低頭ボルト

低頭ボルトとは

低頭ボルトとは、一般的なボルトよりも頭部の高さの低いボルトのことです。

低頭ねじまたは低頭ボルトと呼ばれています。一般的なボルトの頭の高さに対して低頭ボルトは、2/3から1/2の高さとなり、低くなっているのが特徴です。

低頭ボルトは、機器・装置のボルトを取りつけるスペースが狭い箇所などに向いています。また、取りつけ後のボルトの頭の突出部分が少なく、またはなくなるため外観の見栄えも良くなります。家具など表面にボルトが見えてしまうものがある場合には採用されることが多いです。

他にもボルトに使用される材料が少なくなるため、低頭ボルトの使用は軽量化にも貢献できます。

低頭ボルトの使用用途

頭部の低い低頭ボルトは、頭の高さが小さいため、クリアランスが限定される箇所やデザイン面でおさまりを追求する箇所、皿もみのできない薄板等の締結に使用されています。スリムナットを併用すると、省スペース性を高めることが可能です。

例えば、装置の扉が上下開閉する構造の場合、扉の内側はねじの頭が出ない方が扉と干渉しないので、低頭ねじが干渉防止に使われます。また、装置の構造上ザグリ穴が深く加工できない箇所にも使われますが、完全にねじ頭を突出させない場合にはザグリ加工が必要です。

機械的な理由、そして外観デザインへの影響を主に考慮して使用されますが、通常のボルトに比べ高価になります。低頭ボルトと似た名称の小頭ボルトは、ボルトの頭の高さではなく径が小さいボルトのことです。これらの低頭と小頭の機能を合わせた低頭小頭ボルトと呼ばれるものも存在します。

低頭ボルトの特徴

ねじ頭を出っ張らせたくない場合、通常は皿頭のねじを使っていました。しかし、部材が必要なため、部材が薄い場合や加工できない場所には使えないのが大きな欠点です。

そこで、頭を低くした低頭のボルトが開発され、低頭ボルトとして、販売されるようになりました。近年では、低頭ボルトには、さまざまなバリエーションがあります。頭部の高さによっては以下のように呼び分けがされています。

  • ローヘッドキャップ
  • 薄バインド
  • 低頭キャップ
  • スリムヘッド

ねじの呼び径は一般的にM2からM10まであり、材質は通常のボルトと同じスチール、ステンレス、チタンアルミニウム、樹脂製などさまざまです。M12以上の大きさであってもメーカーによっては用意しているところもあります。

低頭ボルトのその他情報

1. 低頭ボルトの応用

ボルトの頭の形状も単純に頭部の高さが低いだけのものから、真空装置に最適な「ガス抜き穴つきタイプ」、取りつけや取りはずしに専用工具が必要な「いたずら防止タイプ」まで、さまざまなタイプがあります。

ねじに使用される締め付け穴は一般的な十字穴から、六角穴、ヘクサロビュラまで、一般的なボルトと同じように種類が多いです。また、超低頭ボルトはさらに頭を低くしたもので、頭の高さはM3で0.7mm、M5でも1.2mmほどしかありません。

ザグリ加工の手間がなく、頭を低くでき、見た目もすっきりさせることができます。また、頭部の高さが低いため、頭部を直接挟んで取りはずすことが難しく、盗難防止性にもすぐれています。

2. 低頭ボルトの使用上の注意

様々な利点を持つ低頭ボルトですが、使用時に気をつける必要があります。低頭ボルトは、ねじ頭が短いが故に締め付け穴が短くなっています。短いだけではなく、締め付け穴の大きさも通常のキャップボルトに比べ小さくなってしまいます。

例えば、通常のM5キャップボルトでは4mmの六角レンチが適合しますが、M5低頭ボルトでは1つ小さな3mmの六角レンチが適合します。同一のねじサイズに関わらず使用する六角レンチのサイズが小さくなり、差し込む量も少なくなってしまうため、締め付け時および緩める際にも、うもれてしまう可能性が高いです。

強度も通常のキャップボルトに比べ弱くなるので、強い力がかかる箇所には向いていません。

参考文献
https://www.tsurugacorp.co.jp/dictionary/screw/screw_special_low_head.html
https://www.azumaneji.co.jp/html/products/lowHead.html
https://www.nbk1560.com/resources/specialscrew/article/lowsmallheadscrew-about/?SelectedLanguage=ja-JP

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