銀ペーストについての概要、用途、原理などをご説明します。また、銀ペーストのメーカー10社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。銀ペースト関連企業の2022年6月注目ランキングは1位:藤倉化成株式会社、2位:東洋紡株式会社、3位:サンワ化学工業株式会社となっています。
銀ペーストとは、エポキシやウレタンといった樹脂のペーストの中に、導電性を持つ銀の粒子を分散させ、接着させたときにペーストが導電性を発現するものです。
これまでの導電接合の方法としてはんだが用いられてきましたが、はんだの場合、250℃近くまで昇温する必要があり、接合したい樹脂部品が加熱によりダメージを受ける恐れがありました。
一方で銀ペーストの場合、100℃程度の温度でも焼結することができるため、材料へのダメージが抑えられはんだの代わりによく用いられています。
銀ペーストは低温での焼結が可能であり、電子デバイスの回路基板やディスプレイの電極、圧電部品など幅広く使用されています。
近年では、折り曲げ自在の回路基板(フレキシブルプリント配線板)の需要が高まっており、樹脂フィルム上に配線を作成する際に銀ペーストが用いられています。
銅箔を貼り合わせるよりも、低コストで容易に配線板を作成することができます。
また次世代太陽電池として注目される色素増感太陽電池では、透明な導電ガラスが持つ導電性をさらに高めるために、ガラス上に銀ペーストで配線加工が行われています。
銀ペーストは、樹脂の加熱による硬化反応を利用し、含有される銀の微粒子どうしを接触させて導電性を得るものです。
樹脂としてはエポキシが主に用いられ、その構造と特性の関係について理解が進み、その硬化剤についても開発が進んでいます。
エポキシ樹脂の硬化反応は、エポキシと硬化剤との重合反応により進行し、強固な3次元的な結合構造を作ります。
アミンを硬化剤とした場合にはアミンとエポキシ基の反応、あるいはアミノ基と水酸基との反応によりポリマー化が進行します。
初めは液状だったものが加熱とともにゲル状へと変化し、ある時間後にはゴム状、最終的にはガラス状へと転移していきます。
ガラスへの転移が終了した所で、一連の硬化反応は終了します。なお、ガラス形状に転移する温度はガラス転移温度と呼ばれます。
同様に、銀微粒子についても、加熱とともにエポキシ樹脂の3次元的な分子構造変化の中に取り込まれると考えられます。このプロセスで銀粒子同士を接触させることができます。
銀単体の熱伝導率は429W/m・Kと非常に高いですが、使用される樹脂は1W/m・Kと低いので、エポキシ系銀ペースト全体の熱伝導率は30~50W/m・K程度に納まっています。これよりも熱伝導率を大きくするためには、銀粒子の含有量を多くする必要がありますが、その分樹脂の含有量が減少するため、接着強度が大きく低下します。また、銀粒子の含有量を多くするほど、製造コストも増加します。さらに、銀粒子の平均粒子径が小さすぎると熱伝導経路が確保できない、銀粒子の平均粒子径が大きすぎると焼結しにくくなることで熱伝導性が減少するなどの課題がありました。そのため、銀粒子の形態や両者の配合のバランスを最適化する動きが進められてきました。
近年では、銀ナノ粒子を導入した高熱伝導銀ペーストが開発されています。開発された銀ナノ粒子を含む銀ペーストでは、銀ナノ粒子を全く含まない銀ペーストに比べて、熱伝導が大きく向上したという報告がされています。特に1μmの銀粒子に銀ナノ粒子を4wt%加えると、高い接着強度に加え、高い熱伝導性が得られたという結果が実験により得られています。これは、銀ナノ粒子により銀粒子同士が接着し、熱伝導の経路が数多く生成したことが要因であると考えられています。
市販されている銀ペーストには様々な量や種類の製品があるので、価格はそれぞれ異なりますが、大体の製品は数千円で購入することができます。特に、常温で乾燥することができる、乾燥時間が短いなどの通常よりも付加価値を有する製品は価格が高くなっています。
一般的に、銀ペーストは含まれている銀粒子によって、優れた熱伝導性を発現、維持することができます。そのため、銀粒子の含有量が多いほど、熱伝導性を安定して得ることができます。しかしながら、銀ペーストの価格は銀の含有量に比例して高くなります。そのため、ある程度の性能を期待する場合、銀粒子の含有量を減らすことができないので価格も高くなります。
参考文献
https://www.kaken-tech.co.jp/trouble/4-1/
https://www.noritake.co.jp/products/ceramic/middles/detail/125/
https://www.nihonhanda.com/pg330.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/mes/25/0/25_181/_pdf
https://www.kaken-tech.co.jp/trouble/4-1/
https://www.monotaro.com
Metoreeでは各社カタログを無料で一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
銀ペーストのカタログ一覧はこちら企業
三ツ星ベルト株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年6月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 藤倉化成株式会社 | 17.9% |
2 | 東洋紡株式会社 | 13% |
3 | サンワ化学工業株式会社 | 10.3% |
4 | 太陽ホールディングス株式会社 | 9.9% |
5 | ハリマ化成株式会社 | 9.5% |
6 | 昭栄化学工業株式会社 | 8.8% |
7 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | 8.8% |
8 | 化研テック株式会社 | 8% |
9 | 株式会社ミノグループ | 7.6% |
10 | 福田金属箔粉工業株式会社 | 6.1% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年6月の銀ペーストページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
Metoreeに登録されている銀ペーストが含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。