マイカコンデンサ

マイカコンデンサとはマイカコンデンサ

マイカコンデンサとは、誘電体に雲母という天然鉱物のセラミックを用いたコンデンサです。

耐熱性が非常に高く、温度特性が良いコンデンサです。雲母は薄い層状になっているため、1枚ずつ剥がして使用します。雲母の層は割れやすい特徴があり、他のコンデンサと比較して加工が難しいうえ高価なコンデンサです。

最近では、セラミックコンデンサの性質が向上した影響でシェアが低くなっていますが、オーディオ関連の用途で引き続き好まれています。

マイカコンデンサの使用用途

マイカコンデンサは、真空管アンプやパワーコンディショナとして特に1970~80年代に好まれて使用されました。マイカコンデンサならではの音質が注目され、高級オーディオアンプ等に搭載されている機種があります。

また、歴史が古いコンデンサで1850年頃登場し、第二次世界大戦頃には無線通信機や電子計算機といったほとんどの電子機器に使用されていました。その後もテレビやラジオ等にも使用されていましたが、高価なため近年では安価なコンデンサが主流になりつつあります。

マイカコンデンサの原理

1. 特性

マイカとは天然鉱物の雲母のことで、マイカコンデンサでは誘電体に雲母が使用されています。雲母はケイ酸塩鉱物であり、鉱物が原料なので高温でも安定した特性を維持することができます。また、高周波特性も良いです。

容量の精度を示す静電容量許容差を非常に小さくすることが可能であり、等価直列抵抗が小さいため、誘電正接を小さく抑えられます。

2. 静電容量

コンデンサの容量は、電極面積が広くなるほど大きくなります。マイカコンデンサは薄く剥がした雲母板と銀箔をサンドイッチ状に交互に重ねた構造です。サンドイッチ状に積層するのは、電極面積を大きくしながら小型化を図るためです。

雲母は薄くはがれやすいといった変わった性状をもつ鉱物であり、電気絶縁性にも優れています。この雲母の特徴からマイカコンデンサは発案されました。コンデンサの中には電極面積を大きくするために、電極と誘電体を巻物のように巻くペーパーコンデンサと呼ばれる手法もあります。

マイカコンデンサの種類

マイカコンデンサには主に、電極にスズ等の金属箔と雲母を交互に配置したスタック型と、雲母に銀ペーストを印刷して重ねたシルバード型があります。シルバード型は加熱圧着しているので特性が良く、スタック型よりも使用される場面が多いです。

雲母は白雲母や黒雲母などがあり、原料の組成によって形態や色が若干異なります。産地や使用する部分によりその品質や組成が微妙に変わり、天然に産出する鉱物なので安定した品質を維持することが他のコンデンサよりも難しいです。

また、雲母の薄い層を丁寧にはがす工程を人の手で行う必要があるため、技術が求められる分コストが高くなっています。

マイカコンデンサのその他情報

マイカコンデンサにおける雲母の役割

コンデンサは、隙間をあけて対面させた2枚の電極が基本構造です。2枚の電極に直流電圧を加えることで、瞬間的に片方の電極に電子が集まってマイナスに帯電し、他方の電極は電子不足となることでプラスに帯電します。

この状態は直流電圧の印加をやめても維持され、2枚の電極間には電荷が蓄えられることになります。電極間に誘電体を挿入すると誘電体の誘電分極が発生することで蓄えられる電荷が増大します。マイカコンデンサでは、この誘電体で雲母を使用しています。

誘電率は50Hzにおいて測定した値は6.5~9であり、他の物質と比較しても誘電率が高いです。また、雲母は耐熱性と絶縁性があり、薄膜状なので誘電体に適しています。

参考文献
http://venetor-sound.jugem.jp/?eid=64
https://www.matsuzakidenki.co.jp/product/

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