フロート水位計

フロート水位計とは

フロート水位計とは、浮き (フロート) を使用して液体のレベルを測定する機器です。

一般的には、液体のタンクや容器内の水位を監視するために使用されます。フロート水位計はシンプルな仕組みで動作し、取り扱いが比較的容易です。

液体中の浮遊体の位置によって液位を表示するため、操作やメンテナンスが簡単です。信頼性も高く、長期間にわたって安定した動作が期待できます。

機械的な構造がシンプルなため、故障や誤動作のリスクが低いです。ただし、フロートや可動部に汚れが付着すると動きを妨げるので、正確な測定ができなくなる恐れがあります。

フロート水位計の使用用途

フロート水位計は、まざまな産業や分野で使用されます。フロート水位計の代表的な用途は、液体を格納するタンクや容器の液位管理です。石油などの液体のタンクで使用され、適切な液位を維持するための制御や監視に役立ちます。

特に石油などの危険物燃料の場合、電気を使用しないフロート水位計は、防爆エリアにも使用可能なため重宝されます。化学物質などの液体に対しても液位管理に重宝される機器です。

金属腐食性の高い化学物質も多く、その場合は電極式レベル計の使用が困難です。フロート水位計の場合は浮きを樹脂製とできるため、さまざまな液体に適用可能です。

ただし、粘度の高い液体についてはフロートが動かないため適応が難しい欠点があります。また、比重の軽い液体についてはフロートが沈んでしまうため、用途に応じた改修が必要です。

フロート水位計の原理

フロート水位計はフロート、ガイド管、吊り紐などで構成されます。電気接点を持ち、接点出力を発信できる場合も多いです。フロートは浮遊体であり、液体中に浮かんで液位の変化に応じて上下に移動します。フロートは一般に円筒形や球形をしており、プラスチックなどの軽量な材料で作られることが多いです。

フロートの上部には、浮力を調整するための空気室や調整可能な重りが設置されることもあります。吊り紐はフロートを吊り上げて保持する部品です。ガイド管はフロートを保護し、上下の運動を制限する役割を果たします。通常、垂直に設置されたガイド管にフロートがスムーズに動けるようになっています。

電気接点を有する場合は、フロートの位置に応じてスイッチをオン/オフ制御する構造があります。フロート内部にリードスイッチを有する製品や、フロートの重量変化によってスイッチが作動する製品があります。

フロート水位計の種類

フロート水位計には、いくつかの種類が存在します。

1. 巻取り式

フロートが巻取り機構によって上下に動く水位計です。一般的には巻取り機構がタンクの外側に設置され、フロートは巻取り機構の吊り紐に取り付けられます。液位の変化に応じてフロートが上下に移動し、吊り紐が巻き取られることで液位の変化を計測することが可能です。

タンクの外部に指示計があることが多く、液位の読み取りが容易です。正確な測定が求められる場合はスプリングバランス式、より簡単な測定で十分な場合はカウンタウェイト式が用いられます。

2. アームフロート式

フロートが水平に取り付けられたアームまたはレバーによって水位を計測する水位計です。フロートが液体のレベルの変化に応じて上下に移動すると、アームやレバーが回転して連動した指針やスケールによって液位を示します。タンクや容器の外部または内部に取り付けられます。

3. ボールフロート式

球形のフロートが液体のレベルに応じて浮遊し、液位を計測する水位計です。フロートは内部に空洞があり、浮力によって上下に動きます。液位が上昇するとフロートは浮き上がり、液位が低下すると沈みます。フロートの動きに連動して取り付けられた指示器や接点が変化し、液位の読み取りや接点出力が可能です。

ボールフロート式は、接点出力を有する製品も多いです。ボールフロート式水位計の接点は、一般に液位が特定の範囲に達したときに切り替わります。これにより、液位の変化を検出し、必要なアクションをトリガーすることが可能です。この接点出力は一般的に警報を発報したり、給水・排水を制御する用途で使用されます。

参考文献
https://www.m-system.co.jp/rensai/pdf/r0302.pdf
https://www.matsushima-m-tech.com/technical-information/solution_92.html
https://www.eiwa-net.co.jp/item/leveltwo/id/47
https://fieldpro.jp/mamelog/water/3557/

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