。塗料、プラスチック、ゴム、繊維、紙などの材料や、自動車、建造物、家電などの品質評価に用いられています。

耐候性の3大要因は光、温度および湿度です。耐候性試験機はこれらの環境条件によって劣化しやすい製品の品質を、特に短期間で評価するために用いられます。 

耐候性試験機の原理

耐候性試験機では耐候性の要因となる光、温度、湿度の3つの条件を疑似的に作り出して、試験対象物を加速度的に劣化させます。特に光については光源によって、キセノンウェザーメーターと、サンシャインウェザーメーターに分けられます。

キセノンランプは太陽光に最も近い波長帯域を持つことから、多くの耐候性試験機で使用されています。太陽光が持つ295~800nmの波長の光を再現できるため、紫外線、可視光、太陽光の領域をカバーできるのが特徴です。塗装の耐変色性などに用いられます。

サンシャインウェザーメーターの光源として用いられるのはカーボンアークです。正式名称はオープンフレームカーボンアークランプといいます。カーボンアークは太陽光と近いキセノンとは違い、UV領域に大きな出力が得られる光源であり、360nmおよび380nmを中心とする波長の光を強く発するのが特徴です。紫外線によって劣化しやすい樹脂製品の耐候性評価として、多く用いられています。

耐候性試験機ではこれら光源に加えて、温度と湿度を付加することによって、自然環境化における製品の耐久性を評価します。

耐候性試験機の種類

1. キセノンウェザーメーター

太陽光に近いキセノンアークランプを光源とする耐候性試験機です。近年の促進耐候性試験の主流になりつつあります。評価対象物はサンプルホルダーに固定され、回転しながらキセノンランプの光が照射されながら、温湿度管理と降雨を模擬する定期的なシャワーが噴射されます。

JISでは高分子系建築材料、アルミニウムやアルミニウム合金の着色陽極酸化被膜、塗料、プラスチック、加硫ゴムや熱可塑性ゴムの耐候性に関する試験方法が規定されています。

2. サンシャインウェザーメーター

サンシャインウェザーメーターは、キセノンウェザーーメーターよりも古くから用いられている試験装置です。特にプラスチック関係で規格化が進み、工業用塗料でも多くの評価実績があります。

光源のカーボンアークランプは紫外線部に高いエネルギーを持つ光で、太陽光との類似性で比較すればキセノンアークランプに劣ります。しかし、過去の評価実績が豊富であることから、現在でも多く用いられている試験装置です。サンシャインウェザーメーターもキセノンウェザーメーターと同様に、温度や湿度、降雨のシャワーを噴射し、促進耐候性評価を行います。

3. 紫外線蛍光灯ウェザーメーター

紫外線蛍光灯ウェザーメーターは、主に塗膜の耐候性評価に多くの実績がある試験装置です。紫外線蛍光灯を光源とする照射と暗黒結露を組み合わせたサイクル試験によって、塗膜のクラックやチョーキングと呼ばれる白亜化の評価に多く用いられています。

4. 紫外線フェードメーター

紫外線フェードメーターは主に、太陽光による退色や変色を評価するために用いられる試験装置です。自動車の内装材や衣類や靴などの繊維製品の評価に用いられます。光源はカーボンアークランプです。

参考文献
https://www.oeg.co.jp/Rel/weather.html
https://www.yamato-net.co.jp/word/24/
https://www.keisokuten.jp/static/sp_weatherability.html
https://www.ibieng.co.jp/analysis-solution/g0017/

耐電圧試験機

耐電圧試験機とは

耐電圧試験機とは、電気機器や電子部品の耐電圧性能を評価するために使用されるテスト装置です。

製品が定格電圧や設計仕様に基づいて安全に機能するかを確認するために使用されます。異物が混入した不良材料や打痕・傷が入った部品を使った電気機器は、絶縁耐力を失うことも多いです。

このような機器に高電圧を印加した際には、絶縁破壊を起こす危険があります。利用者が感電や火災などの災害が懸念されます。これらの災害を防止するために、機器ごとの耐圧基準が定められている法律が電気用品安全法です。

耐電圧試験はさまざまな規格や基準に基づいて実施されますが、電気用品安全法によって定められた耐圧基準を試験する場合にも使用されます。

耐電圧試験機の使用用途

耐電圧試験機は、さまざまな産業分野で使用されます。主に電気関係製品の試験に使用されることが多いですが、それ以外の製品に対しても適用される場合があります。

代表的な使用用途が、電気製品の耐電圧性能評価です。テレビや冷蔵庫などの家電製品の耐電圧試験は、過電圧や電圧変動に対して絶縁性能が十分かを確認するために実施します。また、インバータなどの電力変換装置において、高電圧や波形変動に対する絶縁耐力確認に使用されることも多いです。

耐電圧試験機は、コンデンサなどの電子部品における耐電圧性能を検査するためにも使用されます。コンデンサの耐電圧試験では、定格電圧を超える電圧を印加して絶縁構造の適切性を評価するために実施されることが多いです。トランジスタやダイオードに対しては、予想される動作条件で適切に絶縁されているかを確認するために実施します。

その他には、医療機器に使用されることもあります。患者や医療従事者の安全性を確保することが目的です。電気ショックの危険性がある機器には、定格電圧を超える条件での耐電圧性能が要求されます。

耐電圧試験機の原理

耐電圧試験機は、基本的には高電圧を生成し、試験対象に印加するための装置です。一般的な耐電圧試験機の原理には、高電圧発生、絶縁性能の評価、および試験信号の制御が含まれます。耐電圧試験機は、高電圧を発生するために高電圧電源や高電圧発生器を使用します。

一般的に変圧器または電力増幅回路を使用して、低電圧を高電圧に昇圧することが多いです。これにより、試験対象に所定の高電圧を印加することが可能です。耐電圧試験機には試験対象の絶縁性能を評価するための測定回路やセンサを備えています。一般的には、高電圧を試験対象に印加し、漏れ電流や絶縁抵抗などのパラメータを測定します。

これにより、試験対象の絶縁性能や耐電圧限界を確認することが可能です。耐電圧試験機は、試験対象に印加する電圧信号の波形や特性を制御する機能を備える場合も多いです。持続耐電圧試験では定格電圧を一定時間以上印加する必要があります。試験機は、試験時間や印加電圧の設定を可能にし、試験条件を正確に制御します。

耐電圧試験機の選び方

耐電圧試験機を選ぶ際はさまざまな要素が存在します。特に考慮すべきなのは、電圧レンジや試験規格、測定機能などです。これらを考慮したうえで、予算内の製品を選定します。

1. 最大耐圧

試験機の電圧レンジは、試験対象に必要な最大耐圧に合致している必要があります。また、電圧の制御精度や印可できる電圧種類 (AC/DC) なども重要です。要求される精度に基づいて試験機の仕様を確認します。

2. 試験規格・規制要件

試験対象の製品が準拠する必要がある試験規格や規制要件を確認することも大切です。IECなどの国際規格や業界標準に適合していることが望まれます。規格によって必要な耐電圧レベルや試験時間、試験条件が異なる場合があります。

3. 測定機能

耐電圧試験中に必要な測定機能が試験機に備わっていることを確認することも重要です。漏れ電流測定や絶縁抵抗測定などの項目があります。また、過電流遮断などの保護機能が適切に実装されているかも確認します。

参考文献
https://kesoku-blog.com/?p=1730
https://www.hioki.co.jp/jp/products/listUse/?category=35
https://www.kikusui.co.jp/knowledgeplaza/?d=safetytest 

表面検査装置

表面検査装置とは

表面検査装置とは、工場の生産ラインなどで製品検査に用いられる装置です。

主に、不良品の判定や欠陥のある部分の検出に利用されています。

表面検査装置の使用用途

表面検査装置は、様々な分野の製品検査で使用されています。例えば、フィルムやガラス、金属板など連続して生産される製品の検査などです。

表面検査装置を使用すれば、各製品の表面画像を撮影して取得した画像データから製品の欠陥を検出し、不良品の出荷の防止が可能です。ただし、表面検査装置による検査の項目は、製品によって異なります。

フィルムやガラスなど平滑さが重要な製品では凹凸を検出し、金属板では細かい傷が検出対象です。

表面検査装置の原理

表面検査装置は、カメラを通じて得られた画像データを元に欠陥を検出しています。そのため、表面検査装置は受光器や投光器からなる検査部と、コンピュータを含む画像処理のための制御部から成り立っています。検査部の受光器には、CCDカメラを採用するのが一般的です。

投光器は光源のことを指し、蛍光灯やLED、ハロゲンランプなどが用途に応じて使い分けられています。光源である投光器から照射された光は、検査対象物の表面において反射もしくは透過し、受光部のCCDカメラに取り込まれて電気的な信号に変換されます。

CCDカメラからの信号は制御部において画像処理され、画像データから欠陥の検出および判定が可能です。画像データから欠陥を検出する方法としては、得られたデータを異常のない製品と比べて、しきい値を超える変化が確認された場合に欠陥と判定する方法が用いられます。例えば、印刷原紙用の表面検査装置では、従来は画像データではなくアナログ波形を利用していました。

この方法では、しきい値の設定によっては薄い欠陥が検出できなかったり、地合いを欠陥と誤判定してしまったりする課題がありました。画像データを使用すれば、画素のサイズに応じて細かく判定できるため、このような課題が解決されます。

表面検査装置のその他情報

1. 表面検査装置の光学設計

表面検査装置では、光源である投光器から光を照射し、検査対象の表面で反射もしくは透過させます。この反射及び透過には、「正反射」と「乱反射」、「正透過」と「乱透過」および「散乱透過」の5種類があります。

方法ごとに特性が異なるため、表面検査で「キズ」を検出したいのか「凹凸」を検出したいのかなどに応じて方法を選択するのが重要です。

2. 表面検査装置のカメラと投光器について

表面検査装置において検査部のカメラの精度は、非常に重要な要素です。このカメラが精度通りに正常に動作していないと、異常部分があっても見逃してしまうため注意が必要です。

また、検査対象物に光を当てる投光器の性能もカメラの撮影性能に大きく影響します。検査対象の表面、すなわち検査面に対してまんべんなく光を当てるべく、投光器としては拡散版がついたバーライトなど、検査対象の広い面に対して均一に光を当てられる照明を使用しています。また、光源として格子光  (スリット光) を用いると、曲面の検査や、微細な異常を検出可能です。

3. 表面検査装置の画像処理

表面検査装置では、検査部のCCDカメラのレンズが取り込んだ光を、撮像素子上に画像データとして映し出し、制御部の画像処理をするコンピュータに伝送します。画像処理の一般的な工程は、前処理、計測処理、異常かどうかの判定、出力の工程です。

撮像素子で捉えた画像データはノイズを多く含むため、実際に計測処理に使用される画像データは、前処理により平滑化やエッジ抽出、収縮などの前処理を施してノイズを少なくした綺麗な画像を使用します。そして、画像データをもとに、異常かどうか入力された基準と照らし合わせて判定をコンピュータが下し、結果を出力します。

表面検査装置に使用されるカメラは高精度のものが多く、画素数が大きくなります。ただし画素数が大きいと前処理の量が膨大になるため、CPUが高性能なコンピュータが必要です。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nig/42/6/42_6_342/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspe1986/53/8/53_8_1148/_pdf

摩擦撹拌接合

摩擦撹拌接合とは

摩擦攪拌接合とは、異なる2つの素材を接合させる技術のことです。

工具を高速で回転させ、摩擦熱と塑性流動を利用して素材を結合させます。軟化点が高い素材には適していませんが、完全な溶解を伴わないため、熱履歴を抑えることが可能です。

摩擦攪拌接合は、溶接と比較して熱変形が少ないのが特徴です。また、素材同士を接合できる点が評価されています。比較的新しい接合技術ではありますが、接合工具の形状最適化などにより問題点の解決が進んでいる状況です。

近年、摩擦攪拌接合技術は広く活用され始め、その優れた性能が注目されています。今後もさらなる研究開発が期待されており、さまざまな産業分野で応用される技術です。

摩擦撹拌接合の使用用途

摩擦撹拌接合は、主にアルミ合金をはじめとし、チタン合金やマグネシウム合金、銅、亜鉛などの金属の接合に用いられています。

具体的な使用用途は、鉄道のアルミ車両製造や自動車用フレーム、航空宇宙産業、船舶の軽量構造体、航空機の気体やエンジン部品の製造、橋梁などの建造構造物です。

異種金属を接合する際には、固有電位差から電蝕の恐れがあるため、接合箇所の防水や組み合わせる金属の選定に注意が必要です。近年では、軟化温度の高いステンレスや炭素鋼の接合技術が開発されており、YAGレーザ溶接と組み合わせたハイブリッド法などの進化も進んでいます。

摩擦撹拌接合の原理

摩擦撹拌接合において、ツールは円筒形をしており、プローブという突起があります。プローブの外側面にはネジが切られており、異なる材料を板厚方向で突き合わせ、高速回転するツールを押し当てます。摩擦熱で両素材が軟化し、プローブが押し入れられることで素材が混ぜ合わされ、接合することが可能です。

ツールには高い強度、耐熱性、耐摩耗性が求められるため、工具鋼で作られています。摩擦撹拌接合のメリットとデメリットを理解し、慎重に採用を検討することが重要です。

摩擦撹拌接合のメリットは、接合部の強度低下が少ないこと、変形が僅かであること、異種素材接合が可能であること、欠陥が生じにくいこと、前処理が不要であること、熟練技術が不要であることなどです。一方で、裏面側に接合不良が生じやすいこと、接合する素材の固定に剛性が必要であること、複雑な接合形状には向いていないことがデメリットとして挙げられます。

摩擦撹拌接合機のその他情報

摩擦撹拌接合機での異種金属接合

近年の世界的な環境保全や省資源の問題に対して、自動車業界では車体軽量化による燃費向上での貢献を進めています。車体の軽量化は単純に使用される金属構造材料を従来の比重の大きい鉄鋼から、比重の小さいアルミニウム合金に代替することで解決できる点が多いですが、強度が不足することと価格が高いことから現実的ではありません。

そこで、強度が必要な部分は従来通り鉄鋼材料でそれ以外の部分はアルミニウム合金と適材適所で素材を使い分けて、総合的に優れた特性を持つ部材を作る「マルチマテリアル」が有効な手段として広く使用されています。マルチマテリアルは鉄鋼とアルミニウム合金の組み合わせの割合が多い点が特徴です。この2つの異種金属の接合に摩擦撹拌接合機が使用されています。

接合方法には大きく2つあり、溶接のように熱的な高エネルギーを加えることで溶融して金属同士を接合する方法と、摩擦撹拌接合のように機械的に高エネルギーを加えることで溶融することなく塑性加工で接合する方法があります。溶接の場合、融点が大きく異なる鉄鋼とアルミニウム合金を溶融・接合させる制御が困難であり、さらに鉄とアルミニウムで構成される硬く脆い金属間化合物が形成されることも大きな課題です。

エネルギー密度が比較的低いアーク溶接では、金属間化合物の層が厚く形成されるため適用が困難ですが、指向性と密度の高いレーザーや電子ビーム溶接では層を薄くすることが可能で制御に難しさはありますが適用が可能です。一方課題としては、熱による変形が避けられないことが挙げられます。

参考文献
https://orist.jp/kenkyu-bu/kinzoku-zairyou/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspmee/4/2/4_64/_pdf

電動圧着機

電動圧着機とは

電動圧着機

電動圧着機とは、電動で圧着作業を行える器具のことです。

配線をつなげる際に欠かせないツールで、圧着という技法を用いて端子を押しつぶし、配線を結合させます。特に電線の結合では、電動圧着機の活躍が大いに期待されています。

手動で行うタイプの圧着機も存在しますが、太い配線を人力で押しつぶすことは困難であることが多い点が特徴です。対して、電動圧着機を使用することで、簡単に配線を結合できるだけでなく、圧着作業のスピードも向上します。

電動圧着機は、効率的な配線作業を実現するための優れた機器です。手間のかかる手動の圧着機に比べて、電動圧着機は作業者の負担を軽減し、作業時間の短縮に貢献しています。

電動圧着機の使用用途

電動圧着機は、主に電線を結合させるために使用されます。具体的には、配電盤や制御盤、通信機器、自動車、航空機、鉄道車両、建築設備、電線の修理やメンテナンス作業などです。電動圧着機は、作業効率の向上にも貢献しており、手動で行う場合と比較して、作業時間が大幅に短縮され、労力も削減できます。

電線を直接はんだ付けするだけでなく、圧着によってより強固に結合可能です。圧着端子の応力が作用して、押しつぶして結合させた電線が元に戻ろうとする力が働くため、より強固な結合できます。

また、機械的にも優れた結合を作り出せます。そのため、安全性の高い結合を必要とするさまざまな機器に有用です。特に太い導線の場合は、力で押しつぶすことが難しく、簡単に圧着できる電動圧着機が必要となります。

電動圧着機の原理

電動圧着機は、電動モーターによって動力を得て、電線や配線を結合させることが可能です。基本的な動座原理は、配線を圧着端子に挟み込み、電動モーターで力を加えることによって、圧着端子を配線に圧着させる仕組みになります。この圧着作業により、電線と圧着端子は強固に結合され、高い信頼性を実現します。

電動圧着機の特徴の1つは、自動で正確な圧着を行える点です。配線の太さや束ねられた量に関係なく、一定の圧着力を加えることが可能です。手動式の圧着機では、配線の太さに応じて力を調節する必要がありますが、電動圧着機では電動モーターによって正確に圧着力を制御できます。

しかし、電動圧着機は手動式の圧着機よりも重くなってしまうというデメリットもあるため注意が必要です。充電式のタイプでは、内蔵されたバッテリーによってかなりの重量になってしまいます。また、電源に接続して使用するタイプの機種では、コードの長さによって使用範囲が制限されてしまうことがあります。

電動圧着機の種類

電動圧着機には主にハンドヘルド型電動圧着機、ベンチ型電動圧着機、マルチダイヘッド型電動圧着機の3種類があります。適切な電動圧着機を選ぶためには、使用する場面や作業内容に合わせて、種類や性能、価格などを比較検討することが必要です。

1. ハンドヘルド型電動圧着機

手持ちで使用できるタイプの電動圧着機で、軽量で使いやすく、持ち運びが可能です。電動式のため、圧着作業が楽に行えます。一般的な配線作業から、電気工事、自動車、航空機、通信機器、建築設備など、幅広い用途に使用されます。

2. ベンチ型電動圧着機

大型の電動圧着機で、ベンチに固定して使用することが可能です。大型の圧着作業に適しており、主に航空機や鉄道車両、自動車産業、重電産業などで使用されます。ベンチに固定されているため、一定の圧着力を維持でき、高品質な圧着作業が可能です。

3. マルチダイヘッド型電動圧着機

複数のダイを持つタイプの電動圧着機で、異なるサイズの圧着作業を同時に行うことが可能です。通常、手動で行う場合には、ダイを変更する必要がありますが、マルチダイヘッド型電動圧着機では、手間を省けます。主に電気工事や通信機器などで使用されます。

参考文献
https://www.bildy.jp/mag/electriccrimpingmachine-guide/
https://jp.rs-online.com/web/generalDisplay.html?id=ideas-and-advice/crimp-terminal-guide

電動コーキングガン

電動コーキングガンとは

電動コーキングガンとは、コーキング作業を電動で行うための器具のことです。

コーキングは、外壁や内装の隙間を埋める作業で、シーリングとも呼ばれます。コーキングは、水漏れの防止や気密性の向上を目的として行われます。

コーキング剤を自動で塗布し乾燥させることができるため、取り扱いが容易で仕上がりも均一になるという利点があり、効率的に作業を進めることが可能です。しかし、電動コーキングガンは重量が重くなることが多いため、使用する際には注意が必要です。

電動コーキングガンを使用することで、手間のかかるコーキング作業を短時間で行い、仕上がりの品質も向上させられます。ただし、重量に考慮しながら最適な器具を選ぶことが大切です。これを心掛ければ、電動コーキングガンは作業効率を高める優れた道具となります。

電動コーキングガンの使用用途

電動コーキングガンの使用用途は、キッチンや浴室といった水回りの防水性や気密性を向上させることなどです。特に、壁との狭い隙間には水が入りやすくなってしまうため、電動コーキングガンでコーキングを施すことで、水の浸入を効果的に防げます。

また、電動コーキングガンは外壁の修繕作業にも活躍します。傷やひび割れがある部分から雨水や風が侵入しないように、コーキング剤を塗布することで建物の保護が可能です。電動コーキングガンは作業が容易で、小さな面積にも対応できるため、簡単な修繕作業にも最適です。

電動コーキングガンを使用することで、従来の手動式に比べて効率的にコーキング作業が行え、作業時間の短縮や疲労軽減にも繋がります。また、仕上がりの品質も向上するため、プロフェッショナルにも愛用される道具です。

電動コーキングガンの原理

電動コーキングガンは、先端に取り付けたコーキング剤を自動で吐出させ、隙間を埋めることが可能です。手動式やエアー式とは異なり、電動式は自動でコーキング剤を押し出せるため、作業が簡単でスピーディーに行えるのが最大のメリットです。

また、硬いコーキング剤を使用する際でも、手動式のように自力で押し出す必要がないため、作業者の疲労を軽減できます。さらに、自動で一定量のコーキング剤を出せるため、仕上がりが均一で見た目も綺麗になりやすく、初心者の方にも使いやすいです。

一方で、電動コーキングガンにはデメリットも存在します。高額であることや、電池やバッテリーが内蔵されているため重量が増すことが挙げられ、長時間の作業や持ち運びが大変になる場合があります。使用用途や状況に応じて、最適なコーキングガンを選ぶことが大切です。

電動コーキングガンの種類

電動コーキングガンは主にコードレス電動コーキングガン、コード式電動コーキングガン、可変速電動コーキングガンの3種類があります。

1. コードレス電動コーキングガン

コードレス電動コーキングガンは、バッテリーを内蔵しているため、電源コードが不要です。作業場所に制約がなく、持ち運びも容易です。ただし、バッテリーの寿命や充電時間を考慮する必要があります。

2. コード式電動コーキングガン

コード式電動コーキングガンは、電源コードを使用して電力を供給します。バッテリーの充電や寿命を気にすることなく連続して作業ができるため、大規模な作業に適しています。ただし、電源が必要なため、作業範囲が制限されることがあります。

3. 可変速電動コーキングガン

可変速電動コーキングガンは、コーキング剤の吐出速度を調整できる機能を備えています。そのため、作業者のスキルや作業状況に合わせて、最適な速度でコーキング剤を塗布することが可能です。初心者からプロフェッショナルまで、幅広い層に対応できるのが特徴です。

参考文献
https://www.renoco.jp/knowledge/355/
https://www.bildy.jp/mag/caulkinggun-guide/
https://electrictoolboy.com/media/17629/

除鉄装置

除鉄装置とは

除鉄装置とは、井戸水などに含まれる鉄を取り除く装置です。

薬品を用いて水中に含まれる鉄の酸化や抽出を行い、濾過された井戸水は飲料水や生活用水として利用可能です。

中小規模施設用から、教育施設、介護施設、病院のような大規模施設用まで、現場に合ったサイズの除鉄装置を選べます。鉄、マンガン、硬度成分を除去できる除鉄除マンガン装置もあります。

除鉄装置の使用用途

除鉄装置を用いると井戸水を一般飲料水、雑用水、工業用水として幅広く利用できます。鉄の濃度が高くて井戸水を利用できない場合は、井戸ポンプと屋内配管の間に除鉄装置を設置するとさらに安全に使用することができるようになります。

特にイオン交換方式の除鉄除マンガン装置は日常生活で使用するすべての水を軟水化できます。井戸水の除鉄や除マンガンに加えて硬度成分を取り除き、軟水化も含めて除鉄除マンガン装置1台だけで可能です。

従来の蛇口に設置する方式とは異なり、井戸と屋内配管の間に除鉄装置を設置すると家庭内のすべての水を軟水化するため、調理、風呂、洗濯などの日常のあらゆる水を軟水として供給できます。

除鉄装置の原理

除鉄方法はイオン交換方式と接触酸化方式の2種類があり、それぞれの方式で原理は異なります。

1. イオン交換方式

イオン交換樹脂 (英: ion exchange resin) を使用した水処理装置です。イオン交換樹脂は合成樹脂の一種で、イオン交換ポリマーとも呼ばれます。イオン交換基として電離する分子構造を有し、水中に含まれる鉄イオンを吸着して処理可能です。同時に硬度成分を取り除き、軟水化も可能です。

イオン交換樹脂に吸着された鉄、マンガン、硬度成分が飽和状態になると除去性能が低下します。したがって水質によって再生のサイクルを考慮する必要があります。

再生とはすべてイオン交換方式の装置に必要不可欠な装置内部の洗浄を指し、吸着によって取り込まれた含有成分を専用のボイラーソルトのような置換剤を使って、鉄、マンガン、硬度成分などを剥離させます。ろ材洗浄によって除去能力を再生すると運転が長期安定し、除鉄装置で処理された水が提供されます。

2. 接触酸化方式

次亜塩素酸ナトリウム (NaClO) を加えて水中に含まれる鉄分を強制的に反応させ、砂濾過器のような装置によって濾過すると鉄を取り除けます。濾材には、砂、アンスラサイト、バーム、セラミック粒などを使用可能です。

地下水に含まれる鉄分は主に重炭酸第一鉄として存在しています。重炭酸第一鉄と次亜塩素酸ナトリウムの反応ではFe(OH)3やFe2O3・3H2Oが生成し、不溶解性物質 (英: suspended solids) となるため、反応で生じた不溶性の鉄を濾過で物理的に除去可能です。

地下水中の鉄分は空気中の酸素や原水中の溶存酸素と接触した際にも不溶性のFe(OH)3やFe2O3・3H2Oが生成します。

除鉄装置の選び方

イオン交換方式や接触酸化方式のメリットやデメリットを考慮して選択する必要があります。

1. イオン交換方式

鉄の濃度が高くても除鉄でき、装置1台だけで軟水化が可能です。少量の水にも適用でき、短時間で再生し、塩素を使わないため安全性が高くて腐食の心配もありません。設置にスペースを取らず、水量に見合った再生ができ、ボイラーソルトを節約できます。しかし殺菌はできず、状況に応じて殺菌器が別で必要です。酸化した鉄も除去できません。

2. 接触酸化方式

塩素を用いて鉄を取り除き、同時に殺菌も可能です。使用する塩素は安価ですが、2ppm以上の高濃度の除鉄は難しく、軟水化のためには別で軟水器が必要です。設置にスペースを取り、大量の処理水が必要で、逆洗や再生に長時間かかります。高濃度の塩素を使用すると配管などが腐食し、濾過器の保守にはコストがかかります。