チェーンソーとは
チェーンソーとは、主に木材を切断するのに使用し、両手で持ってあつかうことができる大きさの機械です。
主な用途は、適当な大きさに対象物を切断することです。チェーンソーの刃 (ソーチェーン) は、鎖のように連なっており、輪の外側に鋭利な刃がついています。高速で回転する刃は、ノコギリのような工具を使うより、効率的に対象物を切断することができます。
チェーンソーは誰でも使用できますが、むき出しの刃はとても危険です。使用する際は、安全面にしっかり配慮します。
チェーンソーの使用用途
チェーンソーは、DIYだと木材の切断や庭の木の枝打ち・薪づくりなどに使用されています。専門的な分野では、山林業や製材業、造園業、農業、土木関連の仕事などで使用される場合が多いです。
木を切る道具には、ノコギリや斧、鉈 (なた) などがありますが、人力で作業するため、大変時間がかかります。それに比べてチェーンソーは、高速で刃を回転させる機械なので、格段に容易に木材を切断可能で、短い時間で多くの木を切ることができます。
チェーンソーの原理
鎖状に連なった刃を高速回転させて、木材を切断します。動力が内蔵されている本体に、ガイドバーと呼ばれる細長いプレートがついており、そのガイドバーにチェーン (ソーチェン) が巻きつけてあります。チェーンを高速回転させ、木材を削るように切っていきます。
動力は、エンジン式、充電式、電源式とあり、それぞれにパワーや使い勝手の違いがあります。刃が剥き出しになっており高速で回転するので、使い方や選び方に誤りがあると大変危険です。
チェーンソーの選び方
チェーンソーは、作業の目的や作業環境にあったものを選択します。目的に合ったものを選ぶことによって、作業効率の向上、安全性の向上につながります。チェーンソーを選ぶ際に考慮するべき点は、いかのとおりです。
1. 動力源
エンジン式
燃料を使ってエンジンを稼働させて使用します。燃料はガソリンにエンジンオイルを混ぜた混合燃料です。パワフルでスピーディーな切断ができます。電源コードがないので、どこでも使用でき、燃料を補給することで長時間の作業が可能です。しかし、エンジンが重い点がデメリットとして挙げられます。
充電式
充電バッテリーを動力源としています。電源コードがないので、どこでも使用可能です。エンジン式よりも軽量で、低振動、低騒音で扱いやすいですが、パワーの面ではエンジン式よりも劣ります。充電がなくなると使用できません。
電源式
電源コードを使って動力を供給します。動力源が切れる心配がありませんが、使用場所が限定されます。バッテリーやエンジンが無いので、同クラスのもので比較すると軽量です。パワーはエンジン式よりも劣ります。
2. 排気量と電圧
エンジン式は排気量、充電式は電圧を確認します。対象物の大きさに応じて決めます。排気量・電圧は、ガイドバーの長さと比例します。排気量・電圧が大きいほど切断力が強く、大きなサイズの対象を切断することが可能です。
3. ガイドバーの種類と仕様
ガイドバーとは、チェーンを巻きつけて回転するチェーンを支える部分です。ガイドバーの長さは、切断する木材の大きさよりもワンサイズ長いものを選ぶことによって、負荷を軽減し安全な切断が可能となります。
なお、ガイドバーの形状は、用途と機能を考慮して選びます。
スプロケットノーズバー
スプロケットと呼ばれる歯車でチェーンを回転させることによって、高速で切断できますが、ガイドバーの耐久性が低めです。最も一般的なタイプで、ほどんどの用途に使用できます。
カービングバー
先端部が細い形状をしており、切断速度が遅いかわりに、キックバックが発生しにくくなっています。軽量なので、枝打ちなどの細かい作業に向いています。
ハードノーズバー
耐久性が高いガイドバーです。スプロケット (歯車) が無いため、切断スピードは遅めになっています。大径木の伐採などに向いています。
4. チェーンの種類と仕様
ほとんどのメーカーはアメリカのオレゴン製のチェーン (ソーチェン) を採用しています。チェーンには種類があり、目的に合ったものを使用します。
5. ハンドルの種類
トップハンドル型
本体上部にあるハンドルと側面を握るタイプです。軽量タイプに使用されます。枝打ちなどに向いています。
リアハンドル型
本体後方にハンドルと側面を握るタイプで、両手の間がトップハンドルよりも広くなり、安定感があります。
6. プロ用と一般DIY用
多くのメーカーではプロ用とDIY用のラインナップを揃えています。違いはスペックと耐久性です。本体の色を変えて、わかりやすくしているメーカーもあります。
チェーンソーのその他情報
1. チェーンソーの使い方
エンジン式のチェーンソーは、本体を地面に置いた状態で起動させます。左手でフロントハンドルを抑え、右足でリアハンドルの下を踏みます。右手は、スターターを引き、起動とともにリアハンドルへ移します。回転が安定したらチェーンソーは、両手で持ちあげます。そしてガイドバーの下側を押し当てることで対象物は、切断されます。
チェーンソーは、安全への配慮がとても重要な機械です。初めて作業する場合は、作業内容に応じた講習などを受けることをおすすめします。
2. チェーンソーを使用する際の注意点
また、使用時は以下について注意が必要です。
- ソーチェーンの取り付けは、エンジンを停止させてから行います。
- 事故につながる物や他の作業者がいない事を確認するなど、作業環境の整備が必要です。
- 本体は必ず両手でもって使用します。
- ガイドバーの上側が対象物に触れると、本体が跳ね返るキックバックが起こります。
- 使用中は、ソーチェーン、ガイドバーに手や身体を近づけてはいけません。
- 作業後のチェーンソー各部は、熱くなっているため、触れてはいけません。