次亜塩素酸水

次亜塩素酸水とは

次亜塩素酸水とは、高い殺菌力を持つ酸性の水溶液です。

主成分である次亜塩素酸は強い酸化作用を持っており、細菌やウイルスの細胞膜などを破壊して無毒化させます。厚生労働省によって食品添加物としても認可されている種類があり、人体への安全性が確保された除菌資材として知られています。有機物に触れると分解されて水に戻る性質があるため、環境への負荷が少ない点も特徴です。

製造にあたっては、専用の電解装置を用いて生成するのが一般的です。生成された水溶液は有効塩素濃度や水素イオン指数の違いによって分類されます。それぞれの性質に合わせて、医療器具の洗浄や食品の消毒など、適切な使い分けが求められます。アルコール消毒が効きにくい特定のウイルスに対しても効果を発揮するため、衛生管理の手段として重要視されます。

次亜塩素酸水の使用用途

次亜塩素酸水は以下のような用途で使用します。

1. 食品加工

食材や調理器具の洗浄・除菌において活用されます。食品添加物として指定されている規格のものは、野菜や果実などの生鮮食品を洗浄する際に使用可能です。食材の表面に付着した菌を洗い流し、食中毒を予防する効果が期待できます。また、次亜塩素酸水は金属に対する腐食性が塩素系漂白剤よりも低いため、包丁や調理台といった厨房機器の除菌にも適しています。

2. 医療・介護

医療機関や介護施設では、感染症対策の一環として施設内の清掃に利用されます。ドアノブや手すりなど、多くの人が手を触れる場所の拭き掃除に有効です。アルコール製剤特有の刺激臭がないため、臭いに敏感な方がいる環境でも使用しやすい点が評価されています。また、アルコールでは対処しきれない一部のウイルスに対しても有効性が確認されています。

3. 消臭

菌を抑制する力に加え、次亜塩素酸水は高い消臭効果を有します。アンモニアや硫化水素といった悪臭の原因物質を酸化分解するため、トイレの清掃や汚物室のニオイ対策に効果的です。強い香料で悪臭を覆い隠すマスキングとは異なり、臭いの元から分解して無臭化するため、根本的な解決につながります。