耐電圧試験機

耐電圧試験機とは

耐電圧試験機とは、電気機器や電子部品の耐電圧性能を評価するために使用されるテスト装置です。

製品が定格電圧や設計仕様に基づいて安全に機能するかを確認するために使用されます。異物が混入した不良材料や打痕・傷が入った部品を使った電気機器は、絶縁耐力を失うことも多いです。

このような機器に高電圧を印加した際には、絶縁破壊を起こす危険があります。利用者が感電や火災などの災害が懸念されます。これらの災害を防止するために、機器ごとの耐圧基準が定められている法律が電気用品安全法です。

耐電圧試験はさまざまな規格や基準に基づいて実施されますが、電気用品安全法によって定められた耐圧基準を試験する場合にも使用されます。

耐電圧試験機の使用用途

耐電圧試験機は、さまざまな産業分野で使用されます。主に電気関係製品の試験に使用されることが多いですが、それ以外の製品に対しても適用される場合があります。

代表的な使用用途が、電気製品の耐電圧性能評価です。テレビや冷蔵庫などの家電製品の耐電圧試験は、過電圧や電圧変動に対して絶縁性能が十分かを確認するために実施します。また、インバータなどの電力変換装置において、高電圧や波形変動に対する絶縁耐力確認に使用されることも多いです。

耐電圧試験機は、コンデンサなどの電子部品における耐電圧性能を検査するためにも使用されます。コンデンサの耐電圧試験では、定格電圧を超える電圧を印加して絶縁構造の適切性を評価するために実施されることが多いです。トランジスタやダイオードに対しては、予想される動作条件で適切に絶縁されているかを確認するために実施します。

その他には、医療機器に使用されることもあります。患者や医療従事者の安全性を確保することが目的です。電気ショックの危険性がある機器には、定格電圧を超える条件での耐電圧性能が要求されます。

耐電圧試験機の原理

耐電圧試験機は、基本的には高電圧を生成し、試験対象に印加するための装置です。一般的な耐電圧試験機の原理には、高電圧発生、絶縁性能の評価、および試験信号の制御が含まれます。耐電圧試験機は、高電圧を発生するために高電圧電源や高電圧発生器を使用します。

一般的に変圧器または電力増幅回路を使用して、低電圧を高電圧に昇圧することが多いです。これにより、試験対象に所定の高電圧を印加することが可能です。耐電圧試験機には試験対象の絶縁性能を評価するための測定回路やセンサを備えています。一般的には、高電圧を試験対象に印加し、漏れ電流や絶縁抵抗などのパラメータを測定します。

これにより、試験対象の絶縁性能や耐電圧限界を確認することが可能です。耐電圧試験機は、試験対象に印加する電圧信号の波形や特性を制御する機能を備える場合も多いです。持続耐電圧試験では定格電圧を一定時間以上印加する必要があります。試験機は、試験時間や印加電圧の設定を可能にし、試験条件を正確に制御します。

耐電圧試験機の選び方

耐電圧試験機を選ぶ際はさまざまな要素が存在します。特に考慮すべきなのは、電圧レンジや試験規格、測定機能などです。これらを考慮したうえで、予算内の製品を選定します。

1. 最大耐圧

試験機の電圧レンジは、試験対象に必要な最大耐圧に合致している必要があります。また、電圧の制御精度や印可できる電圧種類 (AC/DC) なども重要です。要求される精度に基づいて試験機の仕様を確認します。

2. 試験規格・規制要件

試験対象の製品が準拠する必要がある試験規格や規制要件を確認することも大切です。IECなどの国際規格や業界標準に適合していることが望まれます。規格によって必要な耐電圧レベルや試験時間、試験条件が異なる場合があります。

3. 測定機能

耐電圧試験中に必要な測定機能が試験機に備わっていることを確認することも重要です。漏れ電流測定や絶縁抵抗測定などの項目があります。また、過電流遮断などの保護機能が適切に実装されているかも確認します。

参考文献
https://kesoku-blog.com/?p=1730
https://www.hioki.co.jp/jp/products/listUse/?category=35
https://www.kikusui.co.jp/knowledgeplaza/?d=safetytest 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です