ザグリ加工とは
めねじ加工や穴加工の入口に最初に加工した穴やめねじよりも大きい径の穴を空ける加工を示します。
断面から見ると段付きの構造になっています。
金属または木材に加工に使用し、ボルト頭が取付面から外にはみ出さない目的で使用されることが多いです。
図面では、12キリ、20ザグリ深さ6.5と指定します。
平坦をならすだけの目的であれば深さを記載しない場合がありますが、加工業者で深さ0.5mm~2mm前後に加工されます。
ザグリ加工の使用用途
ザグリは、以下の目的で加工します。
- 鋳物の加工面など凹凸がある平面にザグリ加工を行い平坦にすることで、容易に穴あけができるようにする。
- ボルト座金の接触面を平坦にする。
- ねじまたはボルトを取り付けるときに外にはみ出さないようにすることで、相手部品の平面同士がきちんと接触できるようにする。
ボルトが面から頭が出ないように取付ける場合は、六角穴付きボルトなど、スパナを使用しないボルトを使います。
ボルトの頭が円錐形の場合は、皿ザグリという穴の縁を円錐形状に加工します。
ザグリ加工の種類
ザグリの種類は次の通りです。
- 座ぐり
穴に対して表面をさらう程度の座ぐりです。ボルトの締め付け力を確保するために加工します。
- 深座ぐり
ボルトの頭が隠れる程度に座ぐりの深さを指定します。
- 皿座ぐり
皿ねじを使うときにねじ頭の形状に合わせて傾斜した座ぐりです。
- 裏座ぐり
加工方向とは反対側に座ぐり加工します。
ザグリ加工を行う上で、以下を検討する必要があります。
- 加工に必要な面積
ザグリを行う位置は、縁との距離を考慮する必要があります。縁の距離とザグリの半径がほぼ一致する場所では薄い段付きの形状が残ってしまい、使用上好ましくありません。
- ザグリ深さおよび径
日本産業規格(JISB1176:六角穴付きボルト)にはボルトに対するザグリ深さおよび径の寸法が規定されています。取付けるボルト径に応じて本規格を参照しましょう。
- 工具
ザグリドリルというザグリの専用工具があります。先端が細い段付きの形状で、一度の回転で穴とザグリの加工を同時に行うことができます。ザグリドリルはボール盤に取付けて使用します。
反対側からザグリを行う裏ザグリを行う場合は、先端が偏心し片側に出っ張った工具を使用します。
挿入時に1回目に明けた穴と工具が干渉しない構造です。
- 加工機
ボール盤またはフライス盤、旋盤を使用します。
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