接点伝送無線ユニットとは

監修:アトム電機工業株式会社

接点伝送無線ユニットとは

接点伝送無線ユニットとは、接点信号を無線で伝送するための装置です。

従来の有線システムでは各機器やセンサーを物理的に配線する必要があり、時間とコストがかかります。接点伝送無線ユニットを使用すると配線が不要になり、設置や変更を迅速に行うことが可能です。これにより、配線工事に伴う人件費や材料費を削減でき、設備の効率が向上します。

また、無線ユニットは物理的な配線に制約されることがないため、機器やセンサーの配置を自由に変更できます。工場のレイアウト変更や新しい設備の導入時に、配線の再配置や追加工事が不要です。生産ラインや設備の最適化が容易になり、急な変更にも柔軟に対応できます。

接点伝送無線ユニットの使用用途

接点伝送無線ユニットは様々な場面で使用することができます。以下はその一例です。

1. 製造業

製造業では、接点伝送無線ユニットが製造ラインや機器間での信号伝送に利用されます。例えば、機械の状態やセンサーからの警報信号を無線でリアルタイムに監視することで、ラインの稼働状況や異常を迅速に把握することが可能です。これにより、配線の複雑さが軽減され、機器の設置や移動がスムーズに行えます。設備のレイアウト変更や新しい機器の追加にも柔軟に対応できるため、生産ラインの最適化が容易になります。

2. 物流業

物流業界では、倉庫や配送センター内での在庫管理やトラッキングに接点伝送無線ユニットが活用されます。棚やコンテナの状態や位置を無線で監視し、リアルタイムでデータを収集することで、在庫管理が効率的に行えます。配線が不要で、倉庫内の高所や狭い場所にも設置できるため、物流業務の効率化と安全性を向上させることが可能です。

3. エネルギー

エネルギー業界では、発電所や送電設備での状態監視や制御に接点伝送無線ユニットが使用されます。発電機の動作状態やセンサーからのデータを遠隔で監視することで、設備の運用効率を高め、迅速な対応が可能です。高圧設備や広範囲にわたる設備の状態を配線なしで監視できるため、設置の手間が省け、システム全体の効率が向上します。

4. 建設業

建設業界では、建設現場での機器やセンサーの信号伝送に接点伝送無線ユニットが活用されます。クレーンや重機の操作状態などをリアルタイムで収集することで、建設作業の進行状況や機器の状態を効率的に把握することが可能です。広い建設現場や高所での設置が容易になり、配線工事の手間が省けることで、安全性や作業効率の向上を図ることができます。

接点伝送無線ユニットの原理

接点伝送無線ユニットの原理は、基本的に接点信号を無線で伝送する技術に基づいています。まず、物理的な接点信号を取り込みます。これらはスイッチやセンサーからのオン・オフのデジタル信号であり、スイッチが押されたときやセンサーが反応したときに変化します。

取り込んだ接点信号は無線通信可能な形式に変換され、無線通信モジュールを通じて送信されます。無線通信モジュールは、ラジオ周波数 (RF) を使用して信号を電波として放射します。この電波は大気中を伝い、広範囲に伝達されます。

無線で送信された信号は受信機が受け取り、信号を再変換します。無線信号を再び接点信号に戻す処理が内部で行われます。再変換された信号を受信側のデバイスやシステムで使用される仕組みです。

接点伝送無線ユニットの選び方

接点伝送無線ユニットを選ぶ際は、以下を考慮することが重要です。

1. 入出力点数

必要とされる入出力の点数を確認します。入出力点数とは、無線ユニットが対応できる接点の数を指します。機器に複数のセンサーやスイッチが接続されている場合、その全ての信号を同時に扱えるユニットを選ぶ必要があります。

2. 通信距離

無線ユニットの通信距離は、使用環境によって異なります。例えば、工場内や倉庫内では障害物や電波干渉があるため、実際の通信距離は仕様より短くなることがあります。実際の使用環境を考慮し、適切な通信距離を持つユニットを選ぶことが重要です。

3. 精度

無線通信では、他の電波やノイズの影響で精度が低下することがあります。干渉対策が施されているユニットや、エラー訂正機能が備わっているユニットを選ぶと、精度の問題を軽減することが可能です。

4. 電源

無線ユニットの電源にはAC電源やDC電源、バッテリー駆動などがあります。設置環境に適した電源形式を選ぶ必要があります。例えば、工場内での設置などではAC電源が一般的ですが、屋外や移動式の用途ではバッテリー駆動が便利な場合があります。

本記事は接点伝送無線ユニットを製造・販売するアトム電機工業株式会社様に監修を頂きました。

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