真空用ホース

真空用ホースとは

真空用ホース

真空用ホースとは、高度な真空状態での液体やガスの輸送に使用される特殊なホースです。

真空状態とは、一般大気圧よりも圧力が低い状態を指します。この種のホースは、その特有の性質により幅広い産業や研究分野で重要な役割を果たしています。

真空用ホースの使用用途

1. 半導体製造業

真空用ホースは半導体製造プロセスにおいて欠かせない要素です。半導体は極めて微細な構造を持つため、微小な異物や不純物が混入することが許容されません。真空用ホースを介して材料の供給やガスの排出を行うことで、製造プロセス内部の高度な清浄度を維持することが可能です。

2. 宇宙産業

宇宙船や宇宙機器の製造や運用には高度な真空状態が必要です。真空用ホースは、宇宙空間の極端な環境に対応するために使用されます。宇宙探査機の試験や運用時において、信頼性の高い真空用ホースは重要な役割を果たします。

3. 医薬品製造業

医薬品や生物学的製剤の製造プロセスにおいても真空用ホースは活用されています。微生物や異物の混入を防ぐため、製造プロセス中での清浄な環境が求められます。真空用ホースは、製品の品質と安全性を確保するために必要不可欠なツールです。

4. 研究分野

物理学や化学などの研究においても真空用ホースは重要です。真空状態下では、気体や熱の伝導が極めて異なるため、特定の実験条件を作り出すために使用されます。また、高真空中での素粒子の挙動を観察するための実験にも真空用ホースは不可欠です。

5. 産業用途

真空用ホースは、さまざまな産業プロセスにおいて高度な制御が必要な場合に使用されます。熱処理、脱気、被覆などのプロセスにおいて、適切な真空状態を作り出すために利用されます。

真空用ホースの原理

1. 分子の移動と拡散

真空用ホース内部は一般的に低圧状態です。この状態では、ホース内部の気体分子は高圧から低圧へと拡散しようとし、分子同士が衝突し、ランダムな運動によって移動します。真空用ホースの一方の端が真空チャンバーや真空ポンプに接続されると、その端の圧力が低下し、ホース内部の気体分子がその方向へ移動します。

2. 圧力差の影響

真空用ホースは高圧側と低圧側を接続することで、圧力差を生み出すことが可能です。高圧側の気体分子は低圧側へ向かって移動し、ホース内部で均等な圧力分布を保とうとします。この圧力差により、気体分子はホース内部を通じて移動し、高圧から低圧へと拡散します。

3. 流速と圧力の関係

真空用ホース内部での気体の流速は、圧力差によって影響されます。圧力差が大きいほど気体の流速も速くなります。この性質を利用して、真空用ホースを通じて気体を移動させたり、排出させたりすることが可能です。

真空用ホースの構造

真空用ホースは、気体の拡散を効果的に制御するために特別な構造と材質が使用されています。ホースの内部表面は滑らかで、気体分子の衝突を最小限に抑えるように設計されています。

また、耐久性や耐化学性も考慮された材質が使用され、長期間にわたって高真空状態を維持が可能です。

真空用ホースの種類

1. ゴム製真空ホース

ゴム製真空ホースは、一般的な真空アプリケーションに広く使用されるホースです。柔軟性があり、多くの状況に適応できるため、一般的な真空ポンプやチャンバーへの接続に適しています。また、比較的経済的であり、広い温度範囲で使用できます。

2. プラスチック製真空ホース

プラスチック製真空ホースは、耐化学性が必要な場面や軽量性が求められる場面で使用されるホースです。さまざまな種類のプラスチック (ポリウレタン、ポリエチレンなど) が使用され、耐久性や耐薬品性に優れています。医療機器や分析装置などに適しています。

3. 金属製真空ホース

金属製真空ホースは、高い耐圧性と耐久性を必要とするアプリケーションに使用されます。ステンレス鋼などの金属製のホースは、高真空状態や高温状態でも安定した性能を発揮します。高度な真空実験や産業用途に適した製品です。

4. シリコン製真空ホース

シリコン製真空ホースは、高温環境下での使用が必要な場合に適したホースです。シリコンは高い耐熱性を持ち、さまざまな温度条件で安定した性能を提供します。医療や食品産業のアプリケーションなどで使用されることがあります。

5. 複合材料製真空ホース

 一般的な素材の特性を組み合わせた複合材料製の真空ホースも存在します。これにより、さまざまな要件に対応できる優れた性能を提供が可能です。特定のアプリケーションに最適な特性を持つホースを選択できる利点があります。

参考文献
https://www.monotaro.com/g/00249852/
http://www.schmalz.co.jp/products/vacuum-components/filter-connection/vacuum-hose.html
https://www.tgk.co.jp/products/detail.php?product_id=2708

低頭ボルト

低頭ボルトとは

低頭ボルトとは、一般的なボルトよりも頭部の高さの低いボルトのことです。

低頭ねじまたは低頭ボルトと呼ばれています。一般的なボルトの頭の高さに対して低頭ボルトは、2/3から1/2の高さとなり、低くなっているのが特徴です。

低頭ボルトは、機器・装置のボルトを取りつけるスペースが狭い箇所などに向いています。また、取りつけ後のボルトの頭の突出部分が少なく、またはなくなるため外観の見栄えも良くなります。家具など表面にボルトが見えてしまうものがある場合には採用されることが多いです。

他にもボルトに使用される材料が少なくなるため、低頭ボルトの使用は軽量化にも貢献できます。

低頭ボルトの使用用途

頭部の低い低頭ボルトは、頭の高さが小さいため、クリアランスが限定される箇所やデザイン面でおさまりを追求する箇所、皿もみのできない薄板等の締結に使用されています。スリムナットを併用すると、省スペース性を高めることが可能です。

例えば、装置の扉が上下開閉する構造の場合、扉の内側はねじの頭が出ない方が扉と干渉しないので、低頭ねじが干渉防止に使われます。また、装置の構造上ザグリ穴が深く加工できない箇所にも使われますが、完全にねじ頭を突出させない場合にはザグリ加工が必要です。

機械的な理由、そして外観デザインへの影響を主に考慮して使用されますが、通常のボルトに比べ高価になります。低頭ボルトと似た名称の小頭ボルトは、ボルトの頭の高さではなく径が小さいボルトのことです。これらの低頭と小頭の機能を合わせた低頭小頭ボルトと呼ばれるものも存在します。

低頭ボルトの特徴

ねじ頭を出っ張らせたくない場合、通常は皿頭のねじを使っていました。しかし、部材が必要なため、部材が薄い場合や加工できない場所には使えないのが大きな欠点です。

そこで、頭を低くした低頭のボルトが開発され、低頭ボルトとして、販売されるようになりました。近年では、低頭ボルトには、さまざまなバリエーションがあります。頭部の高さによっては以下のように呼び分けがされています。

  • ローヘッドキャップ
  • 薄バインド
  • 低頭キャップ
  • スリムヘッド

ねじの呼び径は一般的にM2からM10まであり、材質は通常のボルトと同じスチール、ステンレス、チタンアルミニウム、樹脂製などさまざまです。M12以上の大きさであってもメーカーによっては用意しているところもあります。

低頭ボルトのその他情報

1. 低頭ボルトの応用

ボルトの頭の形状も単純に頭部の高さが低いだけのものから、真空装置に最適な「ガス抜き穴つきタイプ」、取りつけや取りはずしに専用工具が必要な「いたずら防止タイプ」まで、さまざまなタイプがあります。

ねじに使用される締め付け穴は一般的な十字穴から、六角穴、ヘクサロビュラまで、一般的なボルトと同じように種類が多いです。また、超低頭ボルトはさらに頭を低くしたもので、頭の高さはM3で0.7mm、M5でも1.2mmほどしかありません。

ザグリ加工の手間がなく、頭を低くでき、見た目もすっきりさせることができます。また、頭部の高さが低いため、頭部を直接挟んで取りはずすことが難しく、盗難防止性にもすぐれています。

2. 低頭ボルトの使用上の注意

様々な利点を持つ低頭ボルトですが、使用時に気をつける必要があります。低頭ボルトは、ねじ頭が短いが故に締め付け穴が短くなっています。短いだけではなく、締め付け穴の大きさも通常のキャップボルトに比べ小さくなってしまいます。

例えば、通常のM5キャップボルトでは4mmの六角レンチが適合しますが、M5低頭ボルトでは1つ小さな3mmの六角レンチが適合します。同一のねじサイズに関わらず使用する六角レンチのサイズが小さくなり、差し込む量も少なくなってしまうため、締め付け時および緩める際にも、うもれてしまう可能性が高いです。

強度も通常のキャップボルトに比べ弱くなるので、強い力がかかる箇所には向いていません。

参考文献
https://www.tsurugacorp.co.jp/dictionary/screw/screw_special_low_head.html
https://www.azumaneji.co.jp/html/products/lowHead.html
https://www.nbk1560.com/resources/specialscrew/article/lowsmallheadscrew-about/?SelectedLanguage=ja-JP

移動式リフター

移動式リフターとは

移動式リフター

移動式リフターとは、作業現場や倉庫などで物体を持ち上げたり移動させたりするための機械装置です。

一般的には、高所作業や重い物の移動などを行う際に使用されます。さまざまなタイプや設計があり、目的や用途に応じて選択されます。移動式リフターは、高所での作業を効率的に行うための手段です。

足場を組む必要がなく、作業員は固定床上で作業を行えます。これにより、作業員が安全に高所で作業を行うことが可能です。ただし、移動式リフターを操作する前に、適切な訓練と知識を得ることが重要です。

安全装置や緊急停止機能などの使用方法を理解しておく必要があります。その他、適切な保守点検や点検記録の管理も重要です。

移動式リフターの使用用途

移動式リフターはさまざまな用途で使用される装置です。以下は移動式リフターの使用用途です。

1. 倉庫

パレットリフターなどの移動式リフターは、倉庫内での荷物の積み下ろしや移動、棚の配置変更などに使用されます。特に重い荷物の取り扱いや高い棚にアクセスする際に有利です。これにより、物流作業の効率が向上し、作業員の負担が軽減されます。

2. 建設現場

建設現場では、建材や機材の持ち上げや高所へのアクセスが行われます。特に大型の建築物や高層ビルの建設において重要です。移動式リフターを使用することで、安全性と効率性の向上が図られます。

また、建物の外壁や屋根、照明設備などへアクセスする高所作業にも使用されます。特に高所での作業は危険を伴うため、リフターを使用することで安全かつ効率的な作業が可能です。

3. 電力ラインメンテナンス

電力ラインや通信施設のメンテナンス作業にも移動式リフターが使用されます。高所での作業が必要なため、安全性が重要です。リフターを使用することで、設備の点検や修理などの保守作業が効率的に行えます。

4. 林業と農業

林業や農業において、木材の伐採や果物の収穫などの際に移動式リフターが使用されることがあります。高い場所にアクセスするための手段として便利です。

移動式リフターの原理

移動式リフターは耐荷重が1,500kg程度の製品も多く、重量物を持ち上げて運搬することが可能です。したがって、人の負担を減らしてくれる便利で手軽な運搬用機器です。

重量物に対応するリフタは、鉄やステンレスなどの高耐久の材質が使用されます。数百kg程度の低耐荷重の製品には、アルミを使用する場合も多いです。低耐荷重である反面、可搬性に優れており、手軽に移動させることが可能です。

すべての移動式リフターは、エネルギーを入力として受け取り、それを力や運動に変換する仕組みを持っています。これにより、荷物や作業床を所定の高さに持ち上げることが可能です。動力源は、油圧や電動モーターが一般的に使用されています。

移動式リフターの種類

移動式リフターには、さまざまな種類が存在します。以下は代表的な移動式リフターの一例です。

1. パレットリフター

パレットや重い荷物を持ち上げ、運搬するためのリフターです。通常は荷台があり、油圧システムを使用して荷台を持ち上げます。倉庫や物流センターで広く使用され、荷物の積み下ろしや配置変更、棚からの取り出しなどに利用されます。

2. 高所作業台

作業員が乗るための作業床を持ち上げるリフターです。建設現場やメンテナンス作業に使用され、高所での作業を安全かつ効率的に行うための手段として利用されます。高所で作業が必要な場合に使用されることが多いです。

3. ブームリフター

伸縮可能なブーム (アーム) を持つリフターです。ブームを伸縮させることで高さを調整し、遠く離れた場所にアクセスできます。建設現場や通信塔のメンテナンス、イベントの舞台設営などで活用されます。

4. ハンドリフター

電気やエンジンを使用せずに人力で操作するリフターです。手動クレーンや手動パレットジャックが該当し、小規模な作業や狭いスペースでの運搬に使用されます。可搬性に優れており、安価で入手が可能です。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/technical_data/td06/x0572.html

電源ブレーカ

電源ブレーカとは

モーターをはじめとした電動機器を用いる際、どこかから電源を引っ張ってくる必要があります。その際、動力盤や制御盤に一度電源線を引き込んでから使用します。盤の中に引き込んだ後、電源ブレーカに接続します。電源ブレーカから電動機器に接続します。正確には電磁接触器(マグネット)などを経由して接続します。

電源ブレーカはブレーカとも言われています。工場だけでなく、各家庭内にも設置されている非常に大切な機器です。

電源ブレーカの使用用途

電源ブレーカはコンセントや動力機器などを接続して使用する際、過電流が発生した時に遮断することで機器の損傷を防いだり火事を防いだりする役目があります。

電源ブレーカには配線用遮断器と漏電遮断器の2種類があります。配線用遮断器は安全ブレーカとも呼ばれ許容電流を超えた場合に遮断する役目で用いられます。漏電ブレーカは安全ブレーカとほぼ同様の役目なのですが、機器や配線からの漏電を検知して遮断する役割も持っています。

電源ブレーカの原理

ブレーカの容器の大きさ・最大定格電流を表しているものをAF(アンペアフレーム)と言い、この値が大きくなるにつれ、容器の寸法や遮断容量が増加します。またブレーカの定格電流を表している単位はAT(アンペアトリップ)と呼びます。つまりAFはブレーカ自体の耐えられる容量、ATはブレーカが落ちる容量を表します。

ブレーカが落ちる原理は動作方式によって3種類存在します。1つが熱動電磁式です。これは2種の金属を貼り合わせたバイメタルを用いており、過電流により加熱されたバイメタルが曲がることでトリップバーを動かして電源を落とします。

2つ目は完全電磁式です。過電流に伴う過剰な電磁力を利用します。通常状態では制動ばねによって固定がされていますが、電磁力がばねの力を上回った時にブレーカが落ちます。

3つ目は電子式です。電子回路の演算を利用してブレーカを落とします。過電流が流れることで回路が動作してトリガー回路が作動することでブレーカが落ちます。

参考文献
https://shimatake-web.com/circuit-breaker-compare/
https://www.nito.co.jp/products/circuit-breakers-terminal-blocks/

ワンタッチクランプ

ワンタッチクランプとは

ワンタッチクランプ

ワンタッチクランプは、レバー操作など簡単にクランプ・アンクランプを行うことができる工具レスのクランプをいいます。

クランプに必要な時間を削減できるだけでなく、レンチスパナなどの工具を使わないため、工具管理も不要で作業性だけでなく生産性の向上に貢献します。

油圧や空圧のクランプを使い自動化する手法に比べ、製作コストを大幅に削減、油漏れなどに対する日常の管理・メンテナンス負担を減らすことができます。

ワンタッチクランプの使用用途

頻繁にワークを交換、固定する場合によく使われています。

例えば、加工ワークをクランプする際やワークを片手で抑えた状態で固定したい場合などに使用されます。マシニングセンタ内で加工時に動いてほしくない、しっかり保持したい時などに使用されます。また、位置決めのため、特定方向の位置決めピンに対してワークを押し当てたい場合にも使われています。

工具が入りにくい狭い場所でのワーク固定にも使用されています。

ワンタッチクランプの原理

工具不要でレバーを回転させるだけで簡単に一定の力でワークを固定することができます。

片手でワークを抑えながら残りの片手で固定することができ、作業が安定します。

多少強い力で保持とリリースを繰り返してもタップがなめるなどのリスクはありません。

上から下に抑える「下押しタイプ」、横方向に抑える「横押しタイプ」、下に引き込む「引込みタイプ」、シャフトを押し出す「押出しタイプ」があり、その中でもレバーの回転方向やクランプ方向、クランプする力などさまざまなバリエーションが用意されています。

オプションなどでトルク調整をできるレバーもあり、作業者による締め付け力のばらつきを抑え一定の力でクランプすることができます。

自動化が可能な油圧や空圧クランプに対してかなりスケールダウンすることができるので、狭い場所での作業にも向いています。工具を使った作業と自動化のちょうど間で作業性とコストのバランスがとれたクランプといえます。

参考文献
https://www.imao.co.jp/onetouchclamp.html

ガイドローラー

ガイドローラーとは

ガイドローラー

ガイドローラーとは、物体や材料の誘導を補助するローラ部品です。

スライド式の扉や搬送用機器のスライド部のローラーとして使用されます。ガイドローラーは素材や製品を正確な位置に誘導するため、製造工程や物流プロセスでの位置決めが容易になります。また、摩擦が少なく、素材や製品のスムーズに移動させることが可能です。

これにより、生産性を向上させつつ損傷や歪みを減少させます。ただし、適切なガイドローラーを選択し、適切な設計を行うことが重要です。選定を誤ったり、不適切な位置に配置した場合は、プロセスの不安定性や製品の損傷原因となる可能性があります。

ガイドローラーの使用用途

ガイドローラーは、さまざまな産業で使用される汎用的な機械部品です。以下はガイドローラーの使用用途です。

1. 印刷業

印刷業界などでは、ガイドローラーはフィルムや紙の正確な供給を保障するために使用されます。印刷や加工のプロセスにおいて、素材のずれや歪みを防ぐことが可能です。これにより、印刷位置の精度を維持し、加工中の品質の高い製品を生成することができます。

2. 包装業

包装業界では、製品のラッピングや袋詰めなどのプロセスを制御します。これにより、製品が正確な位置に配置され、包装プロセスが迅速かつ一貫した品質で行うことが可能です。ガイドローラーの使用により、包装の外観や品質が向上するだけでなく、効率的な製品の梱包が実現されます。

3. 鉄鋼業

鉄鋼業界では、ガイドローラーは鉄板やワイヤーなどの素材の運搬と加工プロセス制御に使用されます。特に鉄板の切断、加工、巻き取りのプロセスにおいて使用されることが多いです。正確な位置制御と安定した動きを提供し、生産性を向上させます。

ガイドローラーの原理

ガイドローラーの構造は、基本的には円筒形のローラー部分と軸やベアリングなどの要素から成り立っています。これらの部品要素は、フレームに支持されています。

1. ローラー

ガイドローラーの主要な部分はローラーであり、素材や製品が転がる部分です。一般的には円筒形のローラーが使用され、材質には金属やプラスチック・ゴムなどがあります。ローラーは摩擦を最小限に抑え、素材のスムーズな移動を補助する仕組みです。

2. 軸

軸はローラーが取り付けられる中心部分であり、ガイドローラーを支える役割を果たします。一般的に金属製で、ローラーが回転するためのベアリングに支持されます。ガイドローラーの安定性と耐久性を与える部分です。

3. ベアリング

ベアリングは、ローラーが軸周りでスムーズに回転できるようにするための要素です。軸受けとして組み込まれ、摩擦を低減しつつローラーの回転を容易にします。滑り軸受けや転がり軸受けが使用されることがあります。

ガイドローラーの選び方

ガイドローラーを選ぶ際は、以下の点を考慮する必要があります。

1. 材質

ガイドローラーの材質は、使用する素材や環境によって重要です。金属やプラスチックなどの材質があり、それぞれの特性を考慮して選択します。例えば、耐摩耗性や耐腐食性が必要な場合は金属製を使用します。

2. 寸法

ガイドローラーの寸法は、素材の幅やサイズ、運搬する製品に合わせて選定する要素です。ローラーの直径や幅、軸の長さなどが寸法に関わります。適切な寸法を選ぶことで、素材の運搬や誘導がスムーズに行うことが可能です。

3. ベアリングの種類

ガイドローラーのベアリングの種類は、ローラーの回転性能に影響を与えます。滑り軸受けと転がり軸受けがあり、素材の重さやスピードに合わせて選択します。転がり軸受けは摩擦が少なく、高速回転に最適です。

4. 耐荷重

ガイドローラーは耐荷重能力が重要です。運搬する素材や製品の重さを考慮して、ガイドローラーの耐荷重能力が要求に応えるかどうか確認します。過負荷が発生すると、ガイドローラーの効果が減少し、故障の原因となる可能性があります。

参考文献
https://www.imao.co.jp/introduce/guide-roller.html
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/machine_design/md05/g0079.html

座金組込みネジ

座金組込みネジとは

座金組込みねじ

座金組込みネジとは、ねじの本体に座金 (ワッシャー) が組み込まれたネジです。

平ワッシャーの場合は通常より内径が小さくできており、ねじ部から外れなくなっていることが多いです。部品同士を確実に結合し、強固な接合を提供するために設計されています。

座金組込みネジはワッシャーやスプリングワッシャーが部品間の緩みを防ぐため、接合部の安定性が向上します。振動や衝撃に耐えることができるため、接合部が緩むことが少ない点が特徴です。

また、ワッシャーは組み込まれた部品のため、組み立て作業をよりスムーズに行えることが可能です。緩みによる再締め付け作業が少なくなるため、作業効率が向上します。

座金組込みネジの使用用途

座金組込みネジは一般的なネジと同様に、さまざまな産業や用途で活用されています。以下は座金組込みネジの使用用途です。

1. 自動車

自動車の組み立てや修理において、座金組込みねじはさまざまな箇所で使用されます。例えば、エンジンの組み立てではエンジンブロックとエンジンカバーを確実に結合するために利用されることも多いです。また、シャシーやボディのパネル組み立て、内装パネルの取り付けなどでも安定した接合が求められるために使用されます。

自動車の振動や衝撃に耐えることが重要であり、座金組込みねじはその要件を満たすための選択肢です。

2. 電子機器

電子機器の基板や筐体の組み立てにおいて、座金組込みネジが使用されることも多いです。例えば、コンピュータや携帯電話の筐体組み立てでは、異なる素材の筐体パーツをしっかりと結合するために座金組込みねじが使用されます。

電子機器は振動や衝撃に敏感であり、座金組込みねじによって部品のズレや緩みを防ぐことが可能です。

3. 家具製造

家具製造業では、木材と金属の部品を確実に結合する必要があります。座金組込みねじは家具の脚や取っ手などの金属部品を木材に取り付ける際に使用されることが多いです。このような部品の結合においては、家具の安定性と耐久性を確保するために座金組込みねじが選ばれます。

また、一般消費者が組み立てる家具の場合も座金組込みネジが使用されることが多いです。特殊な技能がない一般消費者でも、簡単に部品を組み立てることができます。

座金組込みネジの原理

座金組込みネジはネジ頭を先に製作し、座金をネジ頭側に通した状態でプレスする製造方法が多いです。そのため、無理やり外そうとしないかぎりネジから座金が外れることはありません。

座金を通した状態でプレス加工を行う製造方法をとっているため、ギリギリまでねじを切ることが困難です。したがって、座金の底面から1~2mm程度ネジ加工がされていない箇所ができます。そのねじ加工ができていない領域を不完全ねじ部といいます。

この不完全ねじ部はねじの谷径より大きいため、タップにはいりません。1mm以下の薄い板を固定するときなどは、不完全ねじ部にあたらないことを確認することが必要です。当たってしまう場合は、さらに追加で座金をいれて不完全ネジ部を逃がすなどの対策を講じます。

座金組込みネジの選び方

座金組込みネジを選ぶ際は、以下の点を考慮する必要があります。

1. 頭部形状

座金組込みネジの頭部形状には、六角ヘッドやフラットヘッドなどがあります。使用する工具やアクセス可能なスペースに応じて適切な頭部形状を選ぶことが重要です。

狭いスペースでは六角ヘッドが取り回しやすく、外部から見える部分に使う場合は見栄えの良い頭部形状を選択します。

2. 材質

使用環境や用途に合った適切な材質を選ぶことが重要です。一般的な材質にはステンレス鋼や炭素鋼、真鍮などがあります。耐食性が必要な場合はステンレス鋼、強度が求められる場合は炭素鋼などを選択します。

3. 長さ

部品を確実に結合するために、適切な長さの座金組込みネジを選ぶことが重要です。ネジが部品を貫通するか、特定の深さまでねじ込むかに応じて適切な長さを選びます。

長すぎると部品内部で衝突する可能性があり、短すぎると十分な接合が難しい場合が多いです。

4. ネジピッチ

ネジピッチはネジ山の間隔を示し、ネジを一回転させる際に進む距離です。正しいネジピッチを選ぶことで、部品同士を確実に結合することができます。一般的なネジピッチは、メートル法やインチ法で表されます。

梱包機器

梱包機器とは

梱包機器は梱包された容器を、最後にPPバンドを用いて巻きつける機器です。金額によって手動、半自動、自動など種類は様々です。手動で締める場合には、バンドストッパーと呼ばれる樹脂や金属でできた固定器具を用いることもあります。

PPバンドのPPはポリプロピレンを表します。表面が網目状となっているバンドの事を表します。梱包装置にてPPバンドを巻き付け、バンドを締め付け、最後に切断する工程を経て装置にバンドを固定します。 

梱包機器の使用用途

主に物流業界や製造業界で使用されます。基本的にはPPバンドを手動で締めたほうが安価なのですが、毎日の梱包回数が多い場合は梱包機器を使用した方が非常に効率的になります。

手動式の場合、巻きつけた後にレバーを引っ張ることで引き締めながら切断することができ、確実な梱包が行えます。半自動式の場合、巻きつけるところまで手動で行い、巻きつけ終わると自動で引き締めと切断を行います。センサー制御にて巻きつけタイミングを制御できるのが利点です。

梱包機器の原理

手動でPPバンドを止める場合、バンドストッパーを用いるのが一般的です。一方、梱包装置でPPバンドを止める場合、まず必要な長さへPPバンドを切断し、その後に溶着を行います。つまりPPバンドの表面を溶かしてくっつけます。主に梱包機器にはヒーターが内蔵されており、ヒーターでPPバンドを加熱し溶かすことで溶着しています。

梱包機器は溶着するという原理の為、溶着の精度は日々の気温影響を受けてしまいます。ヒーターの温度が低いとバンドが十分に溶けずにくっつけることができません。反対にヒーターの温度が高いと溶着しきれない状態となり剥がれる危険性があります。梱包機器は一瞬にしてPPバンドを切断、溶着する機器ですので、バンド表面を溶かしすぎるとすぐにはがれてしまいます。

溶着を行ったときの問題点は強度が下がるということです。バンドストッパーを用いた場合は引張強度が1900N程度であるにもかかわらず溶着した場合は1400N程度と大きく下がってしまいます。

参考文献
https://www.msyn.co.jp/ppstrap/how_to_use/difference_pack/
http://www.shirai-co.com/Q&Akonpouki.htm

小径ベアリング

小径ベアリングとは

小径ベアリング

小径ベアリングとは、特に小型のベアリングのことです。

ミニチュアベアリングとも呼ばれ、外径9mm未満、もしくは外径9mm以上、内径10mm未満の小型サイズのベアリングを指します。ベアリングとは、物の回転をスムーズにするための部品で、日本語では軸受と呼ばれます。

主な役割は、回転軸の位置を保持しながら摩擦を低減させること、結果として回転を支える部分の損傷防止することです。機械の中で回転軸が存在するものにはほとんど使用されている部品であり、その重要性から「産業のコメ」と呼ばれることもあります。

小径ベアリングの使用用途

小径ベアリング (ミニチュアベアリング) は、家電やOA機器、ホビー用などに用いられています。あらゆる産業分野において小型、軽量、薄型化が強く求められる現代において、需要が急速に拡大しています。特に昨今の情報機器の発展および需要の拡大により、高品質なミニチュアベアリングが必要です。

私たちの身近なところでは、釣りのリールやミニ四駆、パソコンのハードディスクのスピンドルモータ、複写機の紙送りローラなどに使用されています。また、少し大型の製品では、医療機器やさまざまな計測機械の小型化のために使われています。

計測器や産業用機械での使用例は、ポテンシャルメータ、ジャイロジンバル及びロータ、ポリゴンスキャナモータ、エンコーダ、高周波スピンドル、VTRシリンダ及びキャプスタンなどです。

小径ベアリングの原理

ミニチュアベアリングは、ベアリングが小型化したものであり、動作原理については一般的なベアリングと変わりません。また、ベアリングには大きく転がり軸受と滑り軸受があるので、分けて説明します。なお、小径ベアリングについては、多くは転がり軸受を指すことが多いです。

1. 転がり軸受

ベアリングの主な役割は、回転時の摩擦を減らすことですが、転がり軸受において軸を支えながら摩擦を減らしている原理は、ベアリングに内蔵されている「転動体」の転がり運動によるものです。転動体は、小さな玉やころ (円筒状のもの) のことで、ベアリングには複数個配置され、軸の回転と同時に転がります。

転動体が一緒になって転がることで、回転を助ける役割を果たし、結果的に回転時の摩擦を軽減させています。

2. 滑り軸受

滑り軸受には、ブッシュなどがあります。滑り軸受には転がり軸受のような転動体が存在せず、代わりに焼きつきや摩耗に強い材料と潤滑剤によって回転運動を支えます。

滑り軸受は、転がり軸受と比較して、構造が簡単で壊れにくいのが特徴です。さらに、荷重は線接触によって支えられるため、ボールベアリングのような点接触によるベアリングよりも支えられる荷重の大きさが大きいものメリットの1つです。

小型ベアリングのその他情報 

小型ベアリングの材質

小型ベアリングの材料は一般的なベアリング同様に、熱処理を施した合金鋼です。内輪、外輪、鋼球には高炭素クロム軸受高、保持器は圧延鋼板かステンレス鋼板、樹脂などが用いられています。

小型ベアリングには、プラスチック製の製品もあります。プラスチックベアリングの特徴は無潤滑、無給油で使用できること、水・薬品で錆びたり腐食しないことなどです。ただし、耐荷重の大きさでは金属には敵いません。

プラスチックではフェノール樹脂、PTFE (ポリテトラフルオロエチレン、商品名テフロン) 、PEEK、PPS、PCTFE (ポリポリクロロトリフルオロエチレン、商品名ダイフロン) 、PPなどが使われた製品があります。CV (カーボン) を用いたものは高い耐環境性能がありますが、衝撃や振動には弱く切削加工にも向いていません。また、導電性があるため、プラスチックベアリングの特徴である絶縁目的で使うことができないのもデメリットの1つです。

参考文献
https://www.ntn.co.jp/japan/products/catalog/pdf/3013.pdf
https://kashima-kagaku.com/products/ball/ball_05/
https://koyo.jtekt.co.jp/2018/11/column01-01.html

ユニファイねじ

ユニファイねじとは

ユニファイねじとは、ねじの基本となる寸法がインチ単位で規格化されたインチねじの一つで、 ねじ山の角度が60°のねじです。

日本で一般的に利用されているメートルねじは、ねじの基本となる寸法はメートル単位で規格化されています。なお、ユニファイねじ以外のインチねじとして、ウィットねじがあります。ウィットねじは現在のJISでウイットねじは廃止されていますが、建築業界の一部などで使用されています。

ユニファイねじの使用用途

ユニファイねじは、特に航空機や自動車、バイクで使用されることが多いです。また、海外生産品の計測機器や産業用ロボットなども、ユニファイねじが使用されています。イギリス、アメリカ、カナダなど、幅広い場所に使用されています。

一部国内での機器にもユニファイねじが使われることがありますが、それは締結する部品が海外生産されたものである場合がほとんどです。国内でタップ加工をする際に、ユニファイねじ用を開けることはほとんどありません。

ユニファイねじの原理

ユニファイねじの原理は、通常のねじの原理と変わりません。ねじの斜面を使って重たいものを持ち上げることによって、小さな締め付けトルクでもねじ本体を引っ張ることが可能で、その結果大きな締結力、つまり軸力を発生させることができます。

ねじを締め付けても弛まないのは、ねじの斜面に摩擦力があるためです。重力の斜面成分の分力よりも摩擦力が大きいことによって、弛まずに締結力が保持されます。また、ねじの山の稜線にあたるねじ山角度は60°で、メートルねじと同じです。前述したウィットねじのねじ山角度は55°です。

ユニファイねじの種類

ユニファイねじはメートルねじと同じように、並目と細目の2種類があります。後述しますが、記号では並目がUNC、細目はUNFと表記します。

並目と細目の違いはねじピッチで、細目の方が並目よりも同じ軸の長さにより多くの山が並んでいます。山が細かく並んでいることによって緩みにくいのですが、締め付けるためにより多く回転させる必要があります。そのため、大量生産する際には不向きです。

ユニファイねじのその他情報

ユニファイねじの表記

ユニファイねじの表記には、UNC、UNFといったアルファベットや分数も使われています。以下に実例を挙げて表記の読み方を解説します。

例: 3/8 – 20UNC x 5/8

1. 3/8: ねじの呼び ( 太さ )
ねじ山を含めたねじの太さを表します。ねじの呼び以外にもユニファイねじを含むインチネジでは、数値を分母を8を基準にした数字の分数で表します。

2. 20: ねじの山の数
ねじの山の数が、長さ1インチのなかにいくつあるのかを示します。ねじが1インチよりも短い場合には、1インチあった場合を仮定した山の数が記されます。

3. UNC: 並目か細目か
並目か細目か区分けを示します。

4. 5/8: ねじの首下長さ
インチ単位の分数で表します。首下長さとは、ねじの頭の部分より下側の軸になっている部分を言います。首下からの長さなので、ねじ山がなく円筒になっている部分の長さも含まれます。ただし、サラねじと呼ばれるねじの頭の部分が円錐形状になっているねじは、ねじの全長がここで示す首下長さに相当します。

表記は以上の通りですが、一部独特の呼び方をします。まず、ねじ外径を示す「ねじの呼び」は、番手と呼ばれる表記方法を用い、細いものから順番に「#0: ぜろばん」「#1: いちばん」「#12: じゅうにばん」です。

#12以上より太いものは、1インチを8等分した1/8や1/4などの表記で示します。ねじ部分の寸法も同様の表記します。そして、この分数も以下のように独特の呼び方をします。

  • 1/8: いちぶ
  • 1/4: にぶ
  • 5/8: ごぶ
  • 5/32: さんにのご
  • 5/16: にぶごりん

参考文献
https://e-neji.info/
https://neji-one.com/order/reference/unify.htm