絶縁電線とは
絶縁電線とは、絶縁処理を施された電線のことを指します。
電力会社から供給される電力は、特別高圧と呼ばれる超高電圧によって各所へ送電されています。特別高圧の電線路は数十m程度の高さにある鉄塔上であり、人が接触する危険性がないことから剥き出しの電線路です。従って、人が鉄塔に触れた状態で接触すると感電する危険性があります。
それに対して、一般家庭や商業施設には高圧電圧や低圧電圧で送電します。これらは、人が誤って接触する危険性もあるため、絶縁材で保護がされています。これを、絶縁電線と呼びます。
絶縁電線の使用用途
電線は、絶縁電線の方が多く使用されていると言っても過言ではありません。
身近な例としては、電柱上配線です。街路と一緒に立てられた電柱上で、黒い配線が架空敷設されている様子を見ることが出来ます。架橋ポリエチレンやゴムで絶縁されているため、黒色に見えています。また、一般家庭の壁面内に敷設された配線も、絶縁電線が一般的に使用されます。
また、家電製品を分解した際に、内部にビニールで被覆された電線を見ることがあります。これは、ビニル電線と呼ばれる絶縁電線の一種です。ドライヤ等に使用されるコンセントのコードも絶縁電線です。
絶縁電線は、一般家庭でも見ないことの方が少ない電線です。
絶縁電線の原理
絶縁電線は、一般的にシールド付き電線とシールド無しの電線に分けられます。
まず、シールド無しの電線は、中心に細長い銅が電路としての役割を果たします。VVFケーブル等と呼ばれる絶縁電線は銅線が1本で構成されており、VCTF等と呼ばれるケーブルは細い銅線が何本も撚られて構成されます。単線、撚線問わず、ケーブルの規格は内部銅線の太さによって呼称されます。一般に太いほど大きな電流を流すことができます。銅線の太さは、使用する末端機器の必要電力によって決定します。参考として、家庭用100Vコンセントなどは15A程度であり、断面積1.6mm2のVVFケーブル等が使用されます。
内部の電路に人が接触しないように、表面を絶縁被覆が施されます。絶縁被覆は、一般的にゴムか架橋ポリエチレン、塩化ビニルが使用されます。家庭用等としては塩化ビニルのみの使用が一般的です。産業用としては、架橋ポリエチレンと塩化ビニルを両方使って二重に絶縁処理を施します。
また、シールド付き電線は、塩化ビニル等の上からアルミや銅で遮蔽を施して誘導電圧を対策した電線です。一般に、誘導電圧で人体へ感電を引き起こす危険性がある高圧電圧で使用されます。誘導による誤差を無くすために、弱電電線でも使用される場合もあります。