ブックスキャナとは
ブックスキャナとは、本を裁断することなくそのままスキャンすることができるスキャナです。
本や資料などをpdfなどの電子データとして保存することに使用されています。多くの製品ではスタンド型のオーバーヘッドと呼ばれる形状をしており、通常のスキャナと異なって本や資料を上向きにしたままスキャンすることができます。他方、省スペース化が必要なシーンなどでは、通常のスキャナと類似の形状であるフラットベッドスキャナと呼ばれる製品が使用されます。ブックスキャナは、通常のスキャナと異なり、本の厚みや本の背の部分の影や文字の歪みの処理に適応しているのが大きな特徴です。通常300dpi以上の高解像度に対応しています。
ブックスキャナの使用用途
1. 概要
ブックスキャナは、通常、資料や本を電子化する用途で使用されます。電子化によって既存の紙の書籍の保管よりも省スペース化を図ることができるため、
- 大きくかさばる書籍 (特に専門書や図録) のデータ化
- 書籍のポータブル化や断捨離のためのデータ化
などの用途に使用されます。また、OCR機能を合わせて使用することで、書籍の内容を電子データ上で検索することができるようになります。そのため、
- 書籍、書類中の記述の中から必要な情報を瞬時に探せるようにする
- 重要な箇所やコンテンツの切抜きを行う
- スキャンしたドキュメントを分類して整理する
などのデータ的処理を行えるようにすることが可能です。
2. 活用シーン
ブックスキャナは様々なシーンで活用されています。研究者の文献収集や学術論文執筆、ライター・レポーターなどでは、文献や資料のデジタル化、収集プロセスや整理の効率化に活用することが可能です。
ブックスキャナの原理
1. 概要
ブックスキャナには、主に上向きに本を開いて読み取る「オーバーヘッド型」と本を伏せてガラス台に乗せてスキャンする「フラットベッド型」があります。
読み取りセンサーには、主にCCDとCISの2種類がありますが、多くの製品で画質の良いCCDセンサーが使用されています。解像度は、300dpi〜600dpiの場合が多く、文書だけのスキャンであれば300dpiで十分であり、図表がある場合も600dpiであれば綺麗にスキャンすることが可能です。大きさはA4見開きをスキャンすることが可能である、A3型の製品が多いです。
2. オーバーヘッド型
オーバーヘッド型は、デスクライトのような形状をしているブックスキャナです。本を真上から見開きの状態でスキャンできます。
見開き部分に生じる歪みや、本を抑えたときの指などが映り込みやすいという特徴もありますが、補正機能によって歪みや映り込みを修正を行うことができる製品も多いです。
2. フラットベッド型
フラットベッド型は通常のスキャナと同様に本を伏せたままスキャンを行う形状のブックスキャナです。通常のスキャナと異なり、エッジ部分に工夫が施されたモデルが多く、見開き部分の歪みや影の映り込みを抑えるよう、本のスキャンに特化して設計されています。
ページを伏せる必要があるため、オーバーヘッド型に比べて本への負荷が大きく、また都度本を表に返してページをめくる必要があります。
ブックスキャナの種類
ブックスキャナには様々な製品があります。製品ごとに異なる機能が搭載されており、その具体的な例には下記のようなものがあります。
- 本へのダメージを抑えるため、紫外線、赤外線フリーのLED光源を採用している
- 本を開いた時に発生する中央の歪みを自動補正することができる
- 綴じ部の影や原稿押さえの指跡を消去することができる
- 自動めくり (自動的にページめくりを行ってスキャンを行う)
- 小さな複数枚の原稿を、一度にまとめてスキャンし、自動的に切り抜く
- 様々なクラウドサービスとの直接連携
また、ブックスキャナには、スキャナ部分だけでなく、出力部もシステムの一部としてパッケージングされているものもあります。このような場合の複合機は、コピーやFAX、ネットワークプリンタとしての利用などにも活用可能です。