チェーンソー

チェーンソーとはチェーンソー

チェーンソーとは、主に木材を切断するのに使用し、両手で持ってあつかうことができる大きさの機械です。

主な用途は、適当な大きさに対象物を切断することです。チェーンソーの刃 (ソーチェーン) は、鎖のように連なっており、輪の外側に鋭利な刃がついています。高速で回転する刃は、ノコギリのような工具を使うより、効率的に対象物を切断することができます。

チェーンソーは誰でも使用できますが、むき出しの刃はとても危険です。使用する際は、安全面にしっかり配慮します。

チェーンソーの使用用途

チェーンソーは、DIYだと木材の切断や庭の木の枝打ち・薪づくりなどに使用されています。専門的な分野では、山林業や製材業、造園業、農業、土木関連の仕事などで使用される場合が多いです。

木を切る道具には、ノコギリや斧、鉈 (なた) などがありますが、人力で作業するため、大変時間がかかります。それに比べてチェーンソーは、高速で刃を回転させる機械なので、格段に容易に木材を切断可能で、短い時間で多くの木を切ることができます。

チェーンソーの原理

鎖状に連なった刃を高速回転させて、木材を切断します。動力が内蔵されている本体に、ガイドバーと呼ばれる細長いプレートがついており、そのガイドバーにチェーン (ソーチェン) が巻きつけてあります。チェーンを高速回転させ、木材を削るように切っていきます。

動力は、エンジン式、充電式、電源式とあり、それぞれにパワーや使い勝手の違いがあります。刃が剥き出しになっており高速で回転するので、使い方や選び方に誤りがあると大変危険です。

チェーンソーの選び方

チェーンソーは、作業の目的や作業環境にあったものを選択します。目的に合ったものを選ぶことによって、作業効率の向上、安全性の向上につながります。チェーンソーを選ぶ際に考慮するべき点は、いかのとおりです。

1. 動力源

エンジン式
燃料を使ってエンジンを稼働させて使用します。燃料はガソリンにエンジンオイルを混ぜた混合燃料です。パワフルでスピーディーな切断ができます。電源コードがないので、どこでも使用でき、燃料を補給することで長時間の作業が可能です。しかし、エンジンが重い点がデメリットとして挙げられます。

充電式
充電バッテリーを動力源としています。電源コードがないので、どこでも使用可能です。エンジン式よりも軽量で、低振動、低騒音で扱いやすいですが、パワーの面ではエンジン式よりも劣ります。充電がなくなると使用できません。

電源式
電源コードを使って動力を供給します。動力源が切れる心配がありませんが、使用場所が限定されます。バッテリーやエンジンが無いので、同クラスのもので比較すると軽量です。パワーはエンジン式よりも劣ります。

2. 排気量と電圧

エンジン式は排気量、充電式は電圧を確認します。対象物の大きさに応じて決めます。排気量・電圧は、ガイドバーの長さと比例します。排気量・電圧が大きいほど切断力が強く、大きなサイズの対象を切断することが可能です。

3. ガイドバーの種類と仕様

ガイドバーとは、チェーンを巻きつけて回転するチェーンを支える部分です。ガイドバーの長さは、切断する木材の大きさよりもワンサイズ長いものを選ぶことによって、負荷を軽減し安全な切断が可能となります。

なお、ガイドバーの形状は、用途と機能を考慮して選びます。

スプロケットノーズバー
スプロケットと呼ばれる歯車でチェーンを回転させることによって、高速で切断できますが、ガイドバーの耐久性が低めです。最も一般的なタイプで、ほどんどの用途に使用できます。

カービングバー
先端部が細い形状をしており、切断速度が遅いかわりに、キックバックが発生しにくくなっています。軽量なので、枝打ちなどの細かい作業に向いています。

ハードノーズバー
耐久性が高いガイドバーです。スプロケット (歯車) が無いため、切断スピードは遅めになっています。大径木の伐採などに向いています。

4. チェーンの種類と仕様

ほとんどのメーカーはアメリカのオレゴン製のチェーン (ソーチェン) を採用しています。チェーンには種類があり、目的に合ったものを使用します。

5. ハンドルの種類

トップハンドル型
本体上部にあるハンドルと側面を握るタイプです。軽量タイプに使用されます。枝打ちなどに向いています。

リアハンドル型
本体後方にハンドルと側面を握るタイプで、両手の間がトップハンドルよりも広くなり、安定感があります。

6. プロ用と一般DIY用

多くのメーカーではプロ用とDIY用のラインナップを揃えています。違いはスペックと耐久性です。本体の色を変えて、わかりやすくしているメーカーもあります。

チェーンソーのその他情報

1. チェーンソーの使い方

エンジン式のチェーンソーは、本体を地面に置いた状態で起動させます。左手でフロントハンドルを抑え、右足でリアハンドルの下を踏みます。右手は、スターターを引き、起動とともにリアハンドルへ移します。回転が安定したらチェーンソーは、両手で持ちあげます。そしてガイドバーの下側を押し当てることで対象物は、切断されます。

チェーンソーは、安全への配慮がとても重要な機械です。初めて作業する場合は、作業内容に応じた講習などを受けることをおすすめします。

2. チェーンソーを使用する際の注意点

また、使用時は以下について注意が必要です。

  • ソーチェーンの取り付けは、エンジンを停止させてから行います。
  • 事故につながる物や他の作業者がいない事を確認するなど、作業環境の整備が必要です。
  • 本体は必ず両手でもって使用します。
  • ガイドバーの上側が対象物に触れると、本体が跳ね返るキックバックが起こります。
  • 使用中は、ソーチェーン、ガイドバーに手や身体を近づけてはいけません。
  • 作業後のチェーンソー各部は、熱くなっているため、触れてはいけません。

タッパ

タッパとは

タッパは、鋼材などにネジ穴を加工するためのタップをつかみ、固定する機構をもつ工具です。

JIS C 9745-2-9では、めねじの切削を意図した手持ち形電動工具としてタッパが定義されています。よって、規格としてのタッパは手に持つことができ、電気を使用した工具のことを指します。

ただし、工作機に取りつけて加工を行うことを目的とするものや、手で回すハンドドリルタイプのもの、圧縮空気を使用して先端に取り付けたタップを回転させる工具なども含めて、広い範囲をタッパと呼ぶこともあります。タッパー、タップホルダなど多様な呼び方の揺らぎがありますが、タップを保持するアダプタがある点はすべてのタッパに共通しています。

タッパの使い方

使用するタップのシャンク部を、タッパの差込口に固定します。固定方法は各タッパにより異なりますが、手持ち電動工具としてのタッパはドリルチャックなどの取付方法があります。

よくあるドリルチャックの固定方法には、キー付きとキーなしがあります。キー付のドリルチャックでは、チャックハンドル(チャックキー)を3箇所ある側面の穴に差し込んだ状態で回転させ、チャック部分を開閉させます。開いた状態でタップのシャンク部を入れ、均等に3箇所の爪でチャックできるように、チャックハンドルを回転させて固定します。キーレスドリルチャックではチャックハンドルを使用せず、タップのシャンク部を挿入してからリングを回転させるだけで固定させることができます。

タップが固定できたら先に下穴を空けてあるネジ穴の加工予定位置に、タップ先端がまっすぐに当たるよう軽く押し付けてタッパを動作させると、ネジ穴を加工できます。必要以上に力強く押し付けるとネジ穴が潰れたり、タップが破損したりするため注意が必要です。

タッパの選び方

手持ち形電動タッパについて、選定の際に気を付けるべき点には、以下のようなものがあります。

  • タッピング能力
    各タッパで加工可能なネジ穴サイズは異なります。機械構造用炭素鋼 (S45C)へのネジ穴を加工することを想定した切削トルクなどから決まっています。加工したいネジサイズが対応しているかは必ず確認するようにしましょう。

また、タップ自体に被加工材によっては材質変更が必須となる場合があるのと同様に、タッパも推奨していない被加工材のある機種もあります。特殊な金属などへの加工を想定しているのであれば、購入前にメーカーへ問い合わせをしておきましょう。

  • 対応できるタップシャンク寸法
    タップを固定するためにシャンク部分の形状は重要になります。使用タップのシャンク寸法に対応しているタッパであることの確認は必須です。JIS規格でないタップを使用する場合は、特注の対応が必要になる場合もありますので特に注意してください。
  • 回転速度
    切削条件を確認し、許容される回転数のタッパであるかは確認しておきましょう。回転数は、切削速度とタップ形状から計算できます。これに比べて、切削速度は、被加工材によって、切削にある程度の目安が存在しています。アルミや鋳鉄、プラスチックなどよりもステンレス鋼の場合には、切削速度を遅くする必要があります。

つまり、特にステンレス鋼では、回転速度を遅くする必要が出てくるため、注意が必要です。回転速度の調整機構のあるタッパもありますので、不安であれば調整機構の有無を確認しておきましょう。

  • 下穴加工の有無
    ネジ穴の加工の前には下穴の加工が必須ですが、下穴の加工に対応していないタッパもあります。別途下穴用のドリルが用意できない場合は、下穴の加工に対応できるかという点も考慮するべきでしょう。
  • 電動の必要性について
    そもそも電動である必要があるかという点は購入前におさえておきましょう。サイズがM6程度までのネジ山の潰れ対応などが主であれば、手動でネジ穴をあけるタップドリルセットなどで十分であることもあります。また、電気が使えない場所での使用であれば、もちろん電動タッパは購入の検討対象にはできません。別動力のタッパを検討しましょう。

ロータリーハンマードリル

ロータリーハンマードリルとは

ロータリーハンマードリルは、コンクリートや石材などの固い材質に穴をあけたり、削ったりする電動工具です。主に建築や土木工事に使用されています。

一般的な電動ドリルは、モーターの回転によってネジを締めたり、木材や鋼材などに穴をあけます。しかし、ロータリーハンマードリルは回転だけでなく、ドリルの刃に対して垂直方向に打撃が加わります。その打撃によって固いコンクリートに強い衝撃を与えながら穴をあけます。また、打撃だけの場合は強い振動によりコンクリートや石材をハンマーでたたくように掘削できます。

ロータリーハンマードリルの使用用途

ロータリーハンマードリルが最も使われるのは、コンクリートや石材などへの穿孔作業です。回転と打撃による強力な穴あけが基本的な機能ですが、製品によっては回転と打撃だけではなく、回転のみ、打撃のみの合わせて3つのモードを切り替えて使用できる商品があります。

回転と打撃では、コンクリートに構造物や機器を固定するためのアンカーボルトを打ち込む穴をあけます。他にも、電気や空調などの配管を通すため、壁や床にコア穿孔にて貫通させることができます。それぞれの作業にあったビット(キリ先)が必要です。

打撃だけの場合は、コンクリートを割ったりタイルを剥がすハツリ作業ができます。ハツリ作業は打撃専用のタガネチゼル形状の先端工具を使用します。

回転だけの場合は、通常の電動ドリルと同じように、木材や鋼材などに穴をあけることができます。

ロータリーハンマードリルの選び方

ロータリーハンマードリルを選ぶ際のポイントです。穴をあけたい物や使用場所など、用途別によって機種を選びます。

  • 充電式と電源式の違い
    ロータリーハンマードリルには、コンセントからAC100V電源を使用するタイプと充電式バッテリーを使用するコードレスタイプがあります。AC100V電源タイプは、安定したパワーで作業可能です。コードレスタイプは、AC100Vより少しパワーは劣るものの電源の無い場所で使用でき、電源コードが気にならないので作業性が上がります。しかし、バッテリーの充電が必要です。
  • 最大穴あけ能力
    ロータリーハンマードリルには最大穴あけ能力があります。機種別に最大で錐径何ミリまであけられるか決まっています。また、使うビットの種類や回転モードによっても穴あけ能力値が設定されています。使用用途によって適応錐径の確認が必要です。
  • 集塵機能
    コンクリートや石材などに穴をあける際、問題になるのが周辺に舞ってしまう粉塵です。この粉塵対策のために集塵機能がついている機種があります。集塵機能があれば穴あけをしながら粉塵を吸引するので大きく舞うことがなく、屋内での使用に有効です。建築現場によっては集塵機能がないと持ち込みできない場所があるくらい必要とされています。集塵機能が元からついている機種と別売りで後付けできる機種があります。
  • 回転と打撃モード以外の機能
    ロータリーハンマードリルは、回転と打撃モードがメインでの使用になります。しかし、回転と打撃の他に回転のみ、打撃のみのモード切り替えがあれば、穿孔作業以外にも使用できます。特に打撃のみでのハツリ作業は振動ドリルやインパクトドライバーではできません。タイル剥がしやコンクリートの掘削、固い土の掘り起こしにも使用できます。

スクリュードライバー

スクリュードライバーとはスクリュードライバー

画像出典元: Amazon

スクリュードライバーは、建築材料のボード(石こう)を壁や天井に打ち付ける際に使用する工具です。

スクリュードライバーは、ビスを適切な深さで締め付けることで対象物を固定できます。そのため、スクリュードライバーによるビス止めは、材料表面の破れや露出にシビアな建材用のボードの取り付けに向いています。

スクリュードライバーの動作は、ビットが押し込まれた時だけ回転するというものです。先端のゴムキャップがボードに当たると、回転がとまり最もよい深さでビスが固定されます。

スクリュードライバーの使い方

作業前の準備として、スクリュードライバーには、ビスが装填されます。

スイッチを入れた状態で先端をボードに押し当てると、ビスが打ち込まれます。スイッチを入れただけでは、ドライバーは回転しません。ゴムキャップがボードに当たったら、回転がとまります。

スクリュードライバーは、貼り付けするボードの厚みにあわせて、ビスの長さを変えます。また、打ち込む深さも調整可能なため、作業前に調整するのが良いでしょう。

スクリュードライバーの選び方

スクリュードライバーの選定のポイントは、利用環境や用途に応じて、動力源、機能面について検討することです。

スクリュードライバーは、動力源として「エア」と「電気(電動)」の2種類があります。

エア式スクリュードライバー

エア式は、スクリュードライバーとあわせて、コンプレッサが必要になります。電気(電動)式に比べ、モーターがない分、エア式は小型で長時間作業しても疲れにくいです。

電気式スクリュードライバー

電気(電動)式は、「コードタイプ」と「充電タイプ」に分かれます。コードタイプは、コードを引ける場所での作業に制限されますが、本体が小さく軽量です。充電タイプは、コードが作業の邪魔にならず、作業場所の制限がありません。一方で、充電タイプは、バッテリーの分、本体が重く、長時間作業には向きません。

オートパック式スクリュードライバー

オートパック式は、連結したビスを装填することができます。大量のビスを連続して打つ作業の場合は、検討するのが良いでしょう。

【補足】スクリュードライバーで使用するビス

スクリュードライバーで使用するビスは、一般的にM5サイズですが、M6用もあります。使用するビスのサイズを考慮して、選ぶ必要があります。

ステープル

ステープルとは

ステープルとは、タッカーという工具の針です。

タッカーは、木工や建築に使用されており、大きいホッチキスのような工具を指します。建築現場や家具の補修のような用途で布製品、薄い木材、金網など、対象物を固定したい時にステープルが使われます。

ステープルは、ホッチキスの針のようにコの字型の形状をしており、接着剤で連結されています。ホチキスは、針が折れ曲がることで対象物を留めるのに対し、ステープルは折れ曲がらずに刺さります。

ステープルの使用用途

ステープルは、一般的な事務作業やDIYから、専門的な現場まで幅広く使用されます。タッカーと呼ばれる、紙や布など薄い素材のものを固定する工具の針としてに使用される場合が多いです。

なお、タッカーには、手で作業するガンタッカーやハンマータッカー、電動の電動タッカー、エアータッカー、フロアータッカーなどがあります。建設現場では、断熱材や防水シートの固定、内装作業では内装材の仕上げ打ち、家具制作では椅子の張り替えなどで使用されます。

ステープルの原理

ホチキスの針のようにコの字型をしており、針先は折り曲げず、突き刺すことで固定します。鋲打機に装填して使用するのが基本です。ガンタッカーやハンマータッカーは、上からステープルの肩を押し出すことで打ち付けます。

電動タッカーは電圧によって、エアータッカーは空気の圧力を使用してステープルを打ち付けます。ステープルの幅を「肩幅」、脚の長さを「脚長」、そしてステープルを正面から見た時の線の幅を「厚さ」、横から見た時の幅を「幅」と呼びます。

ステープルの肩幅と脚長にの組み合わせに種類があり、それぞれ用途に合わせたステープルを使用することが大切です。

ステープルの種類

1. 素材による分類

亜鉛メッキ、硬鋼、ステンレス、アルミ、樹脂コーティング、プラスチック、カラー付きのものなど種類があります。ステンレス製は錆びにくく、樹脂コーティングやプラスチック製は絶縁ステープルとして、高周波・電気などの絶縁部分に使用されます。

2. サイズによる分類

ステープルには、肩幅が3mm〜22mmとサイズがあり、脚長も3mm〜50mmとさまざまな種類があります。

3. 色による分類

仕上げ材に使用するステープルは、目立たないように色がついているものもあります。

4. 特殊なステープル

畳用のステープルや人工芝の固定に使用するステープル、毛皮用のステープルもあります。

ステープルの選び方

ステープルの選び方で重要なポイントは、使用するタッカーの種類と使用目的に応じてサイズ、素材、色を検討することです。

固定する材料の大きさや厚さにあわせて、肩幅 (対象物を固定する幅) や脚長 (対象物に刺さる深さ) を選定します。材料に対して小さすぎるステープルは、詰まりが発生する原因となるため注意が必要です。

目につきやすい場所に使う場合は、留める対象にあわせてカラーステープル (色塗りステープル) を選ぶと、針が目立ちにくくなります。ステープルはタッカーの製造元から販売されています。

各メーカーのサイズに差がなく、装填して使用可能であっても、基本的にステープルとタッカーは同一メーカー品を使用することが、タッカーに針が詰まるのを防ぐために必要です。

ステープルのその他情報

1. タッカーの使い方

  1. ステープルは、タッカー本体のマガジンスペースに装填します。
  2. 電動のタッカーは必ずステープルを装填してから、コンセントをつなぎます。
  3. タッカーを打ち込み面にしっかりと押し付けます。
  4. トリガーを引いて打ち込みます。反動で打ち出し口が浮いてしまうと、うまく打ち込めないので、しっかり押さえ込むことが肝心です。

2. ステープルリムーバー

ステープルを取り外すツールです。「てこの原理」でステープルを簡単に取り外すことができます。ペンチやニッパーなどで引っ張って抜くこともできますが、材料を傷つけてしまったり、脚が切れてしまったりする可能性があるので、ステープルリムーバーを使った方が安心です。

フィニッシュネイル

フィニッシュネイルとは

フィニッシュネイル(仕上げ釘)は、シート状に並べられた状態で、フィニッシュネイラ(仕上げ釘打機)に装填して使われる釘です。内装作業で、巾木、化粧材を固定するために、フィニッシュネイラは使用されます。

同様の用途で使われるピンネイル(ピン釘)に頭部がないのに対し、フィニッシュネイルには頭部があります。そのため、天井の仕上げ作業のように保持力を必要とする場合は、フィニッシュネイルが使用されます。

フィニッシュネイルの頭径には、1.9と1.4mmの2種類があり、1.4mmの方を「スーパーフィニッシュネイル」と呼びます。

フィニッシュネイルの使い方

打ち込み前の準備として、フィニッシュネイル(仕上げ釘)は、フィニッシュネイラ(仕上げ釘打機)のマガジン内に装填されます。フィニッシュネイラの射出口を対象物に押し当ててトリガを引くと釘が発射されます。

使用時は、以下の点に注意して下さい。

  • 打ち損じて釘がはね返ることがあるため、保護メガネの着用が必要です。
  • 釘の誤発射を防ぐため、釘を装填する時、トリガはロックし、エアホースは外さなければなりません。
  • 本体の故障を防ぐため、メーカー指定の釘を推奨します。

フィニッシュネイルの選び方

フィニッシュネイルの選定で重要なポイントは、仕上がり具合を考慮したうえで、釘の色、長さ、径を検討することです。

釘の頭部には、色が塗られています。これは、打ち込む対象物に合わせて選ぶことで、釘を目立ちにくくするためです。選定できる色の種類は、シロ、チャ、ベージュ(ライト~ダーク)、ライトキャメルがあります。

対象物の厚みに応じて釘の長さは選定する必要があります。釘の長さは、15~55mmの幅広い範囲でラインナップされています。

フィニッシュネイルには、頭径が少し小さいスーパーフィニッシュネイルがあります。仕上がり具合を目立たなくしたい場合は、スーパーフィニッシュネイルを検討するのが良いでしょう。下記は、釘の頭径と軸径です。

  • フィニッシュネイル:頭径1.9mm、軸径1.25~1.3mm
  • スーパーフィニッシュネイル(超仕上げ釘):頭径1.4mm、軸径1.25~1.3mm

寸法に数値上の差がなくても釘は、フィニッシュネイラと同じメーカーのものを使うことを推奨します。理由は、釘が詰まりやすく打ち込みが弱くなる懸念があるためです。

バラ釘打ち機

バラ釘打ち機とは

バラ釘打ち機は、人が金槌を振る代わりに空気やモーターの力で釘を打ち込む工具です。バラ釘打ち機は、主に木材に対して釘を打つのに使います。通常の釘打ち機とは違って連結した釘の使用が出来ません。よって、1本ずつ釘を装填して使用します。

バラ釘打ち機の利点は、通常の釘打ち機が対応していない太い釘の打ち込み作業が効率的に行えることです。また本体は通常の釘打ち機より小さく、押し当てるだけで釘を打ち込めます。そのため、通常の釘打ち機や金槌で作業できない狭い場所でも釘を打つことができます。

バラ釘打ち機には、「エア式」と「充電式」の2種類があります。エア式は、釘打ち機だけでなく、エアコンプレッサが必要です。

バラ釘打ち機の使い方

作業前の準備として、エア式は、釘打ち機とエアコンプレッサを接続する必要があります。充電式は、充電したバッテリーを接続します。

バラ釘打ち機の打撃部を釘の頭部に押し当て、トリガを引くことで、釘が打たれます。トリガを引いている間、繰り返し打撃が続きます。釘打ちは、複数回の打撃の後に釘が適切な深さまで打ち込まれることで完了します。

使用時は、以下の点に注意して下さい。

  • 打ち損じて釘がはね返ることがあるため、保護メガネの着用が必要です。
  • エア式には、指定の空気圧があるため、確認が必要です。

バラ釘打ち機の選び方

バラ釘打ち機の選び方として重要なポイントは、目的に応じて使用する釘(種類、長さ、径)を決めてから、釘に対応している釘打ち機を決めることです。全ての釘に対応できる釘打ち機がないため、使う釘にあわせて、釘打ち機は選定されます。

下記は、バラ釘打ち機で使用する釘として市販されている代表的な種類です。目的の対象物に応じて釘の種類が決まります。

  • N釘:構造用合板用
  • CN釘:ツーバイフォー用(太め)
  • BN釘:ツーバイフォー用(細め)
  • ZN釘:接合金物用
  • TS、ZS釘:接合金物用(スクリュー釘)

釘の長さは、25~125mmまでが使用できます。対象物の厚みに応じて釘の長さを変更します。

釘の頭径は、4~12.6mmのものが使われます。釘の長さ同様に、釘打ち機の選定に必要です。

釘打ち機は、上記の市販品ではなく、専用の釘を指定する場合があります。打ち込み時の曲がりや詰まりを防ぐために、適した専用の釘が必要となる可能性があります。釘打ち機の釘を選定する際に、市販品を使いたい場合は、釘打ち機の型式を確認する必要があります。

高圧釘打ち機

高圧釘打ち機とは

高圧釘打ち機(高圧コイルネイラ)は、空気の力を使って釘を打ち込む工具で、主に木材に対して釘を打つのに使います。

空気圧を使った釘打ち機には、常圧と高圧の2種類があり、高圧釘打ち機は、空気圧が1.2~2.3MPaの範囲で使用するものです。常圧の釘打ち機に対し、小型且つ軽量である割に、パワーが安定しています。

高圧釘打ち機は、本体以外にエアコンプレッサと接続用のホースが必要です。釘は、コイル状に巻かれて連結され、本体に装填して使われます。

高圧釘打ち機の使い方

釘打ち前の準備は、本体に「釘打ち機」「エアコンプレッサ」「ホース」を接続し、ロール状の釘を装填することが必要です。

釘打ち機の先端が、対象物へ押し当てられた状態でトリガを引くと、釘は発射されます。

使用時の注意事項は以下になります。

  • 打ち損じて釘がはね返ることがあるため、保護メガネの着用が必要です。
  • 釘の誤発射を防ぐため、移動や未使用時には、トリガをロックした上でエアホースを外さなければなりません。
  • 故障や事故を防ぐため、使用空気圧の設定は、守る必要があります。

高圧釘打ち機の選び方

高圧釘打ち機の選定ポイントは、用途に応じた釘のサイズや種類を検討することです。

主な釘の長さは、38~120mmです。あらゆる長さに1台で対応できる高圧釘打ち機はありません。打ちたい釘の長さから専用の釘打ち機が選定されます。

下記は、高圧釘打ち機で使用され、JIS規格で規定されている代表的な釘の種類です。本体が釘の種類に対応していることを確認する必要があります。

  • N釘:構造用合板用
  • CN, BN釘:ツーバイフォー用
  • GN釘石膏ボード
  • CNZ釘:メッキ付きのCN釘
  • SN釘:シージングボード用

下記は、高圧釘打ち機で使用される釘の形状です。

  • 胴部の形状:スムース、リング、スクリュー
  • 頭部の形状:平頭、OH、カップ
  • 先端の形状:ダイヤモンドポイント、ロングダイヤモンドポイント、ブラントポイント、チゼルポイント

ロール状の釘の連結方法には、ワイヤー連結とプラスチック連結の2種類があります。本体がどちらに対応しているかを確認する必要があります。

電動チェーンソー

電動チェーンソーとは電動チェーンソー

電動チェーンソーとは、主に木材を切断するのに使用し、両手で持って扱うことができる大きさの電動工具です。

一般的にチェーンソーにはエンジン式とモーター式があり、電動チェーンソーはモーター式です。

電動チェーンソーの刃 (ソーチェーン) は、鎖のように連なっており、輪の外側に鋭利な刃がついています。高速で回転する刃は、ノコギリのような工具を使うより、効率的に対象物を切断することが可能です。

電動チェーンソーは、誰でも使うことができます。一方で、むき出しの刃はとても危険なので、安全への配慮が必要な機械です。

電動チェーンソーの使用用途

電動チェーンソーは、主にDIYでは木材の切断、庭の木の枝打ち・薪づくりなどに使用され、専門的な分野では山林業や製材業、造園業、農業、土木関連の仕事で使用されます。

木を切る道具には、ノコギリや斧、鉈 (なた) などがありますが、人力で作業するため、大変時間がかかります。それに比べ、 電動チェーンソーは、高速で歯を回転させる機械なので、格段に簡単に木材を切断することが可能です。結果的に、短い時間で多くの木を切ることができます。

電動チェーンソーは、エンジン式に比べ、低騒音、低振動なのが特徴です。そのため、近隣への配慮が必要な場合や長時間作業の場合にも適しています。

電動チェーンソーの原理

鎖状に連なった刃を高速回転させて、木材を切断します。動力が内蔵されている本体に、ガイドバーと呼ばれる細長いプレートがついており、そのガイドバーにチェーン (ソーチェン) が巻きつけてあります。チェーンを高速回転させ、木材を削るように切っていく流れです。

動力は充電式と電源式の2種類で、それぞれにパワーや使い勝手の違いがあります。刃が剥き出しになっており、高速で回転するので、使い方や選び方に誤りがあると大変危険です。

電動チェーンソーの種類

1. 充電式

充電バッテリーを動力源としています。電源コードがなく、どこでも使用できます。エンジン式よりも軽量で、低振動、低騒音で扱いやすいですが、パワーの面ではエンジン式よりも劣ります。また、充電がなくなると使用できません。

2. 電源式

電源コードを使って動力を供給します。動力源が切れる心配がありませんが、使用場所が限定されます。バッテリーやエンジンが無いので、同クラスのもので比較すると軽量です。パワーはエンジン式よりも劣ります。

電動チェーンソーの選び方

電動チェーンソーは、作業の目的、作業環境にあったものを選択します。目的に合ったものを選ぶことによって、作業効率の向上、安全性の向上につながります。

電動チェーンソーを選ぶ際は、以下の点を考慮する必要があります。

1. 使用環境

電源式は電源が必要なので、屋内や電源が取れる屋外作業場に適しています。充電式は森や山など、電源から遠い場所で使用する場合に向いています。

2. 電圧

消費電力が大きいほどパワーがあり、電圧は、ガイドバーの長さと比例します。電圧が大きいほど、切断力が強く、大きなサイズの対象を切断することができます。

3. ガイドバーの種類と仕様

ガイドバーとは、チェーンを巻きつけて回転するチェーンを支える部分です。ガイドバーの長さは、切断する木材の大きさよりもワンサイズ長いものを選ぶことによって、負荷を軽減し安全な切断ができます。ガイドバーの形状は、用途と機能を考慮して選びます。

スプロケットノーズバー
スプロケットと呼ばれる歯車でチェーンを回転させることによって、高速で切断することできますが、ガイドバーの耐久性が低めです。最も一般的なタイプで、ほどんどの用途に使用できます。

カービングバー
先端部が細い形状をしており、切断速度が遅いかわりに、キックバックが発生しにくくなっています。軽量なので、枝打ちなどの細かい作業に向いています。

ハードノーズバー
耐久性が高いガイドバーです。スプロケット (歯車) が無いため、切断スピードは遅めになっています。大径木の伐採などに向いています。

4. チェーンの種類と仕様

ほとんどのメーカーはアメリカのオレゴン製のチェーン (ソーチェン) を採用しています。チェーンには種類があり、目的に合ったものを使用します。

5. ハンドルの種類

トップハンドル型
本体上部にあるハンドルと側面を握るタイプです。軽量タイプに使用されます。枝打ちなどに向いています。

リアハンドル型
本体後方にハンドルと側面を握るタイプで、両手の間がトップハンドルよりも広くなり、安定感があります。

6. プロ用と一般DIY用

多くのメーカーでは、プロ用とDIY用のラインナップを揃えています。違いはスペックと耐久性です。本体の色を変えることによってわかりやすくしているメーカーもあります。

チェーンソーのその他情報

チェーンソーを使用する際の注意点

電動チェーンソーは、ソーチェーンが対象物から離れた状態で、スイッチを押して起動します。電動チェーンソーは、ガイドバーの下側を使って、対象物を切断します。

電動チェーンソーは、安全への配慮がとても重要な工具です。初めて作業する場合は、作業内容に応じた講習を受けることをおすすめします。また、使用する際は以下に注意が必要です。

  • 電源とバッテリーを接続するときは、必ずスイッチを切った状態にします
  • ソーチェーンの取り付け、取り外し時は、必ずスイッチを切り、電源およびバッテリーを外して行います。
  • 使用中はソーチェーン、ガイドバーに手や身体を近づけないようにします。
  • 事故につながる物や他の作業者がいない事を確認するなど、作業環境の整備を行います。
  • 本体は必ず両手で持って使用します。
  • ガイドバーの先端や上側が対象物に接触すると、本体が跳ね返るキックバックが起こります。そのため、先端や上側が触れないように注意する必要があります。
  • 作業後のチェーンソー各部は、熱くなっているため、触れないようにします。

シャー

シャーとは

シャーは、金属の板をカットするための電動工具です。金切ハサミでカットする作業が、電動化によって、効率的に行うことができます。シャーは、主に板金加工の現場で使用され、曲率(凹凸)のある物より、フラットな物をカットするのに向いています。

シャーの上下についた二つの刃は、材料を挟み込んで、剪断(せんだん)力を使って、材料を切断します。シャーは、挟み込む動作を繰り返し行うことで、短時間のカットを可能にします。

上記の剪断力を使ったカットは、シャーリング加工と呼ばれます。下記は、一般的なシャーリング加工の特徴です。

  • 切りくずが出ない
  • 材料の反り、バリが出やすい

シャーの使い方

カット前の準備として、シャーは、電源(バッテリー)と繋ぎカットする材料の厚みに調整します。

起動したシャーの先端を材料に押し当てると、材料が切断されます。曲線を描いてカットする場合は、ハサミを使うようにゆっくり動かします。

シャーは、手前から奥に向かって動かしていきます。

シャーを使用する場合、以下のことに注意して作業しましょう。

  • シャーの刃先に触れて怪我をしないように、刃先を調整する際は、必ず電源をOFFにします。
  • カット中は、シャーの刃先へ手を近づけないようにしましょう。
  • カットの進行方向には、手を置かないようにしましょう。

シャーの選び方

シャーを選定するうえで重要なポイントは、シャーの種類と材料について検討することです。

カットの用途に応じて、2種類のシャーを使い分けると良いでしょう。

  • ハンドシャーは、短時間で切り抜くことができます。その反面、反りやバリが発生しやすいです。
  • ストレートシャーは、まっすぐにカットしたい時に使います。ハンドシャーと比べてストレートシャーは、切りくずがでやすく、バリがでにくいです。

シャーが材料の厚みと材質に対応しているかを確認する必要があります。材料の厚みは、ステンレスであればハンドシャーがMax2.5mm、ストレートシャーがMax1.2mmまで対応しています。材質には、、アルミ、ステンレスがあります。

その他に、シャーには、「電源式」と「充電式」があります。使用時間、場所などを考慮して、電源/充電のどちらが良いかを検討するのが良いでしょう。

  • 電源式は、電源が確保できない場所では使えないため、作業場所が限定されます。
  • 充電式は、事前に充電が必要ですが、作業場所が限定されません。