メーカー 10社

概要メーカー

マッチングトランス
メーカー10社一覧【2024年】

マッチングトランスについての概要、用途、原理などをご説明します。また、マッチングトランスのメーカー10社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。

マッチングトランスとは？
マッチングトランスのメーカー10社一覧

マッチングトランスとは

マッチングトランスとは、トランスの一種であり、インピーダンスの違う2つの電気通信回線間において、接続点で発生する信号減衰の抑制を行うことができるトランスです。

トランスとは、磁気的に結合した複数のコイルから構成される、電磁誘導を利用して交流電力の電圧を変換する機器です。インピーダンスとは、交流回路における電気抵抗を表す値です。インピーダンスが同じでない回路を接続すると、信号反射が発生し、電力伝送効率が低下する可能性があります。このような場合に、マッチングトランスを用いることで、入力側回路の出力インピーダンスと、出力回路の入力インピーダンスを整合・変換させることができます (インピーダンス・マッチング)。マッチングトランスの別名は「インピーダンス整合トランス」「インピーダンスマッチングトランス」「整合用トランス」「変成器」などです。

マッチングトランスの使用用途

マッチングトランスの主な使用用途は、異なるインピーダンスを持つ2つの回路を整合させることです。また、トランスの特性を利用して、電圧の降圧を行ったり、反対に昇圧を行うこともできます。主な用途には下記のようなものがあります。

一般的な回路間の整合
パワーアンプの出力インピーダンスを、スピーカーのインピーダンスに合わせるために変換する
インターホン
警報機器
その他音響機器 (真空管アンプ、など)
真空管式ラジオなどの受信機とアンテナの整合

マッチングトランスを用いることで、信号の伝送品質を向上させ、ノイズや歪みを減らすことが可能です。

マッチングトランスの原理

1. インピーダンス・マッチング

2つの回路を伝送路で結ぶ際に回路のインピーダンスが異なっていると、接続点で信号電流の一部が反射します。この信号反射は、信号減衰やノイズの原因となります。インピーダンス・マッチング (インピーダンス整合) は、この不整合を解消するために行われるものです。

インピーダンス・マッチングにおいては、マッチングトランスの他に、インダクタとコンデンサを用いたLC回路の挿入が行われる場合があります。

2. マッチングトランスの原理

マッチングトランスは、前述のインピーダンス・マッチングのために使用されます。マッチングトランスは、一般的に、コア (磁気コアまたは空芯) に巻き付けられた2本以上の別々の巻線で構成されます。1次 (入力) 側のコイルと2次 (出力) 側のコイルとの間での相互誘導を利用して電力を伝えており、2つのコイルの巻き線の比によって電圧やインピーダンスを変換することが可能です。

また、マッチングトランスは、変圧器として電圧を変換する働きもあります。巻き線比が、n_1:n₂の整合用トランスを使用した回路の場合、電圧をE₁ 、E₂とすると、n₁:n₂ = E₁ :E₂ の関係が成り立ちます。インピーダンスが整合している回路では、マッチングトランスを通過する際に電圧、電流は変化しますが、1次側から2次側へ伝わる電力に変化はありません。

マッチングトランスの種類

マッチングトランスは、様々なメーカーから販売されており、様々な種類があります。標準タイプのマッチングトランスだけでも、インピーダンス (1次) で450〜20000Ω程度の幅があり、製品展開は非常に豊富であると言えます。また、スピーカー用マッチングトランスなどは、特にオーディオ回路用に特化して設計されたトランスです。その他、高耐圧タイプの製品や、ハイブリッドタイプと呼ばれる製品もあります。

高周波回路におけるインピーダンス・マッチングでは、回路図に現れないインダクタ成分やコンデンサ成分の対策も必要です。高周波回路が含まれるものには、微弱な信号を取り扱う携帯電話やスマートフォンなどがあり、これらにおいて、インピーダンス・マッチングは極めて重要です。高周波マッチングトランスは、携帯電話のような高周波においても機能するマッチングトランスであり、異なる周波数を広帯域に整合することができます。