スイッチングパワーサプライ

スイッチングパワーサプライとはスイッチングパワーサプライ

スイッチングパワーサプライとは、直流電源のうちスイッチングレギュレーション方式で直流電源を供給する装置です。

一般的なパワーサプライは、簡単な回路構造により低価格でありながら重量のあるリニア方式と、IC化によってコンパクトなスイッチング方式に大別されます。それぞれの特徴から、リニア方式は簡易的なACアダプタ、スイッチング方式は設備電子部品の電源供給などに使用されます。

スイッチングパワーサプライの使用用途

スイッチングパワーサプライの使用用途は、産業用情報機器の電源供給です。近年では、電子機器の高度化と同時に、ACアダプタも重量があるリニア方式からコンパクトなスイッチング方式に転換されつつあります。

さらに、USB電源の普及と共に、スイッチングパワーサプライは小型電子機器への電源供給に必要不可欠な部品です。工業分野においては、自動化設備の電磁弁やセンサーなどの制御用電子部品を安定して駆動させるため、直流電源を安定供給する部品として広く使用されています。

スイッチングパワーサプライの原理

スイッチングパワーサプライは、AC100Vなどの交流電源を入力に用いて、DC5~30Vなどの直流電源に変換して安定的に供給する機器です。

一般的なスイッチングパワーサプライの回路構成は以下の通りです。

  • 入力整流平滑回路
    入力の交流電源を可能な限り平滑化させます。
  • スイッチング回路
    交流電源を直流電源へのスイッチングが可能です。
  • 出力整流平滑回路
    変換後の歪んだ直流電源を平滑化させます。
  • 制御回路
    出力電圧や出力電力を制御します。

この構成によって、一定電圧の安定した直流電源を得ることが可能です。

スイッチングパワーサプライのその他情報

1. 整流器とパワーサプライの違い

整流器は電流を一方向に流す性質のある素子の総称で、パワーサプライは電源の総称です。整流器は交流電源を直流電源に変換する素子と言えます。ダイオードやスイッチングデバイスで電流を一方向に流します。

整流には「半波整流」と「全波整流」があります。

半波整流
交流回路ではプラスとマイナスの電流が交互に流れますが、このプラスもしくはマイナスのどちらかの電流を除去するのが「半波整流」です。回路構成が簡単で低コストですが、効率が悪く大電流に対応することができません。

全波整流
全波整流は、プラス・マイナス両方の電流を取り込み、一方向の電流に変更する方式です。スイッチングパワーサプライでは主にこの方式が取られます。半波整流に比して効率が良く、脈動も小さく抑えることができます。

全波整流にはダイオードを2個使用する方式や、ダイオード4個を組み合わせたブリッジ回路方式などがあります。これらの整流後の電流は不安定なので、整流器からの出力に平滑のためのコンデンサなどの回路を組み合わせて脈動を除去し、パワーサプライとしての機能を発揮します。

2. スイッチングパワーサプライの故障原因

スイッチングパワーサプライの故障原因は「外的要因」と「内的要因」があります。

外的要因による故障

  • 物理的な破壊
  • 雷による突発的な高電圧やノイズの流入
  • 粉塵や水分の侵入による回路短絡故障
  • 薬品や腐食性ガスによる回路各所の破壊

特に落雷による突発的な高電圧の印加は、電源内部の各素子をはじめとした電子部品を破壊します。これらの故障を防止するためには、サージキラーなどの防護回路製品を設置することが効果的です。

内的要因による故障
内的要因は電解コンデンサや冷却ファン、半導体部品などの劣化や故障によるものです。電源の使用可能な年数は使われる環境や時間などによって大きく変わります。

参考文献
https://www.fa.omron.co.jp/data_pdf/commentary/powersupply_tg_j_8_3.pdf
https://electric-facilities.jp/
https://www.nipron.co.jp/pdf/qa/2005051214351729629.pdf

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です