ブレードホース

ブレードホースとは

ブレードホースとは、ホースの本体に補強材を入れることで柔軟性と耐圧性に優れたホースです。

空気や水などの流体に対して使用することができます。一般的に本体部分には塩化ビニルを使用し、補強材部分にはテトロン糸やポリエステル糸を使用しています。大きな利点は、柔軟性を維持しながら強度に優れていることです。

より強度に特性を持たせたブレードホースには、樹脂製のホース本体の外側をステンレスワイヤーで覆うことで保護した製品もあります。ブレードホースは柔軟性が高いため、複雑な形状や狭いスペースにも簡単に適合させることが可能です。

また、耐久性が高く、長期間の使用や過酷な環境に耐えることができます。太陽光や気候の変化に対しても影響を受けにくいです。比較的経済的な製品なので、他の配管システムに比べてコストが低く、メンテナンスや交換の必要性も少ない場合があります。

ブレードホースの使用用途

ブレードホースは、一般的なホースと比べて耐圧性や耐熱性などの強度を強化しているため、さまざまな産業に使用されます。

1. 建設現場・工場

建設現場や工場では、さまざまな液体の供給が必要です。建築現場ではセメント系充填剤の供給に使用されるほか、工場では化学物質や原料の供給に利用されることがあります。ブレードホースはその柔軟性と耐久性から、液体のポンプや配管と組み合わせて使用されることがあります。

2. 排水作業

排水作業が頻繁に使用されるホースです。浸水した地域や排水が必要な場所に設置され、水などの液体を効率的に排出するために使用されます。排水ポンプと組み合わせて使用することが多いです。

3. 灌漑・散水

農地の灌漑や散水に使用されることもあります。ブレードホースはしなやかで曲げやすい性質を持っており、畑や農園の植物に水や肥料を効果的に供給するのに適しています。

ブレードホースの原理

ブレードホースの中心には流体を輸送するための内部の管状部分があり、コアと呼ばれます。このコアはゴム、プラスチック、または特殊な合成材料で作られる場合が一般的です。流体がこのコア内を通り、ホースの中を流れます。

内部のコアを覆っているのがブレードです。ブレードは金属製螺旋状のストリップや合成繊維製の編み込みで構成されています。ブレードはホース全体を保護し、さらに柔軟性と耐久性を向上させる部品です。

上記より、ブレードホースは高い柔軟性によって曲げやすく、一定の曲率半径で曲げることができます。この柔軟性により、ブレードホースはさまざまな形状や角度に適応しています。また、強化層によってホースは引張り強度を持ち、内部の流体の圧力に耐えることも可能です。

両端には接続部品が取り付けられており、他の配管や装置にホースを接続できます。接続部品は、適切な密封性と接続の安定性を向上させます。

ブレードホースの種類

ブレードホースは、ホースの柔軟性を維持しながら強度や耐性を強化したつくりになっている輸送管や配管機器です。大きく2種類に分類することができます。

1. ポリエステル系

本体部分に塩化ビニルを使用し、補強材にポリエステル糸を使用したブレードホースです。ポリエステル糸をホースの内外に網目格子状に張り巡らせることで、塩化ビニルのホース本体の強度と耐圧性を強化しています。また、材質の特徴を活かして、電気絶縁性や自己消火性を有しています。

補強材をポリエステル糸にすることで、全体的に軽量にすることが可能です。ただし、耐熱力などへの強化は弱いという点があります。

2. ステンレス系

樹脂製の本体の外周をステンレス線などで覆って補強しているブレードホースです。ステンレスを補強材として用いることで、高圧や高温への耐性が大きく強化されているのが特徴です。

一般的には軽量ですが、前者のポリエステル糸を補強材に用いた種類と比較すると重量があります。また、ポリエステル系と比較すると高価な場合が多いです。

参考文献
http://www.shibuyagomu.com/hose/hose1.html
https://www.chukoh.co.jp/products/tube/braided-hose/
https://jp.misumi-ec.com/vona2/result/

フロート水位計

フロート水位計とは

フロート水位計とは、浮き (フロート) を使用して液体のレベルを測定する機器です。

一般的には、液体のタンクや容器内の水位を監視するために使用されます。フロート水位計はシンプルな仕組みで動作し、取り扱いが比較的容易です。

液体中の浮遊体の位置によって液位を表示するため、操作やメンテナンスが簡単です。信頼性も高く、長期間にわたって安定した動作が期待できます。

機械的な構造がシンプルなため、故障や誤動作のリスクが低いです。ただし、フロートや可動部に汚れが付着すると動きを妨げるので、正確な測定ができなくなる恐れがあります。

フロート水位計の使用用途

フロート水位計は、まざまな産業や分野で使用されます。フロート水位計の代表的な用途は、液体を格納するタンクや容器の液位管理です。石油などの液体のタンクで使用され、適切な液位を維持するための制御や監視に役立ちます。

特に石油などの危険物燃料の場合、電気を使用しないフロート水位計は、防爆エリアにも使用可能なため重宝されます。化学物質などの液体に対しても液位管理に重宝される機器です。

金属腐食性の高い化学物質も多く、その場合は電極式レベル計の使用が困難です。フロート水位計の場合は浮きを樹脂製とできるため、さまざまな液体に適用可能です。

ただし、粘度の高い液体についてはフロートが動かないため適応が難しい欠点があります。また、比重の軽い液体についてはフロートが沈んでしまうため、用途に応じた改修が必要です。

フロート水位計の原理

フロート水位計はフロート、ガイド管、吊り紐などで構成されます。電気接点を持ち、接点出力を発信できる場合も多いです。フロートは浮遊体であり、液体中に浮かんで液位の変化に応じて上下に移動します。フロートは一般に円筒形や球形をしており、プラスチックなどの軽量な材料で作られることが多いです。

フロートの上部には、浮力を調整するための空気室や調整可能な重りが設置されることもあります。吊り紐はフロートを吊り上げて保持する部品です。ガイド管はフロートを保護し、上下の運動を制限する役割を果たします。通常、垂直に設置されたガイド管にフロートがスムーズに動けるようになっています。

電気接点を有する場合は、フロートの位置に応じてスイッチをオン/オフ制御する構造があります。フロート内部にリードスイッチを有する製品や、フロートの重量変化によってスイッチが作動する製品があります。

フロート水位計の種類

フロート水位計には、いくつかの種類が存在します。

1. 巻取り式

フロートが巻取り機構によって上下に動く水位計です。一般的には巻取り機構がタンクの外側に設置され、フロートは巻取り機構の吊り紐に取り付けられます。液位の変化に応じてフロートが上下に移動し、吊り紐が巻き取られることで液位の変化を計測することが可能です。

タンクの外部に指示計があることが多く、液位の読み取りが容易です。正確な測定が求められる場合はスプリングバランス式、より簡単な測定で十分な場合はカウンタウェイト式が用いられます。

2. アームフロート式

フロートが水平に取り付けられたアームまたはレバーによって水位を計測する水位計です。フロートが液体のレベルの変化に応じて上下に移動すると、アームやレバーが回転して連動した指針やスケールによって液位を示します。タンクや容器の外部または内部に取り付けられます。

3. ボールフロート式

球形のフロートが液体のレベルに応じて浮遊し、液位を計測する水位計です。フロートは内部に空洞があり、浮力によって上下に動きます。液位が上昇するとフロートは浮き上がり、液位が低下すると沈みます。フロートの動きに連動して取り付けられた指示器や接点が変化し、液位の読み取りや接点出力が可能です。

ボールフロート式は、接点出力を有する製品も多いです。ボールフロート式水位計の接点は、一般に液位が特定の範囲に達したときに切り替わります。これにより、液位の変化を検出し、必要なアクションをトリガーすることが可能です。この接点出力は一般的に警報を発報したり、給水・排水を制御する用途で使用されます。

参考文献
https://www.m-system.co.jp/rensai/pdf/r0302.pdf
https://www.matsushima-m-tech.com/technical-information/solution_92.html
https://www.eiwa-net.co.jp/item/leveltwo/id/47
https://fieldpro.jp/mamelog/water/3557/

パワークランプ

パワークランプとは

パワークランプとは、締付作業で用いられている作業工具のことです。

通常のクランプと比べて強い力で締付けることができます。据置型ではなく手持ちで作業ができ、手動で強い圧力をかけることができます。別名締め具やハタガネとも呼ばれます。固定のために手を使う必要がなくなることから、怪我や事故が起きるリスクを低減できます。

パワークランプの使用用途

工場や木工における作業、大工作業、自動車や農機具などの整備・補修作業、機械工作など、様々な分野で幅広く用いられています。対象物を固定する際に用い、装着されたハンドルなどを操作するだけで固定と取り外しが可能です。締付作業の効率を上げるだけではなく、接着や仮止めなどの用途にも使用されます。

パワークランプの原理

対象物を挟み込み、挟み込んだ部分をレバーなどで更に締めつけることで強い圧力をかけて固定します。固定を解除する際はレバーを操作し挟み込み部分を緩めます。

万力と同様に圧力を利用して固定しますが、相違点は作業台に固定されているか否かです。固定されている万力は主に対象物のみ挟み込みます。一方、パワークランプは対象物のみならず一緒に作業台を挟み込むことで、両者を固定しながらの作業することもできます。

パワークランプのその他情報

パワークランプの種類

スライドアームを上下に動かすことで幅の調節が可能なものや、ばね式で強い圧力をかけることができるものがあります。その他にもL字型、F字型、C字型などの形状があり対象物を手際よく挟み込むための工夫がされています。

参考文献
https://www.bakuma.co.jp/diy/doc/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97.pdf
https://www.rakuten.ne.jp/gold/ai-dougu/q2/bakuma-clamp.html
https://www.monotaro.com/k/store/%E5%BC%B7%E5%8A%9B%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97/
https://kurashi-no.jp/I0015550#head-c14d5388a45b52c113be9a428a096895
https://www.monotaro.com/s/c-27114/

ハンドパレットスケール

ハンドパレットスケールとは

ハンドパレットスケールとは運搬用に用いるハンドパレットに重量測定の機能を持たせたもののことです。

一般的にパレットの重量を測定する場合、計量器まで対象物を運搬して測定を行いますが、ハンドパレットは運搬と同時に計量を行うことにより、作業を省力化することができます。また、型式承認を得た製品では高精度の測定を行うことができます。

同様の用途で使用される製品としてはフォークリフトの先端に接続して使用するフォークリフトスケールが挙げられます。

ハンドパレットスケールの使用用途

ハンドパレットスケールは物流倉庫における荷物の運搬、重量の計測に広く用いることができます。

ハンドパレットスケールでは単に総重量を計測するだけではなく、風袋重量や1個あたりの重量を登録することにより、実重量や荷物の個数など、様々なデータを出力できる製品が存在します。

製品には実際の利用環境を想定した上で、液晶表示の大型化や印刷機能による測定結果の視認性向上、樹脂製のハンドルを用いることによる冬場の作業性向上など、様々な工夫が施されています。

ハンドパレットスケールの原理

ハンドパレットスケールは通常のハンドパレットと同様にてこの原理を応用し、先端のジャッキ部分にパレットを引っ掛けてハンドル部分をポンピングして油圧によって持ち上げることにより、パレットに積載された重量物を少ない力で運搬することができます。

また、ハンドパレットスケールでは重量を測定するため、ロードセル式の測定器が内蔵されています。ロードセル式とは力に比例して変形する起歪体を検出部に用い、生じた歪みを電圧に変換することによって測定する方式で、ハンドパレットスケールではジャッキ部分に載せた測定対象物の重量による歪みをロードセルによって検出し、重量に変換します。この方式による測定は精度が高いため、計量器としての検定取得が可能な製品も存在します。

ロードセル式の精度確保には高い剛性を持った台が必要であること、また、重量物の運搬行為自体に強度が必要であることから、製品の材質には鉄もしくはステンレスが一般的に用いられています。

参考文献
https://www.kamacho.co.jp/blog/archives/596
https://www.unipulse.tokyo/techinfo/loadcetthowto/
http://www.kikaiya.com/pdf/HPS-2.pdf
https://www.webshiro.com/syouhinsetumei4/M1397PB-2TON.html

ツールホルダ

ツールホルダーとは

ツールホルダーとは、ツーリングと呼ばれる、工具と工作機械の主軸を接続する目的で用いられる接続機器のことです。

ツールホルダーは、切削などに使用する工具を取り付けたり、保持したりすることができます。ツールホルダーは切削工具を保持する部分ですが、単一型のタイプの他に、工作機械の主軸にツールホルダを固定する用途で用いられるシャンクと一体型になっているものなどもあり、固定する方式によって、豊富なラインナップがあります。

ツールホルダーの使用用途

ツールホルダーは周辺機器として、ツーリングを行う目的で用いられ、切削に用いられる工具を保持する用途で使われます。ツールホルダーの固定には以下のような様々な方式があります。

  • コレットチャック
    高速で回転する切削に適しており、ドリルやエンドミルなど汎用性が高い用途で使われます。
  • 油圧チャック
    高精度の加工に適しており、焼き嵌めチャックは、五軸加工や高速加工に向いています。
  • ミーリングチャック
    重切削に適しており、ドリルやフライスで使用できます。

ツールホルダーの原理

ツールホルダーの原理について、ここでは固定方式別に説明します。

1. コレットチャック

コレットチャックは固定方式と呼ばれます。ツールホルダーに切り込みを入れることで、ツールホルダーの内部に工具を通した後に外周を締めて工具をホールドします。振れが小さく、精度が高い取り付けを行うことが可能です。

2. 油圧チャック

油圧チャックは、別名ハイドロチャックとも呼ばれています。工具を締め付ける際に、ツールホルダーの内側の油に高い圧力をかけることで油圧を生じさせます。そして、目的の箇所に対して油圧を利用して変形させて固定させています。

3. 焼き嵌めチャック

焼き嵌めチャックはツールホルダーを高温で熱することで、熱による金属の膨張と収縮を利用して、剛性とホールド力に優れた締め付けをすることができます。

4. ミーリングチャック

ミーリングチャックは、工具を締める際にニードルベアリングの力を用いています。これにより構造的に工具のホールドと剛性を上げることができます。

ダイグラインダ

ダイグラインダとは

ダイグラインダとは、切削工具の一種で研磨や研削を行える道具のことです。

小型で軽量であるため、狭い場所や細かい部分の作業に適しています。また、高速回転が可能なため作業効率が高く、時間短縮も可能です。一部のダイグラインダには握り部分や本体部分に樹脂を使用し、冷たさを軽減する工夫がされています。これにより、長時間の作業でも手にかかる負担を軽減できます。

機械加工の現場でよく使用されており、金属やプラスチック、木材などの素材を加工する際に欠かせない道具です。しかし、高速回転しているため取り扱いには十分な注意が必要です。安全に取り扱いながら効率的な作業ができるように注意します。

ダイグラインダの使用用途

ダイグラインダは切削や研磨作業に用いられ、金型や金属パイプなどの研磨、バリ取り、溶接ビード取り、スポット溶接の修正、切断面などの面取り、平面研削などの作業に適しています。加工後の製品の仕上がりや見た目に大きく影響を与えるため、ダイグラインダは工業製品の製造において不可欠な道具です。

また、ドリルで開けた穴を研磨して整えるなど、細かな微調整を行うこともできます。そのため、DIYでも使用可能です。

ダイグラインダは、刃物や工具の切れ味を調整する場合にも用いられます。例えば、ナイフやはさみなどの切れ味を鋭くしたり、ノミやチゼルなどの刃を研ぎ直したりすることが可能です。また、金属製品や樹脂製品の加工に限らず、木材や石材などの素材に対しても使用できます。

ダイグラインダの原理

ダイグラインダは高速回転する円盤によって物質を削り取ります。円盤は電動機によって回転し、研磨に適した素材で覆われています。一般的には金属、石材、または樹脂などが使用されていることで有名です。

ダイグラインダの円盤には、研削作業を助けるために表面に粒子を含む砥粒材料が取り付けられています。この砥粒材料は硬質であるため、研削作業中に被削材を削り取ることが可能です。

ダイグラインダの種類

ダイグラインダには、アングルタイプとストレートタイプの2種類があります。作業内容や使用環境によってどちらが適しているか異なりますので、選択する際は注意が必要です。

1. アングルタイプ

アングルタイプは、先端部分が下向きについているため、垂直方向に研磨作業を行えます。例えば、縁取り加工や溝加工などに向いています。

2. ストレートタイプ

ストレートタイプは、先端部分が握り部分と同じ方向にペンのような形になっており、水平方向に研磨作業を行えます。例えば、平面研削や面取り加工に向いています。また、先端に細い砥石を取り付けることで、細かい加工が可能です。

3. その他の種類

ダイグラインダには電源の種類によって、コード式とバッテリー式があります。コード式は常に電源に接続して使用するため、長時間の作業や大きな力が必要な場合に向いています。一方、バッテリー式は持ち運びが容易で、場所を選ばず使用できるため、現場作業に適しています。

ダイグラインダの使い方

ダイグラインダの使い方は、まず専用の砥石を取り付けます。次に、加工する対象物の位置を確認し、必要に応じてクランプなどで固定します。また、使用環境に合わせて必要な保護具を着用しましょう。

素早い切削が必要な場合には、高速回転を活用することが可能です。しかし、切削が細かい場合や砥石の寿命を考慮する場合には、低速回転を選択する必要があります。使用する際、長時間連続して使用するとダイグラインダ自体が熱くなり、砥石の寿命が短くなることがあるため、定期的な休憩を取ることが重要です。

参考文献
https://www.bildy.jp/airtools/air_grinder-model-rg-38ca/3840
https://electrictoolboy.com/media/14837/

ガス充填機

ガス充填機とは

ガス充填機とは、容器などにガス充填を行う装置一般を広く指す言葉です。

ガス充填機が指すものには、LPガスをボンベなどの容器に充填する装置や、エアゾール缶などへガスを充填する装置があります。また、密閉したシール袋などにガスを封入するパック包装機・真空ガス充填シーラーなどを指す場合もあります。特定の形状の製品を指す言葉ではないため、文脈によって意味するところの製品は大きく異なります。

ガス充填機の使用用途

前述の通り、ガス充填機には様々な製品があり、それぞれ大きく異なる用途があります。それぞれにおいて、様々な容器・袋・包装などにガスを充填することに使用されます。

1. LPガス

代表的な用途の一つがLPガスの充填です。LPガスとは、プロパン・ブタンを主成分に持つ液化石油ガスです。給湯器やコンロなどの家庭用及び業務用ガス機器に広く使用されており、供給元事業者よりボンベで各契約者に配送されます。LPガス充填機は、LPガスを家庭などで使用するためガスボンベに充填するのに使用されています。

2. スプレー缶製品

エアゾール缶製品を製造するためには専用のガス充填機が用いられます。エアゾール缶とは、所謂「スプレー缶」であり、気化した液化ガスまたは圧縮ガスの圧力を用いて、内容物を容器の外に霧状や泡状にして噴射する仕組みの製品です。

3. 包装用途

ガス充填包装機・パック包装機・真空ガス充填シーラーなどと呼ばれる種類のガス充填機は、食品や医療器具などを包装する目的で用いられています。密閉した容器に窒素や二酸化炭素などの不活性ガスを充填することで、食品の酸化防止や鮮度の維持が可能です。また、医療器具では、ごみや不純物などが付着するのを防ぎ、滅菌状態・無菌状態を保つため、注射器やシリンジなどの包装に使用されています。

ガス充填機の原理

1. LPガス充填機

LPガス充填機は、大きく分けて下記の工程でLPガス充填を行います。

  1. 充填機への容器搬入
  2. 充填ユニットの高さ合わせ・装着
  3. 充填起動
  4. 容器バルブ開栓
  5. 定量充填・過不足判定
  6. 容器バルブの閉栓
  7. 充填ユニットの離脱
  8. 充填機からの容器搬出

LPガス充填機には、全自動・半自動・手動などの区分があり、上記工程は製品によって全自動で行われる場合と一部ないしほとんどを手動で行う必要がある場合とに分かれます。どの場合でも、定量充填・過不足判定については、必ず機械の側で行われる機能です。これは、ボンベの容量は厳密に管理する必要があるためです。充填前にはボンベ内の残存量を測定し、充填後は規定量が充填されているかどうか、充填前・充填後の重量から計算します。

2. ガス充填包装機

ガス充填包装機・パック包装機・真空ガス充填シーラーなどと呼ばれる種類のガス充填機は、食品や医薬品などを入れたパック内の空気を抜いて真空状態にしてから、不活性ガスなどを充填して封入します。ガス充填をせずに脱気のみで真空包装を行うことのできる製品もあります。用いられる主な不活性ガスは窒素や二酸化炭素などです。内容物によって使用する不活性ガスも異なります。

ガス充填機の種類

ガス充填機には前述の通り用途によって様々なものがあり、その中でもそれぞれいくつかの種類があります。

1. LPガス充填機

LPガス充填機には前述の通り、全自動・半自動・手動などの種類があります。

全自動は文字通り全てを自動で行うことができますが、半自動では、バルブの自動開閉、残ガス計量、自動充填と容器搬出などが自動です。手動の場合は、機能がミニマムになっており、定量充填と過不足判定の機能のみとなります。

また、レイアウトには回転式と定置式があり、回転式では少人数で多くの充填機を扱うことが可能です。

2. ガス充填包装機

ガス充填包装機の充填方式には、主にノズル方式・チャンバー方式・ガスフラッシュ方式の3種類があります。

ノズル方式は包装一つ一つにガスを吹き込む方式で、ガス充填機の中でも比較的安価でコンパクトな装置です。

チャンバー方式は、複数を同時にガス充填できる製品があります。チャンバー内を脱気した後にガスを充填するため、ガス充填率が高く、酸素濃度を低く抑えることが可能です。

ガスフラッシュ方式は、ピロー包装向けの装置であり、筒状の包装容器内にガスを吹き付ける方法で充填します。充填スピードが速く、大型の装置が多いため、大量生産向けの方式であると言えます。

参考文献
http://www.iwatani.co.jp/gas-ene/energy/use_here_food.html
https://www.fujiimpulse.co.jp/docs/prdcts/_ctgry-indx/0005indx_vcm-gsflsh.html

杭打機

杭打機とは

杭打機とは、建設工事の中でも基礎工事の際に使用され、地中に基礎杭を打ち込んだり、杭穴を掘ったりする工事用の機械です。

大型建造物の基礎杭や地盤の改良に至るまで幅広い用途で使用されます。インフラ整備にも欠かすことのできない建設機械です。運転席の付いた大型の重機やトラックの荷台部分に設置されているもの、手動で使用できる小型の機械など、さまざまな杭打機があります。なお、大型重機の場合は、目的に合わせてオーダーメイドで生産することも可能です。

杭打機の使用用途

杭打機は、地中に基礎杭を打ち込んだり、杭穴を掘ったりできる工事用機械で、建物や橋脚の基礎部分を施工する際の作業で用いられます。杭は道路やビル、工場、鉄道などの大型な建造物の基礎部分と地中にある支持層と呼ばれる地層をつなぐのが役割です。

大型構造物の支持層は、地中の何十メートルと深い所にあるため、重機でなければ作業ができません。また、杭打機のみでは杭打ち工事を終えない点も特徴です。杭穴が中で崩れないようにするセメント液を製造するプラント、既成杭を運搬・吊り上げるためのクレーン車、汚泥が発生した際に使用するショベルカーなど、複数の重機で施工しています。

杭打機の原理

杭打機はクレーン車のような姿をしており、自走できるタイプやキャタピラ式のタイプは現場までトレーラーで運搬されます。そもそも、杭は既成杭と場所打ち杭の2種類に分けられます。

既成杭は、何分割かした杭をあらかじめ製作しておいて現場に搬入し、繋ぎ合わせながら施工するものです。杭打機に備わった大型ハンマーを落とす打撃方法や油圧の力で圧入する方法があります。

場所打ち杭は、穴を掘り円筒状の鉄筋を入れ、掘った穴に直接コンクリートを流し込むものです。使用する杭や工法によって重機を使い分ける必要があります。

杭打機の種類

杭打機は前述した通り、大きく既成杭と場所打ち杭に分類できます。

1. 既成杭

埋め込み方式
杭穴を掘った後、セメント液を流し込みつつ、既成杭を沈めるプレボーリング工法や杭の先端から高圧水を噴射し、地盤を緩めながら杭打ちを行うジェット工法、杭の先端に刃があり、杭を回転させて打ち込む回転杭工法があります。

打ち込み方式
ドロップハンマー方式やディーゼルハンマー方式などがあり、ハンマーの強い打撃力を利用して杭を打ち込んでいます。打撃力を利用しているため、施工の際の作業速度が速いというのが特徴です。また、上下に振動を与えて地盤を緩くして打設する方法もあります。

圧入方式
油圧の力を反力として圧入機に搭載した荷重を利用して地中に杭を打ち込み、引き抜く際に発生した抵抗力を反力として利用し、連続して杭を打ち込む方式です。他の工法に比べて、振動や騒音が少なく、発生する汚泥の量も軽減することができます。

2. 場所打ち杭

場所打ち杭に使用される重機は、「アースオーガ」です。アースドリルで地中深くまで掘り進めながら、杭の穴が崩れないように粘性のあるセメント液を流し込みます。アースオーガにはクレーン機能もあり、1台で杭打ちを完了させられるため、複数の重機が入れないような狭い現場向きです。

また、既成杭では対応できない1m以上の径の杭もアースオーガによる場所打ち杭で対応することができます。

杭打機のその他情報

1. 建柱車

戸建て住宅の建設の際にも基礎工事があり、「柱状改良」と呼ばれるものがあります
。杭に似ている方法で、使用する重機は建柱車です。3トントラックの荷台部分にドリルが設置されており、穴を掘りながらセメントミルクと呼ばれる液体を流し込みます。その後、円柱状に固まる事によって基礎を支えます。

この建柱車はクレーン機能が備わったものもあり、柱状改良以外にも使用されます。例えば、電柱を設置する際、まず始めに建柱車で穴を掘ってそこにクレーンを使用し、電柱を建て込みます。

また、ゴルフ練習場のネットを支える鋼管柱を立てる際も同じように穴を掘り、大型レッカー車を使用し、鋼管柱を建て込んでいきます。

2. 油圧杭打機

手動で使用できる小型の杭打機も存在します。油圧杭打機は、建設現場の仮囲いと呼ばれる防護壁をしっかり支えるために、単管を杭として打ち込む時に使用されます。1人で持ち運べるほどの大きさながら、油圧で動くためハンマーを使用するよりも早く楽に打ち込むことが可能です。

参考文献
https://www.tobu21.co.jp/products/piling/
https://www.n-sharyo.co.jp/business/kiden/piledriver/
https://www.n-sharyo.co.jp/business/kiden/factory/

帯鋸刃

帯鋸刃とは

帯鋸刃とは、鋸の刃の形状がベルトのようになっていることからバンドソーとも呼ばれる工具のことです。

帯鋸刃の最大の特徴は、鋸の刃の回転方向を単一にすることで、きれいな切断面を得られる点です。また、切断面が滑らかであり、速やかに切断できるため、多くの産業分野で利用されています。

帯鋸刃を使用する際のメリットは、火花がほとんど出ないことや騒音が割合的に小さいことが挙げられます。鋸刃が回転することによって切断するため、切削時に熱が発生しにくく、騒音も少なくなるからです。近隣住民の騒音トラブルが少なくて済み、夜間や早朝にも使用可能な工具です。

帯鋸刃は、卓上、据え置き、持ち運びタイプに大別されます。卓上タイプは、小型で軽量なため、工作やDIYなどの小規模な作業に適しています。据え置きタイプは、大型で高出力なため、金属加工などの大規模な作業に適していること、持ち運びタイプはコンパクトなサイズでありながら、高い切断能力を持っているため、屋外作業や現場作業に適しています。

帯鋸刃の使用用途

1. 卓上横型

卓上横型は、パイプや板材、角材、丸棒などの木材や金属材料を切断する際に用いられます。

2. 卓上縦型

卓上縦型は、柔らかい材質を切断する場合に用いられます。

3. 持ち運び型

持ち運び型は、移動できない場所で直接対象物を切断する場合に用いられます。

4. 据置型

据置型は大型の帯鋸刃で、工業系の製造業で用いられます。据置型には、横型と縦型の両方があり、異なった形状の材料を切断することが可能です。

 

帯鋸刃は、建築、製造、木工、金属加工などで使用されることが多い点が特徴です。建築現場では配管や金属フレームの切断、木工の現場ではカーペットやフローリングやパネルなどの切断、金属加工の現場ではアルミニウムやステンレスなどの切断に使用されます。

帯鋸刃の原理

帯鋸刃は、工具の刃の形状がベルト状になっており、動力を電源から供給して切断作業をすることで成り立ちます。多くの場合はAC電源式で、持ち運び型のみ充電式があります。

帯鋸刃の刃部分には、耐久性の高い金属やバイメタルが使われており、刃こぼれしにくく切断能力が高いです。刃部分がベルト状の形状をしているため、適切な張りを調節することで高い切断能力を得られます。

さらに、帯鋸刃は鋸歯が並び、歯の先端が鋭くとがっている点が特徴です。刃が回転し、刃先が切り込みをつけ、対象物を切り進むことで成り立ちます。また、帯鋸刃には、オイルやクーリング材の使用が推奨されます。これは、刃先が熱くなって刃こぼれするのを防ぐためであり、作業効率を向上させるのに重要です。

帯鋸刃のその他情報

帯鋸刃を使用する際の注意点

帯鋸刃の役割は、素材を切断することです。適切な刃の種類や刃の長さ、刃の厚さ、刃の張り方、回転数、刃の冷却、刃の研ぎ方、素材の固さや厚さなどを考慮する必要があります。

正しく使用することで、素材を正確かつ効率的に切断できます。帯鋸刃が適切に機能するためには、下記のような注意点があります。

1. 適切な刃を選ぶ
切断する素材に合った刃を使用することで、切断の精度やスピードが向上します。また、刃には耐久性がありますが、常に刃の状態を確認し、刃が劣化している場合は交換が必要です。

2. 刃の張りを保つ
刃がゆるむと、正確に切断できなくなることがあります。そのため、適切な張り方を保つことが重要です。

3. 安全対策を徹底する
帯鋸刃を使用する際は、十分な安全対策が必要です。刃が素材を切断するときは、切削粉や切断物が発生するので、保護メガネやマスク、手袋などの使用が推奨されています。

4. 素材を固定する
素材をしっかり固定することも重要です。素材が動くと切断が不安定になります。安全かつ正確に作業を行うためには、固定が必要です。

参考文献
https://www.monotaro.com/k/store/%E5%B8%AF%E9%8B%B8%E5%88%83/
https://www.monotaro.com/g/01131144/
https://www.monotaro.com/s/q-%91%D1%8B%98%90n/
https://www.bildy.jp/mag/bandsaw-guide/
https://jp.misumi-ec.com/vona2/fs_processing/T1200000000/T1216000000/

圧力発信器

圧力発信器とは

圧力発振器とは、気体や液体などの圧力を測ることができる測定機器のことです。

圧力伝送器とも呼ばれます。測定した圧力は、多くの製品ではアナログ信号として出力します。

工場や大規模インフラは圧力を一定に管理する装置も多くあるため、産業業界ではよく使用される機器の一つです。

圧力発信器の使用用途

圧力発振器は気体や液体の圧力を測定する目的で使用されます。具体的な使用用途は、以下の通りです。

  • 発電用ボイラ内部の圧力管理用
  • 重油タンクの液位管理用
  • 油圧プレスのプレス圧力管理用
  • 硫酸精製工場の排ガスドラフト管理用
  • 薬液タンクや加圧タンクの液位管理用
  • 計装エアー用レシーバタンクの圧力管理用
  • 蒸気や排ガス流量測定用

液位管理用途では、タンクの上下で圧力を測って差圧を出力するため差圧伝送器とも呼ばれます。劇物などに使用できるように耐食性金属を使用した製品や、食品衛生関連系のISO規格に準拠した製品もあります。

圧力発信器の原理

圧力発振器は、気体や液体の圧力を検知して信号として発信することができる測定機器です。圧力を検知することができるセンサ部分と検知した圧力を電気信号として伝送するアンプ部分から構成されています。

センサが圧力を検知することができる原理は、ダイヤフラム上に設置した半導体ひずみゲージによるものです。外側から力がかかるとダイヤフラムが変形することでひずみゲージの抵抗が変化し、この抵抗を電気信号に変換します。センサ部の構造は測定対象の種類によって使い分けることがあります。

アンプ部では測定した抵抗をプリント基板上などで変換して電気信号を発信します。アンプを内蔵することにより、ノイズに対する耐性が高くなるため、長距離でも情報を伝送することが可能です。

圧力発信器の種類

圧力発信器は構造により、以下のような種類に分けられます。

1. ゲージ圧発信器

一般的な圧力発信器はゲージ圧発信器です。大気圧との差圧を出力します。取付方法はねじ込み方式が一般的です。ねじ形状や圧力測定レンジなどを選定して購入します。

2. 絶対圧発信器

真空を基準とした絶対圧を出力する発信器です。真空装置などの圧力管理に使用します。

3. 差圧発信器

測定孔が2か所あり、2か所の差圧を出力する発信器です。差圧流量測定用や、タンク液位測定用に使用されます。

4. フランジ式圧力発信器

圧力発信器は一般的にねじ込み方式で取り付けますが、フランジ取付に対応した発信器も販売されています。フランジ径を選定して購入します。

5. リモートシール形圧力発信器

シリコンオイルを内封したキャピラリフランジがセットになった圧力発信器です。アンプ部分と検出部分を離したい場合や、腐食性液体が測定対象の場合などに用います。

圧力発信器のその他情報

1. 圧力発信器の伝送信号

一般的に圧力発信器はアナログ信号を出力します。出力する信号としては、4-20mAの電流信号がほとんどです。理由としては、機器設置場所と信号入力先が離れているためです。

圧力発信器は一般的に産業装置に付属します。対して、信号の入力先は計算機室や中央監視ルームである場合がほとんどです。電圧信号で出力するとノイズの影響を受けやすい上に、電圧降下現象によって正しい値を出力できません。したがって、電流信号を使用します。

電流信号のなかでも4-20mA信号は、出力0%の場合でも4mAを出力するため、断線トラブルなどをいち早く発見できるという理由で広く用いられています。

2. 圧力発信器の材質

一般的な圧力発信器にはSUS316Lが用いられます。SUS316Lは頑丈で耐食性に優れており、重要機器となりやすい圧力発信器に最適な材料です。

ただし、SUS316Lでも一部の薬液には腐食されます。したがって、耐食性を向上させたい場合はタンタルやハステロイを用いた製品を使用します。

3. 圧力発信器の寿命

圧力発信器の寿命は一般的に5~10年と言われています。また、電解コンデンサを基板に使用する圧力発信器は本体寿命もコンデンサ寿命に左右されます。電解コンデンサの寿命は一般に8年程度です。

したがって、プロセス内で重要度の高い圧力発信器は5~8年程度で更新したり、定期的にメーカーによる分解整備を実施する必要があります。ただし、プロセス内で重要度の低い圧力発信器は10年以上使用できることも多く、20年間メンテナンスなしで使用しているケースも見受けられます。近年では、自己で余寿命診断する圧力発信器なども販売されています。

参考文献
https://www.yokogawa.co.jp/solutions/products-platforms/field-instruments/pressure-transmitters-j/gauge-pressure-j/
https://www.azbil.com/jp/product/factory/factory-product/transmitter/e-d-pressure/dstj/index.html
https://panasonic.co.jp/ls/plseg/pdf_data/5/053_KH15.pdf
https://www.azbil.com/jp/product/factory/factory-product/transmitter/e-d-pressure/super-ace/index.html
https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/35/28/index.html
https://www.fujielectric.co.jp/products/instruments/stoplib/pdf/DS5-59f.pdf