次亜塩素酸水噴霧器

次亜塩素酸水噴霧器とは

次亜塩素酸水噴霧器は、空間または物体の除菌や消臭を目的として次亜塩素酸水を噴霧する器具です。空間噴霧としてミストを発生するものと、対象物に吹き付けるスプレー型のものがあります。

次亜塩素酸は有機物を酸化することで除菌や消臭に役立つ化学物質です。次亜塩素酸水はその水溶液で、電気分解、次亜塩素酸ナトリウムに酸を加える、次亜塩素酸ナトリウムをイオン交換する、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムから発生させるなどの方法で作られます。

次亜塩素酸水のpHは弱酸性で用いられることが多く、アルカリ性による皮膚刺激がある次亜塩素酸ナトリウムより使いやすい性質を持っています。ただし、物質を酸化する性質はあるため、金属に錆などが発生する可能性に留意することが必要です。

除菌剤に共通する注意点として、人体に直接付着したり、直接吸い込んだりする状況での使用は推奨されておらず、人への曝露についての注意が必要です。一例にはなりますが、人のいない場所で噴霧するなどの方法が提案されています。

次亜塩素酸水噴霧器の用途

次亜塩素酸噴霧器は、除菌や清潔を保つ目的で用いられます。次亜塩素酸が有機物を酸化分解する性質から、ウイルス対策、細菌対策、カビの防止、消臭、花粉対策やダニ対策などの効果が期待され、用いられている状況です。

空間噴霧用の噴霧器は、屋内空間に浮遊するウイルスや室内に付着したウイルスの除去や、屋内の消臭を意図しています。空間噴霧の有効性については評価が難しいため、噴霧器のメーカーなどが工夫を凝らして性能試験をしている状況です。一律の評価基準が無いため、期待した効果が得られそうかどうかは使用者の責任で判断する必要があります。

スプレー型の噴霧器は、主に屋内の除菌や清潔を保つ目的で用いられます。水回りの消臭に用いられることもあるため、酸性洗浄剤など酸性の物質との接触で急速に塩素ガスが発生することに注意が必要です。