座金組込みネジ

座金組込みネジとは

座金組込みねじ

座金組込みネジとは、ねじの本体に座金 (ワッシャー) が組み込まれたネジです。

平ワッシャーの場合は通常より内径が小さくできており、ねじ部から外れなくなっていることが多いです。部品同士を確実に結合し、強固な接合を提供するために設計されています。

座金組込みネジはワッシャーやスプリングワッシャーが部品間の緩みを防ぐため、接合部の安定性が向上します。振動や衝撃に耐えることができるため、接合部が緩むことが少ない点が特徴です。

また、ワッシャーは組み込まれた部品のため、組み立て作業をよりスムーズに行えることが可能です。緩みによる再締め付け作業が少なくなるため、作業効率が向上します。

座金組込みネジの使用用途

座金組込みネジは一般的なネジと同様に、さまざまな産業や用途で活用されています。以下は座金組込みネジの使用用途です。

1. 自動車

自動車の組み立てや修理において、座金組込みねじはさまざまな箇所で使用されます。例えば、エンジンの組み立てではエンジンブロックとエンジンカバーを確実に結合するために利用されることも多いです。また、シャシーやボディのパネル組み立て、内装パネルの取り付けなどでも安定した接合が求められるために使用されます。

自動車の振動や衝撃に耐えることが重要であり、座金組込みねじはその要件を満たすための選択肢です。

2. 電子機器

電子機器の基板や筐体の組み立てにおいて、座金組込みネジが使用されることも多いです。例えば、コンピュータや携帯電話の筐体組み立てでは、異なる素材の筐体パーツをしっかりと結合するために座金組込みねじが使用されます。

電子機器は振動や衝撃に敏感であり、座金組込みねじによって部品のズレや緩みを防ぐことが可能です。

3. 家具製造

家具製造業では、木材と金属の部品を確実に結合する必要があります。座金組込みねじは家具の脚や取っ手などの金属部品を木材に取り付ける際に使用されることが多いです。このような部品の結合においては、家具の安定性と耐久性を確保するために座金組込みねじが選ばれます。

また、一般消費者が組み立てる家具の場合も座金組込みネジが使用されることが多いです。特殊な技能がない一般消費者でも、簡単に部品を組み立てることができます。

座金組込みネジの原理

座金組込みネジはネジ頭を先に製作し、座金をネジ頭側に通した状態でプレスする製造方法が多いです。そのため、無理やり外そうとしないかぎりネジから座金が外れることはありません。

座金を通した状態でプレス加工を行う製造方法をとっているため、ギリギリまでねじを切ることが困難です。したがって、座金の底面から1~2mm程度ネジ加工がされていない箇所ができます。そのねじ加工ができていない領域を不完全ねじ部といいます。

この不完全ねじ部はねじの谷径より大きいため、タップにはいりません。1mm以下の薄い板を固定するときなどは、不完全ねじ部にあたらないことを確認することが必要です。当たってしまう場合は、さらに追加で座金をいれて不完全ネジ部を逃がすなどの対策を講じます。

座金組込みネジの選び方

座金組込みネジを選ぶ際は、以下の点を考慮する必要があります。

1. 頭部形状

座金組込みネジの頭部形状には、六角ヘッドやフラットヘッドなどがあります。使用する工具やアクセス可能なスペースに応じて適切な頭部形状を選ぶことが重要です。

狭いスペースでは六角ヘッドが取り回しやすく、外部から見える部分に使う場合は見栄えの良い頭部形状を選択します。

2. 材質

使用環境や用途に合った適切な材質を選ぶことが重要です。一般的な材質にはステンレス鋼や炭素鋼、真鍮などがあります。耐食性が必要な場合はステンレス鋼、強度が求められる場合は炭素鋼などを選択します。

3. 長さ

部品を確実に結合するために、適切な長さの座金組込みネジを選ぶことが重要です。ネジが部品を貫通するか、特定の深さまでねじ込むかに応じて適切な長さを選びます。

長すぎると部品内部で衝突する可能性があり、短すぎると十分な接合が難しい場合が多いです。

4. ネジピッチ

ネジピッチはネジ山の間隔を示し、ネジを一回転させる際に進む距離です。正しいネジピッチを選ぶことで、部品同士を確実に結合することができます。一般的なネジピッチは、メートル法やインチ法で表されます。

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