表面検査装置

表面検査装置とは

表面検査装置とは、工場の生産ラインなどで製品検査に用いられる装置です。

主に、不良品の判定や欠陥のある部分の検出に利用されています。

表面検査装置の使用用途

表面検査装置は、様々な分野の製品検査で使用されています。例えば、フィルムやガラス、金属板など連続して生産される製品の検査などです。

表面検査装置を使用すれば、各製品の表面画像を撮影して取得した画像データから製品の欠陥を検出し、不良品の出荷の防止が可能です。ただし、表面検査装置による検査の項目は、製品によって異なります。

フィルムやガラスなど平滑さが重要な製品では凹凸を検出し、金属板では細かい傷が検出対象です。

表面検査装置の原理

表面検査装置は、カメラを通じて得られた画像データを元に欠陥を検出しています。そのため、表面検査装置は受光器や投光器からなる検査部と、コンピュータを含む画像処理のための制御部から成り立っています。検査部の受光器には、CCDカメラを採用するのが一般的です。

投光器は光源のことを指し、蛍光灯やLED、ハロゲンランプなどが用途に応じて使い分けられています。光源である投光器から照射された光は、検査対象物の表面において反射もしくは透過し、受光部のCCDカメラに取り込まれて電気的な信号に変換されます。

CCDカメラからの信号は制御部において画像処理され、画像データから欠陥の検出および判定が可能です。画像データから欠陥を検出する方法としては、得られたデータを異常のない製品と比べて、しきい値を超える変化が確認された場合に欠陥と判定する方法が用いられます。例えば、印刷原紙用の表面検査装置では、従来は画像データではなくアナログ波形を利用していました。

この方法では、しきい値の設定によっては薄い欠陥が検出できなかったり、地合いを欠陥と誤判定してしまったりする課題がありました。画像データを使用すれば、画素のサイズに応じて細かく判定できるため、このような課題が解決されます。

表面検査装置のその他情報

1. 表面検査装置の光学設計

表面検査装置では、光源である投光器から光を照射し、検査対象の表面で反射もしくは透過させます。この反射及び透過には、「正反射」と「乱反射」、「正透過」と「乱透過」および「散乱透過」の5種類があります。

方法ごとに特性が異なるため、表面検査で「キズ」を検出したいのか「凹凸」を検出したいのかなどに応じて方法を選択するのが重要です。

2. 表面検査装置のカメラと投光器について

表面検査装置において検査部のカメラの精度は、非常に重要な要素です。このカメラが精度通りに正常に動作していないと、異常部分があっても見逃してしまうため注意が必要です。

また、検査対象物に光を当てる投光器の性能もカメラの撮影性能に大きく影響します。検査対象の表面、すなわち検査面に対してまんべんなく光を当てるべく、投光器としては拡散版がついたバーライトなど、検査対象の広い面に対して均一に光を当てられる照明を使用しています。また、光源として格子光  (スリット光) を用いると、曲面の検査や、微細な異常を検出可能です。

3. 表面検査装置の画像処理

表面検査装置では、検査部のCCDカメラのレンズが取り込んだ光を、撮像素子上に画像データとして映し出し、制御部の画像処理をするコンピュータに伝送します。画像処理の一般的な工程は、前処理、計測処理、異常かどうかの判定、出力の工程です。

撮像素子で捉えた画像データはノイズを多く含むため、実際に計測処理に使用される画像データは、前処理により平滑化やエッジ抽出、収縮などの前処理を施してノイズを少なくした綺麗な画像を使用します。そして、画像データをもとに、異常かどうか入力された基準と照らし合わせて判定をコンピュータが下し、結果を出力します。

表面検査装置に使用されるカメラは高精度のものが多く、画素数が大きくなります。ただし画素数が大きいと前処理の量が膨大になるため、CPUが高性能なコンピュータが必要です。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nig/42/6/42_6_342/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspe1986/53/8/53_8_1148/_pdf

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