キャッシュドロア

監修:株式会社ビジコム

キャッシュドロアとは

キャッシュドロアとは、レジに組み込まれている現金収納用の引き出しです。

キャッシュドロアには複数の仕切りがあり、紙幣やコインを種類ごとに分けて整理できるため、現金の管理が非常に容易になります。これにより、計算や取り出しをスムーズに行うことができ、レジ業務の迅速化に繋がります。

また、キャッシュドロアは通常頑丈な金属製で作られており、強固なロック機能を備えています。現金を盗難からしっかりと保護できるため、安心して使用することが可能です。さらに、施錠できるキーが付いているため、営業時間外でも現金を安全に保管できる点も大きな利点です。

キャッシュドロアの使用用途

キャッシュドロアは様々な場面で使用されます。以下はその一例です。

1. 小売業

小売業ではレジやPOSシステムにおいて、取引時の現金の収納と管理に使用されます。現金の受け取りや釣り銭の渡し、売上の管理がスムーズに行えるため、顧客対応が効率的になります。また、仕切りによって紙幣やコインを整理することができるため、レジ締め時の現金確認が容易です。

2. 飲食業

飲食業ではレストランやカフェのレジに組み込まれ、支払い時に現金管理に使用されます。忙しいサービスの中で迅速に現金を取り扱うことができるため、効率的な業務運営が可能です。注文と支払いのフローをスムーズにし、顧客の待ち時間を短縮することができます。

3. サービス業

サービス業では、キャッシュドロアが顧客からの支払いを受け取る際に使用されます。現金を安全に管理できるため、サービスの提供後にスムーズに取引を行うことが可能です。また、顧客の支払い履歴を正確に記録するための補助としても役立ちます。

キャッシュドロアの原理

キャッシュドロアは一般的に金属で製造されており、強度や耐久性に優れています。内部には紙幣やコインを整理するための専用の仕切りやトレイが配置されており、これによって現金を種類ごとに分けて保管することが可能です。仕切りによって現金を整理整頓して取り出しやすくすることで、レジ業務の効率を高めます。

キャッシュドロアの開閉機構には、手動と自動の2種類があります。手動開閉式は引き出しを手動で開け閉めするキャッシュドロアです。開閉蓋をレジ業務中に直接操作する仕組みです。

これに対して自動開閉のキャッシュドロアはPOSシステムやレジと連動して動作します。取引の際に電子的な信号によって引き出しが自動で開く仕組みです。これにより、スタッフの手間が省け、取引の迅速化が図られます。

また、多くのキャッシュドロアには鍵や電子ロックが付いており、営業時間外や業務終了後に引き出しを施錠することが可能です。これにより、盗難から現金を保護することができます。キャッシュドロア自体は頑丈な金属製で、物理的な破壊も困難なため、セキュリティ面でも優れています。

キャッシュドロアの選び方

キャッシュドロアを選ぶ際は、以下を考慮することが重要です。

1. 素材

キャッシュドロアには主に金属製とプラスチック製の2つの素材が使われます。金属製のキャッシュドロアは鋼鉄やアルミニウムなどの頑丈な材料で作られており、物理的な衝撃や盗難から現金をしっかりと守ることが可能です。プラスチック製のキャッシュドロアは軽量でコストが低いため、予算を抑えたい場合や一時使用などに適しています。

2. サイズ

キャッシュドロアの外形寸法と内部のトレイ配置がポイントです。レジスやカウンターに適切にフィットするサイズを選ぶことで無駄なスペースを排除し、効率的に使うことができます。内部のトレイの配置も重要で、紙幣やコインを種類ごとに整理するために、必要なトレイ数やサイズを選ぶことが求められます。

3. 開閉方式

開閉方式については、手動と自動の2つのタイプがあります。手動開閉のキャッシュドロアは引き出しを直接手で開け閉めするもので、操作がシンプルでコストが比較的低い点が特徴です。自動開閉のキャッシュドロアはPOSシステムやレジスターと連動して自動開閉する仕組みで、業務の効率が向上します。

4. 色

色については、キャッシュドロアが店舗の内装やブランディングに合うように選ぶ必要があります。内装のデザインやカウンターの色に合わせたキャッシュドロアを選ぶことで、全体的な統一感を持たせることが可能です。さらに、色の選択によって汚れや傷の目立ち方が変わるため、実際の使用環境を考慮して清掃がしやすい色合いを選ぶことも大切です。

本記事はキャッシュドロアを製造・販売する株式会社ビジコム様に監修を頂きました。

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点光源

監修:株式会社ユーテクノロジー

点光源とは

点光源とは、発光部の面積が非常に微小な光源で、点に近い大きさの光源のことです。

点光源は、発光部の面積が非常に微小な光源で、光を全方向に均等に放射し、光の強度は距離の二乗に反比例して減少します。画像処理では欠陥検出や寸法測定で精度を向上させる光源として使用され、コンピュータ・グラフィックスではリアルなライティングやシャドウ生成に利用されます。物理学や光学の研究では光の基本的な挙動を理解するために使われ、カメラキャリブレーションや照明設計でも重要な役割を果たします。また、各種センサに使用した場合、精度や分解能を高めることが可能です。

点光源の使用用途

1. 外観検査

点光源は、非常に小さな領域から均一に光を放射する光源です。この光源は、対象物体に対して特定の位置から光を当てることで、物体の表面に影や反射を生成します。点光源の特徴は、光が一つの小さな点から発生するため、非常にシャープで明確な影を形成することです。

この点光源の特性を利用した外観検査では、物体からの反射光または透過光を撮影し、金属、プラスチック、ガラスなどの表面キズや仕上がりムラ、塗装ムラや、ガラス、プラスチック等の透明体内部に存在する気泡や異物混入などを画像処理装置または目視で検出します。

2. 点光源LEDチップ

点光源LEDチップは、光学式エンコーダや光電センサの分解能などを高める目的で使用されます。

LEDビーム光源は、一般にLEDとレンズを使用して形成されますが、一般的なLED (面発光LED) の場合、ビームサイズは大きく、すぐに広がる傾向にありますが、点光源はビームサイズは小さく広がりにくい性質です。また、面発光の場合、光の回折により対象物に生じる影がぼやけて、検知精度が低下することがありますが、点光源の場合は影の輪郭がはっきりとします。このため、光学式エンコーダなど、精密な測定を行うセンサーの光源には、発光部の径が小さい点光源の方が有利です。

3. 主な用途

その他、点光源の主な用途例は下記の通りです。

画像処理: 欠陥検出や寸法測定、品質管理において均一な光を照射し、精度の高い検査や分析を行います。

コンピュータ・グラフィックス: 3Dシーンでリアルなライティングやシャドウを生成するために使用されます。

物理学・光学: 光の伝播、反射、屈折などの基本的な光学的現象を研究するための理想化されたモデルとして使われます。

キャリブレーション: カメラやセンサーの性能をテストし、正確な補正を行うために用いられます。

照明設計: スポットライトや特殊な照明で、特定の場所や物体に焦点を当てた光を提供します。

光学式エンコーダ、光電センサ用:特定の範囲に強い光を集中的に放射する小型LEDチップを使用し、物体の検出や距離測定に用いられます。

点光源の原理

物理学的な点光源の定義とは、位置だけが定まり大きさを持たない光源です。実際には、通常の光源より発光径が非常に小さい光源を点光源と呼びます。

点光源として用いられるランプは、キセノンランプや水銀灯、LEDなどがあります。一般的にはキセノンランプのほうがLEDよりも高輝度ですが、LED点光源の中にはキセノンランプの輝度に迫る高輝度製品もあります。

また、点光源LEDチップの場合、一般的なLEDではチップ全体が発光するのに対し、点光源LEDはチップ上の更に微小の発光窓の部分のみが発光します。

点光源の種類

点光源には様々な製品があります。

点光源装置として提供されている製品には、用途を限定しない一般照明のほか、外観検査用照明などがあり、光源には、LEDや水銀灯、キセノンランプなどが用いられます。特に、キセノンショートアークランプは紫外域から赤外域まで幅広い発光領域を持ち、高輝度、高演色性を特徴とし、瞬時再点灯が可能です。

また、光学式エンコーダ、光電センサ用の点光源LED製品には、点光源LED素子や、LED素子を埋め込んだ表面実装部品やCANなどのパッケージ品などがあります。提供波長は、赤色 (650nm) 、赤外線 (820nm、850nm、860nm、870nm) などです。点光源チップの中には、側面洩光対策を施したものもあります。発光窓の寸法は、φ60μmからφ160μmほどです。

一部の高温対応製品では、105℃まで動作保証されており、光学式エンコーダに搭載される点光源LEDにおける高温動作での光出力低下や短寿命の課題を解決します。産業用ロボットなどのACサーボモータに搭載される光学式エンコーダやリニアゲージにおける、高温対応や高負荷対応の需要に対応可能です。

本記事は点光源を製造・販売する株式会社ユーテクノロジー様に監修を頂きました。

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アルミはんだ

アルミはんだとは

アルミはんだとは、アルミ材の接合に使われるはんだです。

アルミ材同士のはんだ付けは、高温の作業が困難であり、強酸性のフラックスが必要、電解腐食の問題などの課題があり、かなり難しいと言えます。

最近は、濡れ性に優れた「やに入りはんだ」が出現し、比較的容易に接合が可能です。また、超音波によるキャビテーション効果を利用した方法はフラックスなしで、はんだ付けができます。キャビテーションによる泡が、溶けたはんだの表面や母材表面の酸化膜・油脂・ゴミ・埃等の汚れを除去し、活性化させるので、はんだ付けが可能です。

アルミはんだの使用用途

アルミはんだの用途例を次に示します。

1. 冷却関連の製品

冷却管、水冷フィーダ、水冷ジャケット、水冷ヒートシンク、水冷筐体、冷却板など (内部に水を通して製品を冷却するもの。気密性・耐熱性ともに重要)

2. 無線通信用の製品

導波管、テーパー管、ホーンアンテナ、給電管、分配器、結合器、トランデューサー、放電管など (電波を扱うため、気密性が重要)

3. 研究機関や大学向けの製品

試作品、特注品、オーダーメイド品など (アルミの溶接品)

4. アルミ線と銅線・端子との接合

扇風機モータのアルミ線の端子、IHクッキングヒータコイルのアルミ線、電子部品のアルミ端子など

アルミはんだの原理

アルミのはんだ付けの方法は次の通りです。

1. はんだ付け

母材を溶かしたり傷つけることなく接着でき、仕上がりが綺麗で、利点は寸法精度への影響が少ないことです。接合部にはんだの液相が形成され母材を溶かさないようにして、接合します。母材表面の酸化膜を取る必要があり、通常フラックスや「やに入りはんだ」を使います。

鉛入りはんだは、融点が約183℃と低く、はんだ付けがしやすく、濡れ性に優れています。しかし、有害な鉛が規制されるようになり、鉛フリーが主流です。鉛フリーは、融点が高くなるのが課題です。

鉛フリーのはんだは、主流がすず:96.5%、銀:3.0%、銅:0.5%の成分であり、融点が217℃ぐらいで、鉛入りより30℃程度高くなります。

2. 共晶アルミはんだ付け

共晶はんだは、すず:63%、鉛:37%の成分を持ち、隙間なく密着させて接合が可能です。

350℃近辺の比較的低温で、母材のアルミニウムと完全な合金になるはんだであり、アルミの表面を摩擦して、フラックスなしで酸化膜を破壊する方法です。薄い合金層で接合するため、接合強度はそれほど強くはなりません。

3. 鉛フリー低温はんだ

すずにビスマスを加えたはんだで、融点は約138~170℃と低く、特徴は、熱に弱い電子部品の場合に使用が可能なことです。

4. 超音波はんだ付け

超音波によるキャビテーション効果を使って、母材表面の酸化膜や汚れを除去し、活性を高めてはんだ付けを行います。超音波により拡散や酸化膜の破壊が促進されるため、より強固に接合できます。

アルミはんだのその他情報

1. 実装用途別はんだの種類

・はんだペースト

電子部品を基板に実装する場合に、はんだペーストを使います。金属粉にフラックスを混合した複合材料で、ペースト状です。比較的大きな面積の場合や、ワークのはんだ付けの場合が主な用途です。

・糸はんだ

はんだこてにより電子部品をはんだ付けする場合に、糸はんだを使います。細い金属の線材で中心にフラックスが入っており、特徴は、はんだ付けがしやすいことです。

・棒はんだ

はんだ槽に棒はんだを溶かし、挿入した部品の端子と基板のランドをディッピングにより、はんだ付けします。糸はんだによるはんだ付けと比較すると、はんだ表面の細かいクラックが減少し、はんだの形状が良くなります。

2. ろう付けとはんだ付けの差異

ろう付けと、はんだ付けは、いずれも金属を接合する方法で、母材を溶かさない点は共通です。重要な違いはろう材の融点で、ろう材が450℃以上、はんだが450℃以下です。

ろう付けは、接合する母材の間に、ろう材を母材の融点より低い温度で溶かしたものを流し込んで冷却して接合します。ろうは固まる際に合金を生成するため、強度が強く、半永久的に強固です。また、ろうは高温環境に耐えるので、高温での作業性や強度は、はんだより優れています。

はんだ付けは、はんだごてによりはんだを溶かして接合するか、自動機で接合します。はんだも高強度ですが、ろう付けよりは劣ります。

低融点はんだ

低融点はんだとは

低融点はんだとは、融点が183℃を下回るはんだです。

低融点はんだは、一般のはんだに比べ融点が低いので、耐熱性が弱い部品がある場合などに使用されます。はんだは、すずと鉛からできており、すずの量で融点が変わり、作業に合わせたはんだを選択します。

特に、すず63%、鉛37%のはんだは、「共晶はんだ」と呼ばれ、183℃で液体から個体に変わります。特長は半溶融状態がないことです。信頼性が高いので、初心者でも容易に扱えます。

低融点はんだは、カドミウム、ビスマス、インジウムなどを加えて、融点を下げたものです。

低融点はんだの使用用途

低融点はんだは、弱耐熱部品の実装に多く使用されます。カメラモジュールなど耐熱性が弱い場合などです。これまで、これらの部品は、従来やに入りはんだを用いた後付けがされていましたが、さらに低温化、自動化のために、低温はんだとレーザー加熱を行うようになっています。

低融点はんだ付けの課題は、融点に合わせた専用のフラックスが必要になることです。また、ビスマスなどを使用するので、車載部品、医療機器、産業機器など信頼性が高い部品への採用には、注意が要ります。シリンジ型ソルダペースト、ハロゲンフリー対応シリンジ型ソルダペーストなどを使うのが最適です。

低融点はんだの原理

1. 融点低下の問題点

プリント基板や金属部品に使用するはんだは、融点が低く、強度が大きいものが必要です。融点が低いと、はんだ付けに必要なエネルギーが小さくなり、またプリント基板の場合、繊細な電子部品に高温にさらさなくても良いからです。融点183℃の共晶はんだが良く使われてきました。これはすずと鉛の合金です。

近年、鉛の有毒性が大きく注目され、2006年にはRoHS指令として、EUで鉛入りはんだが、原則として禁止され、鉛フリーのはんだが利用されるようになっています。鉛の代わりに銀、銅などを使用して鉛を使わず、融点を極力低下させたものです。

鉛が使えないという制約のため、融点が200℃以上に高くなる問題があり、はんだ付けに必要な温度が250℃以上に上がります。これははんだ付けのコスト増になります。

2. 低融点はんだの出現

低融点はんだは、ビスマスやインジウムなどの金属を加えることで、融点を劇的に下げたはんだです。当初低融点はんだは、高価な金属が必要でコストが高いなどの問題で、それほど普及しませんでした。

その後、技術開発が続けられ、コストや強度・耐久性の面で、著しく改善され、融点も180℃より低いものが出現しています。中には、融点が140℃台の低融点はんだは、プロセスの温度が180℃と従来の温度より70℃低くできるので、多くの利点があるものです。プロセスコストの大幅低減、基板や電子部品の信頼性の向上や不良率の低下などがメリットです。

さらに、低融点はんだの利点は、プロセス温度を下げられるので、プリント基板に耐熱性の低い素材が使えることです。フレキシブル基板の素材に、ポリエチレンテレフタレートPETを使い、融点140℃近辺のはんだを採用して、プロセス温度180℃でリフローが可能です。

低融点はんだのその他情報

1. 低融点はんだ付けの利点

低融点はんだ付け材料、FA装置、工法の3つが一体になって初めて量産が可能になります。低融点にすることで、CO2が削減できコストも低減可能です。

低温実装用のはんだは、一例として、すず-ビスマスの合金が使われます。ピーク温度が141℃の共晶組成のはんだや、145℃の低融点仕様のはんだです。

共晶組成のはんだは、従来のすず-鉛はんだよりも低温仕様にして、省エネに貢献し、コスト低減が可能です。また、低融点仕様のはんだは、耐落下性と耐熱疲労性を向上させています。

2. 低融点はんだ付け工法

低融点はんだを用いた基板実装での工法が最近確立され、炊飯器などの製品が出ています。また、耐熱疲労性や耐落下性に優れたはんだ合金による低温リフローはんだ付け工法も出現し、パソコン、カメラモジュール、洗濯機などに採用されています。

3. 低融点はんだ付け用のフラックス

低融点はんだ付けを行う場合は、必ず低融点はんだ用のフラックスの使用が必要です。例えば、従来の220℃よりも80℃低い139℃でのはんだ付けが可能になり、濡れの向上、低温での飛散防止、良好な耐腐食性・絶縁特性が得られます。

気密ボックス

監修:株式会社スリータック

気密ボックスとは

気密ボックスとは、コンセントやスイッチまわりの気密化を図るボックスです。

気密ボックスは、高気密高断熱住宅などで、コンセントやスイッチから空気が侵入したり、室内の湿気が断熱材に移動したりして、気密・断熱性能が低下するのを防止するために使われます。

グラスウールや羊毛等の繊維系断熱材は、断熱材の内側に防湿気密シートを張って、気密性を良くしています。コンセントやスイッチを壁に付けると、気密シートに穴をあけるので、そこからの隙間風や室内の湿気が断熱材の中に入ってしまいます。

気密ボックスのメーカーによって、気密コンセントボックス、バリアーボックス、ルフトボックス、気密断熱BOX、気密コンセントボックスカバー、気密カバー、埋込防気カバー、埋込防気・防塵カバーなどの呼称が一般的です。

気密ボックスの使用用途

気密ボックスの目的は、主として建物のスイッチやコンセントの気密を上げることです。

高気密高断熱の建物では、気密性や断熱性が高い材料を多量に使用しますが、スイッチ・コンセント・制御ボックスなどを壁や天井・床に埋め込むと、その部分から空気が出入し、断熱性が損なわれます。また、室内外の湿気が断熱材の中に侵入して断熱性が悪化します。

スイッチやコンセントを入れるボックスを硬質樹脂又はポリプロピレンでできた幕で作り、ボックス周りの耳を室内表面の防湿シートに、テープで張り付け、電線周りもシールして、気密性を確保すれば完成です。

また、クリーンルームでは、スイッチ・コンセント・照明・制御ボックスなどの気密性を上げて、気密断熱性を確保し、防塵性を向上させるケースもあります。

気密ボックスの種類

1. 中気密用ボックス

一般の建築用の気密ボックスです。スイッチ・コンセント・照明器具・制御箱などの気密を上げるために、使用されます。

クリーンルーム用で、食品製造工場、薬品工場、電子部品・精密機械工場、病院等に使用される気密ボックスです。

・スイッチやコンセント用の気密ボックス:断面積1.6~5.5mm2のIV用

・露出型感知器用の気密ボックス:直径0.6~1.2mmの警報用電線用

2. 高気密用ボックス

高気密高断熱住宅用の気密ボックスです。1連用~3連用など各種あります。種類は、スイッチ・コンセント用や電力・弱電コンセント用などです。

3. ダウンライト用気密断熱ボックス

吸音性、断熱性、気密性に優れたLEDダウンライト用気密断熱BOXがあります。断熱材でできた桝箱でシールテープで接着して組み立てると完成です。天井の野縁材に固定し、天井の気密シートを切り欠いて、シールテープでシールします。LEDダウンライトをボックス内に入れることが可能です。

このボックスの特徴は、吸音性・断熱性・気密性に優れ、施工時間が短縮でき、トータルコストの削減が可能です。

ボックスの素材の不燃性能は、建築基準法の基準に適合しており、安心して使用できます。

4. 気密カバー類

従来のコンセントボックスやスイッチボックスの外側に設ける気密カバーです。1連用~3連用などの種類があり、埋込防気カバー(スイッチ・コンセント施工用)、埋込防気カバー(電力+弱電コンセントの組み合わせ施工用)などの商品名が使われます。材料はポリプロピレンなどが使われます。

5. 吹付断熱材侵入防止用気密カバー

ボックス内に吹付断熱材が侵入するのを防止する気密カバーです。養生テープを貼り付ける手間が不要なので、省施工です。ボックスのタッピンねじで柱に取り付けます。

気密ボックスのその他情報

現場で気密性を判断する場合は、C値が使われます。C値は、隙間相当面積のことで、住宅1軒でどれくらいの隙間があるかを、専用の機械で実測したものです。高気密高断熱住宅では、C値を1.0cm2以下にするのが基準です。

断熱材にグラスウールなどを使っている場合、スイッチやコンセントが断熱欠損となり、また、壁内部に湿気が侵入することになり、折角の高気密・高断熱の性能が低下してしまいます。これを防止する手法として、気密ボックスが使われます。

気密測定には、専用の測定器具が必要で費用も掛かりますが、工事中に測定することが重要です。工事中であれば、データーが悪い場合、すぐ対策処置が可能です。

本記事は気密ボックスを製造・販売する株式会社スリータック様に監修を頂きました。

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点検口

監修:株式会社スリータック

点検口とは

点検口とは、電気・配管・空調設備・通信設備・構造体などを点検する開口部のことです。

点検口は、天井・壁・床などに設けられ、外枠・内枠で構成し、通常内枠は周囲と同じ仕上げ材あるいは点検蓋で作られます。

点検口を開けて内部を点検することにより、配管からの漏れ、構造体の経年劣化の早期発見、空調ダクトの異常発見、雨漏りの確認、断熱材の状態、土台や基礎の状態、シロアリなどの点検など早期発見が可能です。

点検口の使用用途

点検口は、住宅、オフィス、商業ビル、工場、地下鉄など種々の場所にあります。主に次のような用途に使われます。

・電気配線の点検や修理
・配管や換気システムのメンテナンス
・空調システムのメンテナンス
・セキュリティシステムの点検
・電気・水道などの計器チェック
・構造体の点検
・通信設備の点検や修理

これらの設備の点検・修理は必ず発生するので、建築物や設備の設置時に点検口を設け、定期検査ができるようにする必要があります。

点検口の特徴

1. 耐久性

建物や設備に付帯するもので、長期の耐久性があります。アルミ製の点検口は耐蝕性に優れ、湿気や腐食に強く、多く使われます。

2. 軽量

特に天井に設ける点検口は、軽量であることが必要です。アルミ製の点検口は軽量です。

3. 美観

建物の内装に合わせて、美しい外観にします。

4. 再利用

点検口をリサイクル可能な材料で作れば、環境への配慮が評価されます。アルミ材はこの点でも優れています。

点検口の種類

点検口は、設置する場所により、天井・壁・床などの種類があります。

1. 天井点検口

天井に設置する点検口であり、多くは同じフロアに複数設けます。シーリングハッチやハイハッチと呼ばれることもあります。

主な点検項目は、電気配線・通信配線・換気扇ダクト・配管などです。住宅診断の場合の点検口としても使われます。雨漏り時の修理に便利です。

古い和室タイプの住宅では、点検口がない場合があります。押し入れ収納の天井や天袋の天井の一部がとり外せるようになっており、そこから入って、点検・診断を行います。

ユニットバスの天井に設置されている場合もあります。換気扇本体やダクトの点検が可能です。配管検査は、天井裏を目視で確認できる必要があります。

2. 遮音タイプの天井点検口

天井点検口は、天井に穴を開けるので、上階からや隣の部屋から音漏れが少なからずあります。この場合、遮音タイプの点検口を採用することで解決可能です。

点検口の各部に気密性を高める気密パッキンを設け、点検蓋も遮音性を上げる仕様です。遮音性能と高い気密性が実現できます。

3. 壁点検口

建物の壁に設置してある点検口です。住宅ではマンションのパイプシャフトやユニットバス内、洗面室内についています。主な点検項目は、給排水設備の配管です。

オフィスビルや商業ビルでは、通信設備や電気配線が壁内にあり、壁に点検口が設置されます。

4. 床点検口

建物の床に設けた点検口で、給排水配管を点検・断熱材の点検・メンテナンスをします。また、住宅診断では、基礎や土台の状態、蟻害状況の把握、湿気、断熱材の状態などの点検が可能です。

住宅の床点検口は、多くは床下収納を兼ねています。マンションの普通の部屋の床は、スラブに直に施工されており、その点検が必要です。

点検口のその他情報

1.点検口の注意点

点検口は、天井、壁、床などに設けますが、後のメンテナンス業務がやり易い場所を選んで設置します。場合によっては、建物の軒裏に必要です。

点検口のサイズは、600,450,300mmが多く使われます。

点検口の形状は、額縁タイプ、目地タイプ、外枠額縁・内枠目地タイプの3種類があります。

点検口の設置場所は、屋内・屋外、湿度の状態などの環境を考慮して設定し、材質やタイプの選定が重要です。

ロック機能が必要かどうかを、セキュリティの面から検討します。

2.点検口の必要性

・メンテナンス可能、劣化の早期発見
建物は古くなると劣化が進行します。定期的に状態を把握して、劣化を早期に見つける必要があります。

・長期優良住宅認定基準では必須
新築住宅の4戸に1戸は長期優良住宅です。認定により、住宅ローンの金利引き下げ・住宅ローン減税・地震保険料の割引などの特典があります。

・売買時の住宅診断
住宅診断により、施工不具合や劣化状態の確認ができ、有利に売買が可能です。

本記事は点検口を製造・販売する株式会社スリータック様に監修を頂きました。

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プレートファン

プレートファンとは

プレートファンとは、プレート構造からなる羽根車を備えている送風機、もしくはその羽根車のことです。

羽根車の回転によって低圧から高圧を可能とし、様々な物を移動させます。ラジアルファンの一種であり、構造がシンプルで汎用性と強度が高いです。広く開放的な構造になっており粉塵の付着が少ないため、付着性及び摩耗性のダストを含むガスなど、固形物の空気輸送に利用される場合もあります。

プレートファンの使用用途

1. 概要

プレートファンは、空気の循環・換気、及び樹脂ペレットや粉体、微小チップなどの輸送を目的として使用されます。また、構造が簡単で羽根車の強度も高いことから、高温・高圧ガスなどにも使用が可能です。

プレートファンは羽根にかかる圧力負荷が、他の遠心ファンよりも低いことが特徴の一つです。工場や倉庫、商業施設などで幅広く利用されます。

主な使用用途には下記のようなものがあります。

  • プラント設備のラインにおける室内の湿度や温度の調節、不要なガスや臭いの排出、空気の清浄化
  • 商業施設などにおける空気の清浄化
  • 火力発電所における微粉炭輸送
  • セメント工場における排・送風
  • 粉塵や異物を含んだ空気輸送 (製材粉体くず、繊維くず、木工くず、製紙くずなど)
  • 固形物の空気輸送
  • 高温ガスの排気・輸送

2. 通過・排出できる主な固形物

プレートファンは様々な固形物の空気輸送に使用されます。通過可能な主な固形物には下記のようなものがあります。

  • 土砂
  • フライアッシュ
  • 木材チップ
  • 土砂の付着したプラスチックシート
  • 洗浄前のペットボトルの粉砕物
  • 製本機ラインの各種紙類のロス (スリッターロス、打ち抜きロス)
  • ダンボール耳の切断後の短冊
  • 樹脂フィルム製造ラインのエッジロスやスリッターロス
  • 粉砕プラスチック、ペレット

プレートファンの原理

1. 構造・動作機構

プレートファンはラジアルファン (羽根の向きが径方向よりやや前向きで形状が円弧状のファン) の一種です。羽根の出口角度はほぼ90°です。羽根の形状には、直線状と曲線状とがあります。羽根は半径方向に6枚〜12枚程度配置されており、シンプルな構造であることから羽根車の強度が高いです。応用用途が広いことも特徴の1つです。

風の方向は、シロッコファンやターボファンと同様に、吸気に対して90度横向きの方向です。軸方向から吸気した風を、側面から放射状に吐き出します。シロッコファンやターボファンと比べて、静圧は比較的低い傾向にあります。

使用限界温度は、概ね350℃〜1,100℃程度です。微小の浮遊物質や粉塵を取り除くためのフィルター、粉塵のフード排気、バグフィルター、サイクロンコレクターと組み合わせて使用される場合もあります。

2. 圧力特性

プレートファンの圧力特性は比較的フラットです。抵抗の変化に対して大きく風量が変化します。動力特性は、風量にほぼ比例して増加します。効率は、オープン型 (側板がない) の場合で50%〜60%、クローズド型 (側板がある) で55%〜65%程度です。

3. メリット/デメリット

プレートファンの主なメリットは、羽根車の構造がシンプルで粉塵や粉体にも対応しており、掃除が容易であることです。

その一方、他のファンに比べて効率は高くなく、比較的騒音が大きいことが弱点です。

プレートファンの種類

プレートファンには様々な製品があり、用途に応じて使い分けられます。風量は小さいもので最低12.9m3/min程度から、強力なものでは最高で150m3/min程度まで様々なバリエーションがあります。

主な製品種類は、中圧小型プレートファン、高圧小型プレートファン、高効率・低騒音プレートファン、高圧・高耐久プレートファン、耐摩耗プレートファンなどの種類です。高圧小型プレートファンは、中圧小型プレートファンより更に静風圧が求められる場合に使用されます。

ファン外側の形状には、主板と側板を有するクローズタイプ、側板の無い主板のみのオープンタイプ、主板も側板も取り払ったブレードだけで回転するパッドルタイプなどがあります。

線はんだ

線はんだとは

線はんだとは、細長い線状に加工されたはんだです。

直径が数ミリメートルの細いワイヤー状になっており、巻き取られた状態で販売されていることが多いです。はんだの線にはフラックスが内蔵されていることが多く、はんだ付けの際に酸化を防ぎ、接続をスムーズにする役割を果たします。近年では環境への配慮から、鉛フリーはんだを使用されることが増えています。

線はんだは細くて柔軟性があるため、狭い場所や精密な作業に適しています。電子部品の接続や修理作業での使用が容易です。 巻線として販売されているため、必要な長さだけを切り取って使うことができ、無駄が少ない点が特徴です。

線はんだの使用用途

線はんだは以下のような用途で使用されます。

1. 電子部品組立

線はんだは電子機器の製造プロセスに使用されます。具体的にはプリント基板 (PCB) への部品取り付けに使用されます。PCBには電子部品を固定するための金属パッドがあり、部品のリードをこれらのパッドに差し込んだ後、線はんだで溶かして接続します。これにより、部品と基板間の電気的接続が確立される仕組みです。

2. 電子部品メンテナンス

電子機器が故障した場合、線はんだは修理作業において使用されることが多いです。例えば、回路が断線したり接触不良が発生した場合、線はんだを使って断線部分を再接続したり、接触不良を改善したりします。また、故障した部品を基板から取り外し、新しい部品を取り付ける際にも線はんだを使用します。

3. DIY・試作

DIYや電子デバイスの試作には、線はんだが大いに役立ちます。自分で電子回路を設計し、組み立てる際に、線はんだを使って部品を接続することが多いです。回路の動作を確認し、必要に応じて修正や改善ができます。

線はんだの原理

線はんだの成分は、主に金属合金から成り立っています。一般的には鉛-スズ (Pb-Sn) 合金や鉛フリーのスズ-銅 (Sn-Cu) 合金が使用されます。また、酸化物を除去しつつ金属表面を清潔に保つために、フラックスと呼ばれる促進剤を内蔵している製品が多いです。

はんだ付けのプロセスは、まずはんだごてなどの工具で接続部分と部品を加熱します。はんだの融点は約180°C〜250°Cで、部品のリードや基板のパッドを加熱することで、はんだが溶け始めます。液体のはんだは流動性があり、接続部分に均等に広がります。

その後、液体のはんだが部品のリードや基板のパッドに浸透し、完全に接触します。この状態で冷却されると、はんだが固化します。固化後のはんだが部品のリードと基板のパッドを電気的に接続し、機械的にも固定する仕組みです。

線はんだの選び方

線はんだを選ぶ際は、以下を考慮することが重要です。

1. 合金組成

合金組成は線はんだの性能と適用範囲に直接関わる重要な要素です。はんだには、伝統的に使用されてきた鉛-スズ合金や、環境や健康への配慮から選ばれる鉛フリー合金があります。

鉛-スズ合金は60%スズと40%鉛などの比率で使用されます。比較的低い融点で流動性が良く、はんだ付けが容易です。しかしながら、鉛は健康や環境に悪影響を及ぼすため、使用される機会は減少しています。

鉛フリー合金はスズと銅、スズと銀を組み合わせたSn-CuやSn-Ag-Cu,などが使用されます。耐熱性や耐腐食性に優れていますが、鉛含有はんだよりも融点が高いため、扱いにはやや注意が必要です。

2. フラックス

フラックスははんだ付けの際に金属表面の酸化を防ぎ、はんだの流れをスムーズにする役割を果たします。フラックスにはロジン系や酸性などの種類があり、用途に応じて適切に選定します。フラックスの量も適切であることが重要で、過剰に含まれると残留物が多くなり、後処理が大変になる可能性があります。

3. 線径

線はんだの直径は、はんだ付けの精度や作業の効率に影響を与えます。0.3mm〜0.8mm程度の細いはんだは、精密なはんだ付け作業や小さな部品に適しています。1.0mm以上の太いはんだは大きな部品や高出力の接続に向いており、一度の供給で多くのはんだが流れやすく、効率的な作業が可能です。

接点伝送無線ユニットとは

監修:アトム電機工業株式会社

接点伝送無線ユニットとは

接点伝送無線ユニットとは、接点信号を無線で伝送するための装置です。

従来の有線システムでは各機器やセンサーを物理的に配線する必要があり、時間とコストがかかります。接点伝送無線ユニットを使用すると配線が不要になり、設置や変更を迅速に行うことが可能です。これにより、配線工事に伴う人件費や材料費を削減でき、設備の効率が向上します。

また、無線ユニットは物理的な配線に制約されることがないため、機器やセンサーの配置を自由に変更できます。工場のレイアウト変更や新しい設備の導入時に、配線の再配置や追加工事が不要です。生産ラインや設備の最適化が容易になり、急な変更にも柔軟に対応できます。

接点伝送無線ユニットの使用用途

接点伝送無線ユニットは様々な場面で使用することができます。以下はその一例です。

1. 製造業

製造業では、接点伝送無線ユニットが製造ラインや機器間での信号伝送に利用されます。例えば、機械の状態やセンサーからの警報信号を無線でリアルタイムに監視することで、ラインの稼働状況や異常を迅速に把握することが可能です。これにより、配線の複雑さが軽減され、機器の設置や移動がスムーズに行えます。設備のレイアウト変更や新しい機器の追加にも柔軟に対応できるため、生産ラインの最適化が容易になります。

2. 物流業

物流業界では、倉庫や配送センター内での在庫管理やトラッキングに接点伝送無線ユニットが活用されます。棚やコンテナの状態や位置を無線で監視し、リアルタイムでデータを収集することで、在庫管理が効率的に行えます。配線が不要で、倉庫内の高所や狭い場所にも設置できるため、物流業務の効率化と安全性を向上させることが可能です。

3. エネルギー

エネルギー業界では、発電所や送電設備での状態監視や制御に接点伝送無線ユニットが使用されます。発電機の動作状態やセンサーからのデータを遠隔で監視することで、設備の運用効率を高め、迅速な対応が可能です。高圧設備や広範囲にわたる設備の状態を配線なしで監視できるため、設置の手間が省け、システム全体の効率が向上します。

4. 建設業

建設業界では、建設現場での機器やセンサーの信号伝送に接点伝送無線ユニットが活用されます。クレーンや重機の操作状態などをリアルタイムで収集することで、建設作業の進行状況や機器の状態を効率的に把握することが可能です。広い建設現場や高所での設置が容易になり、配線工事の手間が省けることで、安全性や作業効率の向上を図ることができます。

接点伝送無線ユニットの原理

接点伝送無線ユニットの原理は、基本的に接点信号を無線で伝送する技術に基づいています。まず、物理的な接点信号を取り込みます。これらはスイッチやセンサーからのオン・オフのデジタル信号であり、スイッチが押されたときやセンサーが反応したときに変化します。

取り込んだ接点信号は無線通信可能な形式に変換され、無線通信モジュールを通じて送信されます。無線通信モジュールは、ラジオ周波数 (RF) を使用して信号を電波として放射します。この電波は大気中を伝い、広範囲に伝達されます。

無線で送信された信号は受信機が受け取り、信号を再変換します。無線信号を再び接点信号に戻す処理が内部で行われます。再変換された信号を受信側のデバイスやシステムで使用される仕組みです。

接点伝送無線ユニットの選び方

接点伝送無線ユニットを選ぶ際は、以下を考慮することが重要です。

1. 入出力点数

必要とされる入出力の点数を確認します。入出力点数とは、無線ユニットが対応できる接点の数を指します。機器に複数のセンサーやスイッチが接続されている場合、その全ての信号を同時に扱えるユニットを選ぶ必要があります。

2. 通信距離

無線ユニットの通信距離は、使用環境によって異なります。例えば、工場内や倉庫内では障害物や電波干渉があるため、実際の通信距離は仕様より短くなることがあります。実際の使用環境を考慮し、適切な通信距離を持つユニットを選ぶことが重要です。

3. 精度

無線通信では、他の電波やノイズの影響で精度が低下することがあります。干渉対策が施されているユニットや、エラー訂正機能が備わっているユニットを選ぶと、精度の問題を軽減することが可能です。

4. 電源

無線ユニットの電源にはAC電源やDC電源、バッテリー駆動などがあります。設置環境に適した電源形式を選ぶ必要があります。例えば、工場内での設置などではAC電源が一般的ですが、屋外や移動式の用途ではバッテリー駆動が便利な場合があります。

本記事は接点伝送無線ユニットを製造・販売するアトム電機工業株式会社様に監修を頂きました。

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ハンズフリーリモコン

ハンズフリーリモコンとは

ハンズフリーリモコンとは、手を使わずに操作できるリモコンです。

音声認識技術や顔認識技術及び無線通信技術を使って、電気機器の操作を行います。これにより、手を使わずに機器のオン・オフや調整などが可能です。

手を使わずに操作できるため、特に手がふさがっている際に便利です。たとえば、作業中に手が油などで汚れているときに機器を操作したり、調整したりすることができます。また、音声やジェスチャーで操作できるため、作業の中断を最小限に抑えることが可能です。

ハンズフリーリモコンの使用用途

ハンズフリーリモコンは様々な用途で使用されます。以下はその一例です。

1. 自動車

自動車においては、ハンズフリーのドア開閉機能を搭載した機種も多いです。キーをポケットやバッグに入れたままドアノブに触れるだけで自動的にロックが解除され、ドアが開きます。また、トランクやリフトゲートにも同様の機能があり、手がふさがっているときでも荷物を簡単に取り出すことが可能です。

2. オフィス・商業施設

オフィスビルや商業施設では、ハンズフリーリモコンやスマートカードを使って入場制御を行います。特定の場所へのアクセスを許可するために、手を使わずにリモコンやスマートカードをかざすだけでドアが解錠されます。これにより、入退場をスムーズに管理することが可能です。

3. 一般家庭

家庭用では、音声やジェスチャーによる操作でテレビやスマート家電などを操作するために使用されます。たとえば、テレビのチャンネルを変更したり、音量を調整したり、スマート照明の明るさを変えたりする際に利用します。料理や掃除をしているとき、手がふさがっていても操作できる点が大きな利点です。

4. 医療

医療や介護の現場では、ハンズフリーリモコンは患者や介護者が手を使わずに医療機器や介護用デバイスを操作するのに役立ちます。音声コマンドでベッドの位置を調整したり、病室内の環境を変更したりすることが可能です。また、身体的な制約がある患者でも簡単にデバイスを操作できるため、利便性の向上にも寄与します。

ハンズフリーリモコンの原理

ハンズフリーリモコンは音声認証技術やRFID技術、センサー技術などを使用して機器の操作を実現しています。

音声認識技術はユーザーが話しかけた言葉をデジタルデータに変換し、これを解析して適切なアクションを実行する技術です。リモコンに内蔵されたマイクがユーザーの音声を収集し、音声認識ソフトウェアによって解析されます。この解析過程で特定のコマンドや指示に変換され、デバイス操作を実行する仕組みです。

ハンズフリーリモコンがドアの開閉やセキュリティシステムで使用される場合、BluetoothやRFID技術が利用されることがあります。Bluetoothはリモコンやデバイスとの間で無線通信を行う技術です。RFID技術はRFIDタグがリモコンやスマートカードに組み込まれており、リーダーがタグの情報を読み取ることでアクセス制御などを実現する技術です。

センサー技術は、ユーザーの位置や動きを検出するために使用されます。近接センサーによってユーザーがリモコンに近づいたことを検出し、機能をアクティブにするような利用方法です。また、加速度センサーなどで手の動きやジェスチャーを検出し、その動きに応じてリモコン操作する場合もあります。

ハンズフリーリモコンの選び方

ハンズフリーリモコンを選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。

1. 対応デバイス

リモコンが操作したいデバイスと互換性があることを確認します。リモコン操作に対応していない機器も存在するため、スマート家電やセキュリティシステムなど、対応している機器を確認する必要があります。また、音声認識やRFIDなど、リモコンの機能がニーズに合っていることも重要です。

2. 電源

リモコンのバッテリー寿命や電源の持ちも考慮します。充電式か電池式か、バッテリーの交換が容易かなどを確認する必要があります。また、メンテナンスの手間も選択時の重要なポイントです。

3. デザイン

リモコンの使いやすさも重要な要素です。操作が直感的で、ボタンや音声コマンドが使いやすいことを確認します。また、デザインやサイズも使用場面に合っていることをチェックする必要があります。