基板用リレーとは
一般的に電気回路で言うリレーとはON/OFFの制御信号により、入力信号に対して出力側と導通/遮断を切り替えたり、入力信号に対して出力先を切り替えたりするための電気部品です。
基板用リレーとはリレーの中でプリント基板に実装するタイプのリレーのことを言います。
基板用リレーにはいくつかのタイプがあります。元来、リレーとは機械式リレーを指しました。これは、1次側のオンオフスイッチの制御により2次側の接点を導通させたり遮断させたりするシンプルな構造のものです。現在では、半導体素子を使ったSSR(solid-state relay:ソリッドステートリレー)や発光素子と受光素子を組み合わせたフォトリレー
があります。
基板用リレーの使用用途
基板用リレーは回路上のオンオフ制御を行う目的で使われることから多様な製品およびその基板において使用されています。
比較的小さなレベルの信号のオンオフのスイッチングから、各種モーターやランプなどの大きな電流をオンオフ制御する用途に至るまで使用範囲は多彩です。
具体的な製品例で考えると洗濯機や冷蔵庫などの家電製品、テレビやレコーダーおよびオーディオ機器などのAV製品、各種業務用機器や車に至るまで夫々の制御基板上の様々なところで使用されています。
基板用リレーの原理
前述の通り基板用リレーには、機械式リレー、SSR、フォトリレーに分類することができます。
機械式リレーは1次側に用意されたコイルをオンオフの信号で制御することによりコイルに所定量の電流を流したり、止めたりすることにより2次側の接点を導通、解放させるという原理です。
1次側と2次側が物理的に分離されているため、例えば1次側で発生するノイズを2次側に漏らしてしまうことがないという利点がある一方で、物理的な接点を持つ以上、部品の小型化に限界がある点や、物理的な接点を持つために摩耗による性能劣化が生じるため、後述する半導体リレーに比べると寿命が短いという欠点があります。
他方で半導体リレーであるSSRやフォトリレーは、入力側にフォトダイオード、出力側にフォトトランジスタやMOSFETを使います。
1次側のオンオフ信号は、フォトダイオードで光に変換され1次側のフォトトランジスタに伝搬されます。2次側のフォトトランジスタでは、1次側のフォトダイオードから出力され光で入力された信号を電気信号に変換して出力するという原理で動作しています。
これらの半導体リレーも1次側と2次側は電気的に完全に分離されているため、1次側のノイズの影響を2次側に及ぼすことはありません。
更に半導体リレーの場合、機械式リレーに比べてスイッチングスピードが速いという利点があります。
参考文献
https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/18/77/
https://toshiba.semicon-storage.com/jp/semiconductor/product/optoelectronics/photorelay-mosfet-output/articles/what-is-a-photorelay.html