溶接機械とは
溶接機械(英語:Welder, Welding Machine)は、溶接(金属などの素材を溶融し接合すること)を施工する溶接機の総称になります。
溶接だけを行う「アーク溶接機」や「レーザー溶接機」、溶接機を備え溶接作業を自動化して行う「溶接ロボット」など、広範囲の溶接施工用機械を示しています。
溶接機械の溶接方法は、大きく分けて「アーク溶接」、「ガス溶接」、「抵抗溶接」、「レーザー溶接」の4種類に分かれます。それぞれの溶接方法に応じて機械の種類があり、特にアーク溶接機は、「被覆アーク溶接機」、「ミグ・マグ溶接機」、「ティグ溶接機」、「プラズマ溶接機」など複数の種類があります。
溶接機械の規格は、JIS C 9300 アーク溶接装置、JIS C 9305 抵抗溶接装置 などがあります。
溶接機械の使用用途
溶接機械は、金属製品の加工・接合・組み立てにより製造する現場・建設現場・自動車製造工場など、金属を材料として金属同士を接合し製品を製作している現場などで幅広く使用されています。
自動車工場では生産ライン内でのボディやフレームの溶接、船舶工場では船体の鋼板やフレームの溶接など、自動溶接ロボットによって溶接施工する場面などで使用されています。
大型製品や製造工場以外においても、鉄鋼・製缶製品の製造工場や建設現場の鉄筋工事などで、大小様々な自動もしくは半自動・手動の溶接機械が使用されています。
通常溶接機械は、溶接方法により専用の溶接機を使用します。
溶接機械の原理
溶接とは、JIS Z 3001にて「2個以上の母材を、接合される母材間に連続性があるように、熱、圧力又はその両方によって一体にする操作」と定義されています。この溶接を施工するための機械が溶接機械で、種々の溶接方法に対応し様々な構造のものがあります。
例えば、手動溶接機のように溶接機単体の場合は、熱源となる電流を発生させるための電源装置と、溶接を行う先端部分の溶接トーチ、溶加材を溶接トーチへ供給するワイヤ供給装置、シールドガスを供給するボンベとホースなどで構成されています。
レーザー溶接機の場合は、レーザー光を発生させるためのレーザー発振器・レーザー集光レンズ・アシストガス供給ボンベとホースなどで構成されています。手動の溶接機以外にも、溶接個所を自動的に移動させるために、溶接母材を載せたベッドを左右上下にプログラミングされた通りに動かす自動溶接機もあります。
自動溶接ロボットの場合は、溶接トーチが取り付けられたロボットアームが、ティーチングなどによりプログラミングされた位置へ移動し溶接する機械から、溶接される母材や製品の向きを自動的に移動・回転させ、連続して自動的に溶接作業できる機械などがあります。
また、CAM(Computer Aided Manufacturing)のように、3D CADの3次元モデルを利用し、溶接位置・溶接速度などをプログラミングして、溶接作業を自動化する機械もあります。
これらの自動溶接機械を使用することにより、複雑で様々な溶接を自動化し、安定した高い品質の溶接施工が可能になっています。