ブレードホースとは
ブレードホースとは、ホースの本体に補強材を入れることで柔軟性と耐圧性に優れたホースです。
空気や水などの流体に対して使用することができます。一般的に本体部分には塩化ビニルを使用し、補強材部分にはテトロン糸やポリエステル糸を使用しています。大きな利点は、柔軟性を維持しながら強度に優れていることです。
より強度に特性を持たせたブレードホースには、樹脂製のホース本体の外側をステンレスワイヤーで覆うことで保護した製品もあります。ブレードホースは柔軟性が高いため、複雑な形状や狭いスペースにも簡単に適合させることが可能です。
また、耐久性が高く、長期間の使用や過酷な環境に耐えることができます。太陽光や気候の変化に対しても影響を受けにくいです。比較的経済的な製品なので、他の配管システムに比べてコストが低く、メンテナンスや交換の必要性も少ない場合があります。
ブレードホースの使用用途
ブレードホースは、一般的なホースと比べて耐圧性や耐熱性などの強度を強化しているため、さまざまな産業に使用されます。
1. 建設現場・工場
建設現場や工場では、さまざまな液体の供給が必要です。建築現場ではセメント系充填剤の供給に使用されるほか、工場では化学物質や原料の供給に利用されることがあります。ブレードホースはその柔軟性と耐久性から、液体のポンプや配管と組み合わせて使用されることがあります。
2. 排水作業
排水作業が頻繁に使用されるホースです。浸水した地域や排水が必要な場所に設置され、水などの液体を効率的に排出するために使用されます。排水ポンプと組み合わせて使用することが多いです。
3. 灌漑・散水
農地の灌漑や散水に使用されることもあります。ブレードホースはしなやかで曲げやすい性質を持っており、畑や農園の植物に水や肥料を効果的に供給するのに適しています。
ブレードホースの原理
ブレードホースの中心には流体を輸送するための内部の管状部分があり、コアと呼ばれます。このコアはゴム、プラスチック、または特殊な合成材料で作られる場合が一般的です。流体がこのコア内を通り、ホースの中を流れます。
内部のコアを覆っているのがブレードです。ブレードは金属製螺旋状のストリップや合成繊維製の編み込みで構成されています。ブレードはホース全体を保護し、さらに柔軟性と耐久性を向上させる部品です。
上記より、ブレードホースは高い柔軟性によって曲げやすく、一定の曲率半径で曲げることができます。この柔軟性により、ブレードホースはさまざまな形状や角度に適応しています。また、強化層によってホースは引張り強度を持ち、内部の流体の圧力に耐えることも可能です。
両端には接続部品が取り付けられており、他の配管や装置にホースを接続できます。接続部品は、適切な密封性と接続の安定性を向上させます。
ブレードホースの種類
ブレードホースは、ホースの柔軟性を維持しながら強度や耐性を強化したつくりになっている輸送管や配管機器です。大きく2種類に分類することができます。
1. ポリエステル系
本体部分に塩化ビニルを使用し、補強材にポリエステル糸を使用したブレードホースです。ポリエステル糸をホースの内外に網目格子状に張り巡らせることで、塩化ビニルのホース本体の強度と耐圧性を強化しています。また、材質の特徴を活かして、電気絶縁性や自己消火性を有しています。
補強材をポリエステル糸にすることで、全体的に軽量にすることが可能です。ただし、耐熱力などへの強化は弱いという点があります。
2. ステンレス系
樹脂製の本体の外周をステンレス線などで覆って補強しているブレードホースです。ステンレスを補強材として用いることで、高圧や高温への耐性が大きく強化されているのが特徴です。
一般的には軽量ですが、前者のポリエステル糸を補強材に用いた種類と比較すると重量があります。また、ポリエステル系と比較すると高価な場合が多いです。
参考文献
http://www.shibuyagomu.com/hose/hose1.html
https://www.chukoh.co.jp/products/tube/braided-hose/
https://jp.misumi-ec.com/vona2/result/