配線カバー

配線カバーとは

配線カバーとは、配線ケーブルを保護・整理し、安全性を向上させるためのカバーです。

電源ケーブルや通信ケーブル、電線などの配線は、家庭を始め、オフィス、工場、医療現場、屋外施設など様々な場所で使用されています。配線カバーの設置により、配線を外部からの衝撃や摩擦、ほこり、水、油、薬品などから保護し、断線や劣化を防ぐことが可能です。また、むき出しの配線による感電・ショート・火災などの事故を防止し、床の配線による転倒リスクを軽減するなど安全性向上の役割もあります。

配線カバーは、床や壁に配線を固定する時に用いられるモールや、産業機械・産業ロボットなどの可動部に用いられるケーブルベアなど様々な種類があり、用途に適した耐性のあるものを設置します。

配線カバーの使用用途

配線カバーは様々な場面で使用されています。以下はその使用用途の一例です。

1. 工場 (産業機械・産業ロボット)

工場では、産業機械や産業ロボットの配線を粉塵・油・熱などから守るために、配線カバーを使用することがあります。床面への固定部分の配線カバーには、アルミやステンレスなどの耐久性が高い金属製のものが使われます。

産業機械や産業ロボットの可動部には、ケーブルベア若しくはケーブルキャリアと呼ばれる配線カバーを用いて、可動部に沿った配線のスムーズな移動を可能にし、配線の摩耗や断線を防止しています。溶接ロボットや塗装ロボットの配線カバーは、耐熱・耐薬品性を備えています。

2. オフィス・家庭

オフィスや家庭においては、デスク周りに配線カバーが使用されることがあります。LANケーブルや電源ケーブルなどの配線をまとめ、床やデスク周りを整理し、配線に足を引っ掛ける事故や、配線の断線を防いでいます。軽量で安価な樹脂製のモールが一般的に使用されます。

3. 施設

商業施設や展示会場では、大型モニターやデジタルサイネージなどの様々な機器の配線を、目立たせず来場者の安全を確保するために配線カバーを使用することがあります。樹脂製のモールがよく使用され、粘着テープにより壁面や床面に固定して使うことが多いです。

らせん階段

らせん階段とは

らせん階段とは、中心の柱を軸に螺旋状に回りながら昇降する階段のことです。

らせん階段は、曲線が美しくインテリアとしても映えるなどデザイン性が高く、手すりが柵状のものが多く光を遮らずに明るい空間を演出することが可能です。モダンなデザインからクラシックなデザインまで、様々なスタイルに合わせることができます。また、一般的な階段と比較して設置に必要な床面積が少なくて済むため、狭小住宅やマンションなど、スペースが限られた場所でも設置が可能です。

この様なデザイン性・省スペース性をもつらせん階段は屋外階段の用途もあり、おしゃれな外観を求めるマンションや施設の非常用階段として設置されています。

一方、省スペースに特化したらせん階段の場合、踏み板が三角形に近い形状になり転倒しやすいことや、大きな荷物を持って上り下りするのが難しいことや、屋内に設置する場合は、吹き抜け構造をとることが多いため、冷暖房効率が悪くなるデメリットもあります。

らせん階段の使用用途

らせん階段は、様々な場所に設置されています。以下はその使用用途の一例です。

1. 住宅

らせん階段は、デザイン性の高さが好まれ、戸建て住宅に設置されることがあります。手すりが柵状のらせん階段部分を吹き抜けにすれば、高窓などからの光を一階部分へ採り込み明るく開放的な空間が得られます。省スペースで設置可能ならせん階段は、特に狭小住宅などでの設置例が多くあります。

また、限られたスペースに設置可能でデザイン性や防犯性に優れることから、マンションの屋外階段としてらせん階段を設置した例もあります。

2. 商業施設・公共施設

レストランやカフェなどでは、らせん階段を設置することにより、デザイン性を活かしインテリア要素として空間を広く見せつつ、フロア間をスムーズに移動できるようにしています。

オフィスや美術館・図書館などでも、省スペース性及び採光性などの機能性とデザイン性の高さから、らせん階段の設置例があります。

3. 工場・倉庫・タワー施設

工場・倉庫・タワー施設などでは、屋外の非常用階段としてらせん階段が設置されることも多く、避難経路として有効です。また、作業員が昇降するための補助階段として使用されたり、煙突や給水塔などの設備点検用の階段として採用されることもあります。

非常食

非常食とは

非常食とは、災害時や非常時に備えて家庭や職場、施設、自治体などで備蓄される食品です。

非常食には、長期保存・簡便性・栄養バランス・省スペースが求められます。真空技術や殺菌技術などが進み非常食の品質が維持され、一般的には5年程度、長いものでは25年程度常温で保存可能です。近年は、日常的に消費しながら備蓄するローリングストックが浸透し、防災意識を高めながら非常食の鮮度を維持できる利点が注目されています。

非常食には、調理済みの缶詰や簡単に食べられる米や麺類、パンがあります。栄養バランスを考慮したものや高齢者対応のもの、離乳食や介護食など様々な食品があり、味の工夫もされています。

非常食の使用用途

非常食は様々な場所で備蓄されています。ここでは、企業、施設、自治体などの公共施設における非常食の使用用途について紹介します。

1. 企業

企業では、災害時に従業員が会社に留まる可能性を考え、非常食を備蓄しています。また従業員だけでなく、近隣住民や帰宅困難者にも対応可能な量の非常食を確保する企業もあります。

会社内の防災訓練で非常食の試食や配布を行ったり、賞味期限の近い非常食を置き食することで、非常食の味を体験し防災意識を高めながら、ローリングストックを実施している会社もあります。

2. 医療・高齢者福祉施設

医療・高齢者福祉施設では、患者や高齢者向けにやわらかい食品や疾病対応の専用の非常食の備蓄が重要です。患者や高齢者、介護を受けている人の中には、咀嚼・嚥下困難な人も多く、おかゆや流動食タイプの非常食がよく利用されています。また、疾病・既往歴に応じて、減塩や低カロリー、高タンパク、アレルギー対応などの非常食の用意が必要です。

医療・高齢者福祉施設においても、日常の食事に非常食をアレンジして取り入れており、ローリングストックが意識されています。

3. 自治体

自治体では、災害時に避難所となる学校・公共施設や災害備蓄倉庫などで非常食を保管しています。アルファ米、クラッカー、レトルト食品、幼児用粉ミルクなどに加え、アレルギー対応食品も備蓄することにより、食の安全を確保しています。また、高齢者や咀嚼・嚥下困難な人向けにおかゆや流動食タイプの非常食も備えるなど、様々な住民に対応可能な自治体も増えています。

レーザークリーニング

レーザークリーニングとは

レーザークリーニングとは、対象物表面の錆や塗料、汚れ、酸化層などの不純物をレーザー光で除去することです。

レーザークリーニングは短パルスレーザーを用いて、照射エネルギーによる蒸発や発生したプラズマの衝撃で不純物を剥離させ、対象物に直接触れることなくクリーニングを行います。非接触のため機械的な摩耗部品が少なく、レーザークリーニングは定期的なメンテナンスが容易です。

レーザークリーニングは、レーザーの出力や照射時間を最適化することにより、対象物の素材を損傷させずに、不純物のみを除去することを可能にします。また、化学薬品や溶剤を使用しないため有害物が発生しません。作業者の安全が保たれることに加え、環境への負荷が少ないことが特徴です。

レーザークリーニングは、金属や石材、セラミックス、ガラスなど幅広い素材に適用でき、錆や塗膜、汚れ、焦げ付きなど様々な不純物を除去することが可能です。工業、建築、自動車、航空、医療、文化財修復など、レーザークリーニングは多くの分野で欠かせない技術となっています。

レーザークリーニングの使用用途

以下に、レーザークリーニングの主な使用用途の一例を挙げます。

1. 金属表面の錆・腐食除去

レーザークリーニングによって車両部品や工場設備の金属表面から、錆や腐食部分を除去します。鉄鋼製品やアルミニウム部品の下地処理に有効です。

2. 塗膜やコーティングの除去

レーザークリーニングによって金属部品や機械装置から、塗膜やコーティングを除去します。航空機や自動車部品のリペアやリサイクル、溶接前の下地処理に有効です。

3. 汚染物質の除去

半導体製造分野などで、精密部品やウェハー表面の汚染物質をレーザークリーニングで除去し、高い清浄度を確保します。

また、船体や飛行機部品の表面塗料や汚れ、塩分残留物を除去するのにも使われます。これにより、メンテナンスを効率化することが可能です。

4. 文化財の修復

貴重な遺物や彫刻、歴史的建造物の汚れや劣化した塗料を、基材を損傷させずに除去します。特に、石材や金属製の文化財の修復や洗浄に有効です。

医薬品在庫管理システム

監修:株式会社サザンウィッシュ

医薬品在庫管理システムとは

医薬品在庫管理システムとは、医療機関や薬局などで医薬品の在庫を適切に管理するためのシステムです。

リアルタイムで発注や入出庫管理、在庫分析などを行うための機能が標準的に備わっています。

更に、定点発注(在庫数が一定数を下回った分を自動発注する機能)および最適な発注量を算出する発注業務の補完機能や、医薬品の使用期限管理、トレーサビリティの確保など、万が一問題が発生した場合に迅速な対応を可能とする高度な機能を備えたシステムもあります。

医薬品在庫管理システムの導入により、医薬品の法規制対応や患者への安定供給がスムーズに行えるなど、医薬品の管理がより効率化され、患者への安全な医薬品供給に貢献します。

医薬品在庫管理システムの使用用途

以下に、医薬品在庫管理システムの主な使用用途の一例を記載します。

1. 医療機関 (病院・クリニックなど)

病院では、病棟や診療科、調剤薬局など様々な科で医薬品を管理する必要があります。医薬品在庫管理システムを導入することで、病院内の医薬品の在庫や使用期限を一元管理でき、在庫のリアルタイム検索や棚卸が容易になるなど業務効率が上がっています。また、患者ごとのトレーサビリティにも対応でき、医療過誤の防止に繋がります。

医薬品在庫管理システムには、スキャン入出庫に対応するものや、医薬品以外の消耗品などの管理、自動発注対応、薬品マスタに対応するタイプなど様々な種類があります。

2. 調剤薬局

調剤薬局においても、医薬品在庫管理システムの導入により、適正在庫の維持及び不動在庫の融通によるコスト削減効果や、在庫管理の効率化により、医薬品のコスト削減に繋がります。また、医薬品の使用期限管理を行い、適切な在庫ローテーションが実現しています。処方情報を在庫状況に反映できる、電子薬歴とレセコンの機能を一体化したタイプもあり、リアルタイムの在庫状況の把握も可能です。。

近年は、医薬品の需要予測を実績データに基づく統計予測やAI活用で行い、自動で医薬品を発注する機能が多く利用されています。

また、多店舗展開している調剤薬局では、本部で医薬品在庫を一元管理することで効率的に運用しているところも増えています。

本記事は医薬品在庫管理システムを製造・販売する株式会社サザンウィッシュ様に監修を頂きました。

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ティーバッグ製造機

ティーバッグ製造機とは

ティーバッグ製造機とは、茶葉やだし、漢方薬などを定量でフィルターバッグに充填し、ティーバッグを自動的に製造する機械です。

ティーバッグ製造機は自動化により製茶、食品加工、漢方薬など大量生産が可能で、手作業より生産効率が向上しコストを削減することができます。計量及び充填は精密に制御され、密閉された製造ラインで加工されるため、異物混入のリスクが少なく衛生管理が容易です。ティーバッグ製造機を使用することにより、高品質のティーバッグを大量生産することができ、ブランド価値の維持に繋がります。

ティーバッグ製造機の種類は、高速で大量向きのものや多品種少量向きの製造機、比重や粒度の異なる原料を定量で充填可能な二種混合ティーバッグ製造機などがあります。製造する際は、ティーバッグの内容物に適した、ティーバッグの形状や素材を選択することが大切です。ティーバッグの形状は、平形やピラミッド型 (テトラ型) 、糸・ラベル付きのものなどがあります。また、素材は紙、不織布、ナイロン、PLA (植物由来フィルム) 、環境配慮型の素材など多岐にわたります。ティーバッグ製造機には、オプション機能で個包装や窒素充填が出来るものもあります。

ティーバッグ製造機の使用用途

ティーバッグの製造については、自社で製造することもあれば、ティーバッグ製造機を持つ会社がティーバッグをOEM供給する場合も多くあります。以下に、ティーバッグ製造機の使用用途の一例を記載します。

1. 製茶

紅茶・緑茶・ハーブティーなどの茶葉を充填し、大量にティーバッグを生産する際に使われます。近年簡便商品市場は成長しており、多様なフレーバーティーやハーブティーのニーズも増加しています。特に、様々な茶葉に対応可能で内容積の大きい三角ティーバッグは、多く製造されています。

2. 食品・機能性表示食品

ティーバッグ製造機は、だしパックを製造する際も使用されます。様々なだし素材をブレンドしただしパックを受託製造する会社もあります。

また、比重や粒度の異なる各原料を定量で充填可能な二種混合ティーバッグ製造機は、機能性表示食品の製造にも使われます。緑茶やハーブティーの茶葉に、機能性のあるエキス粉末を加えたティーバッグの製造では、網目の細かい不織布フィルターを用いてエキス粉末がこぼれない仕様にしています。

3. 漢方薬

煎じ漢方薬の小分け用としても、ティーバッグ製造機をアレンジした小型の機械が使用されています。処方の生薬を均等に混合し、分包できる様になっています。

試作板金サービス

監修:時吉工業株式会社

試作板金サービスとは

試作板金サービスとは、板金加工が必要な製品の開発時などに利用され、主に精密板金で加工を行うサービスです。

板金加工には、比較的厚い金属板の加工を行う工場板金や、薄い金属板を精密に加工する精密板金、手作業で行う手板金などがあります。

少量から対応可能で、量産に入る前の形状・機能の確認用途の試作でよく利用されることから試作板金と呼ばれます。

試作板金サービスは、少量から短納期で精密かつ複雑な板金加工の提供が特徴です。試作板金は、切断、成形、曲げ、溶接の技術の組み合わせで、複雑な機構部品や筐体、外装部品などを製作し、様々な製品の開発に欠かせない技術です。

試作板金サービスの使用用途

試作板金サービスは様々な場面で使用されています。以下はその使用用途の一例です。

1. 試作品の製作

試作板金サービスは、製品開発初期段階において、形状や寸法、機能、組み立て性、デザインなどの確認用の試作品を製作する際に利用されています。試作加工するものとしては、スマートフォン、通信機器、コンピュータなどの電子機器や医療機器、自動車・宇宙機器・産業機械の部品など様々な種類があります。

2. 少量生産

新製品のテストマーケティングや特注品、限定モデルなどの少量生産にも適しています。

3. 治具・工具の製作

製造現場で使用する特定用途の治具や工具をカスタム製作する際にもよく利用されます。

4. 展示会用モデル

製品を発表するためのデモンストレーションモデルや、展示会用のモックアップの作成も可能です。

5. 試験・評価用部品

強度試験や性能評価のために、材料などの条件を変えながら部品を試作する際も利用されています。

試作板金サービスの原理

試作板金サービスは、お客様のアイデアや設計図に基づいて、金属板を加工し、試作品を製作するサービスです。製品の量産前に、形状や機能を確認したり、デザインを検証したりするために利用されます。

少量から短納期で精密かつ複雑な板金加工の提供が特徴です。

試作することで、製品に求められる強度、耐食性、加工性などを考慮した素材の選択や、形状や機能の微調整を行うことができます。またプロトタイプで機能性を確認することで、製品化におけるリスクを低減できます。

また、コストや生産期間などを見極める上で重要な工程です。

試作板金サービスの種類

試作板金は、薄い金属板を切断、成形、曲げ、溶接の技術を組み合わせて部品を製作します。以下に、試作板金サービスの主な種類を記載します。

1. レーザー加工

レーザー加工機は、金属板にレーザー光を照射することで、複雑な形状に加工することができ、設計通りの形状に高精度に比較的短時間で切り出します。

2. パンチング加工

タレパンと略されるタレットパンチプレスを用いて、穴あけや切り抜き加工を行います。金属板に複数の穴や模様を施すこともできます。また、レーザー加工機とタレットパンチプレスを複合した機械もあります。

3. 絞り加工

金型を使用せずに複数の治具を組み合わせることにより、絞り加工を行うことが可能な試作板金サービスもあります。

4. 曲げ加工

プレスブレーキ (ベンディングマシーン) を用いて、金属板に圧力をかけ所定の角度や形状に曲げます。フレームや筐体などの試作ができます。

5. 溶接

溶接は、接合したい金属の一部分だけを加熱や加圧で溶かした後に冷やし固め、一つに接合する技術です。アーク溶接、スポット溶接、レーザー溶接などがあります。機械部品や金属筐体の試作などで、強度を必要とする部品や複雑な形状の組み立てに使用します。

6. 表面処理

耐腐食性や外観を向上させるために、アルマイト処理、メッキ、塗装、研磨などを施します。

試作板金サービスの選び方 

量産に入る前の機能チェックや、製造コスト、生産期間などの策定に関わるため、試作板金サービスは慎重に選びことが重要です、以下に選び方の主な観点を記載します。

1. 加工精度

求める加工精度に合わせ、対応できる加工設備と技術を持つサービス業者を選びます。機能確認の為の試作や特注品の少量生産など、高精度が必要とされる場合が多いです。

2. 対応素材

使用する金属 (アルミニウム、ステンレス、鉄、チタンなど) に適した技術を持つサービス業者を選択します。板金の材料の在庫を持ち、短納期に対応可能なサービス業者もいます。

3. 納期

試作板金は開発スピードに影響するため、見積りから納入まで短納期で対応できるサービス業者が望ましいです。納期を短縮するための設計変更などを提案可能な、経験豊富なサービス業者を選択することも大切です。

4. コスト管理

加工コストを抑えつつ、必要な精度内で形状や公差の変更を提案してくれるサービス業者も増えています。コストを抑えるためには、必要な加工の種類を明確にすることも大事です。

5. 追加サービス

表面処理や組み立てなどの付加サービスが必要な場合、一貫して対応可能なサービス業者を選択すれば短納期を可能にします。

6. 試作から量産までの対応

試作だけでなく、量産対応まで考慮した技術提案可能なサービス業者を選ぶと、製品化への移行がスムーズになります。

本記事は試作板金を提供する時吉工業株式会社様に監修を頂きました。

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粘着マット

監修:株式会社エクシール

粘着マットとは

粘着マットとは、靴底や台車の車輪などの汚れや塵、埃、微粒子を取り除くマットです。

粘着マットは、医薬製造や半導体製造、食品工場、医療施設など、汚染を防ぐ必要がある様々な環境に設置されています。粘着マット表面の粘着面が、通過する人や物の汚れをくっつける仕組みです。

粘着マットには大きく2つのタイプがあり、多層になっているシートを汚れたら1枚ずつめくって捨てるディスポーザブルタイプと、汚れたら洗浄して再利用するタイプです。

ディスポーザブルタイプは、高頻度の汚れ除去が必要な現場で、マットの交換作業を簡便にしたい場合に向いています。

再利用するタイプは、繰り返し使用でき環境に優しいマットです。初期費用はディスポーザブルタイプより高いですが、長く使用することによりコストを削減することができます。

粘着マットの使用用途

粘着マットは様々な場所で、塵や埃などを持ち込まないようにするために使用されています。以下に一例を記載します。

1. エアーシャワー室

食品工場や医薬品製造、半導体製造、電子部品工場などのクリーンルーム出入り口にあるエアーシャワー室内

2. 食品工場

食品製造エリアやパッケージラインの出入り口、工程間のエリア分けに

3. 塗装・印刷エリア

塗装や印刷工程ラインの出入り口

4. 医療施設

病院や研究施設などの出入り口

5. 環境を整えたい一般の工場や建設現場・リフォーム現場

その他工場やリフォーム作業、新築現場などの出入り口

粘着マットの構造

以下に、粘着マットの構造を記載します。

1. ディスポーザブルタイプ

粘着多層シート : 粘着マットは粘着剤がコーティングされたシートが多層になっており、汚れたシートを剥がすことで新しい清潔なシートが現れます。粘着剤は、人が通過する際に靴底のほこりや汚れをくっつけます。シートを剥がすにつれて粘着マットの高さが低くなります。

基材 : 粘着マットのベース部分は、薄いポリエチレンやポリプロピレンなどの樹脂でできています。

防滑加工 : マット自体が動かないようにするため、マットの裏面には防滑加工や粘着加工が施されたものもあります。

2. 再利用タイプ

マット表面の粘着層 : 粘着マットの表面は特殊な粘着層になっており、靴底や車輪から汚れをくっつけます。粘着層は、水や専用洗剤で洗浄することで汚れが落ち、粘着性が回復するため繰り返し使用が可能です。

耐久性の高い基材 : マット自体は特殊なポリウレタン素材などで作られています。

防滑加工 : マットの裏面に防滑加工や粘着加工が施されています。

粘着マットの種類

以下に、粘着マットの主な種類を記載します。

1. スタンダードマット

一般的な粘着マットで、多くの用途に適用可能で、靴底の汚れ除去に使用されます。

2. 強粘着マット

強い粘着力を持ち、ほこりをしっかり吸着します。しっかりほこりを取りたい、高いクリーン度を求められる場所に適していますが、粘着力が強いため、転倒リスクが高くなります。

3. 弱粘着マット

粘着力は低めで転倒リスクが減るため、普段粘着マットを通過しない人も通る環境などに適しています

4. 抗菌・防カビマット

粘着層に抗菌・防カビ剤が含まれており、細菌や微生物の繁殖を防ぎます。食品工場や植物工場などに適しています。

5. 帯電防止マット

粘着層に帯電防止剤が含まれており静電気を防ぐため、電子部品工場などに向いています。

粘着マットの選び方

以下に、粘着マットの選び方の主な観点を記載します。

1. 粘着マットのタイプ

ディスポーザブルタイプ :  ディスポーザブルタイプのメリットは、シートを剥がすだけで清潔な状態を維持でき、短期間で高頻度の汚れ除去が必要な現場や交換作業を簡便にしたい場合に向いています。また、シートに番号が振られ、残りのシート枚数が分かり管理がしやすい商品もあります。

デメリットは、廃棄物が発生し、長期間の使用ではコストがかさむことです。シート数が多く長期間使用できるものもありますので、初期費用だけでなくランニングコストも考慮して選びましょう。また、剥がすことを目的に作られたシートのため、車両が通るとシートが剥がれてタイヤに巻き込む恐れがあります。他にも剥がす際の汚れの飛散リスクなどがあります。

再利用タイプ : 再利用タイプは、洗浄により繰り返し使用できるため環境に優しく、初期コストが高いものの、繰り返しの使用で長期的なコスト削減が可能です。主に固定的な場所での使用に向いています。また、フォークリフトや重量台車などのタイヤ汚れに対応しているものもあります。

デメリットは、洗浄の手間がかかることです。頻繁に洗浄が必要な場合は、近くに清掃道具を用意するなどして環境を整えておくと良いです。

2. 使用環境

目標のクリーン度や使用環境に応じたマットを選びます。
また、車両が通過することを想定する場合、ディスポーザブルタイプはタイヤに巻き込むリスクがあるため、再利用タイプが適しています。

3. サイズ

設置場所の広さや通過する人・物の頻度に合わせて適切なサイズを選びます。車両が通ることが想定される場合は、対応しているマットとサイズを選定する必要があります。

本記事は粘着マットを製造・販売する株式会社エクシール様に監修を頂きました。

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PEEKフィルム

監修:株式会社旭ポリスライダー

PEEKフィルムとは

PEEKフィルム (ポリエーテルエーテルケトン、英: Poly Ether Ether Ketone) とは、PEEK樹脂を原材料とする薄膜素材です。

スーパーエンプラに分類されるPEEK樹脂の性質を持つPEEKフィルムは、耐熱性、耐化学性、機械的強度、電気絶縁性など多くの優れた特性を備えます。また、接着や熱圧着、コーティング、表面処理、ダイカットなど様々な二次加工も可能で、設計・加工の自由度をもたらします。

PEEKフィルムは、電子機器、半導体、航空宇宙、自動車、医療、工業など幅広い分野で使用され、耐久性・軽量化など製品性能の向上にはなくてはならない熱可塑性フィルムです。

PEEKフィルムの使用用途

PEEKフィルムの主な使用用途を紹介します。

1. 電子機器および半導体

ガスケットやフレキシブルプリント基板などの電気絶縁用途として用いられます。クリーンルーム環境下での半導体製造工程におけるウェハーキャリアや、ウェハー搬送テープにも適しています。

2. 航空宇宙産業

航空機のエンジン用断熱遮音ブランケットや電気絶縁用途として使用され、機体の軽量化及び燃費向上の効果があります。

3. 自動車産業

自動車の高温部品の耐熱マスキングや電気絶縁用途として活用されます。高温下での安定性が求められるエンジンやモーター、バッテリーなどに適しています。

4. 医療分野・食品

生体適合性や滅菌処理が必要な医療機器部材や医療用ラベル、センサーの保護を目的として使用されます。また、飲食品の加工装置や包装材料にも使われています。

5. 工業分野

化学薬品や溶剤に対する耐性が必要な、過酷な環境でのライニングや保護フィルムとして使用されています。銅線の電気絶縁被覆や、圧力センサーや熱交換器の部材などにも適しています。

6. 印刷やラミネート

高い寸法安定性や耐熱性が求められる高性能ラベル印刷や、ラミネート加工に使われています。

7. スピーカー

携帯電話のスピーカー用の振動膜として使用され、優れた音響性能を発揮します。

PEEKフィルムの性質

PEEKは、エーテル基とケトン基で結合した高い結晶性を持つ熱可塑性樹脂です。PEEKフィルムの優れた特性は、原材料であるPEEK樹脂の性質に由来しています。以下に、PEEKフィルムの主な性質を記載します。

1. 耐熱性

PEEKフィルムの性能が維持できる連続使用温度は、電気的用途が約200℃、機械的用途が約220℃です。高温環境でも形状や特性を維持します。また、熱水及びスチームにも耐性があり、高圧蒸気滅菌も可能です。

2. 機械的強度

高い結晶性により、引張強度や耐摩耗性、耐衝撃性が優れており、負担がかかる環境でも長期間使用できます。

3. 低吸水率

低吸水率であり温度変化や応力に対しても収縮や変形が少なく、安定した電気特性及び寸法特性があります。

4. 化学的耐性

酸、アルカリ、溶剤、油などの化学物質に対し高温下でも耐性があり、腐食に強いです。耐薬品性が求められる医療機器にも使用できます。但し、濃硫酸は溶解するため注意が必要です。

5. 電気絶縁性

優れた絶縁特性を持ち、高電圧や高周波環境での使用に適しています。

6. 低毒性

低ガス放出性・低抽出性であり、難燃性にも優れているため、燃焼時に煙や有毒ガスの発生が極めて少ないです。そのため、鉛フリーはんだ工程で使用でき、リサイクルも可能です。

7. 加工性

軽量かつ柔軟性があり、ダイカットやサーモフォーミングが容易で、多様な用途に対応します。

PEEKフィルムの種類 

以下に、PEEKフィルムの主な種類を記載します。

1. 結晶性PEEKフィルム

一般的なPEEKフィルムで、耐熱性や機械的強度、電気絶縁性における標準的な性能をもち、電気絶縁材、機械部品の保護フィルムなどの用途があります。

2. 非晶性PEEKフィルム

非晶性PEEKフィルムは、約400℃の溶融押出法で押し出された溶融フィルムを、約100℃の表面温度の冷却ロールで急冷することで作られます。ガラス転移温度である143℃ 以上の温度で結晶性フィルムになるため、非晶性PEEKフィルムはサーモフォーミングを行いたい用途に適しています。

本記事はPEEKフィルムを製造・販売する株式会社旭ポリスライダー様に監修を頂きました。

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クッション封筒

監修:株式会社ユニオンキャップ

クッション封筒とは

クッション封筒とは、内側にエアクッションなどの緩衝材が付いた封筒です。

壊れやすい小型商品や精密機器、書類などを郵送する際は、一般的に内容物を緩衝材で梱包することにより安全に郵送できます。クッション封筒は、内側の緩衝材が衝撃や振動から中身を保護するように設計されており、壊れやすいものや傷つきやすいものを封筒に入れるだけで安全に郵送することが可能です。

クッション封筒には、エアクッション封筒を始め、防水性の優れた全てプラスチック製のもの、環境に配慮した紙製のものなど様々な封筒があります。近年は、封緘・開封作業の容易なものや、封筒と緩衝材が簡単に分別しやすく環境に配慮したものなど工夫がなされた商品が増え、使用場面が広がっています。

クッション封筒の使用用途

以下に、クッション封筒の使用用途の一例を記載します。

・本、CD、DVD、精密機器など小型の壊れやすい商品が破損しないように保護・郵送

・ガラス製品、時計、ジュエリー、化粧品などの繊細な小物類が破損や液漏れしないように保護・郵送

・重要な契約書や証書などを傷や折り目が付かないように保護・郵送

クッション封筒の種類

以下に、クッション封筒の主な種類を記載します。

1. エアクッション封筒

外側が紙製で、内側にエアクッションが付いた封筒で、クッション性が高く軽量です。衝撃吸収性に優れているため、壊れやすい商品の郵送に適しています。

2. フォームクッション封筒

外側が紙製で内側に柔らかな発泡フォームが貼られた封筒です。内表面が滑らかで耐久性があります。電子機器や部品など傷がつきやすい商品の郵送に適しています。

3. クラフト紙クッション封筒

外側がクラフト紙で、内側にエアクッションやフォームクッションがある封筒です。耐久性が高く、封筒が破れにくいため、比較的重い商品の郵送にも使用されます。

4. プラスチック製クッション封筒

全てプラスチック素材で作られており、防水性や耐久性が高いことが特徴です。エアクッションが内蔵されており、雨や湿気が気になる場合に適しています。

5. 紙素材のエコクッション封筒

全て環境に配慮した紙素材で作られており、内側クッション部分もリサイクル可能な紙や片面ダンボールで構成されたエコ封筒です。また、一般的な厚みのエアクッション封筒よりも薄く、保管スペースを取らない利点があります。

クッション封筒の選び方 

1. サイズ

封筒の中に入れる内容物のサイズに適した内寸の封筒を選ぶことが大切です。大きすぎる封筒だと中で動いてしまい、ぴったりすぎると破れやすくなったり入れにくかったりします。また、厚みのある内容物を入れる場合は、マチ付きの封筒が向いています。

封筒を郵送する場合は、利用する配送会社により料金体系が異なるため、クッション封筒の外寸を確認することも必要です。

2. 緩衝性の必要レベル

内容物の緩衝性の必要レベルに応じて、クッション素材を選択します。一般的には、エアクッションや片面段ボールなどはクッション性が高いですが、多少の緩衝性でよい場合はフォームクッションでも問題ありません。

3. 防水性

天候が気になる場合や、書類や電子機器などを郵送する場合は、防水加工やラミネート加工が施された封筒やプラスチック製クッション封筒を選ぶと安心です。

4. 環境への配慮

紙素材のエコクッション封筒やリサイクル可能な素材で作られた封筒を選ぶことにより、環境に配慮できます。近年は封筒と緩衝材が簡単に分別しやすい製品が増えてきており、リサイクルが容易にできる仕様になっています。

5. 封止機能

多くのクッション封筒はシール付きで簡単に封ができるため、封緘作業をスムーズに行えます。また、開封テープが付いたタイプのものは、開封作業も簡単に行うことができます。

6. ケアマーク

割れ物や水濡れ、取り扱い注意などのケアマークが付いたクッション封筒もあります。デリケートなものを頻繁に郵送する場合には、ケアマークが予め印刷されていると便利です。

本記事はクッション封筒を製造・販売する株式会社ユニオンキャップ様に監修を頂きました。

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