ユニファイねじとは
ユニファイねじとは、ねじの基本となる寸法がインチ単位で規格化されたインチねじの一つで、 ねじ山の角度が60°のねじです。
日本で一般的に利用されているメートルねじは、ねじの基本となる寸法はメートル単位で規格化されています。なお、ユニファイねじ以外のインチねじとして、ウィットねじがあります。ウィットねじは現在のJISでウイットねじは廃止されていますが、建築業界の一部などで使用されています。
ユニファイねじの使用用途
ユニファイねじは、特に航空機や自動車、バイクで使用されることが多いです。また、海外生産品の計測機器や産業用ロボットなども、ユニファイねじが使用されています。イギリス、アメリカ、カナダなど、幅広い場所に使用されています。
一部国内での機器にもユニファイねじが使われることがありますが、それは締結する部品が海外生産されたものである場合がほとんどです。国内でタップ加工をする際に、ユニファイねじ用を開けることはほとんどありません。
ユニファイねじの原理
ユニファイねじの原理は、通常のねじの原理と変わりません。ねじの斜面を使って重たいものを持ち上げることによって、小さな締め付けトルクでもねじ本体を引っ張ることが可能で、その結果大きな締結力、つまり軸力を発生させることができます。
ねじを締め付けても弛まないのは、ねじの斜面に摩擦力があるためです。重力の斜面成分の分力よりも摩擦力が大きいことによって、弛まずに締結力が保持されます。また、ねじの山の稜線にあたるねじ山角度は60°で、メートルねじと同じです。前述したウィットねじのねじ山角度は55°です。
ユニファイねじの種類
ユニファイねじはメートルねじと同じように、並目と細目の2種類があります。後述しますが、記号では並目がUNC、細目はUNFと表記します。
並目と細目の違いはねじピッチで、細目の方が並目よりも同じ軸の長さにより多くの山が並んでいます。山が細かく並んでいることによって緩みにくいのですが、締め付けるためにより多く回転させる必要があります。そのため、大量生産する際には不向きです。
ユニファイねじのその他情報
ユニファイねじの表記
ユニファイねじの表記には、UNC、UNFといったアルファベットや分数も使われています。以下に実例を挙げて表記の読み方を解説します。
例: 3/8 – 20UNC x 5/8
1. 3/8: ねじの呼び ( 太さ )
ねじ山を含めたねじの太さを表します。ねじの呼び以外にもユニファイねじを含むインチネジでは、数値を分母を8を基準にした数字の分数で表します。
2. 20: ねじの山の数
ねじの山の数が、長さ1インチのなかにいくつあるのかを示します。ねじが1インチよりも短い場合には、1インチあった場合を仮定した山の数が記されます。
3. UNC: 並目か細目か
並目か細目か区分けを示します。
4. 5/8: ねじの首下長さ
インチ単位の分数で表します。首下長さとは、ねじの頭の部分より下側の軸になっている部分を言います。首下からの長さなので、ねじ山がなく円筒になっている部分の長さも含まれます。ただし、サラねじと呼ばれるねじの頭の部分が円錐形状になっているねじは、ねじの全長がここで示す首下長さに相当します。
表記は以上の通りですが、一部独特の呼び方をします。まず、ねじ外径を示す「ねじの呼び」は、番手と呼ばれる表記方法を用い、細いものから順番に「#0: ぜろばん」「#1: いちばん」「#12: じゅうにばん」です。
#12以上より太いものは、1インチを8等分した1/8や1/4などの表記で示します。ねじ部分の寸法も同様の表記します。そして、この分数も以下のように独特の呼び方をします。
- 1/8: いちぶ
- 1/4: にぶ
- 5/8: ごぶ
- 5/32: さんにのご
- 5/16: にぶごりん
参考文献
https://e-neji.info/
https://neji-one.com/order/reference/unify.htm