点検口

監修:株式会社スリータック

点検口とは

点検口とは、電気・配管・空調設備・通信設備・構造体などを点検する開口部のことです。

点検口は、天井・壁・床などに設けられ、外枠・内枠で構成し、通常内枠は周囲と同じ仕上げ材あるいは点検蓋で作られます。

点検口を開けて内部を点検することにより、配管からの漏れ、構造体の経年劣化の早期発見、空調ダクトの異常発見、雨漏りの確認、断熱材の状態、土台や基礎の状態、シロアリなどの点検など早期発見が可能です。

点検口の使用用途

点検口は、住宅、オフィス、商業ビル、工場、地下鉄など種々の場所にあります。主に次のような用途に使われます。

・電気配線の点検や修理
・配管や換気システムのメンテナンス
・空調システムのメンテナンス
・セキュリティシステムの点検
・電気・水道などの計器チェック
・構造体の点検
・通信設備の点検や修理

これらの設備の点検・修理は必ず発生するので、建築物や設備の設置時に点検口を設け、定期検査ができるようにする必要があります。

点検口の特徴

1. 耐久性

建物や設備に付帯するもので、長期の耐久性があります。アルミ製の点検口は耐蝕性に優れ、湿気や腐食に強く、多く使われます。

2. 軽量

特に天井に設ける点検口は、軽量であることが必要です。アルミ製の点検口は軽量です。

3. 美観

建物の内装に合わせて、美しい外観にします。

4. 再利用

点検口をリサイクル可能な材料で作れば、環境への配慮が評価されます。アルミ材はこの点でも優れています。

点検口の種類

点検口は、設置する場所により、天井・壁・床などの種類があります。

1. 天井点検口

天井に設置する点検口であり、多くは同じフロアに複数設けます。シーリングハッチやハイハッチと呼ばれることもあります。

主な点検項目は、電気配線・通信配線・換気扇ダクト・配管などです。住宅診断の場合の点検口としても使われます。雨漏り時の修理に便利です。

古い和室タイプの住宅では、点検口がない場合があります。押し入れ収納の天井や天袋の天井の一部がとり外せるようになっており、そこから入って、点検・診断を行います。

ユニットバスの天井に設置されている場合もあります。換気扇本体やダクトの点検が可能です。配管検査は、天井裏を目視で確認できる必要があります。

2. 遮音タイプの天井点検口

天井点検口は、天井に穴を開けるので、上階からや隣の部屋から音漏れが少なからずあります。この場合、遮音タイプの点検口を採用することで解決可能です。

点検口の各部に気密性を高める気密パッキンを設け、点検蓋も遮音性を上げる仕様です。遮音性能と高い気密性が実現できます。

3. 壁点検口

建物の壁に設置してある点検口です。住宅ではマンションのパイプシャフトやユニットバス内、洗面室内についています。主な点検項目は、給排水設備の配管です。

オフィスビルや商業ビルでは、通信設備や電気配線が壁内にあり、壁に点検口が設置されます。

4. 床点検口

建物の床に設けた点検口で、給排水配管を点検・断熱材の点検・メンテナンスをします。また、住宅診断では、基礎や土台の状態、蟻害状況の把握、湿気、断熱材の状態などの点検が可能です。

住宅の床点検口は、多くは床下収納を兼ねています。マンションの普通の部屋の床は、スラブに直に施工されており、その点検が必要です。

点検口のその他情報

1.点検口の注意点

点検口は、天井、壁、床などに設けますが、後のメンテナンス業務がやり易い場所を選んで設置します。場合によっては、建物の軒裏に必要です。

点検口のサイズは、600,450,300mmが多く使われます。

点検口の形状は、額縁タイプ、目地タイプ、外枠額縁・内枠目地タイプの3種類があります。

点検口の設置場所は、屋内・屋外、湿度の状態などの環境を考慮して設定し、材質やタイプの選定が重要です。

ロック機能が必要かどうかを、セキュリティの面から検討します。

2.点検口の必要性

・メンテナンス可能、劣化の早期発見
建物は古くなると劣化が進行します。定期的に状態を把握して、劣化を早期に見つける必要があります。

・長期優良住宅認定基準では必須
新築住宅の4戸に1戸は長期優良住宅です。認定により、住宅ローンの金利引き下げ・住宅ローン減税・地震保険料の割引などの特典があります。

・売買時の住宅診断
住宅診断により、施工不具合や劣化状態の確認ができ、有利に売買が可能です。

本記事は点検口を製造・販売する株式会社スリータック様に監修を頂きました。

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