小型破砕機とは
小型破砕機とは、材料を細かく砕くための小型装置です。
大型の破砕機に比べて設置面積が小さく、限られたスペースでも導入しやすい点が特徴です。キャスター付きで移動が容易な機種も多く、必要な場所へ動かして作業できます。動力源は電動式が主流で、家庭用コンセントなどの単相100Vや、より強力な三相200Vの電源を使用します。
破砕の仕組みは回転刃で切り刻むせん断式や、2枚の刃で挟み込んで砕く方式などの種類があります。対象物や破砕後サイズに応じて選定することが多いです。安全面にも配慮されており、材料投入ホッパーに手入らない構造になっています。また、非常停止ボタンもほとんどの場合は一般装備です。このように、小型破砕機は省スペース性と安全性を両立させながら、多種多様な素材を効率的に処理する装置です。
小型破砕機の使用用途
小型破砕機は以下のような用途で使用されます。
1. 産業廃棄物処理
工場やオフィス、商業施設などでは、日々多くの廃棄物が発生します。製品梱包用の発泡スチロールや木製のパレット、書類ごみなどがその一例です。これらの廃棄物をそのままの大きさで保管すると広大なスペースが必要なため、小型破砕機で細かく砕いて全体体積を減らす「減容化」を実施します。減容化によって、保管スペースを有効活用できるだけでなく、運搬コストや処理費用の削減にも繋がります。
2. 農業・林業
農業や林業の現場では、作物の収穫後に残る茎や果樹の剪定で発生する枝などが大量に発生します。これらは従来、焼却処分されることもありましたが、小型破砕機でチップ状にすることで価値ある資源として再利用可能です。廃棄物を有効な資源へと転換し、循環型農業の実現に貢献します。
3. 研究・開発
研究や開発の部門では、新しい素材の開発やリサイクル技術の確立に向けた実験が行われます。こうした研究の過程では特定の素材を少量だけ、均一な大きさに粉砕する場面があります。小型破砕機はこのような少量のサンプルを破砕する用途に適しています。大型の機械では難しい細かな条件設定が可能な機種もあり、幅広い研究開発の現場で重宝されます。