e-Axle

監修:ダイナックス

e-Axleとは

e-Axleとは、モーターを主動力とする電気自動車 (EV) などの車両に搭載される、走るための主要部品を1つにまとめた駆動ユニットです。

e-Axleは電動アクスルとも呼ばれ、一般的な構成としてはモーターとインバーター、減速機から構成されます。e-Axleは複数の部品をまとめることでエネルギー効率が良く、小型軽量であることが特徴です。

e-AxleはEV以外にも、ハイブリッド車、トラックなどの車両に搭載されています。

近年、カーボンニュートラル社会に向け、ガソリン車からEVシフトが加速しています。EVの心臓部とも言えるe-Axleを採用することは、EVの開発スピードを上げることにも繋がっています。

今後も環境に配慮した、更なる小型で効率の良いe-Axleの開発が重要になっています。

e-Axleの使用用途

e-Axleは下記の車両などで使用されています。

1. 電気自動車、燃料電池車

e-Axleは主に電気自動車や燃料電池車といった、モーターを主動力とする車両に搭載されています。

電気自動車や燃料電池車の前輪駆動では、e-Axleを車両の前方部分に搭載していますが、後方部分にも搭載し4輪駆動 (4WD) にすることで雪道や悪路などにも対応可能にします。

2. ハイブリッド車

ハイブリッド車 (HEV) 、プラグインハイブリッド車 (PHEV) といった、エンジンとモーターの両方を動力とする車両にもe-Axleは搭載されています。

HEVやPHEVの前輪駆動ではエンジンとハイブリッドトランスミッションを車両の前方部分に搭載していますが、e-Axleを後方部分に搭載すれば4輪駆動 (4WD) にすることが可能です。

3. トラック

e-Axle を搭載したEVトラックも、種類は少ないものの実用化されています。

モーターをリア駆動軸自体に組み込むことで、シャフトも不要となっています。e-Axleを搭載することにより駆動部品が小さくなり、トラックの荷台を広くすることを可能にします。

e-Axleの構造

e-Axleの一般的な構成としては、モーターとインバーター、減速機を1つにパッケージング化したものです。以下に、e-Axle の主な構造について記載します。

1. モーター

e-AxleはAC (交流) モーターを使用し、電力を回転力に変えます。

使用するモーターは、回転子に永久磁石を用いた永久磁石型同期モーターが主流です。この他にも、回転子に界磁用コイルを用い、巻線に電流を流すことで磁力を発生させる巻線界磁型同期モーターや、回転子に誘導電流を生じさせる非同期の誘導モーターなどがあります。

2. インバーター

インバーターは、バッテリーから流れるDC (直流) をACに変換し、ACモーターを動かすことを可能にします。EVでは三相ACモーターを使用するため、三相インバーターを用います。

また、インバーターはAC周波数を制御し、モーターの回転数の調整を行います。これによりスピードや乗り心地を制御でき、効率の良い駆動による省エネを可能にします。

3. 減速機 (ギヤ)

減速機は、モーターの回転数を低回転に変換することで適切な速度に調整し、トルクを増加させ車両の加速性能を向上させることが出来ます。

モーターは高回転で回し続けると加熱するため、高速域でのモーターの回転数を下げ、ギヤ比の差の小さな組み合わせへ変速し発熱を抑えています。

4. パッケージング化

モーターとインバーター、減速機を1つにまとめてパッケージング化したe-Axle は「3 in 1」と呼ばれる型式です。小さくまとめることで、インバーターとモーターをつなぐ高圧電線が最小限の長さで済み、エネルギー効率が良いことや、コスト削減、小型軽量化のメリットがあります。

また、上記主要3部品に加えDC-DCコンバーターや車載充電器なども加えた 「X in 1」 と呼ばれる形式も開発が進んでいます。

e-Axleのその他情報 

EVシフトへ進む中、e-Axleの開発競争も激化しています。ここではe-Axleの今後の課題について代表的なものを記載します。

1. 小型・効率化

モーター、インバーター、減速機の更なる小型・効率化が求められています。

e-Axleの小型・効率化が進むと、車体デザイン度向上、航続距離の延長、電費向上、エネルギー消費削減などに繋がります。

2. 熱マネージメント

e-Axleにおいて、モーターとインバーターは走行中に高熱になる部品で、発熱対策を行わないと壊れる要因にもなり、稼働時間や寿命に関わります。

発熱対策としては水冷や油冷などを行い、インバーターには放熱シートが使用されています。

e-Axleのみの発熱対策に留まらず、e-Axleやバッテリーからの排熱を冷暖房システムに利用し、車両全体で熱マネージメントするなど対策が進んでいます。

3. 環境負荷の低減

e-Axleを搭載したEVなどでは、走行中は二酸化炭素の排出を抑えられています。しかしながらバッテリーの製造時や廃棄時には二酸化炭素が排出されるため、環境負荷を低減することが求められます。

また、e-Axleを構成するモーターの永久磁石にはレアアースを用いるのが主流でしたが、レアアースを用いない方式も増えています。

e-Axleを始め、バッテリーなど車両全体として、SDGsを意識した開発が重要になっています。

本記事はe-Axleを製造・販売するダイナックス様に監修を頂きました。

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TSV加工

TSV加工とは

TSV (英:Through-Silicon Via) 加工とは、シリコン基板に垂直方向に穴を開けて電線を通す技術です。

TSV加工により、チップ間の接続が垂直方向に実現できるため、面積あたりの集積度が向上します。これにより、チップのサイズを小さく保ちながらも高機能な設計が可能です。チップ間のデータ転送速度も向上します。

また、配線距離が短くなって効率的なデータ転送が可能なため、電力消費が抑えられます。バッテリー駆動のデバイスにおいても、駆動時間を長くすることが可能です。高性能な半導体デバイスや集積回路の設計において、重要な技術の一つです。

TSV加工の使用用途

TSV加工は様々な場面で使用されます。以下はその一例です。

1. 通信業界

高速なデータ通信が求められる通信機器では、TSV加工を使って集積回路の性能を向上させています。例えば、データセンターや通信インフラにおいて、TSV技術を使用してデータ転送のスピードと効率を向上させることが可能です。これにより、ネットワーク全体のパフォーマンスを向上させることができます。

2. 自動車業界

先進運転支援システムにおいてはカメラやレーダーなどのセンサーが多く使用されます。これらのセンサーから送信されるデータをリアルタイムで処理する必要があります。TSV技術は高速なデータ転送と処理能力を実現し、正確で迅速な運転支援を可能にします。

3. 医療業界

MRIやCTスキャンのような高度なイメージング機器では、TSV技術によって高精度なセンサーやプロセッサを集積しています。これにより、高解像度で迅速な画像処理が可能です。診断の精度を向上させる重要な技術の一つです。

4. 電子機器業界

スマートフォンのプロセッサやメモリは、TSV技術を用いて高性能と小型化を実現しています。例えば、TSVを使って積層型のメモリチップを搭載し、パフォーマンスを向上させつつデバイスの厚さを抑えることが可能です。スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスにおいても、TSV技術を利用して小型化された高性能なセンサーやプロセッサを実装しています。

TSV加工の原理

TSV加工はシリコン基板に垂直方向に貫通する穴を形成し、チップ内外での電気的接続を実現する技術です。高純度のシリコンウェハーを使用します。これらにレーザーやドリルを用いて穴を開けるか、化学的エッチングで掘削する仕組みです。

開口を開けた後、穴の内壁に絶縁層をコーティングして層間でのショートを防ぎます。絶縁層には酸化シリコンや窒化シリコンが用いられることが一般的です。絶縁層の上から銅やチタンなどを通すことで、電気的な接続を確保します。

TSV加工を施したウェハーを個々のチップに切断します。ウェハーをスライスして複数のチップを取り出すことが可能です。

加工後に完成したチップをテストして、性能を確認して品質を担保します。電気的な特性や機能の検査が主なチェック項目です。

TSV加工の選び方

TSV加工サービスを提供する施工業者を選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要です。

1. 技術力

TSV加工は高度な技術を要するため、技術力が非常に重要です。TSVの設計・製造経験や専門知識を持つ企業を選ぶ必要があります。 また、メモリチップ向けのTSV加工とプロセッサ向けのTSV加工では要求される技術が異なるため、依頼したい分野に特化したサービス業者を選ぶことも重要です。

2. 品質管理

高品質なTSV加工を保証するために、厳格な品質管理体制を持つ企業を選びます。ISOなどの品質管理認証を有することを確認することが重要です。加工後のテストや検査プロセスがしっかりしていると、最終製品が仕様通りであることが多いです。

3. 製造能力

必要な規模に応じた生産能力を有することを確認します。小ロットから大ロットまで対応可能な企業を選ぶと、柔軟性が増します。最新の製造設備を有する場合、加工精度や効率が高いことが多いです。

4. サポート

加工中や加工後の技術的なサポートが充実していることを確認します。問題が発生した際に、迅速に対応できる体制が整っていることが望ましいです。

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絶対に触らないでください(日本会社ニュース)

夏季休業期間のご案内

平素より格別の御厚情を賜り、厚く御礼を申し上げます。

弊社では下記の期間を、夏季休業とさせていただきます。

2024年8月12日(月)〜 2024年8月16日(金)

休業期間中にいただきましたお問い合わせに関しましては、休業期間後の営業日より順次対応させていただきます。

認証端末

認証端末とは

認証端末とは、ユーザーが身元を確認し、アクセスを許可するためのデバイスです。

現在のユーザーを確認し、特定のシステムにアクセスするための手段です。認証方法は様々で、パスワードやPINコードの他にも、顔認証などの生体認証も多く使用されます。主にセキュリティの目的で使用されるため、複数の認証要素を組み合わせた多要素認証も採用されることが多いです。

認証端末は使いやすく設計されており、ユーザーにとって煩雑な認証手続きを簡素化します。指紋認証や顔認識などの生体認証が例であり、ユーザーが簡単にシステムへアクセスできます。

認証端末の使用用途

認証端末は様々な場面で使用されます。以下はその一例です。

1. 金融業

ATMは顧客が現金を引き出したり、預けたりする際に利用されます。通常はクレジットカードやデビットカードを挿入し、PINコードを入力することでユーザーを認証します。一部の高度なATMでは、指紋認証や顔認識技術が利用されることも多いです。

2. 小売業

小売店舗では顧客が商品を購入する際に認証端末を使用します。カードリーダーやチップリーダーなどとして、顧客の支払いを認証することが主な目的です。これにより、取引の速度を向上させ、不正取引を防止します。

3. オフィス

多くの企業で従業員が特定のエリアに入る際には、キーカードや生体認証を使用して入場制限しています。これにより、不正侵入を防止し、施設のセキュリティを強化することが可能です。また、企業ネットワークやコンピューターシステムにアクセスする際にも、認証端末を使用されることがあります。

4. 医療

医療の情報は、個人情報を含むことが多いです。したがって、患者の健康情報や医療記録にアクセスするためには、認証端末を使用してセキュリティを確保します。これにより、患者のプライバシーを強固に保護することが可能です。

認証端末の原理

認証端末はユーザーの身元を確認し、システムへのアクセスを制御するためのデバイスです。知識認証や生体認証によって、身元確認を実施します。

知識認証はユーザーが知っている情報を入力することで認証する方式です。パスワードやPINコードの入力がこれに当たります。入力した文字・数字が正しい場合にのみ、ユーザーはアクセスを許可される仕組みです。

生体認証は ユーザーの身体的特徴を用いて認証する方式です。セキュリティ性能も強固であり、ユーザーの使い勝手が高い製品が多いです。生体センサーが内蔵されており、遠隔に配置したデータベースと照合される仕組みを採用した機器もあります。

また、複数認証を組み合わせることで、セキュリティ強度を高めることも可能です。これにより、単一の認証手段が破られても不正アクセスを防げます。

認証端末の選び方

認証端末を選定する際は、以下のような要素を考慮することが重要です。

1. セキュリティ

端末の認証方式が、求められるセキュリティ要件に合致していること確認します。高いセキュリティが求められる場合は、多要素認証をサポートする端末を選ぶことも検討します。通信データや認証情報が暗号化されていることも重要です。

2. インターフェイス

ユーザーが直感的に操作できる端末を選ぶことで、サポートのコストを削減できます。指紋認証は一般的に簡単で迅速ですが、カードリーダーも広く使用されています。認証の速度が業務に影響を与える場合、速い認証を提供する端末を選ぶことも重要です。

3. 互換性

既存のセキュリティシステムやITインフラと統合できることも確認する必要があります。企業のID管理システムと連携する場合などがその一例です。業界標準や規格に準拠している端末を選ぶと、他のシステムとの互換性が確保できます。

4. コスト

端末の購入価格だけでなく、設置や設定にかかる費用も考慮します。メンテナンスやソフトウェアのアップデート及び消耗品などの運用コストを全体的に評価します。例えば、カードリーダー方式などの場合には、カードが消耗品に当たります。

フォークリフトバッテリー

監修:株式会社フジエナジー

フォークリフトバッテリーとは

フォークリフトバッテリーとは、電気で動くバッテリー式フォークリフトとエンジン式フォークリフトに使用されるバッテリーです。

バッテリー式フォークリフトは、モーターを動力として電気で動きます。ガソリンで動くエンジン式のフォークリフトに比べてランニングコストが低いという特徴があります。

フォークリフトバッテリーの使用用途

フォークリフトバッテリーは、電気で動くバッテリー式フォークリフトとエンジン式フォークリフトに使用されています。

バッテリー式フォークリフトは、フォークリフトバッテリーシステムに溜め込んだ電気で動くためエンジン式と異なり排気が出ないことから、特に室内での使用に適しています。また、騒音が少なくなるため、住宅街など、騒音への配慮が必要な現場で使用されることも多いです。エンジン式よりも小回りがきくため、取り回し良く作業を行うことが可能です。燃費が良いため、コストダウンの観点から導入されることもあります。

エンジン式フォークリフトはエンジンを始動するバッテリーを使用します。エンジン始動のため、バッテリーサイズはバッテリー式フォークリフトより小さく、自動車バッテリーと同じくらいのサイズです。

フォークリフトバッテリーの原理

1. 概要

フォークリフトバッテリーは、通常の充電池と同様、充電の際に電気エネルギーを化学エネルギーとして蓄え、蓄えた化学エネルギーを電気エネルギーとして放電し、こうした充放電サイクルを繰り返すことができます。

エンジン式フォークリフトとの比較では、バッテリーフォークリフトは基本的に燃費が良いため、コストが低くなる傾向にあります。また、バッテリー式フォークリフトはエンジン式フォークリフトに比べて比較的車体の全長が短く、狭い場所での作業に適しています。一方、バッテリーフォークリフトは、連続稼働時間が短くなりがちであり、また、充電にある程度の時間を要するという点がデメリットです。

2. メンテナンス

フォークリフトバッテリーは二次電池であることから、定期的なメンテナンスを必要とします。

最も基本的なメンテナンスは、バッテリー液(精製水)の定期的な補充です。電解液は、毎回充電前と後に点検する必要があります。特に夏場や、作業環境によって高温な場所、寿命末期のバッテリーでは、頻繁なバッテリー液面チェックが必要です。

日常の取扱いでは、過放電防止、過充電防止に気をつける必要があります。すなわち電圧が全容量の20%以下にならないように充電を行い、充電時は電解液温度が50℃を超えないように注意することが必要です。充電は電圧残量が全容量の30~35%になった時に一度に行うことが適切です。放電後に充電を行わず放置をした場合、バッテリー内のマイナス極板にサルフェーション(結晶物質)が付着し、バッテリーの電気の流れを阻害します。サルフェーションは通常充電で液中に溶けますが、放置期間が長いバッテリーはサルフェーションが固着化し、充電では液中に溶かすことができずにバッテリーの寿命を迎える結果となります。放電後は必ずこまめに充電を行うようにしてください。

フォークリフトバッテリーの種類

フォークリフトバッテリーの種類には主にリチウムイオン電池と鉛蓄電池があります。更にそれぞれの種類の中でも様々な製品があります。

1. 鉛蓄電池

鉛蓄電池 (鉛バッテリー) は正極に二酸化鉛、負極に鉛を使用しており、電解液として希硫酸を用いています。正極・負極の双方から電解液中に硫酸イオンが移動することで充電され、電解液中の硫酸イオンが正極・負極の双方に移動することで放電を行う仕組みです。

一般的に鉛蓄電池はリチウムイオン電池と比較し安価で提供されています。運用期間中はバッテリーメンテナンス、単セル交換や電解液補充などのランニングコストがかかります。一般的に充電時間は8〜10時間程度、稼働時間は4〜5時間程度です。一般的に寿命はサイクル数で表すことが多いです。以下写真参照

フォークリフトバッテリー

現在、市場では2種類の鉛蓄電池がフォークリフトバッテリーで使用されています。

①鉛溶接式:従来のバッテリーセル同士を鉛棒でガス溶接を行い、バッテリーシステムをくみ上げる方式です。バッテリー単セルの交換の際にはディーラーまたはガス溶接の熟練者による作業が必要です。以下写真参照

フォークリフトバッテリー

②ボルトコード接続式:欧米で主流のボルトコード接続式はバッテリーセル同士をボルトとコードで接続してバッテリーシステムをくみ上げる方式です。従来の鉛溶接式と異なり、バッテリー単セル交換の際にはディーラーまたはガス溶接の熟練者による作業が不要なため、容易に補修が可能です。ケーブル接続のため、振動が大きい現場などでは溶接棒の亀裂や破損の心配がありません。以下写真参照

フォークリフトバッテリー

2. リチウムイオン電池

リチウムイオン電池 (リチウムイオンバッテリー) は、正極にリチウム含有金属酸化物、負極に炭素系素材、電解液は有機電解液が使用されます。充電時には正極側にあるリチウムイオンが、電解液を通って負極側に移動し、放電時には負極に蓄えられていたリチウムイオンが正極に向かって移動することで電流が流れる仕組みです。フォークリフトバッテリー用では安全性の高いリン酸鉄リチウムイオン電池が多く採用されています。

リチウムイオン電池は、一般的に充電時間は1〜2時間程度、稼働時間は10時間以上、耐用年数は10〜15年です。価格は鉛蓄電池より高いものの、鉛蓄電池よりも寿命が長く買い替えの回数が少なくなるため、長期的にはコストが低くなります。また、鉛蓄電池で必要なバッテリーの補水作業も不要であり、充電時間が短いことからスペアバッテリーの用意も不要です。

本記事はフォークリフトバッテリーを製造・販売する株式会社フジエナジー様に監修を頂きました。

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UPSバッテリー

監修:株式会社フジエナジー

UPSバッテリーとは

UPSバッテリーとは、停電などにより電源障害が生じた際に負荷機器に電力を供給するUPS (無停電電源装置) に使用するバッテリーです。

UPSバッテリーは、停電時に負荷機器に送れるよう、電気を貯めておくバッテリーです。普段はコンバータの電力を用いて充電されており、商用電力が遮断された場合にインバータへ電力を給電します。UPS無停電電源装置用のバッテリーの主な種類には、リチウムイオン電池と鉛蓄電池とがあり、鉛蓄電池にはさらにMSE型とUPS専用型の2種類があります。

UPSバッテリーの使用用途

UPSバッテリーは、UPS (無停電電源装置) において電気を蓄える目的で使用されます。

UPS無停電電源装置は、停電などにより電源障害が生じた際に一定時間だけ電力を供給する目的で使用されます。コンピュータなどの電子機器は突発的に停電すると、故障したり内部データが消えたりする危険があります。UPSを接続することで、電源トラブル時にデータを保護したり、電子機器を安全にシャットダウンしたりするのに要する時間の電力を供給することができます。

以下はUPSが使用される機器・用途の例です。

  • パソコン、OA機器
  • ネットワーク機器、サーバー、データセンター
  • 店舗におけるPOS端末や顧客情報端末
  • 防犯・防災関連機器、監視カメラ、信号機
  • 金融: 運営サイトや金融システム、及びATM端末やオンライン端末
  • 放送機器や電装機器
  • 医療現場:医療機器、手術室や集中治療室など

UPSバッテリーの原理

UPSバッテリーは電気を蓄えておき、停電時にUPSより各機器に電気を供給するために使用されます。UPSの給電方式には下記のようなものがあります。

  • 常時商用給電方式: 通常は交流入力をそのままスルーで出力し、電源から給電が途絶えて停電や過電圧を感知した瞬間にバッテリからのインバータ給電に切り替える
  • ラインインタラクティブ給電方式: 通常時は交流入力をスルー出力し、一定範囲内の電圧変動にはトランスのタップ切り替えで対応し、停電や一定以上の変動に対してはインバータ給電に切り替える
  • 常時インバーター給電方式: 交流入力をいったん直流に変換し、常にバッテリーを充電しながらインバータによって安定した交流に再変換し、電力を供給する

バッテリーの日常的な保守としては 外形、周囲温度、測定電圧などの管理などを行うことが必要です。通常、UPSバッテリーを使用する際の推奨環境温度は20℃~25℃です。メーカー公表の期待寿命値は基本的に上記の理想的な環境下でのフロート寿命期間となり、実際の運用下での寿命ではありません。寿命がメーカー公表値より短い原因としては、環境温度が高い、放電が多い (停電が多い) 、設置したバッテリー間の隙間がない、負荷が大きいなどが考えられます。バッテリー寿命が短いと感じる場合は、環境や設置場所の改善も対応策の一つです。

UPSバッテリーの種類

UPSバッテリーには鉛蓄電池、リチウムイオン電池などの種類があり、更にそれぞれの種類の中でも様々な製品があります。

1. 鉛蓄電池

鉛蓄電池は、UPSで使用される最も一般的な電池です。正極に二酸化鉛、負極に海綿状の鉛を使用しており、電解液として希硫酸を用いています。正極・負極の双方から電解液中に硫酸イオンが移動することで充電され、電解液中の硫酸イオンが正極・負極の双方に移動することで放電を行う仕組みです。

UPSで使用される鉛蓄電池には、MSE型と通常AGM型と純度の高いピュア鉛ACM型のUPS専用とがあります。MSE型は一般的に容量50〜3000Ahであり、UPS専用型は容量50, 100, 150, 200, 300Ahなどです。UPS専用型に使用されるバッテリーは、FVHと呼ばれる高率放電タイプです。寿命は、通常のMSE型で2~7年、長寿命型MSE型で9〜12年、UPS専用型で7~9年程度となっています。 (現在はバッテリー設置個所の省スペース化に伴い、MSE型とFVH型は通常AGM型とピュア鉛AGM型へ移行しています。)

通常AGM型は価格が比較的安価で汎用性の高いバッテリーで、9Ah~200Ahまでの幅広い容量範囲があります。大型UPS用バッテリーのキャビネットに収納が容易なサイズ設計となっています。

世界で3社でしか製造していないピュア鉛AGM型は、従来の通常鉛蓄電池と比較すると高いエネルギー密度と出力性能を併せ持っています。ピュア鉛を使用することにより1Cでの充放電が可能となり、バックアップの際に瞬時に大きな電気を流すことで、次の停電に備えた早期の充電を実現します。大型UPS用バッテリーのキャビネットに収納が容易なサイズ設計となっています。

2. リチウムイオン電池

リチウムイオン電池は、鉛蓄電池と比べて、はるかに小型で軽量です。一般的に、鉛蓄電池の約45%の重量とされます。

鉛蓄電池よりもより高いエネルギー密度を持つ上に、より長いサイクルライフを提供します。また、リチウムイオン電池は、最大で充放電サイクルが鉛蓄電池の10倍であり、寿命も8〜10年と最大で通常のMSE型鉛蓄電池の3倍長持ちします。メンテナンスの手間や交換頻度が大幅に少なくなります。

本記事はUPSバッテリーを製造・販売する株式会社フジエナジー様に監修を頂きました。

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フォークリフトタイヤ

監修:株式会社フジエナジー

フォークリフトタイヤとは

フォークリフトタイヤとは、フォークリフトで使用されているタイヤです。

フォークリフトは様々な荷物の積み下ろし作業や運搬に使用される搬送用車両です。フォークリフトの車両にはカウンター式とリーチ式などの種類があり、適切なフォークリフトタイヤが取り付けられます。フォークリフトタイヤは2tを超えることもあるフォークリフトの許容荷重にも耐えられるよう設計されています。 安全なフォークリフトの走行のためには適切なフォークリフトタイヤの交換・メンテナンスが必要です。

フォークリフトタイヤの使用用途

フォークリフトタイヤは、フォークリフトを走行させるために使用されます。フォークリフトは工場や物流倉庫で荷役作業の効率化のために用いられている搬送用車両です。フォークリフトを運搬に用いることで重量の大きな荷物を迅速に移動することが可能です。

フォークリフトタイヤは使用することで徐々に薄くなっていくため、適切な時期に交換することが推奨されています。

フォークリフトタイヤの原理

フォークリフトの車両には、座って搭乗する「カウンター式」と立って搭乗する「リーチ式」との2種類があります。

リーチ式フォークリフトは、3種類のタイヤから構成されています。

・ドライブタイヤ: 後部左側に取り付けられる駆動輪
・キャスタータイヤ:後部右側に取り付けられる補助タイヤ
・ロードタイヤ:前方の左右に1つずつついているタイヤ

カウンター式フォークリフトは、自動車と同様に前・後輪合わせて4輪から構成されます。一般的に、カウンター式の方がリーチ式よりもタイヤの強度が高い場合が多いです。

フォークリフトタイヤの種類

1. 概要

前述の通り、フォークリフトにはリーチ式とカウンター式があり、それぞれで使用されるタイヤの種類が異なります。また、タイヤサイズなども製品によって異なるため、車体にあったものを選択することが必要です。

2. リーチ式フォークリフト用タイヤ

リーチ式フォークリフトで使用されるタイヤには、ウレタンタイヤと黒ゴムタイヤがあります。

ウレタンタイヤは、耐摩耗性や耐荷重能力に優れ、ゴムよりも長寿命で路面にタイヤ跡が目立ちません。

黒ゴムタイヤはウレタンよりも低コストで、グリップ力に優れているため滑りやすい路面でも使用可能です。タイヤ痕が目立ちにくいカラーのバリエーションもあるため、食品加工や薬品、自動車工場でも多く採用されている特徴があります。

一般的な用途としては、倉庫内などの清浄な路面を走行する場合に特にウレタンタイヤが適しており、倉庫外などの滑りやすい路面も走行する場合は黒ゴムタイヤが適しているとされます。

3. カウンター式フォークリフト用タイヤ

カウンター式フォークリフトのタイヤには、主に

  • エアータイヤ
  • ノーパンクタイヤ
  • エアボスタイヤ

の3種類のタイヤがあります。

エアータイヤは、比較的、金額が安いことから比較的標準的に使用されるタイヤです。軽く弾力性が高いタイヤであるため、運転時の乗り心地が良く、交換する際も持ち上げるのが楽です。一方で、パンクの恐れがあることはデメリットであり、空気圧の調整等メンテナンスも必要です。

ノーパンクタイヤは、タイヤ内部まで全体がゴムで作られているタイヤです。タイヤの内部に空気が入っていないため、タイヤがパンクする心配がなく、空気圧調整のメンテナンス作業も不要です。一般的にエアータイヤに比べて長持ちします。タイヤの溝が減るとスリップしやすい点には注意が必要です。

エアボスタイヤは、ノーパンクタイヤのように内部までがゴムで作られているものの、側面に穴を開けることで衝撃吸収や軽量化が図られているタイヤです。全体的に高価であることが多い一方、ノーパンクタイヤの実用性とエアータイヤの乗り心地の良さを併せ持つタイヤです。

路面状況が悪い場合や走行距離が長い場合などは、クッション性が高く乗り心地の良いエアータイヤが推奨されます。また、くぎや金属片などパンクしやすい物が路面に落ちている場合がある現場では、ノーパンクタイヤやエアボスタイヤが適切です。

本記事はフォークリフトタイヤを製造・販売する株式会社フジエナジー様に監修を頂きました。

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マイクロフィルムスキャナ

マイクロフィルムスキャナとは

マイクロフィルムスキャナとは、マイクロフィルムをスキャンし、PDFや画像データに変換することに特化したスキャナです。

マイクロフィルムとは、書類や図面を微小サイズに縮小してフィルムに記録したものです。書類や図面をそのまま保存するよりも大幅に省スペース化できるだけでなく、長期保存に適し記録の法的証拠能力も認められているという特徴があります。マイクロフィルムスキャナは、このようなマイクロフィルムを電子化する際に使用されます。

マイクロフィルムには、ロールフィルム、フィッシュフィルム、ジャケットフィルム、アパーチュアカードなど様々な形状がありますが、多くのマイクロフィルムスキャナはこれらに対応してスキャンを行うことが可能です。

マイクロフィルムスキャナの使用用途

マイクロフィルムスキャナは、マイクロフィルムに保存されているデータを電子化し、PDFや画像ファイルなどに変換することに使用されています。

電子化を行うことにより、

  • パソコン・スマートフォンなどから手軽にデータを閲覧可能になる
  • 電子化した内容をデータベース化することで検索・情報収集などを行いやすくなる
  • 電子化によって、保管スペースやコストの削減、データを検索して取り出す過程が効率化される

などの効果を得ることが可能です。

マイクロフィルムスキャナによるこのような電子化は、国立国会図書館をはじめとする多くの図書館、歴史資料館、大学、自治体新聞社、民間企業などで利用されています。スキャンによって作成されたデジタル画像データは施設・組織内で利用されたり、WEBサーバーを通じて活用されたりしています。

マイクロフィルムスキャナの原理

1. 概要

マイクロフィルムスキャナは、基本的に通常のスキャナと同様にフラットヘッド式でスキャンを行います。フラットヘッド式スキャナとは、コピー機のようにガラス台に置いた原稿を読み取るスキャナです。フィルム 原稿を固定し光を遮断した状態でスキャンします。

フィルムスキャンに特化した機能としては、ロールフィルム用のキャリアなどがオプションもしくは標準で搭載されます。スキャン機構は主にCCD素子などによる高画質スキャンです。製品にもよりますが、多くの製品では、光学ズームや電子ズームを備えており、幅広いズーム倍率を利用できる場合が多いです。

保存できるファイル形態の種類には、JPEG、JPEG2000、BMP、PNG、PDF、TIFFマルチページ、PDFマルチページなどがあります。

2. スキャン設定

マイクロフィルムスキャナのスキャンの設定には主に下記のような項目があります。

  • フィルム種別: フィルムのサイズやネガ・ポジの判別
  • 階調: モノクロ2値、グレースケール、カラーなど
  • 解像度: 1インチあたりのドット数 (dpi)
  • スキャン倍率
  • ファイル形式

3. 使用される書類の種類

マイクロフィルムが使用される書類には下記のようなものがあります。長期保存に適しており、法的に記録の証拠能力も認められている記録媒体です。そのため、多くの企業・団体に用いられています。

  • 国・自治体の公文書、届出書類
  • ゼネコンなどにおける建築物の設計図、竣工図面、完成図書など
  • 大学・研究機関、博物館、歴史資料館などにおける新聞、
  • 古文書、貴重図書などのアーカイブ
  • 生命保険の申込書、請求書

マイクロフィルムスキャナの種類

マイクロフィルムスキャナは、様々な種類の製品が販売されています。

マイクロフィルムのタイプには、ロールフィルム、フィッシュフィルム、ジャケットフィルム、アパーチュアカードなど、様々な種類・形状があります。マイクロフィルムスキャナは、それぞれの製品はこれらのうち1種類もしくは複数種類に対応可能です。ロールフィルムに対応した製品では、専用のキャリアを使用します。

解像度では、上限は600dpi、1200dpi、6400dpiなどの種類があり、カラー対応可能な製品とモノクロのみのものとがあります。その他、製品によっては、下記のような機能が搭載されています。

  • パソコンに接続されたプリンターへの直接出力
  • タッチパネルディスプレイでのデータ操作
  • 画像反転機能

使用する際は用途等に合わせて選択することが必要です。

ブックスキャナ

ブックスキャナとは

ブックスキャナとは、本を裁断することなくそのままスキャンすることができるスキャナです。

本や資料などをpdfなどの電子データとして保存することに使用されています。多くの製品ではスタンド型のオーバーヘッドと呼ばれる形状をしており、通常のスキャナと異なって本や資料を上向きにしたままスキャンすることができます。他方、省スペース化が必要なシーンなどでは、通常のスキャナと類似の形状であるフラットベッドスキャナと呼ばれる製品が使用されます。ブックスキャナは、通常のスキャナと異なり、本の厚みや本の背の部分の影や文字の歪みの処理に適応しているのが大きな特徴です。通常300dpi以上の高解像度に対応しています。

ブックスキャナの使用用途

1. 概要

ブックスキャナは、通常、資料や本を電子化する用途で使用されます。電子化によって既存の紙の書籍の保管よりも省スペース化を図ることができるため、

  • 大きくかさばる書籍 (特に専門書や図録) のデータ化
  • 書籍のポータブル化や断捨離のためのデータ化

などの用途に使用されます。また、OCR機能を合わせて使用することで、書籍の内容を電子データ上で検索することができるようになります。そのため、

  • 書籍、書類中の記述の中から必要な情報を瞬時に探せるようにする
  • 重要な箇所やコンテンツの切抜きを行う
  • スキャンしたドキュメントを分類して整理する

などのデータ的処理を行えるようにすることが可能です。

2. 活用シーン

ブックスキャナは様々なシーンで活用されています。研究者の文献収集や学術論文執筆、ライター・レポーターなどでは、文献や資料のデジタル化、収集プロセスや整理の効率化に活用することが可能です。

ブックスキャナの原理

1. 概要

ブックスキャナには、主に上向きに本を開いて読み取る「オーバーヘッド型」と本を伏せてガラス台に乗せてスキャンする「フラットベッド型」があります。

読み取りセンサーには、主にCCDとCISの2種類がありますが、多くの製品で画質の良いCCDセンサーが使用されています。解像度は、300dpi〜600dpiの場合が多く、文書だけのスキャンであれば300dpiで十分であり、図表がある場合も600dpiであれば綺麗にスキャンすることが可能です。大きさはA4見開きをスキャンすることが可能である、A3型の製品が多いです。

2. オーバーヘッド型

オーバーヘッド型は、デスクライトのような形状をしているブックスキャナです。本を真上から見開きの状態でスキャンできます。

見開き部分に生じる歪みや、本を抑えたときの指などが映り込みやすいという特徴もありますが、補正機能によって歪みや映り込みを修正を行うことができる製品も多いです。

2. フラットベッド型

フラットベッド型は通常のスキャナと同様に本を伏せたままスキャンを行う形状のブックスキャナです。通常のスキャナと異なり、エッジ部分に工夫が施されたモデルが多く、見開き部分の歪みや影の映り込みを抑えるよう、本のスキャンに特化して設計されています。

ページを伏せる必要があるため、オーバーヘッド型に比べて本への負荷が大きく、また都度本を表に返してページをめくる必要があります。

ブックスキャナの種類

ブックスキャナには様々な製品があります。製品ごとに異なる機能が搭載されており、その具体的な例には下記のようなものがあります。

  • 本へのダメージを抑えるため、紫外線、赤外線フリーのLED光源を採用している
  • 本を開いた時に発生する中央の歪みを自動補正することができる
  • 綴じ部の影や原稿押さえの指跡を消去することができる
  • 自動めくり (自動的にページめくりを行ってスキャンを行う)
  • 小さな複数枚の原稿を、一度にまとめてスキャンし、自動的に切り抜く
  • 様々なクラウドサービスとの直接連携

また、ブックスキャナには、スキャナ部分だけでなく、出力部もシステムの一部としてパッケージングされているものもあります。このような場合の複合機は、コピーやFAX、ネットワークプリンタとしての利用などにも活用可能です。

RFIDリーダライタ

RFIDリーダライタとは

RFIDリーダライタとは、RFID (英:Radio-Frequency Identification) 技術によって情報を読み書きする装置です。

RFIDは無線周波数を利用して対象物を識別する技術です。主にタグとリーダーから構成され、タグには情報を記録したチップとアンテナが内蔵されています。リーダーは電磁波を発信し、タグがそれを受信して応答することで、太守物の識別や追跡が可能になります。

RFIDリーダライタは読み取り機能に加えて書き込み機能を有する点が特徴です。そのため、多岐にわたる業務や用途に対応することができます。製品の生産ラインで自動的にタグに情報を書き込んだり、物品の配送時に自動的にデータを更新したりすることができます。

RFIDリーダライタの使用用途

RFIDリーダライタは様々な用途で使用されます。以下はその一例です。

1. 製造業

RFIDリーダライタは製造ラインでの部品や製品の追跡に重要です。例えば、自動車製造ではエンジンや部品にRFIDタグを付け、組み立てラインをスムーズに管理します。リーダライタは各部品の情報を読み取り、生産の進捗をリアルタイムで把握することが可能です。

また、工場内の機器や工具の管理にもRFIDが利用されます。各資産にタグを取り付け、その使用状況やメンテナンス履歴を管理することで、効率的なリソースの利用とメンテナンスのスケジュール管理が可能になります。

2. 物流業

RFIDリーダライタは倉庫管理と在庫管理の効率化に不可欠です。タグ付けされた商品やパレットをスキャンし、在庫数と位置をリアルタイムで把握します。これにより、在庫不足や過剰在庫を最小限に抑え、正確な在庫レベルを維持することが可能です。

3. 小売業

小売業では店舗内の在庫管理が大きな課題ですが、RFIDリーダライタによって解決できる場合があります。タグ付けされた商品をリアルタイムで追跡し、在庫の再補充をタイムリーに行うことが可能です。また、販売フロアでの商品の移動や盗難防止にも役立ちます。

4. 医療

医療分野では、RFIDリーダライタが医薬品や医療機器の追跡に使用されます。特に、品質管理や偽造品の防止に重要です。タグ付けされた医薬品の使用状況や保管条件などを記録し、品質を保証することができます。

RFIDリーダライタの原理

RFIDは無線周波数を使ってデータを送受信する技術です。タグからデータを読み取る際は、発振した電磁波から応答された信号を読み取ります。逆に、データを書き込む際は、リーダライタからのコマンドをタグ内のメモリに書き込む仕組みです。

RFIDリーダライタはアンテナを有しており、 電波を送受信する役割を担います。タグとの間で情報のやり取りを行うため、アンテナはその接点として機能します。アンテナを内蔵している一体型の製品も多いです。

アンテナから送られてくる信号は、内部の制御ユニットでデータ処理を行います。タグからの情報を解析し、必要に応じて上位システムに送信する役割を有する部分です。

タグから読み取ったデータは、インターフェースを介して外部システムやコンピュータへ通信されます。 一般的なインターフェースはEthernetやUSBまたはRS-232などのシリアル通信です。それぞれの使用状況に応じて選定されます。

RFIDリーダライタの選び方

RFIDリーダライタを選ぶ際は、以下を考慮することが重要です。

1. 通信プロトコル

RFIDリーダライタには様々なプロトコルが存在します。ISO18000-6CやISO14443などがその一例です。RFIDリーダライタがどのプロトコルをサポートしているかを確認し、使用するタグとの互換性を確保することが重要です。

2. 周波数帯

RFIDシステムは使用する周波数帯によって異なる特性を有します。低周波通信は125 kHzから134 kHzの範囲で動作し、近距離通信に向いています。超高周波などは860 MHzから960 MHzの範囲で動作し、遠距離からの通信が可能です。

3. 最大送信出力

RFIDリーダライタの最大送信出力は、通信範囲や信号の強さに直接影響します。一般的に送信出力が大きいほど通信距離が長くなりますが、使用する周波数帯や規制によって制限される場合もあります。遠距離通信が必要な場合は、送信出力の大きいモデルを選ぶ必要があります。