生ごみ処理装置とは
生ごみ処理装置とは、事業所や家庭から発生した生ごみの減量や消臭等を目的として使用される機械の総称です。
生ごみは一般ごみの総重量の約3割を占めているため、水分等を飛ばして重量や容積を減らせば搬出や回収の手間を減らせます。
現在生ごみ処理装置の方式はヒーター等で水分を蒸発させる加熱式や基材と生ごみを混ぜ合わせてバクテリアの作用で分解するバイオ式の2種類が主流です。他に加熱式の派生で生ごみを高温で処理して炭へと変換する炭化式も一部で利用されています。
生ごみ処理装置の使用用途
生ごみ処理装置は食品工場や飲食店等の事業用生ごみや家庭用生ごみの減量や再利用を目的として幅広く用いられています。
生ごみ処理装置を用いて減量したごみは廃棄するだけではなく再利用が可能であり、飼料や肥料の原料として使用可能です。再利用を目的とした場合にはバイオ式の装置を用いた生成物の方がより適しています。
家庭用の生ごみ処理装置は生ごみ回収の負担軽減になるため、一部の自治体で補助金交付の対象となっています。
生ごみ処理装置の原理
生ごみ処理装置の種類には、加熱式、バイオ式、粉砕式、乾燥式、炭化式、ハイブリッド式があり、生ごみ処理の原理が違います。
1. 加熱式
処理槽内に生ごみを投入して攪拌し、ヒーター等を用いて加熱すると生ごみの水分を蒸発させて体積を減らせます。装置から発生する排気は脱臭装置によって消臭されます。
2. バイオ式
生ごみを基材とともに投入し、酸素存在下で攪拌や加熱によってバイオ菌が生ごみを発酵させて体積を減らします。コンポスト式とも呼ばれ、処理時間は4~20時間ほどです。有機物、二酸化炭素、水に分解され、残った有機物は肥料に活用されます。処理時には腐葉土のような匂いがするため、排気には脱臭装置が用いられます。
従来は堆肥としての利用が一般的でした。近年では堆肥となる中間生成物を最終的に水と二酸化炭素まで分解する消滅型と呼ばれる製品も開発されています。
3. 粉砕式
ディスポーザーとも呼ばれ、直接キッチンの排水口に取り付けて水とともに生ごみを流し入れると処理できます。
シンクの下で匂いが漏れないように処理でき、蓋を開閉する必要もありません。硬い貝殻や骨を処理できる製品もあります。
4. 乾燥式
熱風を送って生ゴミを乾燥させます。
5. 炭化式
生ゴミを蒸し焼きにして炭化させます。
6. ハイブリッド式
バイオ式と乾燥式の特徴を併せ持っています。生ごみと専用の処理剤を混合して温風を当てて素早く堆肥化させます。
生ごみ処理装置の選び方
生ごみ処理装置には複数の種類があるためメリットやデメリットを考慮して選ぶ必要があります。
1. 加熱式
生ごみと一緒に混ぜ合わせる基材は必要ありませんが、ヒーターの稼働のコストが高いです。
2. バイオ式
木材チップやおがくず等の基材の投入が必ず必要です。加熱式と比較して低温で反応でき、生成物を堆肥として利用可能です。
3. 粉砕式
生ごみの分別や処理機の手入れが面倒な場合に適しています。しかし設置に工事が必要で、処理音が大きいです。粉砕式の利用を禁止している自治体もあり、賃貸物件では導入できない場合も多いです。
4. 乾燥式
生ゴミに含まれる水分を蒸発させて減容し、数時間で乾燥が完了するためそのままゴミとして捨てられます。生成物は堆肥に利用可能ですが、減容率が低いため生成物の廃棄負担が伴います。温風を当て続ける必要があり、消費電力や燃料費が高いです。
5. 炭化式
高温で生ゴミを炭化させるため乾燥式より減容率は高いです。生成物は土壌改良材や燃料に使用可能です。ヒーターの稼働の消費電力や燃料費が高く、加熱式よりも高温が必要です。現状では焼却炉と見なされる場合が多く、ダイオキシンなどの法的規制をクリアする必要があります。
6. ハイブリッド式
乾燥式よりも消費電力が少ないです。処理剤を投入する必要があります。
参考文献
https://www.env.go.jp/hourei/11/000060.html
https://www.city.machida.tokyo.jp/kurashi/kankyo/gomi/event/namagomi/hojyoseido/namagomishorikitoha.html
https://www.jema-net.or.jp/Japanese/ha/gomi/about.html#gomi1